26、峨眉山


 59歳で死んだ杜甫が、死ぬ10年前に住んだという四川省は、杜甫とならぶ大詩人李白と、宋の詩人蘇東坡の出身地でもあります。
杜甫と違って李白は若い時代を四川で過ごしました。
峨眉山は青年時代の李白が好んで遊んだ山です。
日本でもよく知られている李白の「峨眉山月歌」


   峨眉山月 半輪の秋
   影は平羌江水に入って流る
   夜、清渓を発して三峡に向う
   君を思えども見えず、渝州(ゆしゅう)に下る




 世界遺産の山、峨眉山は、標高3,099メートル。
中国仏教の四大霊山の一つに数えられている仏教の聖地です。
そして峨眉山の四大奇観とは、足元から日が昇ってくるという「日出」(にっしつ)、午後2時から4時ごろ、自分の影に光背がついているように見えるという「仏光」、たなびく「雲海」、そして下から鬼火が湧くように見えるという「神燈」です。


 峨眉山の麓、岷江に沿って楽山という市があり、市の東の凌雲山は、岷江、青衣江、大渡河の三つが合流する地点に当ります。
上の「峨眉山月歌」に出てくる平羌江というのは青衣江のことです。
この凌雲山の断崖に、世界一の大仏が彫られています。
楽山大仏は唐代の僧、海通が、河を行く船の安全を願って彫ったもので、子から孫へと約90年かけて完成したそうです。




 ご存知「峨眉山」(がびさん)は、黄さん選別の名花ですね。
しぶい紅サラサの色合いと、小さくてかわいい花型の取り合わせが絶妙で人気があります。
今年は別物のように力がついているので、どんな花が見られるか楽しみです。
「凌雲山」(りょううんざん)「青衣江」(せいいこう)は、肥田さんが自分の花につけていました。
平田さんがつけた「凌雲」(りょううん)という紅サラサは花型も色もよく、もう一度見事に咲いたところを見たいですね。

                            (2002/11/14)

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