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2011年4月30日(土)
 もう出かける人は出かけてしまったのか、上りはスイスイ。ゴールデンウィークの東京は空いている。
 自宅から遅いえびねを持ってきて棚に置く。「紫式部」などはまだつぼみだ。残り2鉢になった九華を移動し、昨日入荷した山野草を並べる。毎年連休に入ると人の動きが少なくなるが、昨日まで何人も来ていたのに今日はやはり誰も来ない。えびねの植え替えに手をつけるつもりで来たから丁度いい。店に出さないままの花の無い鉢から植え替えを始める。昨年夏の猛暑で葉が全部茶色になってしまったニオイがあり、もう駄目かと開けてみたら細い新芽が2本出ているのを発見。うれしくてきれいに植え替える。植え替えや株分けするものの他、去年やったばかりのえびねは置き肥を置いて、表面の水苔だけ取り替え、棚や鉢皿もきれいにして並べていく。
 作場の整理も順調に進んで一段落した頃、下町のHiさんが欅鉢を見にやって来た。電話で押えてあった鉢を気に入ってくれた他に、いくつかいいのが見つかった。鉢は出会いなので、いいと思ったときに買わないと次のチャンスが中々来ない。それが分かっているからしっかりとゲット。夕方若いGoさんが寄り、今が盛りのえびねや九華を見ながら、久し振りに顔を合わせたHiさんとおしゃべりしていく。
 いい天気が続いたが明日は雨の予報。行楽には不向きだからかえって遊びに来てくれるかもしれない。


2011年4月29日(金)
 いよいよゴールデンウィークに突入。いい天気に恵まれた。昨日入荷した欅鉢に値札だけつけて帰ったが、お客さんが来る前にリスト作りをしようと早目に家を出た。9時半に店に着いたらもう駐車場には造園のTaさんの車が停まっている。8時半に来て車の中で待っていたという。すぐに2階に並べた鉢を見てもらい、小鉢の変わったものがあった中から好みのものを選んで、「これから田舎に帰るところ」と開店前に引き揚げていった。
 搬入した鉢の分をパソコンに入力したところに、川崎のKiさんと港北のMoさんが一緒に現れる。どちらも鉢好きで、それぞれいくつか選んでいく。注文の九華を荷造り発送。大田区のMaさんも九華を買いにくる。
 夕方中野のEさんがウラシマソウなどの変わり品種や斑入り山草を持ってくる。花がくたびれてきたえびねを少し下げたが、まだほとんどは元気。これから咲くのもあるから連休が終わってもまだえびねが並んでいそうだ。


2011年4月28日(木)
 今週に入ってから夏日の日や強風の日、又突然の雨などと目まぐるしく天気が変わった。今日も日中は半袖でもいいような陽射しだったが、夕方からは黒い雲が出てきた。
 自宅で作っているえびねは開花が遅れているが、早いものが終わってきた後に出せるよう少し持ってきた。このところの高温続きでニオイもジエビネも一緒に咲きそうだ。
 港北のHaさんが寄って鉢を買っていく。毎年えびねを買っていくお客さんが今年も買いに来てくれる。北区のMaさん達、近くのSuさん、埼玉のAさん、練馬のKiさんなどが来て、えびねを持ってきたり買っていったり。
 川崎のIさんが昔の欅鉢をたくさん持って来る。これまでにも何度か放出して皆に喜ばれたが、まだ残っていたのかとびっくり。ウチョウラン、風蘭、セッコク用の小鉢が多いが蘭用、えびね用も少しある。えびねで忙しい時期なので整理するのが大変だが、好きな人は来てしまうだろうから急いでやらなくては。


2011年4月24日(日)
 昨日とは打って変わって気持ちよく晴れ上がった。たっぷりと降った後とあって緑がみずみずしい。表の苔の棚もしっとりとして、一層青みを増してきた。
 午前中横浜のKaさん、埼玉のSiさんがやってくる。Kaさんは今年のはじめに入院、手術という災難にあったが、うまくいって元気回復。前向きの姿勢は変わらず安心した。しばらくおしゃべりをして鉢を選んでいく。Siさんはニオイエビネの花がこなくて寂しいと好みのものを持っていった。
 午後からはえびねのお客さんが来て、「昔からこれが欲しかった」というのが丁度見つかる。仕事が忙しくて中々時間が取れない阿佐ヶ谷のOさんからは度々の電話。「近いうちに時間を見つけて必ず行くから」。えびね一筋の人からは、そわそわする気持ちが伝わってくる。
 いい天気にやりたいことはたくさんあるが、えびね用土を篩って混合し、自家用と売り物用袋詰めを作っておく。後はえびね即売品のページを作ってしまうのが急務。何としてもアップして帰りたい。


2011年4月23日(土)
 木曜日にHPの表紙写真をえびねに変えて帰った。夜確認したら写真の部分がアップされてない。翌日は自分が店に出ないので、こんな時は次に行くまで不具合のまま。恥ずかしい。朝一番の仕事はこれの修正だ。家を出る前はたたきつけるような激しい雨だったが、店に来た頃には小止みになった。その後降ったりやんだりの一日。
 一日一日えびねが咲いてくる。店の中は「魔女の香り」が充満して、一番春を感じる。中野のEさんが、下町のHiさんと来て、えびねの展示品や即売品を追加。何人かえびねのお客さんが来た他、目黒のOさんが一茎九華の売り物を持ってきてくれる。わずかに残っていた蘭を片付けて、入り口脇に九華を並べる。ニオイエビネとは又違った甘い香りが漂う。
 悪天候の割には寒さはそれほどでもなかったが、明日はいい天気になってほしい。


2011年4月21日(木)
 初夏のような日が続いたが今日は又寒くなった。えびね展最盛期には毎年震えるような日があるが、花がもつことを考えると結構なことだ。家庭での用事が増えて家にいる日が続き、店に出る日は頭の切り替えが必要。今までのように毎日来るのが当たり前という方が楽だ。
 朝一番に練馬のKiさんが来る。伊東のニオイエビネ展に展示品を搬入する途中に寄ったもの。今年は行かれないので一足先に覗かせてもらう。
 埼玉のKuさんが展示していた奥地蘭を下げに来る。棚の蓮弁蘭などを車に積み込んだところに中野のEさんがえびねを搬入。続いて富士吉田からUさんもやってきた。残っていた店の奥地蘭も作場に下げ、棚をきれいにしてからえびねを並べる。値札や管理用のラベルを付け終わると、道路側の棚もすべてえびねに変わった。早速川崎のKさんらが予約していたえびねを目当てに来て色々選んでいく。多摩市のIさん、駒場のWaさんも来てえびね展らしいにぎわいに。
 夕方皆が帰ってからパソコンでのリスト作り。遅れていたえびねが開きだしたので撮影もする。白石の出る日が減ったので、HPの更新も「今日は忙しかったからまあいいか」というわけにはいかず、店に来る日はすることが山ほどある。昨日は初めて北澤さんにやってもらって、様子がわからず戸惑ったこともあったようだが、何とか無事に終了した。明日は又北澤さんに出てもらうので、売り物で分からないことが無いようにしておく。値段も全部つけたし、明日は来ていただいても大丈夫。日頃「自分が分かっているから明日でいいや」ということが色々あるが、他の人と連携して仕事をするにはそういうわけにはいかず、ついつい帰りが遅くなってしまう。


2011年4月17日(日)
 昨日と較べ10度も気温が下がって店内の扇風機を止める。えびねのお客さんからは電話がかかったり、見に来てくれたりと、相変わらず関心が高い。そろそろ本腰を入れて並べなくてはと、つぼみの株を掃除して店内に並べる。今年はヤッコに出て輪数が少ないものが多く、本芸とは言い難い展示会になりそうだ。お客さんの話でも「太い冬至芽なのに花が入ってない」とか「輪数が少ない」とか嘆きの声が聞こえてくる。「自分だけではない」と納得するしかないようだ。昨日の暖かさで春蘭は急に花が終わり、切って植え替え、作場に仕舞う。
 午後川崎のKiさんがえびねの展示品を持ってくる。えびねは大きいからたちまち正面の棚は一杯になった。日に日に色づいてきて、休み明けの水曜日には開いているかもしれない。
 木曜日に店の半分を占めている奥地蘭を下げる。同時にえびねの搬入があるから、21日からが本当のえびね展になるはず。そういえば昔はえびね展が、曜日に関係なく4月21日から5月5日までと決まっていた。平均的なえびねの開花日ということらしい。その後人気のニオイ・コオズが中心になり、フレームで作っているのが並ぶようになって、4月半ばから展示会をするようになった。今年は本来の姿に戻ったということだが、当時はサツマ・ヒゼンなどが全盛だったから、ニオイでもこれからというのはやはり今年は遅いということだろう。
 今週は月・火が定休日で水曜日から日曜日まで連続で営業する。5月5日まではその態勢。但し、4月20日(水)22日(金)27日(水)の3回は川崎のKiさんこと北澤氏に担当してもらう。どの種類の蘭にも詳しいし、即売品は販売できるが、店内に無いものなどは、都合がつくなら白石のいる日に来ていただけるとありがたいです。


2011年4月16日(土)
 日中は夏日になって拓也さんは半袖Tシャツだ。久し振りの厚木のTaさんは、「上着を着て出たけど、あまりに暑くて脱ぎに戻った」ほど。しばらくおしゃべりをした後、突き上げるような揺れがドンときた。結構大きな地震だったが被害は特になし。
 群馬のAさんが、「東京で集まりがあった」と久し振りに寄っていく。足立のSuさんは「2年間入院していたら、作っていたえびねも蘭もすべて枯れた」そうで、退院して落ち着いたと買いなおすことになった。毎年えびね展には待ってましたと来てくれるお客さんや、川崎からの男女など、えびね目当ての人が出かけてきてくれたが、申し訳ないことに咲いているのはわずか。まだ作場から出せないほど固いつぼみがほとんどで、早いものでも、つぼみが花間をとって色づいてきた程度だ。「花付が入ったら連絡する」ことにして、予約だけ受け付けておく。
 今日からえびね展ということになっているが、1週間は遅れるだろう。今年はゴールデンウィークにまでずれ込みそうだ。毎年母の日にえびねを贈りたいという人がいて、しゃんとした花を探すのに苦労するが、今年は案外OKかもしれない。
 えびねの準備を後回しにして、春蘭を作場に仕舞う作業に追われる。フレームの棚そのものの収め方を変えるため、一旦すべての蘭を下ろし、端から詰めていく。地震対策とたくさん置けることとのバランスで、今度はある程度良くなっただろうと思うが、まだ大きな地震が来るという人がいるらしいから、そうなったらお手上げだ。
 4月になっても春蘭や奥地蘭の入荷があったし、えびねの棚を見るとまだまだという風だったし、地震の後始末や今後の対策という飛び入りの作業があったし、その上営業日を減らすという問題があり、えびね展の案内状も出してない。今年は特別ということでご勘弁願いたい。今のところ皆さん実によくHPをチェックしてくれて、それに合わせて来てくれるのでありがたい。
 蘭花村鉢の問い合わせがあり、梱包する。HPに特に出してないが今でも取り扱っている。但し釉薬は新しくなっていて、ラインナップは変わっている。その他信楽の鉢や全く新しい鉢も入っていて、HPに載せたいと思っているが、作業が追いつかない。えびねが一段落したら載せるつもりだ。


2011年4月14日(木)
 気温が高い日が続いて、あっという間に東京は花吹雪になった。日課のように緊急地震速報のいやな音が流れて落ち着かない。久し振りに店に出たら、温室の中の杭州が1鉢倒れ、3鉢ほどは傾いて寄りかかっていた。ものすごい強風の日があったが、中だから多分地震のせいだろう。一応対策をしておいたおかげで大事にならずにすんだ。
 埼玉のAさんが寄って、前から気にしていた鉢を購入する。いい感じの鉢だが惜しいことにひびが入っていて、修理を頼まれた。早速前にやってもらったところに電話したら、今やってないという返事。困った。他を探さなくては。Aさんは神代植物園のえびね展初日に見に行ったら、「皆さん温度をかけて咲かせていた」そうだ。
 強風や高温で鉢はカラカラだが、カンカン照りで水遣りは夕方からになる。その前にこぼれた砂を掃除機で吸い取り、休み中に調達したグッズを利用してフレームの棚を並べ替える。注文の蘭を梱包して発送。
 水遣りを始めたら練馬のKiさんが久し振りにやって来た。「やっと来られました」。去年の夏の猛暑で、えびねもウチョウランも他の野生蘭も生育がイマイチだとか。ここでも同じような感触。「陶磁器の修理をするところを知らない?」と聞いたら、「知ってる」というので連絡を取ってもらう。いいタイミングだった。日が傾いてから全面的に水遣り。


2011年4月10日(日)
 どの道を通っても桜が豪華に咲いていて絶好のお花見日和。ソメイヨシノが今満開というのは例年よりちょっと遅い感じだ。暑くも寒くもなく丁度いいし、朝早すぎるくらいに支度は終わってしまうし、時間まで家でぐずぐずしているよりは店に来てたまった仕事をしようと家を出る。ガソリン不足が解消してからは車通勤に戻っていて、空いている日曜日、9時半には着いてしまった。
 注文の蘭を荷造り発送。この間まで枯れたようだった山草棚の鉢には、新芽が顔を出していて急に生気が戻ったようだ。花が着いているのを手前に並べたり、落ち葉を掃除したりの楽しいひととき。春蘭のフレームで鉢を並べ替え、地震対策と同時に鉢数を少しでも余計に置けるようにする。運搬の時に鉢に被せるネットをかけたままにしておくと、傾いても砂がこぼれにくいし、最低限ラベルが飛ぶのを防げるかと、並べながら一部ネットを被せていく。これはこれで手間がかかるから時間があるときにやっていこう。えびねのお客さんが来始めて、丁度あった欲しかったものを買っていく。
 夕方若いGoさんが寄って「木曜日の地震は大丈夫でしたか?」。本震の後始末を手伝ってもらったが、それなりの対策をしたから今回は被害ゼロ。そんな話をしていたら表でドンという大きな音。やっぱり車と自転車の衝突だった。交番のおまわりさんが来て、救急車が来て、やがて現場検証。すべて終わるには大分時間がかかって、痛い目にあった人も車の運転手もどちらも大変だ。気をつけましょう。


2011年4月9日(土)
 午前中小雨がぱらつくどんよりとした一日。週末のお花見には残念だが、植物にとってお湿りになるほどでもない。昨日は強風が吹きまくったが、今日も風は強く、外にも水遣りは必要。拓也さんがいるので開けにくい作場の窓を開けてもらったり、ビニールを外してダイオネットに替えてもらったりと、冬作をお仕舞いにして徐々に春の作場に切り替える。
 世田谷のTaさんなど何人かが並んだえびねを見にくる。目黒のOさんが展示してあった中国蘭を引き取りに来て、新たに開いた「秦梅」を持って来てくれる。えびねも遅れているから後にずれ込むだけだが、春蘭が中々終わりにならない。川崎のKiさん、大田区のMaさんも来て鉢や用土が出る。


2011年4月7日(木)
 春うららの火曜日、統一地方選挙の不在者投票に出かけた。この間のガソリン不足の折に自転車を衝動買いしたものだから、あまりのぽかぽか陽気に誘われて自転車で行こうと思い立った。昔は乗れたのだがずい分長い間乗ったことがなく、家の周りを2〜3日練習してみただけ。初めて車の通る道に出たのだから、教習所内から路上仮免許といったところだ。無事投票を済ませて市役所の自転車置場から出てまもなく、狭い場所でバランスを崩して倒れてしまった。ひどく足をぶつけたが、そのまま家まで帰ってみると、靴下が真っ赤に染まって脛に深い切り傷が出来ている。絆創膏では済みそうもないと外科へ行ったら2針縫うという大げさなことになって、ガソリン代より高くついてしまった。やはり車で行けばよかった。
 暖かい日が続いて東京の桜がようやく満開になった。入り口を開けておいても寒くなくて、このままでいけば今まで冬仕様だった作場も、ビニールの囲いをネットに替える作業をしなければならない。季節の変わり目は気温の変化が大きくて、まだまだ震えるような日もあるから対応が難しい。簡単に開けられるジャロジーを開けたが、大変な作業を伴う場所の開け閉めはどうしようかと迷う。風が強かった日もあって鉢がどれも乾いているので、全面的に水遣り。
 久し振りに横浜のHiさんが来て、地震の後の作場を見て行く。埼玉のAさん、国分寺のUさんも寄り、駒場のWaさんがウォーキングでやってくる。毎日せっせと歩いて記録をつけているそうで、駒場の自宅から店まで往復とも歩き。意志が固い。売約の蘭の支払いを済ませたが「もう少し置いといて」。持ち帰るには色々な都合があるらしい。
 夕方埼玉のSiさんが寄る。丁度大震災の朝店に来て中国春蘭を買い、職場に置いておいたら、地震で本棚が倒れて買ったばかりの蘭が被災してしまったとか。蘭は植え替えれば済むがラベルが無くなってしまったというので新しく書いて進呈する。やはり当日は帰れず職場に泊まったそうで、それぞれ大変な思いをしているようだ。
 明日も気温は高そうだが曇り勝ちの予報。休みが多くなっているので天気が気になる。


2011年4月3日(日)
 昨日より一気に10℃気温が下がって2月並みの陽気になった。どんよりとして寒い。朝一番に下町のHiさんが来て蘭や鉢を買う。やがて中野のEさんも到着。温度を入れていたえびねハウスの早いのが咲き始めたといって10鉢ほど持ってきた。道路側の奥地蘭コーナーは今を盛りと咲いているが、入り口正面の中国春蘭一花の方はさすがにくたびれてきたのがあり、こちらを片付けて場所を作る。棚にえびねを飾ると一気に春になった。
 下ろした中国春蘭を作場に仕舞う仕事は簡単ではない。元々あった場所に戻せばいいはずだが、地震騒ぎですっかり位置が変わってしまい、スペースを超節約して置いていたのを変えたので入りきれるかどうか。じっくり作場をやり直さなくてはいけないだろう。
 山草のお客さんや女性客が来た後、埼玉のKuさんが頼んであった蘭を持ってきてくれた。新たに咲いてきた奥地蘭を追加。世田谷のHaさんが展示していたピアナンを下げにくる。4月になってもこんなに春蘭が続いているのは珍しい。
 注文の蘭を荷造り発送し、株分けなど夕方まで目一杯の忙しさ。ただでさえ展示の変わり目は作業が山ほどあるのに、地震の後片付けが加わった上に来る日が減ったので、やり残しを出さないようにするには帰りが遅くなるしかない。今日も2回ほど地震があり、その度にドキドキ。震源地に近い地方はたまらないだろう。


2011年4月2日(土)
 いよいよ新年度入り。このところの暖かさでえびねの新芽が大分動いてきているが、まだ蕾が覗いているのはない。冬至芽が表面の水苔を持ち上げているのは、繊維に引っかかって曲がったりすることがあり、早目に手で頭を出してやる必要がある。一昨日書いた温室のサッシレールにこぼれた砂は、拓也さんが棚下にもぐり、掃除機で吸い取ってくれた。もう少し暖かくなったら開けなくてはならない。
 朝一番に愛知のTuさんが見える。午後からの会議に出る前に寄ってくれたもの。「大分被害があったようですけど、すっかりきれいになってますね」。東日本大震災の時は愛知でもかなり揺れたそうだ。長野からはSaさん。展示してあった蘭を下げ、蓮弁蘭を株分けしていく。荒川のSuさんは用土を買いに。苔を買っていく人もいて春を感じさせる。
 昼頃埼玉のKuさんが奥地蘭の追加の売り物を持って来る。狛江のTaさんは売約の蘭を買いにくる。地震の時はやはり鉢が倒れて、植え込みに何日もかかったらしい。大分経ってから奥の方に墜落したまま気がつかなかったのが見つかって、「こちらと同じ状態でした」。夕方昔よく来ていた世田谷のWaさんが、何年振りかで姿を見せる。
 この間一つの温室を蘭掛けで倒れ止めにしたが、店の前のフレームはそのまま棚に置いただけ。「こちらもやっておいた方がいいですよね」と拓也さんが工夫して並べ替えていた。忙しくて見ている時間が無かったが、今店内に出しているのが戻ってくることを計算に入れているかどうか。元々置き場所はピッタリで余地などなかったのだから、春蘭を片付ける時に又やり直すことになるかもしれない。作場が広くて余裕があれば問題は起こらないのだが。
 皆が帰った後グラグラッと来てかなりの揺れ。震源は茨城で東京は震度3だった。余震が続いているというが、東京でここまで揺れたのは大震災以来初めて。対策をした直後でよかった。まだまだ落ち着かないので高価な鉢は又箱にしまっておく。


2011年3月31日(木)
 まだ3月中なので今日は休みなのだが、仕事がたまっているので出てきた。気になっていた温室の整理を本格的にやってしまいたい。今週に入ってからすっきりと晴れて、コートが要らないほど暖かい。
 先ず4月からの営業日のお知らせを作り、入り口に貼ってから大きい温室の片付け。棚下にこぼれた土の山があちこちにあり、もぐって掃除してたら、奥の方にまだ墜落したままの株がいくつも見つかった。地震は3月11日だから、あれ以来ずっとひっくり返ったままだったのだ。むき出しの根にも水遣りの時には水がかかっただろうが、やはりすっかり乾いてしまっている。しばらく水に漬けてから水苔で植え込む。当然札落ち。落ちていたラベルを回収し、札落ちのグループのものとして一括保管。花が咲いたらラベルと照らし合わせることになるが、何年かかることか。
 棚の上にもところどころ砂がこぼれているのが気になって、鉢を動かして掃除する。鉢を手に取ったり、奥まで並べ替えてみると、どこにどの品種があるか確認できるし、ついでに植え直しもして棚の上は一応片付いた。だが、温室のサッシのレールにはこぼれた砂がたまっていて窓を開けられない。ここを掃除するのは実に厄介で、到底白石一人でできることではないから、手前の方から箒で届くところだけにしておく。ここをどうやってきれいにするかが課題だ。
 土曜日には遅れに遅れているウチョウランに取り掛かろう。ずい分回り道をしてしまった。えびね展の案内状もあるし、営業日を減らすのはそんなに楽じゃない。


2011年3月27日(日)
 お彼岸も過ぎたというのに「寒いですね」が挨拶。被災地の映像で雪が降っているのを見ると痛々しい。
 この間鉢がドミノ倒しになった温室内の棚は取り合えず元に戻したが、又同じことにならないよう拓也さんに頼んで、昨日棚の端に蘭掛けを並べてストッパーにしてもらった。これまでは蘭掛けを使うとたくさんの鉢を置けないので、隙間無く並べるため高さを変えて鉢を組み合わせて置いていた。今度は倒れても最低限寄りかかるくらいで止まるようにするのが狙い。お任せで作業してもらったので今日確認すると、置く場所がすっかり変わっていて探すのが大変になった。一鉢づつ良く見ると砂がこぼれて足さなくてはならない鉢がまだいくつかあり、この間突貫工事で植え込んだのをやり直したいものもある。見てしまうと放っておけず、植えなおしたり砂を足したり、不安定な置き方のを直したりの作業を始めてしまった。しかしこれに手をつけると切りがない。来週末に心ゆくまですることにして、昨日入荷した奥地蘭の撮影を済ませる。
 朝世田谷のHaさん、昔ここでえびねを買ったというお客さん、午後から駒場のWaさん、中野のEさん、練馬のIさんなどが来る。電話も色々とかかってきて、何となくせわしない一日だった。
 3月中は土日だけということで次の営業日はもう4月。桜の便りが聞こえてもおかしくないのだが。


2011年3月26日(土)
 冷たい風が強く吹いて冬の気温に逆戻り。平日は休みにしていたから久し振りに出てきた気がする。その間にガソリンはほぼ希望通りに入れられるようにはなってきた。東北がまだガソリンが無いといっているのに、都会だけ一足先に回復したのでは申し訳ない気がする。便乗値上げも多少はあるのかずい分高いところもあるようだし、なるべく使わないようにと車にはできるだけ乗らない。昨日免許更新に行ったら、運転試験場も計画停電の時には停電して休みになったと聞いて驚いた。昨日は幸いOKだったが折角行っても閉まっているときもあったらしい。そんなことにならないよう節電に努めることは今後も必要だろうし、皆ずい分それに慣れてきた。
 まず干してあった混合砂を売り物用に袋詰め。下町のHiさんが久し振りに顔を見せる。この間の地震で蘭の方にも大分被害があった一人だ。一緒にお昼を食べに出て帰ったら、埼玉のKuさんが奥地蘭をたくさん持ってきていた。自分のところで栽培して咲いた花ばかり。展示会はすっかり終わった時期だが、今年は寒いせいか普通に栽培していれば今が見頃だ。蓮弁蘭と朶々香で11鉢。明日写真を撮るつもり。
 目黒のYoさんが寒い中、川崎のKiさんは品川のNaさんと一緒に置いてあった春蘭を下げに来る。今はもう顔を合わせると地震の話ばかり。大切な鉢がいくつも落ちて割れてしまったKuさん。Hiさんは集めていた欅鉢に皆桐箱を作っておいて良かった。Kiさん、Naさんは高いところに飾ってあった高価な鉢が対策で全く無事だったという話。その対策とは棚板の上に棒状のものを何本も立て、下から釘で打ちつける。鉢を底穴からその棒に挿し、紙を棒の周りに詰める。いい鉢は包んでしまっておくのではなく飾って眺めたいが細長い蘭鉢は不安定。二人ともその方法でびくともしなかったそうだ。何事も事前の対策が重要ということだろう。わかっちゃいるけど・・・・。
 皆が帰ってから拓也さんと、地震でずれてしまった2階の棚を元へ戻す。たくさんの鉢が割れてしまって数が少なくなっているので全部どけるのは簡単。二度とあって欲しくない。棚下を開けて見ると、まだ鉢の破片が見つかった。入荷した信楽鉢を早速並べる。
 遅くなって練馬のIさんが来て中国春蘭を買っていく。明日は一段と冷え込むらしい。


2011年3月21日(月)
 夜中から雨になった。春雨というには冷たすぎるが、やはり真冬のそれではなくどこかしっとり。売り物用の混合砂が残り少なくなったので、午前中の小止みを見計らって砂を篩って混ぜる。洗っても干すことは出来ないが、今度晴れたときにすぐ干せるよう洗って水を切っておく。
 目黒のOさんが売約の蘭を買いにきて、見事に咲いている展示品を持ってきてくれた。「吉字」、「大翠」(中国春蘭交配種)、蓮弁蘭「大白荷」。週末の土曜日まで休みなのがもったいないが、写真を撮って飾らせてもらう。
 今日隣のスタンドが給油していた。行列もできてなくて普段通りの光景だ。神奈川の我が家の方は、一車線が並んでいる車で塞がれてしまうほどの行列だったから、改善されたのか地域によるものかわからない。昨日帰りに買い物をしてもスーパーはずい分早くに閉まってしまうし、自動販売機も駅やコンビニの中も明るさを落としているし、皆電気を消しているから街がやけに暗い。「こんなに暗かったっけ」という感じで、夜でも煌々と明るいことに馴れてしまっていたことを痛感する。
 「東北関東大震災による営業日変更のお知らせ」を更新したが、3月中は26日(土)、27日(日)のみ、4月からは今までと変わりますのでご注意ください。


2011年3月20日(日)
 昨日から妙に暖かい。入り口が開いていても寒くなくて動きやすい。被災地の避難所にいる人達にとっても助かることだろう。
 朝一番に近くのHaさん夫妻が展示しているピアナン蘭を見にくる。そろそろ花が終わった頃かと思ったようだが、ずっと寒かったせいかまだ見頃が続いていてもう少し置いていくことにした。昨日入荷した奥地蘭の撮影をする。
 午後練馬のIさんは中国春蘭が咲き揃ったのを見に。世田谷のIさんは、この間目をつけていた笹目石を山草展の飾り台にと買いにくる。阿佐ヶ谷のUさんが搬入の蘭を目当てに来て、株分けして持っていく。駒場のWaさんも来て本を。造園のIさんは混合砂を買いに。茨城で大変だったに違いないKoさんからも電話。皆顔を合わせると「どうでした?何か倒れませんでした?」「どこにいました?」と地震の話になる。ほとんど被害がなかった人が多いが、いくつも鉢が倒れて全部植え替える羽目になった人は他にもいて、「もー大変」。
 隣のスタンドは今日はもう閉まっている。昨日帰りがけに聞いたら「たまたま昨日ガソリンが入ったからで、まだ安定的に入荷するわけではない」そうだ。この暖かさで停電が回避されたのは良かった。
 原発は危ういところで踏ん張っているようだ。命がけで戦っている人達の能力と意識の高さに期待して祈るしかない。自分達も節電をはじめ我慢できるところは我慢しよう。


2011年3月19日(土)
 2日間臨時休業をして今日は朝から電車で来る。80%の運行で各駅停車のみだったが、サラリーマンがいないので空いている。平日はどうしても必要な人が乗るし、計画停電もあって運休の恐れもあるので、もう少し生活全般が落ち着くまで土・日・祭日のみの営業にさせていただく。自宅でも朝日とともに起き、夜はなるべく早く寝るよう心がけているが、少しでも節電に協力という意味合いもある。
 11日の大地震以来蘭の手当てが優先で、店内は見えるところだけ砂を片付けたが、棚下や隅の方、飾り台の下などまだ砂がころがっている。棚も白く汚れが目立つままなので、今日は店内の徹底掃除。
 混合砂を干してあったのを片付け、店内の蘭に水を遣り、こぼれた砂を掃除して雑巾で拭く。水をやった蘭を並べ、一時箱にしまってあった鉢も並べ、一応元の状態に戻った。まだ時折余震らしきものがあって不安はあるが、切りがないので元の形に戻した。
 作業途中目黒のOさんが蘭を引き取りにきて売約の蘭を買っていく。久し振りに日本に戻った上海のZさんが、日本の家で作っていた蘭を持って来る。2〜3年日本で作してあがった花なので、これから花が変わってしまう心配は少ないだろう。温度をかけずベランダで作っていたので今が見頃。明日写真を撮って載せよう。品種は春剣蘭梅弁「鳳凰梅」、蓮弁蘭「小翠荷」、「雲上童子」、蓮弁蘭白花荷素、豆弁赤花が2種の6品種。
 隣のガソリンスタンドが何日か振りに朝から給油している。246に車がずらりと並んでいたが夕方まで営業していた。少しづつ事態は改善されてきたのだろうか。昨日歩いていたら信号が消えていた。計画停電の地域だったのだろう。警察官もいないし危険極まりない。一日も早く平常に戻って欲しいものだ。


2011年3月16日(水)
 2日間の定休日の間、テレビをつけっぱなしで大震災と原発事故の報道にかじりつく。東北関東大震災という名前がついて、想像を絶する被害になった。時間を追う毎に死者の数が増え、阪神淡路大震災を上回る大災害。日本が持ちこたえられるのか不安になる。映画のCGが現実なのだから恐ろしい。昨日あたりから被災地の近くでもようやく電話連絡がつくようになってきた。避難所での生活は誠に気の毒で、こちらの不便さなど何でもない。
 ガソリンが全く入れられないので、いざというときのために今ある分を使わないよう心がける。電車で店に来たが、動かなくなったら歩くつもりでリュックにスニーカーというスタイル。他にもそういう人がたくさんいて皆歩く覚悟のようだ。企業も休業して自宅待機のところが多いらしいし、学校が休みになっているのか意外と空いていたが、拓也さんに聞くと月曜日の電車は「死ぬかと思った」ほどの混みようだったそうだ。
 鉢がいくつか壊れてしまった村長にお詫びの電話。夕べ静岡で大きな地震があったが「何ともなかった」とか。海の近くの小柴さんにも電話。異常なし。蘭を預かっている目黒のOさんにも電話を入れる。
 千葉のYさんが展示してあった蘭を引き揚げにくる。まだ見頃の展示品や売り物もすべて下げてもらったが、新たに蘭鉢を持ってきた。手作りの使いやすい鉢で中々いいと思うのだが、しばらく臨時休業するのですぐにご披露できない。そのうち落ち着いたら見ていただきたい。
 注文の蘭を荷造り発送。取りにきたヤマト運輸は東北地方への荷物を今は受け付けてないそうだ。西の方面だったので配達はされるが遅れているとか。ガソリンが無いのが打撃だ。造園のTaさん、港北のHaさん、長野のYoさんからも電話。久し振りにHPを更新し、これから「臨時休業」の貼紙をして土曜日に又出てきます。今晩から冷え込むそうで、東北の被災地では氷点下で雪が舞っている。厳しい。


2011年3月13日(日)
 朝早くきてすぐに混合砂を作る。作ったばかりだったが、大量の植え替えでほとんど無くなった。いい天気なので洗って干しておき、売り物用の袋詰めを開けて使う。港北のMoさんが売約の蘭を買いにくる。
 今日も拓也さんと浩司さんと三人で手分けして植え込み。杭州寒蘭の棚は展示会が終わった後、全部植え替えて奥からきれいに詰めたばかりだ。結局もう一度その作業をすることになってしまった。
 夕方までに取り合えず全部の鉢を植え込み、棚に並べて水を遣る。札落ちが大分出てしまったが仕方がない。どこに何があるかも把握できなくなってしまったが、助けるのが先決。後は余裕のあるときにやっていこう。遅くなってから練馬のIさんが来て蘭を買っていく。
 今回は大変な状況になったが、掃除や植え替えを手伝ってくれたり、買い物に行ってくれたり、食べ物を差し入れてくれたり、周りの人達が力を貸してくれた。心配して電話をくれた人もたくさんいて、みんなの力で何とか乗り切った。


2011年3月12日(土)
 朝コンビニに行ったらお弁当もパンも無かった。昨日の差入れのおにぎりを食べて7時から一人で作業開始。端から砂を足したり植え替えをして作場に並べていく。昨日小さな温室の棚を掃除しておいてくれたので助かった。そのうち弟の浩司さんが来て、出先から帰れなかった拓也さんもやっと帰ってきた。皆歩いて歩いてたどり着いたのだった。疲れているところをすぐに作業に加わり、別の温室や作棚のこぼれた砂を掃除してもらう。
 こんな状況でも「東京香蘭会」の展示会は決行するそうで、出品者が少ないからと、Kiさん、Suさんが展示してあった蘭を取りにくる。どれも被害がなく花も傷んでなかったから良かった。色々な人から地震見舞いの電話をいただく。昨日はほとんど通じなかった電話も今日は回復した。
 夕べは寝てないし、一段落したところで定時に閉めて家に帰る。帰りにガソリンを入れたら行列。我が家は蘭も全く無事だった。


2011年3月11日(金)
 午前中埼玉のSiさんが来て中国春蘭を買っていく。昼から埼玉のAさん、埼玉のKuさんが相次いでやってくる。Aさんが車で帰った途端大きな揺れ。しかも長い。Kuさんと二人で外へ避難する。目の前の高速3号線では何か大きな音がした。今までに体験したことがない大きな地震だ。回りの人達も外へ飛び出している。少しして再び大きな揺れ。
 落ち着いたところで店に入って驚いた。棚に並べてあった蘭が倒れたり落ちてひっくり返っている。辺りには砂が散乱。焼き物の鉢はあちこちで割れている。温室を見にいくと、ドミノ倒しにプラ鉢が倒れてラベルが飛んでいる。墜落して根がすっかり飛び出しているのもある。ラベルが無くなってしまわないように1鉢づつ注意して起こさないといけないのでこちらは後回し。
 Kuさんは新たに蘭を持ってきていたのだが、この惨状を見て「持って帰った方がいいね」と置いてあった蘭もすべて下げてくれた。一度帰ったAさんも角を曲がったところで戻ってきて「わー大変だ」。Kuさんは「家に帰るのが怖いなあ」と早々に引き揚げていく。電話は直ちにつながらなくなった。
 2階はどうかと上がってみると、小柴鉢が半分以上落ちて壊れている。どこから手をつけていいかわからないが、1階の蘭をまず起こし、ラベルと株を鉢の中に入れていく。お客様の展示品は1鉢だけ楽鉢が割れたが、ほとんど倒れることもなかったのは幸いだった。黄さんの中国古鉢や欅窯の鉢も無事だった。
 すぐに電車が止まったらしく、246の歩道は歩く人がどんどん増える。車は全く動かなくなった。すぐには帰れないことを覚悟してコンビににお弁当を買いに行く。拓也さんの弟の啓介さんが都心から歩いて帰ってきて、作業を手伝ってくれる。亡くなった鈴木さんの弟さんも手伝いにきてくれ、やはり新宿から歩いて帰った若いGoさんも温室の棚掃除を手伝ってくれる。
 店内の砂や鉢のかけらを掃除し、砂がこぼれたのを足し、むき出しのを植え終わったら夜になった。下町のHiさんから「どうしました?」と電話がある。明日は温室の蘭をすべて植えなくてはいけない。取り合えず鉢を起こして水だけやり、店でテレビをつけて夜を過ごした。あちこちに電話をかけるので携帯のバッテリーが残り少ない。


2011年3月10日(木)
 首都高速3号線が事故渋滞という情報で、下の246も混むだろうとかなり早目に家を出た。やはり随所で詰まっていて今日も2時間ペース。それでも10時過ぎには到着した。
 どんよりとして風が冷たい。店内の蘭に水を遣り、用紙の印刷や発送、ウチョウランの植え替えなどの作業で一日が終わる。松村万字が開き、ほとんどの中国春蘭が咲いてきた。


2011年3月9日(水)
 月曜日の雪には驚いた。朝のうちはかなりの降りだったので積もるかと思ったが、次第に雨になって助かった。定休日に必ず入れるガソリンの方もその高さに驚いた。
 午後目黒のOさんが春蘭をいくつか持ってきてくれる。日曜日に入った二つの鉢は、朝開いたメールで一つが、もう一つはOさんが持っていって終わりになった。滞在時間はずい分短かった。その後川崎のKiさん、近くのSuさんが来て、若いGoさんが仕事帰りに寄る。Goさんには苦労しているパソコンの作業を手伝ってもらう。
 パソコンの前をGoさんに譲ってウチョウランの植え替えを始める。最初に手がけたコンテナのは出来が悪くて消えてしまった鉢がいくつもあり、今年は駄目かと思ったが、今日やったコンテナのはかなりいい出来。よかった!。現金なもので、これで弾みがついて進むようになるだろう。例年今頃植え替えるともう芽が顔を出しているが、今日やったところではまだ動いてないようだ。いつまでも寒いからだろうか。それにしても待ったなしの状態だから、エンジンをかけてがんばらなくっちゃ。


2011年3月6日(日)
 15℃になるという予報だったが、期待したほどいい天気にはならなかった。朝のうち晴れていたのが次第に曇ってきて、それほど暖かくは感じない。店を開けないうちに鉢の用事の人、続いて品川のNaさん。合間に注文の蘭を荷造り発送。作っておいた混合砂を洗って干す。
 午後から奥地の蘭展の撤収から帰った長野のSaさん、世田谷のHaさん夫妻、久し振りの大阪のOさん、駒場のWaさん、近くのSuさん、目黒のSiさん、パソコンの仕事を頼んだ若いGoさん、夕方になってこちらも久し振りの浜ちゃんらが来る。大阪のOさんはいつものように2階の書籍コーナーで何冊か探し出す。浜ちゃんは使わなくなった鉢が見つかったと持ってきてくれた。欅窯の飛び青磁蘭鉢で、10年〜14年前位に最初に飛び青磁を焼いたときの鉢。実際に植えて使っていたものだったが、洗剤で洗ったらすっかりきれいになった。他にもう一つ欅ではないが白い鉢がある。これは奥地蘭にピッタリ。どちらも丁寧に洗って鉢の棚に加える。
 春が近づくと栽培面でもすることがたくさんあって、カレンダーとにらめっこしながら焦るばかりだ。


2011年3月5日(土)
 寒いが昨日に較べると大分まし。開店直後に世田谷のHaさんが来てイトラン「白楽天」を株分けする。イトランは後になって花弁が下がるのが多いが、この品種は形が崩れず花付もよく人気がある。長野のSaさんが来て奥地の蘭展へと出かけて行った後、埼玉のSaさんも小柴鉢を買いにきて奥地の蘭展へ。
 午後目黒のOさん、夕方になって奥地の蘭展帰りの練馬のIさん、佐倉のNaさん、若いGoさんなどが来て、蘭を株分けしたり、鉢を持っていったり。拓也さんには消毒をしてもらう。
 明日は気温がぐーんと上がって春らしい陽気になるようだ。混合砂を作っておいたから明日の天気に期待して水洗いするつもり。


2011年3月4日(金)
 昨日はHPの更新等で遅くなり、夜お雛様を仕舞ってサイトをチェックしたら、全く更新されてないのに驚いた。せっかく作業をしたのにアップするのを忘れて帰ってしまったのだ。おまけにパソコンもつけたまま。
 今日も道路はかなり渋滞していて、時間内には着いたがいつもよりは遅くなる。走りながら見るガソリンスタンドの表示では急激に価格が上がっていてびっくり。毎日走っていると休みの度に入れることになるが、次は覚悟をしなくてはいけない。
 久し振りの陽光は春らしいが昨日以上の寒さで、強い北風にゴミが飛んでくる。これらを拾い集めて最高最低温度を測ると、天窓もサイドも閉め切って帰ったガラスフレームの最低温度が0℃。外の風が当たるところではマイナスになったことだろう。春一番が吹いた後でこの冷え込みはきつい。
 寒風の中を近くのSuさん、二子玉川のMaさん、港北のMoさんなどが寄る。昨日撮影して帰った奥地蘭の残りをHPにアップ。寒くて終日パソコンの前で過ごした。


2011年3月3日(木)
 北風が強く真冬並みの冷え込み。朝家を出るとすぐに渋滞が始まった。246の荏田交差点まで来ると、下り車線で車が何台も絡む事故をやっている。「あーこれだな」。そこを基点に下りは延々と渋滞の列。逆に上りは流れ出していつもより少し遅いくらいで到着した。
 店を開けてお弁当を買いに行って戻ると、千葉のYさんが来ていた。展示品を新しく持ってきてこれまでのと一部入れ替え。本の写真でばかり見ていた品種を実際に飾ってくれるのはありがたい。その後お昼まで話し込んでしまった。
 午後から新着奥地蘭の写真をHPに載せる作業にかかる。前回の分はすでに撮ってあって、そこまでは写真が出るようにリンクを貼った。昨日入荷した分はリスト作りから始まり、途中まで撮影したところに造園のTaさんが来る。やがて大船の展示会に行ってきた川崎のKiさん、品川のNaさん、近くのSuさんが揃って到着。にぎやかに展示品を見て帰った後に、富士吉田のUさんが現れた。続いて若いGoさんも顔を見せ、「久し振り」と若い二人の話が続く。こちらは撮影とHPの作業をしながら話に加わり、何とか写真だけは出来上がった。明日は出来るだけアップしたい。急ぎの作業が色々あって中々植え替えに取り掛かれない。


2011年3月2日(水)
 月曜日は一時あられが降ったりして驚いた。止み間もあったが休みの二日間ともかなりの雨。たっぷりのお湿りの後で今日は晴れるはずだったが、曇りがちで寒い一日。
 鉢や蘭の発送がいくつかあって荷造りをしていると、久し振りの町田のTaさんが来る。女性客が鉢を買いに来る。中野のEさんも来て、埼玉のAさんが展示品を持って来る。荷造りに時間がかかったが何とか発送できた。埼玉のKuさんが新しく蓮弁蘭や豆弁蘭を持ってきて追加。近くのSuさんも寄っていく。遅くなって藤沢のFuさんが売約の蘭を買いに来る。ウチョウランの植え替えが急務だが、春蘭の本番がこれからで、毎日「出来なかった」と焦るのがこの時期毎年のことだ。
 北風が冷たくて寒さに震えたが、明日はもっと寒くなるらしい。天窓を開けたり閉めたり、気候の変わり目は対応を誤ると大変。毎日天気予報のチェックが欠かせない。


2011年2月27日(日)
 今日は東京マラソンで、場所によっては長時間の交通規制がある。それを警戒して出かけない人が多いのか、道路は車がほとんど走ってない。不安になるくらいの空き方で、記録的短時間で着いてしまった。奥地の蘭協会の搬入に出かけるのでその前に一仕事できるとばかり、注文のあった蘭を株分けし、メールの返事をする。まだ表を開けないうちに千葉のMoさんが到着。「マラソンでどうかなと思ったら却ってガラガラでした」。こちらも早すぎるくらいに着いたからお待たせしないで済んでよかった。売約の蘭や鉢を買って混まないうちにと帰っていく。
 時間が来たところで拓也さんに混合砂作りを頼んで虎ノ門に出かける。初めてのところなので道を聞きながらだったが、神谷町から歩いて5ほど。1階にある会場では会員が大勢集まっていた。皆さんに挨拶して会場設営を手伝う。書の展示だけは終わっていたが、蘭の方は机運びから始まる。一応鉢を並べ終わるところまでいたが、審査までには大分時間がかかりそうなので、すずき園芸賞の選考はおまかせして電車で帰ってきた。
 しばらくして搬入に行っていた下町のHiさん、いつものKoさん、長野のSaさん、島根からお越しのSさんが一緒に到着。「あ〜くたびれた〜」。蘭の世界では若手の仲良し蘭友たちだから、お茶を飲んで一息ついてからは笑いに包まれながらゆっくり蘭談義。展示品を見たり買い物をしたりで帰っていった。
 伊東でピアナンを作っている世田谷のHaさんが、又新しい展示品を持ってきて売約の蘭を持ち帰る。ピアナン桃花素舌「羽衣」が元気に出来ていて葉先が傷んでないのに感心。かなり水を多めに作るのがいいようだ。
 コートがいらないほど暖かい一日で、つぼみだった株が大分開き始めた。「同楽梅」は例年と同じ咲き方で、休み明けの水曜日には形が決まっているはず。「珍珠仙」も咲いたが、「万字」はもう少しかかりそうだ。


2011年2月26日(土)
 昨日はやはり春一番だった。あの暖かさの後では今日の平年並みの気温がずい分寒く感じてしまう。
 ウチョウランの植え替えをしようと一応店内に広げたが、忙しくて結局諦めることに。入荷した奥地蘭をHPに紹介したいと撮影だけ済ませたが、ページを作る時間がなく、掲載は明日に持ち越し。朝から目黒のSiさんが中国春蘭を、埼玉のSaさんが小柴鉢をいくつも選んでいく。港北のHaさん、近くのSuさんも寄る。
 午後川崎のKiさんがたくさん花のついた展示品を色々持ってきてくれた。華やかな日本春蘭の色花は道路側のウィンドウに並べて、道行く人にも見てもらえるようにする。並べてあった鉢を動かしたり詰めたりしてどうやら収まった。熊谷の展示会に行ってきた長野のSaさんと京都のYaさん、ドームの帰りの練馬のIさんなどが遅くなって来てくれて鉢や蘭が出る。蘭談義が尽きず、閉店は8時半を回ってしまった。
 明日は虎ノ門で開かれる中国奥地の蘭協会の展示会搬入日で審査がある。去年に続き、すずき園芸賞として小柴鉢を提供させてもらうことになった。拓也さんに留守番してもらってそちらに顔を出し、審査が終わり次第なるべく早く店に戻るつもり。例年日中友好会館で行われる展示会だが、今年は場所が違うので注意してください。
会期:2月28日(月)〜3月5日(土)
会場:東京中国文化センター(港区虎ノ門3-5-1 37森ビル)


2011年2月25日(金)
 予報通り南風のポカポカ陽気。フレームの中は午前中に20℃を超えていて、温度設定の換気扇がブンブン回っている。風が強くて昨日のわずかばかりの雨は何の役にも立っていない。すぐに表の山草や植木、苔などに水遣り。ホースを持つ手も冷たくなくて、こうなると山草棚をきれいにしたくなる。松の葉などの落ち葉を掃除して、鉢の中の枯れ葉を切り取ると、「どっこい生きている」とばかりに新しい芽が膨らんでいるのが見える。強い生命力に感動。棚下でクリスマスローズが咲いているのを見つけ、鉢をきれいにして棚に並べた。
 昨日小柴鉢の写真をアップしたらメールや電話で注文が来て、売約にしたり、間違えないように詰め合わせて梱包する。
 午後からウチョウランの植え替えをしようと棚から出してきて鉢を開けてみる。いつもうれしくなるくらい立派なイモが殖えているのだが、今年はどうしたことか絶不調。去年の夏の猛暑のせいか、冬に凍らしたか、それとも水を切りすぎたか。これまでで最低の打率になりそうな気配だ。いくつかやってがっかりしているところに近くのSuさん、そのうち長野のSaさんもやってきた。小柴鉢を選んだりして、ウチョウランの植え替えは中止。
 やがて埼玉のKuさんが輸入品の奥地蘭を持って来る。豆弁蘭が5種類に蓮弁蘭荷花弁が1種類。豆弁は濃緑弁にきれいな紅舌白覆輪、緑弁ハート型の紅ベタ舌、黄覆輪花、蝶咲き奇花が2種類などおもしろいものばかりの選別品だ。数少ない女性客の狛江のSuさんも来て、小柴鉢などを選んでいく。「どこに行っても男性ばかりで入りにくくって・・」。その点ここは気が楽だろう。
 明日は又寒さが戻るらしく、夜になったら冷え込んできた。


2011年2月24日(木)
 午前中時折弱い雨が降るが、鉢の表面がしっとりする程度。昨日から割合暖かく、明日はぐっと気温が上がるらしい。その後又冬に逆戻りするそうだが、こうしたことを繰り返しながら着実に季節は進む。
 朝の道路は事故や工事で渋滞箇所がいくつかあったが、10時半には到着した。すぐにHPの小柴鉢のページにかかる。前回やってから大分経っているので、調子が出るまで時間がかかる。これを一気にやってしまわないと又忘れてしまうので、今日は一日パソコンにかかりっきり。近くのSuさんが寄り、出版社のSさんが小柴鉢を選んでいく。今回は水曜日スタートになったので早目にアップできた。


2011年2月23日(水)
 月曜日は幸いなことに雨は降らず、無事に小柴さんの鉢を仕入れてきた。4時頃店に帰り、車から段ボールをいくつも降ろす。間もなく近所の若いGoさんが手伝いに来てくれた。段ボールから新聞紙で包んできた鉢を取り出し、1階の床に並べる。空いた新聞紙や段ボールを片付け、全ての鉢の撮影。終わったものからラベルをつけて2階に並べる。1人でこれらのことをするのはほんとに大変。この間来たときに頼んでおいてよかった。撮影している間に20回も階段を上り下りして鉢を並べてくれた。若いとはいえ「結構きますね」。通りかかった近くのSuさんも、姿が見えたと寄っていく。2階に上がって値段をつけ終わり、寸法を測るのは休み明けにして帰ったが、ここまでしておかないと、水曜日の朝一番で見に来る人がいるのだ。
 今朝千葉のMoさんが約束通り開店間もなく現れた。鉢をいくつか選び、奥地蘭を売約にして帰る。いつも小柴鉢が入ると早々に来てくれるお客さんが、「HPで情報があったから」と新作の鉢を選んでいく。国分寺のUさん、ドームの帰りの藤沢のFuさん、ピアナンの好きなHaさんなど何人かが来てくれて、鉢や本や奥地蘭などが出る。
 時間が出来たところで撮影だけして帰った鉢の写真をパソコンで確認し、整理して保存。鉢の寸法を測ってリストを作る。HPに載せるためには、1枚づつ切り取って縮小し、鉢の大きさが写真の大きさとリンクするようにしないといけない。この作業は又明日。ウチョウランの植え替えが待っているから早く終わらせないと。取り合えず準備だけはできた。


2011年2月20日(日)
 どんよりと暗い空でコートが脱げない。つぼみだった朱砂朶々香が今朝は笑い始めている。外弁だけでなく内側にもしっかりと色が乗っていて舌も同色。豆弁との自然交雑種を思わせるいい花型だ。時間が経つにつれてきちんと形が決まってきたので写真を撮って表紙に載せる。注文の蘭を株分けして発送。
 豆弁のHaさんご夫妻が来たところに、いつものKoさんが展示品をたくさん持ってくる。まず株の大きさにびっくり。花芽もたくさんついていて、葉がきれいでいきいきしている。いつもながら作りが上手だ。1階の棚の間隔を詰めて展示する。
 ピアナンの好きなHaさんが来て、作場を色々探している。昨年だか一昨年だかに作っていた蘭を皆駄目にしてしまったそうで、がっかりしてもう止めようかと思ったとか。それでももう一度チャレンジする気持ちになってくれて、中国春蘭の一花などを選んでいく。
 遅くなって千葉のYさんが新しい春蘭を持って来て、これまでの展示品と一部入れ替える。川崎のKiさんも来て注文の鉢を買っていく。
 明日は小柴さんのところに行って新作を仕入れてくる。段ボールをたくさん車に詰め込んで準備完了。あまり天気が良くないようだが、降らないでくれたらありがたい。


2011年2月19日(土)
 昨夜の東京ドームでも寒風が吹き荒れ、ブリッジの上は怖いほどだったが、中はコートを脱ぎたくなるほど暖かい。お馴染みの顔に次々と会い、蘭を楽しんだ。今日は風が収まったものの曇りがちで寒い一日。昨日の渋滞が嘘のように10時前には到着した。
 午前中に世田谷のTaさん、ピアナンを展示してくれているHaさんが来る。何本も花茎が上がっているピアナンだが、持って来たときにいくつか花がなくなっていた。今日見るとそれが増えている。「どうも虫がいるようで、他の鉢にもいくといけない」というので殺虫剤を散布する。
 午後からウチョウランの植え替えを始め、先ずフレームの中のを終わらせる。外のウチョウラン棚のに手を付け始めたところで、東京ドームに行ってきた村長、出版社のSさん、練馬のIさんが到着。「あー疲れた!」。それぞれ歩き回った成果を手にしている。
 Haさんが展示してくれている2鉢は、植わっている鉢も自分で作ったもので、中身と鉢がピッタリと合っていて形もいい。鉢に興味がある人達だから集まってしげしげと見ていたとき、「あっ、ピンセット」の声。何と葉っぱと全く同じ色の芋虫がいたのだった。ちょっと触るとくるっと丸まって土の上に落ちる。中に隠れていて又出てくるというもので、前にもオオタニワタリの大鉢に潜んでいてむしゃむしゃと食べられたことがあった。これが犯人だったのだ。勿論ピンセットでつまんで踏み潰したのは言うまでもない。


2011年2月18日(金)
 どうも今日は物事がうまくいかないと思ったら、やはり仏滅だ。そういうことを信じる方ではないが、思わずカレンダーで確認してしまった。
 夕べからの雨が深夜1時頃からものすごい豪雨に。風も強くて窓ガラスに当たる音で目が覚めるほどだ。この間の雪を除けば、今年になってほとんど雨らしい雨は降ってなかったから、2月には珍しいような激しい雨に驚く。そのせいではないが、朝食のホットミルクが熱すぎて舌を火傷してしまった。
 朝出かける頃には雨があがって、電車にしようか車にしようかと迷ったが、風も強いのでいつも通り車で出た。東名高速で事故があり、東京料金所まで渋滞と言っていたので、下の246も影響で混むだろうとは覚悟した。やはりいつもより混んでいたが、246の有馬付近から全く動かなくなってしまった。ラジオの交通情報では瀬田のアンダーパスでトラックの事故があり、上下線とも通行止めで側道に誘導しているという。ただでさえ交通量が多い上普通の交差点とは違い、全く動きが取れない場所だ。延々11キロという渋滞になった。
 台風一過のような青空に変わり、強い日差しが照りつける。大雨の予報に温室の天窓を閉めて帰ったから、気温が上がって早く開けたい。動かない車の中で11時の開店時間を迎える。やっと溝の口まで来たとき、瀬田を迂回して別の道から行こうと交差点を曲がった。ところが少し行くとそちらも大渋滞で、道が狭いところにバスが通る。大分回り道をした挙句結局246に戻ったら、瀬田の事故現場は開通していた。やっぱり短気を起こすものではない。やっと店に着いたのは12時半。家を出てから3時間40分のロングドライブになってしまった。
 駐車場は水溜りが出来ていて、昨夜の雨の激しさを物語る。強い風に大きなゴミがたくさん散らばっている。大分遅刻して店を開け、フレームの天窓を開け、ゴミを拾い集める。今日は東京ドームの内覧会に行くから早めに店じまいすることになっていて、もう作業を始める時間はない。あきらめて時間までパソコンに向かう。この後はきれいな蘭を見て気分を変えよう。


2011年2月17日(木)
 最低気温が5℃ということで、あの厳しい寒さは一段落したようだ。ただ日照が無くどんよりとしているので、気温より寒く感じる。太陽が出ているということは気分的にずい分違うものだ。
 朝店を開けないうちに近くのSuさんが来る。この後出かけるつもりで寄ったのだが、何だか寒くて意欲がそがれたらしい。午前中一杯ぐずぐずとしていて、いくらか暖かくなった昼過ぎにエイヤッと出かけていった。こちらもスタートにつまづいてしまい、午後からイワチドリの植え替えに取り掛かる。ウチョウランほど数が無いイワチドリのトレイを終わらせ、春蘭、杭州などを少し植え替える。先週末に天気が悪く、水遣りのタイミングを一部遅らせていたので、乾いている箇所に水遣り。韓国からのお客さんが寄る。
 明日は東京ドーム世界らん展の内覧会に行くので4時少し前に店を出るつもり。内覧会の切符が2枚あるので、それまでに店に寄れる方には差し上げます。一応お電話を。


2011年2月16日(水)
 月曜日の夕方から雪になり、神奈川県大和市の我が家では、久し振りに本格的に積もった。火曜日の朝は車を出すのも大変で「休みでよかった!」と思ったが、止んだ後は晴れて、昼までには道路はすっかり問題なくなった。今朝店に来ると、庭の日陰に少し白く残っている程度で、さすがに都会に雪はない。比較的暖かく穏やかな晴れの一日になった。我が家でつぼみが上がった中国春蘭を少し持って来る。
 水を遣って帰ったSuさんの展示品はすっかり水が切れていて、2階に上げようかと思ったが、入り口付近に残っていた杭州寒蘭を片付けてそこに展示することにした。下の方が水遣りが楽なのと、21日に小柴鉢を仕入れに行くので、それを2階に並べる都合もある。狭い店内でどこに何を並べるかにはいつも頭を悩ませる。今後色々な展示品が集まってきたら、2階は鉢と蘭を一緒に展示することになるだろう。
 最後に店内に残っていた杭州を植え替えると、洗ってある混合砂は底をついてしまい、しばらく天気が悪く砂作りができなかったから、今日の晴天を利用して砂を篩い、洗って干す。埼玉のAさん、近くのSuさん、若いGoさんが寄る。


2011年2月13日(日)
 夜中まで冷たい雨が降っていたが、朝起きたら晴れていた。こういう日は放射冷却でぐっと冷え込むそうで、家のそばの日陰の道路が凍っていた。こんなことは初めてだ。いつも朝一番の千葉のMoさんが、高速でスリップ事故があったとかで少し遅れて到着したが、ニュースでもあちこちで事故があったと伝えている。全国的に道路が凍る冷え込みだったということだ。
 Moさんが小柴鉢等を買って帰った後、品川のKaさんが蘭花村鉢を買っていく。国分寺のUさんは「白楽天」を株分けしていく。出版社のSさんも来て、皆春蘭の花が大分並んでいるかと思ったらしい。申し訳ないことに今咲いているのは数鉢で、即売品はほとんどがつぼみ。ただ店内に入れたら大分動いてきているので、1週間後にはいくらか花が見られるだろう。伊東で蘭を作っている近くのHaさんが、盛大に花が咲いている「呉鳳」と、花芽が5本も上がっているピアナン桃花の大株を持ってきて展示してくれる。ピアナンの作には自信を持っていて、ここからも「白花」「桃花素舌」の他たくさん買っていっているが、どれも殖えて花が着いているらしい。皆が難しいというピアナンだが、殖やせる人が持っていてくれるのはありがたい。Haさんは蓮弁蘭を押えていく。
 先に帰ったUさんが「黒崎万字」のことを聞いていた。「花は多分きてない」と答えたのだが、以前に分けたSuさんと「万字」の話題になったとき、気になって見に行ったら何とつぼみが着いていた。あれほど1鉢づつ覗いて探したところなのに、やはり見逃していたのだ。去年Hiさんに請われて株分けしたから今年はすっかり諦めていたが、Suさんは「これを見にくるのが楽しみになった」。
 閉店時間を過ぎてから、神代植物公園の展示会から撤収してきた近くのSuさんが寄って展示品を置いていく。乾ききっているのに水をやって、休み明けに2階に展示するつもり。花が咲いているものが一気に増えた。


2011年2月12日(土)
 結局道路の雪は積もらないままで、屋根やフロントガラスの雪を落として車で来た。昨日も全く問題なかったが、天気予報は万一のことを考えて大げさに言うものだということが良く分かった。何かあったらいけないと早目に出てきたが、空いていて9時半には着いてしまう。フレームの昨日の最高温度は5℃。やっぱりこの冬一番の冷え込みだ。
 今日も用土を店内に持ち込み、暖かくして植え替えのラストスパート。わざと邪魔なところに並べておいた分は終了した。温度の入るフレームの分だけやってしまえば、後はこの寒波が過ぎてから合間をみてできるだけすればいい。春蘭の植え替えも店内に飾る分は一段落し、用土を片付けて汚れを掃除する。
 そこへ佐倉のNaさんが現れた。まだ花がほとんど咲いてなくてつぼみの鉢が並んでいるのを見て「ちょっと早すぎましたかね」。ここでは花が咲いている間が展示会で、無理やり日にちに合わせて咲かせることは昔からしていない。ピアナンの入荷を待っていたNaさんだったが、「頼んではあるんですがまだ入ってなくて」と言った途端に千葉のYさんが搬入の品を持ってやってきた。「あー良かった、待ってて良かった」。だが、今年はピアナンは一つも花がついてないそうで、株はまだ残っているが今回は持ってこられなかった。「残念でした」。結局Naさんはこの前気にしていた杭州の名品を買って帰る。
 今日入荷したのは展示品として四川春蘭の「楓丹白露」、「紅宝石」、「布衣江素」、蓮弁蘭の「玉荷素」。即売品としては蓮弁蘭、朶々香、豆弁連弁天然交雑種、四川春蘭などの選別品の他、細葉蓮弁蘭、春剣蘭の未選別株が少し入った。パソコンに入力し棚に並べると、もはや杭州を残しておく余地が無くなり、押し出されるように作場行きとなった。
 細かい雪交じりの雨が止まない。気温も5℃くらいまでしか上がらず冷え切っている。明日もこんな天気が続くようで、春はもう少し足踏みだ。


2011年2月11日(金)
 昨日の予報では朝起きると白い世界かと思ったが、雪はちらちら舞っているものの全く積もってない。車でも大丈夫そうだったが、「一日降り続いて東京でも積もる」と繰り返しているものだから、帰りが心配と思い電車で来た。が、一向に積もる気配はない。ただ、気温は全く上がらず特に用事がなければ外に出たくない天気。こんな日に来る人はいないだろうと、大中小の用土が入った容器を全部持ち込んで並べ、水を遣る時以外はすべて店内でできるようにして植え替えを始める。まず春蘭の花付を株分け。棚を春蘭に並べ変えた後、杭州の残りを植え替えてしまう。
 ところが予想に反して、悪天候を意に介さないフットワークのいい人がいるもで、港北のHaさん、練馬のIさん、駒場のWaさん、前に杭州を買っていった若い夫婦などが来てくれる。陽気のいい時期ならともかく、こんな寒い中を濡れながらわざわざと感心するばかり。今日はエアコンつけっぱなしにして遊んでいってもらう。
 とうとう帰るまで雪が積もることはなかったが、今夜も明日も回復しないらしいからどうなるだろうか。


2011年2月10日(木)
 今晩から又雪になるという予報で曇り勝ちの一日。まず注文の蘭を荷造りして発送し、すぐに杭州の植え替えにかかる。多くの人が気にしている手作り鉢に植わっているのを開けると、細い胴にしっかりと根を張っていて、作鉢としても良く出来るのがわかった。中身は根を洗って消毒し、むき出しのままで、開けた鉢を洗った途端に港北のMoさんが現れた。鉢好きのMoさんは目ざとく見つけて「いい寒蘭鉢じゃないの」。ドンピシャのタイミング、出会いがしらとあっては仕方ない。他の鉢に植えられることになった。
 午後からも出来るだけ植え替え。世田谷のIさんが久し振りに寄って、まだ元気で咲いている杭州を買っていく。その後横浜のHiさんが来て、ウチョウラン土が足りなかったと追加して持っていく。これでこれから植え替える自家用の分が無くなってしまった。すぐに発注しておかないといけない。品川のNaさんが寄ったり電話が何本もかかったりで、思ったほど植え替えは進まない。それでも残りはめどが立つくらいになってきたので、明日からの春蘭展の準備にかかる。
 作場を良く見てつぼみがついた鉢を店内に入れる。この間見たところでは気がつかなかったのも見つかって、まだ咲かないが大分膨らんできたのが分かる。大株はつぼみのところを株分けして並べる。
 今夜から週末にかけての雪は平野部でも積もるかもしれないという。明日もし積もっていたら電車で来るようかも。


2011年2月9日(水)
 朝起きたら庭がうっすらと白くなっている。積もるというほどではないが予報通り雪が舞った。暗い空だったがやがて小雨になり、昼前には日が出てきた。今回はいいお湿りになった。
 土曜日に水を遣った温室の棚板がやっと乾いたので、掃除機をかけてこぼれている砂をきれいにする。この間から植え替えと平行して進めてきたが、残りは一部分だけになった。これをやってしまうと今店に残っている杭州を仕舞うことができる。植え替えの必要なものを店内の目につくところに入れて棚をきれいにし、植え替えの必要ないものや済んだものを奥からきちんと並べていく。
 作業をしていたら、雪で仕事が休みになった造園のTaさんが現れた。新企画のKaさんが来たり、肥料会社の営業が来たり、「自然と野生ラン」が到着したり、何本も電話がかかってきたりとばたばた。そこへ埼玉のKuさんが頼んであった鉢を持って来てくれた。信楽の梅花皮6寸鉢で、5号の寒蘭用プラ鉢が入るから便利。大きな段ボールを床に置いて、狭い店がさらにごった返す。
 夕方まで色々とおしゃべりをして、二人が帰った後温室掃除の続きを。かなり日が長くなったので掃除だけ終わらせることができたが、明日は植え替えを完了させたい。ウチョウランの植え替えも待ち構えているし、春が近くなるとすることが一杯ある。
 一旦暖かくなったが又週末は雪の予報。春はもう少し待たないといけないようだ。


2011年2月6日(日)
 曇り勝ちだが割合暖かい。厳しい冷え込みも底を打った感じで気が緩んだか、不覚にも風邪をひいてしまった。それを治すのが先ということで、暖かいところでじっとしているつもりで来た。それでもここにいると「これ一つだけ」と植え替えに手を出してしまうが、今日は少しだけにして自重している。昨日車を置いていった長野のSaさんが来て奥地蘭を付き合ってくれる。埼玉からのお客さんも来る。
 明日が春蘭展のトップを切って、神代植物園で行われる「芳華会」の搬入日。「咲かない〜!」と電話から悲鳴が聞こえてくる。いつも初日の火曜日に顔を出すのだが、今回は風邪が治らなければ失礼するつもり。うつして歩いては大変だから。


2011年2月5日(土)
 日中の気温は今日も二桁で風も無く穏やか。朝長野からSaさんが出てくる。ずっと寒い日が続いているそうで、それほど雪深いところではないのに駐車場は一面雪の中だったという。山を越えると更に大雪だから今年の冬は大変だ。夏の暑さも桁外れだったし、全部リンクしているのだろうか。
 植え替えの続きをぼつぼつと進め、花芽のついた春蘭を少しづつ店内に入れる。杭州寒蘭の花を切った後、まだ見られるのは花瓶に挿してあって、ずい分高価な花束だが、切るとたちまち暴れてしまう花もある一方、相当経つのに全くそのままの姿でいるものもある。「孤峰」などはその典型で、毎年鉢で咲いているときの姿を、花瓶の中でずっと保っている。それが何によるものか分からないが、特別の水揚げをしなくても花もちのいい品種だ。夕方川崎のKiさん、若いGoさんが来る。


2011年2月4日(金)
 暦通りのぽかぽか陽気だが風は結構冷たくて、陽だまりと日陰では大きな差がある。夕べの節分の豆があちこちに散らばっているのを、踏まないうちにと片付ける。
 注文の蘭を荷造りして発送。いつものKoさんが寄り、川崎のお客さんが奥地蘭を買いに。午後横浜のHiさんがウチョウランの植え替え材料を買いに来る。事情があってフレームを一部撤去したので、置けなくなって処分したいものが色々出てきたらしい。昔買った松村鉢4個と朝顔鉢1個が使わないまま出てきて、当時はたくさんあったストックの中からきれいなのばかりを選んで持って行っているから、今ここに残っているのよりはずっときれいに保存された状態で戻ってきた。朝顔鉢は特に在庫がほとんど無くなったので、これからの植え替えシーズンに使いたい人がいるかもしれない。去年もやったニオイエビネの苗の即売は、来週リストを送ってもらうことになり、そのうちHPで紹介したい。
 時間がある限り杭州寒蘭を植え替え、作場を整理していく。日が落ちたら急激に冷え込んできたが、ここ数日は春らしい日が続くらしい。


2011年2月3日(木)
 今日が節分明日が立春。季節に合わせるかのような暖かい一日だった。柔らかい日差しに春を感じてうれしくなる。
 店に着いて真っ先に案内状の宛名印刷にかかり、あっという間に終わらせて郵便局に出しに行った。温室の天窓開け、最高最低温度の記入、表のゲート開けなど毎日の朝の作業も寒さが緩むと楽々。昨日帰りがけに入荷した奥地蘭を撮影してパソコンに入力し、リストを完成させる。運搬で花は傷んでいるが、「領帯花(黄金海岸)」、「剣陽蝶」、「心心相印」、「白雪公主」、「奇花素」などの名品や無名品など、お手頃価格のものばかり。国分寺のUさんが入荷を知らずにやってくる。
 案内状の発送とリスト作りが終わると少しほっとして、店内の杭州寒蘭を植え替えて作場にしまうなど、滞っていた作業の続きを始める。用土がたっぷりと出来たので、1鉢でも多く植え替えをやってしまいたい。


2011年2月2日(水)
 昨日は10℃以上に気温が上がって陽射しも春めいてきた。やっとこれから暖かくなるかと思ったら、今日は又曇って冬の寒さに逆戻り。中々一本調子にはいかない。これを繰り返しながら春に近づいていくのだろう。一方で新燃岳の噴火や日本海側の豪雪などをニュースで見ると、気の毒で申し訳ないような気になる。その中で生活されている方々には心からお見舞い申し上げます。
 今日は春蘭展の案内状作り。郵便局に葉書を買いにいってすぐに印刷にかかる。寒いのでエアコンをつけた中でできるのはありがたい。裏面を終わらせ、宛名にかかろうと思ったら埼玉のKuさんが姿を見せた。色々な話を聞きながら閉店時間までおしゃべりをして、宛名印刷は又明日。新着の奥地蘭が入荷する。


2011年1月30日(日)
 準決勝に続いて延長戦になり、遅くまでかかったが見ていてよかった!。いいニュースがないこの頃、珍しく元気が出る日本優勝だ。長野のYoさんから電話で「白石さんも見るっていうから見なくっちゃと思って。勝って良かったですね」。感動は勿論だが、これでもう夜中に見なくてすむのもありがたい。こんな時間にテレビを見る方だって大変だ。
 朝の道路はガラガラに空いていて、最短時間の45分で店に到着。次第に曇ってきてとに角寒い。久し振りにHaさんご夫妻が顔を見せる。お目当ての奥地蘭はまだ並んでなくて、店内に取り込んだ用土で雑然としたまま。2月11日から展示会なので、もう少ししてから又ということになる。
 用土を片付けながら植え替えを少しするが、体が冷え切ってしまった。干すのに使ったざるを洗って片付ける頃には、一時雪が舞った。雪になってもおかしくない空模様だ。駒場のWaさんがそんな寒さの中来てくれる。「食べた分だけ身体を動かさなくちゃ」と、いつもフットワークがいい。見習わなくっちゃ。
 明日も寒くなるらしい。この寒波が去った後には少しづつ暖かくなって、”春の予感”となって欲しいものだ。


2011年1月29日(土)
 せっせと植え替えをしていたら用土が底をついた。底石も植え込み用も化粧砂も全部作らなくてはならない。朝着いてすぐ化粧砂を篩って混合し、底石と一緒に洗って干す。拓也さんには作ってあった植え込み用土を洗ってもらう。厳しい寒さだが天気はいいので、日当たりのいい庭の方にざるをずらりと並べる。
 夕方干してあった砂を取り込んで店内に積み重ね、春蘭展案内状のレイアウトを始めた。今年は色々と不確定要素があり、今の段階ではすべての日程が決められない。そこでいつもの年間スケジュールではなく、中国春蘭・奥地蘭のみの案内状にして、後の展示会はその都度案内状を出すことにした。
 パソコンに向かっていたらひょっこりと教員のMaさんが現れる。健康面で不安があるのと仕事の忙しさで好きな杭州寒蘭展の間にも来られなかった。たまたまMaさんの預かり品の花をまだ切ってなかったので、店内で咲かせていたのを見てもらうことができた。これだから何でも早目に切れないのだ。
 夢の中で亡くなった鈴木さんに出会った話を聞く。以前にもそういう体験があったと聞いていたが、不思議な話だ。鈴木さんに「花を見にいって」と言われたそうで、どんなきっかけでもわざわざ寄っていただけたのはうれしい。久し振りとあって話が尽きない。
 今夜はサッカーアジア杯の決勝。遅いが見ないわけにはいかない。ここまでずっと見てきたから寝不足も今日まで。がんばれ日本!!。


2011年1月28日(金)
 キーンと底冷えのする一日。午前中は陽射しがあったが次第にどんよりとして、できれば外に出たくない感じだ。しかしそうも言ってられず、植え替えの続きと棚の掃除を平行して進める。エアコンをつけると作業台に風が当たるが、今日ばかりは暖房をつけずにはいられない。鉢を開けて根の掃除、水洗いまでは室内でして、植え込みは外の作業。水を遣ってラベルを書き、作場に置きに行って隣の鉢を持って来る。これを繰り返していたら近くのSuさんが「相変わらずがんばってるねえ」。手は荒れるし身体も冷えてきて、4時半頃になるともういけません。用土が残り少なくなったのを理由に作業を切り上げる。
 イトランの花付を店内に出しながら、春蘭の花芽を確認する。今年は花がきてない株が多く、寂しい限り。Suさんも「うちも一花は花つきが良くない」。困った。
 最高気温は7℃くらいで本当に寒かったが、明日はもっと冷え込むらしい。各地でこの冬の最低気温を記録しているようだ。今が一番の底だろう。


2011年1月27日(木)
 昨日の一時的なにわか雨では道路表面がうっすらと濡れた程度で、帰る頃にはすっかり乾いていた。やはり乾燥注意報は続いている。日本海側の豪雪は大変なことになっていて、そちらの方がはるかに重大な事態だ。この二つはリンクしているのだろうから早く何とかなってほしいものだ。
 新年を迎えたばかりの気分でいたらもう月末近い。毎年年間スケジュールの案内状を準備する頃だが、この前の土曜日は拓也さんが体調を崩したため相談ができていない。今年は春蘭の花が遅れていて、2月半ば頃から展示会をスタートさせようと思っているので少しのんびりしている。その前に杭州を片付けなくてはならず、毎日植え替えに専念。
 八起窯の焼締蘭鉢に植わっていた杭州が良く出来ていたが、焼締鉢の好きなお客さんが何人かいるので、他の鉢に替えて洗っておいた。目黒のYoさんが来た時、友人のHiさんも焼締が好きだったと思い出し、鉢の話になる。型ものの大量生産ではない手作りの鉢は、手の込んだ高級鉢はともかく、中々職業として成立しない。焼締は良く出来るし雰囲気があっていいのだが、あまり高い値段はつけられないため結局供給が少なく、この鉢も今は作っていない。古い鉢や一点ものは洗って棚に置くとすぐに持っていかれるから、これもいつまであるか。
 一日中電話が何本もかかる。大分日が伸びて、暮には4時半といえば真っ暗だったが、まだ外で植え替えができる明るさになってきた。ただ夕方には雲が広がり気温が急速に下がってきたので、片付けて店内に入った。空気が乾燥している分鉢の渇きが早く、店内の杭州に水を遣る。


2011年1月26日(水)
 日曜日の夜は結局雪にはならず、雨がほんの少しぱらついただけで終わった。期待されたお湿りには程遠く、翌月曜日、水玉模様になった車を洗おうとスタンドに行ったら洗車機に長い列ができていた。東京の乾燥注意報はずっと出されたまま。インフルエンザも流行ってきているようだ。
 首都高3号線で事故があり、朝の交通情報では下の246も渋滞ということだった。途中詰まっているところもあったが、店に着く頃には解消していて、いつもより少し遅いくらいで到着。郵便局に行った後はずっと植え替えを進める。埼玉のAさんが来る。
 日中は晴れていたが夕方黒い雲が出てきて、ちょっとの間ぱらぱらと落ちてきた。ちょうど寄った若いGoさんが置き傘を差して帰ったが、すぐに邪魔になるくらい、あっという間に上がってしまった。普通はうれしくない雨だが、これだけ乾いていると少しまとまって降って欲しいものだ。


2011年1月23日(日)
 陽射しが弱くて何となく薄ら寒い。まず注文の蘭を荷造りして発送。昨日干しておいた砂を売り物用に小分けし、残りで植え替えを始める。午後から出版社のSさん、品川のIさんが来る。「早咲きの春蘭が並んでいるかと思った」。展示品の春蘭が2鉢開きだしただけで、まだ杭州寒蘭が並んでいる。1月一杯はこんな状態だろう。
 大分日が長くなってきたと感じる。夕方黒い雲が空を覆ってきたと思ったら一段と冷え込んできた。明日の朝にかけて雪がちらつくところもあるらしい。早目に植え替えを切り上げて引き揚げよう。


2011年1月22日(土)
 雲ひとつない青空。雨は当分降りそうもない。砂を洗うには絶好の天気だ。丁度植え替えで残り少なくなった用土を、どうしても作らなくてはならないタイミング。朝店に着いてすぐに砂を篩って混合。そのまま一気にざるに移して洗い、日向に並べて干す。午前中に中粒、午後から化粧砂の小粒を作った。小粒は丁度お米を研いでいる感じだ。大変でも一度に両方やってしまうのは服が汚れるからで、車だからいいが電車には乗れなくなる。それでも用土がたっぷりあると安心して植え替えに専念できる。もっと大量に作れればいいのだが、せっせと植え替えると1週間で底をつく量が一度に作る限界。結局「篩って洗って植え替える」を繰り返すことになる。
 一段落したところに練馬のIさん、駒場のWaさんが来る。売約の蓮弁蘭を株分けしたら根がものすごくて、所属を分けていくだけでも時間がかかり、鋏がバルブまで中々到達できない。3本上がった花茎の他に小さな花芽が2本あったが、割るときに1本は取れてしまった。それでも最小の犠牲で何とか二つに割ることができたが、こうしてみると杭州の株分けはずっとやりやすい。


2011年1月21日(金)
 午前中は風が冷たくて、吹き飛ばされた紙やビニール類が散らばっている。ゴミ収集日の北風は迷惑千万。
 山草棚や苔に水を遣った後山草鉢の枯れ葉を刈り取ると、根元に新芽が出番を待っているのが見え、芽出しの春を待ちながら表面をきれいにしてやる。仕舞い忘れていたセッコクを温室の棚下に収め、ついでに温室内の草取り。その流れで、棚にこぼれた砂を掃除することに。
 店内に杭州を出している分作場に余裕がある今がチャンス。2列ほどの空間を作っては掃除機をかけ、きれいになったところに植え替えの済んだ鉢を詰めていく。こうしていくとすべての鉢を手に取ることになり、もれなく植え替えも進められる。近くのSuさんが「手が冷たいのにがんばるねえ」というのを聞きながら動き回って、それでも出来たのは5列ほど。温室全部が終わるのは大分先だ。
 大きい鉢の間に小さい鉢を組み合わせて隙間の無いように置いていくから、一旦詰め込んでしまうと掃除も大変。花が終わって仕舞うときに、作場の掃除も兼ねながら植え替えるのがいつもの習慣だ。”春秋のお彼岸前後”が植え替えの適期であるのは間違いなく、温度の入らない作場のものはその時期に出来るだけするのだが、展示会の準備や後片付けなど他の仕事との兼ね合いで、こんな寒さの中でもやらなくてはならない。春蘭で忙しくなる前に植え替えと混合砂作りの繰り返し。時間切れとの競争だ。


2011年1月20日(木)
 大寒。相変わらず晴天が続いている。日当たりにいるといいが日陰はやはり寒い。
 午後造園のTaさんが「仕事が急に空いた」と珍しく平日にやってくる。予約札を入れていた杭州を株分けしたが、根が1本も傷んでないほど良く出来ていた。鉢を開けたときに根がいいとうれしいが、同じ作をしていても今ひとつのもあるから、こうすれば絶対という確信は持てない。Taさんと入れ違いに近くのSuさん。寒いので午後はずっとおしゃべりをして過ごす。


2011年1月19日(水)
 東京は20日連続で乾燥注意報が出ている。このところ日本海側の大雪がニュースになっているが、向こうで全部雪になってしまう分山を越えればカラカラになるという仕組みだから、中々丁度いいというわけにはいかない。少しお湿りが欲しいところだ。
 月曜日までは厳しい冷え込みで、休み中の最低温度は−1.5℃を記録していた。ガラスフレームの中でこの温度はめったにないこと。今日は風も無く明るい日差しに恵まれ、寒いには違いないが多少動きが取れる。乾いた鉢に水を遣り、植え替えを少し進める。店内の杭州を順番に作場にしまっているが、このところの寒さで春蘭の花芽が止まっていて、すぐにそちらにに切り替えるわけにもいかない。


2011年1月16日(日)
 大きな寒気にすっぽりと包まれた日本列島。もう何日も寒い寒いといい続けているが今日は格別だ。ガラスフレームの最低温度がついにマイナスになった。風が強いのも加わって、外の山草棚の水盤にたまった水が凍っている。日本海側が大雪なのは勿論、千葉でも雪が降ったというニュース。カラカラの東京は雪も降らないが、厳しい冷え込みだけはお付き合い。今日の最高気温は5℃だそうだ。しばらく使っていなかった加湿器を昨日からつける。
 長野のSaさん、町田のIさん、近くのSuさんなどがポツポツと来た他は全く静か。植え替えをするにはあまりに寒く、ヒーターの近くで過ごす。


2011年1月15日(土)
 センター入試の日は毎年天気が崩れて、雪が降ったり交通機関が乱れたりするが、今年も日本海側は大雪で、その上新幹線がストップした。ずっと晴れが続いていた東京も今日だけ曇りで、どんよりと底冷えがする。今日、明日は世田谷ボロ市。毎年お約束のように震える寒さになる。
 朝川崎のKiさん、品川のNaさんが、車を店に置いてボロ市に出かけていった。三軒茶屋から世田谷線で上町という手もあるが、歩いて行ったらしい。ウォーキングのつもりなら歩けない距離ではない。
 品川のNaさんが来た後、長野からSaさんが車でやってくる。それに合わせて、茨城に帰る前にといつものKoさんも寄る。「芳華会」の打ち合わせに出た中野のEさん、成田のTさんも乗り合わせて来る。下町のHiさんも来て車は満車に。以前にえびねを買っていった若いお坊さんも、近くに法事があったと寄っていく。そのうちボロ市からKiさん、Naさんが帰ってきて暗くなるまで賑やかさが続いた。コンクリートの床から冷えが広がってくるが、活気があるとそれほど寒さを感じないものだ。


2011年1月14日(金)
 日陰にある水苔が凍っていた。寒さもピークという感じだ。雨が降らないから苔類には水を遣らなくてはならないが、少し外気が温まってくるのを待つ。
 午前中はご無沙汰しているあちこちにご機嫌伺いの電話。足が悪くて出かけられなかったTaさんはついに施設に入られたとのこと。奥様としばらくおしゃべりして、「これから行くので電話のあったことを伝えます」と喜んでくださったが、昔からのお客さんが高齢化していくのはお互い様で、寂しいが受け入れるしかない。
 一方小柴さんには今年も鉢を注文。意欲は一向に衰えてないのはうれしいことだ。新しい釉薬も試しているそうで2月に新作を取りに行くのが楽しみだ。日中はぽつぽつと杭州の植え替えをする。今日はパソコンの前も寒くて長くは座っていられない。


2011年1月13日(木)
 連日の冷え込みが今日も続いている。温度の入らないフレームでは、最低温度が0℃。冷たい北風に収集前のゴミが飛ばされ、そこここにビニールや紙が散らばっている。まずこれらを拾い集めることからスタート。
 日中の陽射しがある時間を利用していくつか杭州を植え替え、作場に仕舞う。急に花が終わってきた株が目立つようになった。植え替えをしていたら近くのSuさんが寄って「寒いのにがんばるねえ」。1鉢やってはヒーターで手を温めるという効率の悪さだが、寒くてずっと外にはいられない。佐倉のNaさんが杭州を選んでいった後、初めてのお客さんが水苔などを買いにくる。Suさんの吸ったたばこが灰皿にそのままになっていたのを見て、「ここ吸っていいんですか?」「どうぞ」「わー、ありがたい!!」。こんな寒さの中、外でというのもさすがに気の毒だ。
 東京は暮からずっと雨が降らない。からから天気に鉢もよく乾いて、店内の蘭は表土を見ながら水遣り。杭州もそろそろフィナーレ。徐々に春蘭に切り替えよう。


2011年1月10日(月)
 過ごしやすかった昨日とは一変、ぶるぶる〜〜の東京。陽射しはあるものの風が冷たく、全国的にもこの冬一番の寒さを更新しているという。昨日陽だまりで少なくなった混合砂を篩ったり、洗って干したりしておいてよかった。今日のこの冷え込みでは、とても外にはいられない。せっかく砂を作ったから植え替えをしたいところだが、目をつむって今日は暖房器にかじりついている。
 強い北風の中、世田谷のHaさんが自転車で姿を見せる。ピアナンを上手に作っていて、白花のつぼみがだいぶ伸びてきたのを近いうちに持ってきて展示してくれるそうだ。最近はピアナンを売っているところが中々無いから普通品でも貴重だ。前に持っていった桃花素舌や白花なども順調のようで頼もしい。駒場のWaさん、若いGoさんも寄っていく。電話が何本もかかり、話題満載。
 ビニールで保護しているだけの外の作場にあった蓮弁蘭が、間もなく開きそうなほどつぼみが膨らんでいた。今日店内に移したのですぐに開くかもしれない。
 昨日の朝は途中交通事故と火事があって車が動かず、2時間かかってぎりぎりの到着だったが、帰りはすいすいだった。今朝は又空いていて10時前に到着。今日まではまだ半分正月休み気分が残っているような感じだ。世の中本格始動は明日からになるのだろう。


2011年1月8日(土)
 昨日の厳しい冷え込みは落ち着いて、風も無く穏やかな一日。店の方に年賀状をいただいたのがあって、休み明けですっかり遅くなったが今日用意をして何枚か返事を出す。
 港北のHaさんが売約の杭州を取りにくる。初めての大田区のKaさんがHPを見て来てくれて、春蘭を買っていく。
 暗くなってから造園のIさんとTaさんが同時に到着。仕事を終えて来るとこういう時間になる。暮は二人ともほとんど休みなしに働いていたから、ここで顔を合わせるのも久し振り。ゆっくりおしゃべりして、昨日早くも入荷した「自然と野生ラン」や売約の杭州を買っていく。
 明日の日曜日、白石は4時で帰らせていただきます。月曜日は営業し、火・水が休みになります。


2011年1月7日(金)
 明けましておめでとうございます。

 今日から営業開始。この冬一番の寒さでスタートした。全国各地で大雪のニュースだが、このところ全く雨が降ってない東京も、夕べからぐっと冷え込んで初氷だそうだ。
 今朝の道路も順調で10時前には店に到着。ゆっくりと休んだ後とあってすることはたくさんある。先ず松飾りを片付けて、代わりに正月らしい飾り物で気分を出すことに。乾いている鉢に水を遣り、くたびれた花を切ってフレームに戻す。
 午前中千葉のYさんが、花芽の上がった春蘭新名品の展示品を持って来たので、棚の杭州を移動して正面の一部に春蘭を並べる。茶花のNoさんが新年茶会のための花を買いにくる。町田のIさんが杭州を持ってきて展示する。近くのSuさん、若いGoさんも寄っていく。
 明日からの三連休もこの寒さは続くらしいが、昨年同様本年もどうぞよろしくお願いします。


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