ホームページ大作戦

 □ 4、トンネルの中


 パソコンを始めると、やたらと周りの人に勧めたくなるものだ。
私だってそうやって勧められた一人なのだ。
パソコンができる老後は楽しいだろうし、キーボードに向うおじいさん、おばあさんってカッコイイ。
今はそれほど必要性を感じなくても、そのうちやっててよかったという日がきっと来るだろう。
それまでは楽しいだけでいいのではないかと私はのんきに考えていた。
新しいことを始めるのに、今以上に若い時はないのだから。


 パソコンに詳しい人に聞いても、今のところホームページは商売とは考えないで、遊びと思ってやりなさいというのが結論のようだった。
しかし、
  1. かなりの出費なのに、本当にそれだけ役に立つことがあるのか。
  2. ただでさえ忙しいのに、パソコンに振り回されることになるのではないか。
  3. もう少し待てば値段も下がり、もっと操作が楽で進歩した新製品が出て、早まった!と後悔するのではないか。
  4. ネットという未知の領域にとんでもない落とし穴があるのではないか。
 誰でもデジタルワールドに足を踏み入れるには、不安と迷いがつきまとう。


 社長もパソコンを買うという考えには大分傾いてきているが、今度はどんなパソコンを買ったらいいのかわからない。
人に聞いても答えはいろいろだから、迷いは深まるばかりだ。
特に3番の、新しい機種が出るかもしれないから、後悔しないように良く考えてからというのが強いようだった。


 しかし一生やらないと決めているならそれでもいいが、さんざん迷った挙句に始める位なら、迷っている時間がもったいない。
もう若くはないんだから、1ヶ月でも2ヶ月でも早く触ってみた方がいいではないか。
どうせパソコンは一生ものではないんだし...。


 一足先に始めた私は、パソコンを買っても、役に立つという実感を持てるまでに、相当な時間がかかることは身にしみていた。


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