□ 14、デジカメ買ったが・・。 ついにデジカメを買った。 1999年12月初め、杭州寒蘭展の真っ最中だ。 写真家の横山さんが選んだ、ニコンのクールピクス950。 211万画素で、ホームページには充分過ぎる性能だ。 今まで杭州寒蘭は、これはというものを、横山さんにスタジオで撮影してもらっていた。 しかし花の咲く時期にばらつきがあって、花の見頃と撮影スケジュールが合わないために、写真にすることが出来ないでいる花もある。 花は日に日に変わっていくから、毎日そばにいる人が撮影できるなら、丁度見頃の状態を写真にできるのは確かなのだが・・・。 一応使い方を教わり、パソコンに取り込む方法もなんとか覚えた。 しかし、社長も私も、肝心の写真を撮る技術が全くないのが問題だった。 「撮ってみて気に入らなければ消しちゃえばいいんだから、とにかくどんどん撮りなさい。」 と言われるが、慣れないものにはなかなか手が出ない。 杭州寒蘭の時期にはしょっちゅう来ているお客様のSさんが、デジカメを使い慣れているので、カメラだけ提供して撮ってもらう。 日陰の自然光がいいというので、外で撮ることになるのだが、車の振動や風で花が揺れる。 背景の前に被写体を置いてカメラを構えられる場所は限られているし、光の具合を調節することもできない。 悪条件の下での撮影だ。 そのせいか、それともやはり花を撮るというのは難しいということなのか、ピントが合っていても色が出ない。 杭州寒蘭は色が命だ。 黄色を含まないあのグリーンの花弁と真っ白な舌。 この色がでなければ、杭州寒蘭の写真とはいえない。 その肝心のグリーンが、茶色がかった色になってしまうのだ。 デジカメさえあれば、今この瞬間を撮っておくことが出来るという期待は、見事にはずれた。 風景や人物などのスナップ写真ならそこそこに撮れるが、花の写真となると素人には難しいことだった。 デジカメでの撮影は諦めて、やはりスキャナで取り込むしかない。 画像は荒れるが、色ははるかに本物に近いから。 ホームページに載せる時、ファイルサイズを小さくする方法として、
色々試してみても、どの方法が一番画像が荒れないのかわからない。 それとも最終的なサイズが同じなら、どこで落としても同じなのだろうか。 画面を24ビットにすればきれいに見えるが、16ビットだと背景のグラデーションがしましまになってしまうという問題もある。 その点デジカメでは、小さくしてもそういうことは起こらないのだが。 「写真をもっときれいに」という注文が多いから、何とかそれに応えたいが、いまだに解決策は見つからない。 12月の末、杭州寒蘭展が一段落したところで再びN先生が来てくれたが、すぐにフリーズしてしまうパソコンのインストールをやり直して、以上おしまいということになった。 これからは若葉マークが、たった一人で高速道路に乗り出すようなものだ。 心細さに涙のひとしずくがこぼれそうになるのをぐっとこらえるのだった。 |