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2003/4/30(水)
 火曜日に出てきたら、ウチョウランが一ケース盗まれているのに気がついた。前日水をやったときは間違いなくあった。
 駐車場から手を伸ばせば届くところに置いてあるのだから、無防備で、簡単に持っていけることは確かだが、それにしても腹が立つ。
 昨年は一鉢か二鉢ずつなくなっていたのが、今回は15鉢入りのケースごとだ。たぶん同一人物の仕業だろう。すごく空しい気分になる。
 例のピンクのニオイエビネに「雛の宴」という名前がついた。すっかり虜になってしまったYさんが命名した。
 真っ先にわけてもらう約束を取り付けた見返りに、持ち主のHさんから名前をつけてくれと頼まれたのだそうだ。
 天気は悪かったが、Eさん、横浜のHさんも出かけてきて、じっくり桃花を吟味、そのあと二人とも予約をいれていた。


2003/4/28(月)
 月曜、火曜は展示会中でも休みと決めてから久しい。欲得抜きで休養と充電の日にしたのだが、最近はそれもままならない。
 午前中は雑用でつぶれ、午後やっと少しはのんびりできるかとおもったら、えびねで気になる鉢がいくつかでてきて、整理に追われる。
 はっきり病気(バイラス)の症状がでてしまったものは、諦めも早くあまり悩まないのだが、判定が難しいものが一番困る。
 これまでの経験から、数のあるものはさっさとあきらめ、ないものは要注意グループにまとめて一年様子をみることにする。
 作場が込み合っているところにおかしな株が多く出るのは、やはり風通しと関係がありそうだ。


2003/4/26(土)
 いよいよ飛び石連休にはいる。花も全開になってきて、大勢のお客様に見て欲しいところだが、客足はいまひとつさえない。
 例年ゴールデンウイークは、期待するほど多くはないのだが、ことしだけはなんとか都合をつけて出かけて欲しいところだ。
 ニオイの「青嵐」とことしが初花のニオイのピンク。この2点だけでも盛りのいまの花を頭に叩き込んで欲しいと思う。
 まだ高価で、うちの店で定価をつけて売れるところまではいかないが、Fさんに頑張ってもらって早く増やしてほしいものだ。
 ニオイエビネは滅多にヤッコで芽をあげてくれないのに、Fさんがつくると、ヤッコのうえに押し子がきたりする。
 どんな管理法をするのか、肝心のところは教えてもらえないが、株をみせられると言葉が出ない。


2003/4/24(木)
 大塚でうなぎやをしているK君が、準備中の昼休みを利用して、もう三度目の来店だ。今回は蒲焼のお土産つきで来てくれた。
 まだ東農大の学生だったころからの付き合いで、えびね仲間が数人いて、今年は例年になくみんなで燃えている。
 昨日は第一園芸に就職したT君がきたし、同じ職場のM君も、忙しい中をやりくりして、伊東のニオイエビネ展やコオズ展を一緒にみてまわっている。
 「虞美人」が伊東で見事に咲いていて印象に残ったといっていたが、こちらでもようやく見ごろになってきた。
 常連客のYさんが手頃な中苗があるのに気がついて、さっそく売約の札をつけていた。
 夕方、やはり学生時代から出入りしていた名古屋出身のH君がくる。都内のマンションでいまでもえびねうを作っている。
 南向きのベランダのせいか、2、3年すると病気が出ることが多いとこぼしていた。マンションは日の当らない北側の方がいいようだ。
 面白かったのは、買ってすぐ病気にしてしまった「銀鈴」が、名古屋の自宅の庭で20年経ったいま、きれいに咲いているそうだ。
 葉にも花にも病気の兆候はまったく見られないという。枯れない以上ノーマルになろうとするのは当然のような気もするのだが、私のところでは病状が消えたものはない。


2003/4/22(火)
 大阪から新聞社時代の同僚がでてきて、都内にいる仲間も加わって大いに旧交をあたためる。
 午前中は月に一度の定期健診もあって、店のほうのことは一日お休み。メールも入っていたが全部あしたまわしだ。

2003/4/20(日)
 Hさんがニオイの「青嵐」をもってくる。はじめて見て感動した時ほどの最上木ではないが、ことしは見ごたえのあるものになっている。
 ニオイエビネでいい花は色々あるが、総合美で「青嵐」の右に出るものがあるだろうか。文句なしにすばらしい。
 Iさんはサツマの「金鳥」を飾ってくれる。まだ咲き始めたばかりで金鳥独特の色はでていないが、25花もつけている。
 こちらが本家なのに、ことしは花が休みだと嘆いていたものだから、最後まで堪能してくださいともってきてくれた。
 ニオイの「桃園」も最上木にして咲かせていたが、こちらは見せるだけだよと持ち帰ってしまった。
 売る苗はあるのだが、いい見本をみせなければどうにもならない。白石さんが「きょうのショット」で取り上げてくれたが、焼け石に水というものだ。

2003/4/18(金)
 埼玉のNさんからメールで、昔の名品が欲しいと問い合わせてくる。 タカネの「済州島」とか「白眉」など、いまから30年ほど前に人気の高かった花だ。
 順調に増えていればお安い御用だったろうが、私のところでは全部バイラスになってしまっていまは全くない。
 バイラスには苦しんで、一時はえびねを止めようかと考えたこともあり、どうやら栽培にめどがついたときは、新花を追いかけていた。
 でも、誰かがどこかでまだ作っているかもしれない。Nさんのためにも機会あるごとに探してみることにしよう。
 暖かい気温が続いてどんどん花が咲き出した。このぶんだと来週はじめから見ごろになるだろう。


2003/4/16(水)
 予想通り静かなスタートとなった。お客様の方がよく知っている。午前中はゆっくりパソコンの性能アップなどができる。
 それでも午後からはぽつぽつ見え始め、もう遊んでいる暇はなかった。えびねのときだけみえるOさんが来て「黎明」の小苗を売約にする。
 花がまだ早いのはわかっていたが、名品の苗が気になって、早々と出かけてきたのだそうだ。
 「島の輝」も欲しいらしく、半分の予算で買える位の苗はないかとの注文。あとで持ち主に聞いたら、Oさんの希望が叶えられそうな株があるそうだ。
 春蘭の人気コンクールに出品してくれたKさんが、手土産もって、品物を引き取りに来る。本来ならこちらが感謝の印をだすべきなのに、順序が逆なので恐縮してしまう。
 「御蔵水扇」を飾ってくれているWさんが日本春蘭の「寿紅」をもってくる。といってもイモ吹かしで芽が動き出したばかりのもの。
 「咲くまで10年かかるそうだけど、やる人がいたらあげてください」とのこと。果たして挑戦する人がでるだろうか。

2003/4/14(月)
 スピード違反で6万円の罰金をとられる。ゴールドの免許証を更新した直後に、ネズミ捕りにひっかかってしまった。
 環状7号のように道幅があると、スピードがでている感じがしなくて、40キロのところを30キロオーバーしていた。
 スピードが出やすいところに網を張るのが憎たらしいが、だから気をつけなさいよ、ということなのだろう。
 6万円のほかに、来週ある行政処分にも1万数千円かかるのは、けちな私にとってはなんとも腹立たしい。
 おかげで露文科の遅い新年会に1時間以上も遅れてしまった。会にかかった費用が全部で6万円。
 だれかが「つぎの忘年会の費用は、スピード違反をしたつもりで、鈴木に出してもらおうぜ」
 15日は鹿児島に日帰りで出かけるので、16日からの展示会に備えて、店内のレイアウトと水遣りで忙しい。
 暗くなってやっと終ったら8時をすぎていた。


2003/4/12(土)
 Fさんがタイミングよくきてくれて、疲れた体をもんでくれる。ずいぶん楽になった。
 えびねの展示会が始まる前から、こんなに疲れていては先が思いやられる。
 午後茅ヶ崎のSさんがみえる。毎年1点ずつ名品をコレクトしていて、ことしはHさんのもつ「御蔵式部」に決まった。
 Hさんがもってきた小株のほうだが、どうやら花が入っていそうなので、本人は大満足。
 予算が余ったのか、ことしはもうひとつ適当なものを買いたいと話していた。
 あっという間に決まってしまったニオイの「H紫」の中苗。千葉のIさんが取りに来て、いまひとつは名古屋のOさんに発送する。
 見本の親木の方はいまを盛りと咲いているのに、まだ嫁入り先がきまらない。安すぎる感があるのがいけないのか。それともまだお客様が来ないからなのか。

2003/4/10(木)
 展示会(16日から)は迫ってくるし、明日からは上野で業者組合の仲間の展示即売会がはじまるので、激励に顔出ししなければいけないし、15日はとんぼがえりで鹿児島行きがあるし、なんとなく尻に火がついた感じ。
 店の中をえびね一色にするには、まだ蕾が固すぎるものが多くて、作場から持ってくるのをためらってしまう。
 だいぶ暖かくなってはきたが、日が沈む頃になるとけっこう寒くなるので、期待するほどに花芽はのびてこない。
 それでも色々引っ張り出して、えびねの展示を増やしたので、春蘭類は一棚をのこすだけになった。
 店の開花1号はきのう開いた「御蔵紫天」。千葉のMさんから分けてもらったもので、数年前静岡で手に入れたというニオイエビネ。
 「御蔵天紫」というまだ見たことがない花もあるようで、まぎらわしいけれど、Aランクには文句なくはいる花といえそうだ。


2003/4/8(火)
 昨年はもう展示棚はえびね一色だったのに、ことしはお客様がもってきてくれたえびねが10鉢ほど咲いているだけだ。
 おかげでまだ春蘭を片付けるところまでいかない。えびねと春蘭の同居でなんともしまらない。
 仕方なく名品の中、小苗をならべて、しばらくはお茶を濁すことにする。
 私よりずっと作りのうまい人が協力してくれているおかげで、惚れ惚れする苗がそろっている。
 値段もしっかりしているけれども、展示されているものをあげると「島の輝」の開花株一歩手前の株、「白楽香』の1花咲きの株と古木吹かし、「黎明」の開花株と古木吹かし、「御蔵白鳳」「大納言」「天紫梅」の一作開花株、「虞美人」の同じく一作開花株と当歳苗といったところ。
 関心があったらメールでお問い合わせ下さい。

2003/4/6(日)
白石さんは大学時代の友人と、白川郷に一泊旅行に出かけてお休み。いい天気なのに午前中は孫娘が遊びに来ただけで静かなものだ。
 午後になって欅窯の三橋さんが来る。プラ鉢カバー用のえびね鉢の試作品を一つ作ってくる。
 たまたまHさんが4・5号にいれた「御蔵式部」をもってきていたので、早速入れてみたら、これがピタリと合って好評。
 次の窯では5号から6号までのを焼くそうだから、展示会の後半にはえびね鉢も並べられそうだ。
 暖かさにさそわれて、Yさんが久し振りに散歩がてら寄ってくれる。私と同じ糖尿で苦労しているが、まだインシュリンは打っていない。
 糖尿は食事と運動の両方が必要なのに、そのどちらもダメでは度し難い。Yさんの爪の垢でも煎じて飲まなければ・・


2003/4/4(金)
 横浜のHさんが品薄のニオイで、まだ花を確認していない初花株を数鉢、売り物で協力してくれる。
 むかし御蔵島からニオイを未選別で仕入れたとき、バルブをまとめて世話したことがあって、それを恩にきて出してくれたもの。
 ほかにも「H紫」と呼んでいる、紫の澄んだ、舌が純白のままのニオイももってきてくれた。
 これはもう見ごろに咲いていて、ほかに中苗も2鉢ある。値段も手頃なので、多分足ははやいことだろう。
 春蘭の人気コンクールに、「竜字」をだして協力してくれたTさんが品物を引き取りに来る。
 年齢は私より上なのに、PCに興味を持って近く始めそうな感じ。同年代以上は拒否反応の方が強いと思っていたが、どうやらもうそういう時代ではなくなってきたようだ。


2003/4/2(水)
 練馬のEさんが「スカット」が咲いたともってくる。前から造園業のIさんがほしがっていたもので、雨で仕事が休みのこの日待ち合わせた。
 Eさんは色がいまひとつといっていたが、花間が少し詰まっているだけで、名前どおりすかっとしたいい紫花だ。
 Iさんは一目で気に入ったようで、早々と家にもってかえったが、すぐ電話がかかって「金も払わないで失礼しました」
 私にもむかしそんな経験があって苦笑いする。
 Fさんが久し振りにきてマッサージしてくれる。Eさん、Iさんもご相伴に預かってご機嫌だった。
 ニオイの「天上白」の花付きを2株もってきて、「欲しい人がいたら売ってもいいですよ」と嬉しい提案をしてくれた。
 こんなこともあって、白石さんはえびね展の看板に使う写真を「天上白」にしていた。


2003/3/31(月)
 暑くもなく寒くもなく、仕事をしなさいという陽気にさそわれて、えびねの整理をする。
 花芽のきているものは、枯れた葉や上砂の入れ替え。花のないものは、2年以上たっていたら、新しい用土に替えてやった。
 中、小苗はこまめに植え替えてやると成長が早い。作場が合わないのか、ヒゼンの「楊貴妃」と「日向」は、小苗のうちはどうも機嫌が悪い。
 肥料が少ないせいもあるのだろうが、一年経っても殆ど大きさが変わらないのだからいやになってしまう。


2003/3/29(土) 
 午後から私用で留守にしている間に、茅ヶ崎のSさん、森永のKさんらがみえる。
 土曜日の午後なら店主はいるのが当たり前。預かっている蘭などあって、出掛けてきたSさんとしては、予定が大いに狂ってしまったことだろう。
 帰ったらえびねが10鉢ほど運び込まれていた。こちらはKさんがもって来てくれたもの。 花が遅いとぼやいていたので、早めに咲きだしたのを飾ってくれた。
 それも「霧の幻」「御蔵白鳳」「天紫梅」など、どれも一級品ばかりなので恐れ入ってしまった。


2003/3/27(木)
 コートもいらない春の陽気に、今まで閉めていたフレームの横窓を全開にする。風はいくら通してもいい。
 ところが、午後からは突風のように南風が強くなり、寒蘭の鉢が数個吹き倒される。
 南には私が生まれた母屋があって、台風のときでも、これまで南からの被害はほとんどなかった。
 それが最近は、母屋と店の間を通る風が急に強くなってきた。すぐ隣に13階建てのマンションが立ち上がってきたせいなのかもしれない。
 風がないのも困るが、強すぎるのも困ったものだ。余計な植え替えを二度も三度もさせられて、カリカリさせられる一日だった。

2003/3/25(火)
 一日中降り続いたが、冬の雨と違って、春雨の効果はてきめんだ。二日前に冬篭りから出したフウランやナゴランが完全に目を覚ます。
 雨にぬれて葉もつやつやして、二日前まで皺だらけだったのがうそのようだ。
 ウチョウランもぞくぞく芽をのぞかせはじめた。冬が長く寒かっただけに、一気に春の到来、そんな感じの日だった。
 雨で外の仕事はできなかったので、もっぱら問い合わせのメールへの返事などで過ごす。


2003/3/23(日)
 真っ先にヒーターを入れるのが日課だったが、きょうはもう入れる必要がない。厳しかった冬ともおさらばだ。
 フレームで冬篭りさせていたフウランやナゴラン、杭州寒蘭、えびねなどを表に出してやる。
 水をたっぷりもらって、なんとなく生き生きした表情になってきた。表が春の装いになって、背筋がぴんとしてくる。
 正直なもので、えびねは一気に芽をふくらませて、ニオイの「御蔵紫天」がトップを切って蕾をのぞかせた。
 HPを見て千葉から出かけてきた方が、スルガランとコオズを買っていく。匂いのよいえびねを庭植えで楽しみたいのだという。
 不精作りをすると、庭植えでも病気(バイラス)になるので、夏は夕方たっぷり水をやるのがコツだとアドバイスする。

2003/3/21(金)
 きょうから三連休。前の国道246は都心を離れる車で朝から渋滞がつづく。こんな時は平均して店の方はパッとしない。
 半ば覚悟していたら、植え替え用の土が出たのを皮切りに、忙しい一日になった。
 横浜のHさんが「翠台妃」の花なし株を3株とどけてくれる。休みで遊びに来た楊さんがすぐ1株買っていく。
 いい花は、こちらが何も言わなくても、足がはやい。それにしても、こんなにとんとん拍子で売れていく株なんてはじめてだ。
 前に日本春蘭の「極紅」を買っていった女の人が、楽鉢が欲しいと来店する。ところが買っていったのは欅窯の青磁の蘭鉢だった。
 値段は楽鉢の10倍近いのだが、すっかり気に入ってしまったのだという。同じ「極紅」でも彼女のは蘭冥利につきることだろう。
 夕方からは白石さんに店は任せて、例の中学の三金会。話題はイラクに集中して議論百出だったが、TVに写った投降するイラク兵にはみな同情的だった。


2003/3/19(水)
 のんびりと蘭を観賞するムードではなくなった。いよいよアメリカのイラク攻撃が秒読みとなった。
 戦争がはじまれば、否応なしに全世界が大きな影響を受ける。なにがなんでも戦争はない方がいい。
 ない方がいいが、ここまできたらどうしたらいいのだろう。アメリカにも、攻撃されるイラクにも、大義名分がある。
 意地を通して得られる結果の一つは、いつだって多くの国民の犠牲だ。わかっちゃいるけどやめられない。ああ、罪深きは人間なり。
 お客も来ないし、刻々と状況を伝えるTVに釘付けになって、重苦しい気分が募るばかり。
 党首討論の小泉さん、日本の選択の是非は別として、せめてイギリスのブレア首相が見せた国会での迫力がほしかった。


2003/3/17(月)
 運転免許証更新のための高齢者適正検査をうける。シュミレーターを使って反応の速さや正確さをしらべたのだが、結果はなんと5段階の5。30〜50台の平均より上回っていた。
 総合コメントも「あなたの機能は大変優れており、よい運転ができるでしょう」とあって、ご機嫌で帰ってくる。
 世田谷警察での更新手続きもあっという間に済んできょとんとしてしまう。写真もいらないし、所要時間が10分とかからなかったのにはたまげた。便利になったものだ。
 一日雨模様で、午後からは店にいたが、室内の5号鉢に水をやっただけで、あとはPCとお遊び。


2003/3/15(土)
 横浜のHさんが待望のイトラン「翠台妃」をもってきてくれる。3日ほど前に咲いてきたと、写真つきでメールをもらっていたが、実物は写真より遥かにいい。
 恐らく欲しい人で引っ張りだこになることだろう。鈴木吉五郎さんの命名品というのも価値感を高めている。
 ただ花付きが悪いそうで、Hさんのところでも、手に入れてから十数年ぶりに、ことし初めて花をつけたのだそうだ。
 この花をよく知っている人の話では、緑は濃くはないが、時間の経過とともに冴えてくるらしい。舌点も真ん中に1点で咲いている。安定しているとすればこれも長所だ。
 人気投票はきょうで締め切り。蓮弁蘭を2点出したKさんは、「トップ賞はもらったようなもの」と、自信満々で展示品をひきあげていた。


2003/3/13(木)
 3、4日風が強かったせいか、作場のえびねがだいぶ乾いていて、慌てて水をやる。もうそろそろ芽の動きも急になるので、これからは水遣りが忙しくなるだろう。
 メールで古典の中国春蘭をこつこつやりたいといっていた千葉・成東のSさんがみえる。運良く蘭寶ャ史の日本語版の、残っていた最後の一冊を手に入れて喜んでいた。
 中国春蘭をやるからには必携の本。発行元に在庫があるなら、また少し入れておかなければいけない。
 Kさんがコンクールに展示していた蘭を引き上げに来る。投票は15日までなので2日早いが、自分の会の展示会があるのでやむをえないところ。
 1点はかなり好評だったので、うまくすればトップ賞を取れたかもしれないが、こちらとしては参加してくれた事を感謝するばかりだ。


2003/3/11(火)
 今月は植え替えの時期だといいながら、用土の方をケロッと忘れていた。自分用のは殆ど四六時中やっているのでたっぷりあるが、お客様用のがゼロだ。
 土作りをしなければ寒い寒いと背中を丸くしていたろうが、汗ばむほどで、冷たい風が気持ちいい。
 午後からは特に用事もなく、久し振りにのんびりできる。夕方からは四谷のMDというビフテキ屋さんで、旅の仲間の遅い新年会。
 このビフテキ屋さん、昼飯にうまい物を食い歩くうちに定番になってしまった店。特にうまいとは思わないが、どういうわけか飽きがこない。


2003/3/9(日)
 天気はいいのだが、風が強く冷たい。このぶんではお客様は期待できないと思っていたら、日テレのAさんが呼び水になってくれる。
 前橋のKさんが、「万字」が増えたからと、わざわざもってきてくれる。開けたら真っ白な根で一本も腐っていない。
 どうしたらこんないい根が作れるのだろうといったら、液肥だからという答えがかえってきた。
 置き肥だとどうしても根がやけて、真っ白にはならないそうだ。「万字」のお礼にと、細葉蓮弁蘭の白系の梅弁花をあげたが、置き肥のせいか、確かに根は腐ってはいなかったが、真っ白ではなかった。
 人気コンクールもあと一週間というのに、Taさんが展示品をもってくる。入賞する可能性はもう殆どないが、喜んで飾らせてもらう。


2003/3/7(金)
 眼底検査のため、雨の中を新橋の慈恵までいったら、予約は明日になっていた。予約表にもはっきりそう書いてある。
 手帳には7日と書き込んでいたので、病院に着くまで全く疑わなかった。どこでどう勘違いしたのか、年はとりたくないものだ。
 雨は一日中降り続いて開店休業。幸いヒーターの故障はきのう直してあったので、震えることはなかったが、やることもなかった。
 こんなときこそ本を読むなり、英語の勉強でもすればいいのに、気が進まない。でれでれと一日過ごしてしまった。

2003/3/5(水)
 水曜日というのは、一週間のうちで一番暇な日が多いので、以前はこの日を定休日にしていた。
 色々な都合でいまは月、火曜日を休みにしているが、そんなわけできょうも忙しさとは無縁の日だった。
 前日の強風で店の庭や隣の駐車場にビニールや紙や空き缶が飛んできていて、一時は掃除が大変だったが、あとはやることがない。
 午後、Nさんと蘭友の、成田のTさんが、店を待ち合わせの場所にして旧交をあたためる。たっぷり3時間は雑談していたろうか。
 その間に見えたのはえびねのHさんだけだった。
 Hさんは最近、鎌倉彫のきれいなHPをたちあげたが、そこに世界ラン展の日本大賞花などをうまく組み入れて、いっそうすばらしいものにしていた。
 被写体もいいが、写真もうまいので実に見ごたえがある。

2003/3/3(月)
 平日の仕事の疲れを癒すのが休日のはずだが、このところ休みというと雑用が重なって休みにならない。いつも手伝ってくれている中学の友達が、体を悪くして休んでいるのもひびいている。
 それでも昼前後には店に出て、一部の蘭の水遣り、前日持ち込まれたコンクールの展示品の追加、問い合わせのメールへの返事などこなす。一段落したらもう夕暮れになっていた。雨がひどくなっている。
 これから寝たきりの叔母の見舞いだ。一週間に一度いっているのだが、見舞うより見舞われるほうが、よっぽど大変なことだろう。


2003/3/1(土)
 昼前から雨になってつめたい。お袋の17回の法事を済ませて店に戻ったのは3時すぎ。ヒーターの具合が悪くなって、留守番の白石さんは一人で震えていた。
 お客も少ない。Sさんが中国春蘭の「朱舜酔」をもってきてくれたほかは、K君が寄ったぐらい。えびねの「黎明」の小苗の値段を知りたかったのだろうが、店主が留守でははなしにならない。
 長崎からニオイエビネの問い合わせメールが入っていて、その返事を打つのがきょうの一日の仕事だった。
 雨もひどく、店を閉めて帰ろうとしたら、Oさんが門の前にたっていた。予約していた「秀月」を取りに来たのだという。おかげで売り上げゼロを免れた。


2003/2/27(木)
 千葉のMさんが奥さんといっしょにみえる。コンクールに出品するものは一つもないそうで、投票だけしてもらう。
 千葉といっても、住んでいるところは東京より3度ほど低く、まだ殆ど咲くところまでいっていないそうだ。
 Tさんも、一輪だけでまだ開いていない「竜字」だが、「枯れ木もヤマの賑わいに」と飾ってくれる。
 コンクールは参加することが大事。賞が取れないことはわかっていても、出品してくれたことがうれしかった。
 Uさんも投票に寄ってくれる。むかし分けてもらった「春雪」が咲いているのにびっくり。本家は気息奄々だそうだ。
 私が自慢しているイトラン素心も、いつの間にか枯らしてしまったという。「ここでまだ健在だったか」と感慨深げに、じっとみていた。


2003/2/25(火)
 久しぶりにいい天気になったが、午前と午後と病院のかけもち。途中ちょっと店に戻って、一部の蘭の水遣りと慌しい。夕方PCの前に座ってやっと落ち着いた気分になる。
 きょうのメールは常連のHさんが、風邪でダウンしたというものだったが、このところメールでの取引が多くなっている。
 屋久島植物園の亡くなった白土さんが、あと一、二年でPCだけで商売がやっていけるかもしれない、と生前話していたのを思い出す。
 まさかそこまでになるとは思えないが、ひょっとすると店でのフェース・ツー・フェースの商売と、売り上げが互角になるかも、なんて考えてしまうほどだ。
 所詮、店自体が多寡の知れた売り上げだけど、HPからのお客様が増えてくるのは、うれしいものだし、やりがいもある。

2003/2/23(日)
 白石さんが北海道に流氷をみにいって本日はお休み。きょうから人気コンクールも始まって、朝から休むひまなし。
 「緑雲」の見事な株を、駆け込みでもってきたOさんを皮切りに、夕方6時過ぎまでお客の切れ目なしには参った。。
 暇なのに慣れてしまっているので、さすがに疲れたという実感を持った。白石さんがいるといないのでは大違いだ。
 これからメールの返事もいくつか打たなければいけないので、ここは早めに切り上げだ。


2003/2/21(金)
 今年になってはじめての三金会(中学の同級生の一ヶ月に一度の集まり)が楽しみで、朝からせっせと働く。
 23日からの人気コンクールに備えて二階に展示場をこしらえる。きのうNさん、Eさんも展示品をもちこんでくれ、これまでに集まっただけで一応かっこうをつける。あとは駆け込みの展示がどれだけくるかだろう。
 そのほか売り物のイトランや中国春蘭を一箇所にまとめ、棚の配置にもアクセントをつけて見やすくする。
 Eさんが見事な株にした細弁のイトラン素心をほめて、白石さんにも「きょうのショット!」で取り上げて貰ったら、Aさんから「私のイトランもみて」とメールが入る。
 広弁のよさそうな白花なので、すぐ白石さんに取り上げてもらおうとしたら、ピントがぼけていてダメとけられてしまった。ごめんなさいね。


2003/2/19(水)
 北海道岩見沢の人が、HPをみて訪ねてきてくれる。「大富貴」と「西神梅」を買っていく。
 「西神梅」は古木3条だったが、根が悪かったので大サービスしたつもり。生水苔植えにして管理法を教える。
 寒いところなので心配したが、栽培経験があるというので安心する。けっこううまく出来ていたらしい。
 奥地の蘭の朶々香を飾ってくれていたKさんが、こんどは中国春蘭の「富岡素」と「唐紫苞」の大株をもってきてくれる。
 見事なので23日からの人気コンクールに出してもらうことにする。


2003/2/17(月)
 長崎のMさんからメールがはいる。えびね最盛期の20数年前から、知り合って賀状のやりとりをしている。
 まさかメールをやりだすとは思っていなかったし、あちらもこちらがPCやって、HPまで作っているなんて知らなかったのだろう。
 これからは簡単に情報の交換が出来る。長崎だなんて昔は気が遠くなるほど遠かったが、PCは距離をなくした。
 きのうEさんが以前に渡したイトラン素心を増やしてもってきてくれた。見事な出来で花もよかったので、ボーナスをつけて買い取る。
 いい花といえば、超円弁で厚肉の花と相場が決まっているが、細弁細舌でも一歩も引かないものもある。
 Hさんも来て、朶々香の兜のある白の梅弁花「峨眉雪梅」をみせてくれる。
 株が痛んでいたので、飾って大勢の人にみてもらうわけにはいかなかったが、奥地の蘭の変わったものをよく集めている。

2003/2/15(土)
 人気コンクールが一週間後に迫ってきて、Kさん、Tさんが展示品をもってきてくれる。問い合わせも何件かある。
 Tさんは奥さんの運転で、増えた蘭も少し持ってきてくれた。朶々香のオレンジ花、雪蘭白花などは人気になるだろう。
 学研のSさんは人気コンクールとは別に、満開の「花蓮黄」を飾ってくれる。店のも咲きだしてきたが、まるで別物のようにふくよかだ。今日一日で店内がだいぶ賑やかになる。
 Sさんが見つけたのだが、花が来ていないと思っていた杭州寒蘭の「一天湖」が咲いていた。
 初花のときとは違って、全体に緑が淡く、捧心は白く抜けて、その弁元と舌が淡いピンクに染まっている。
 花は大きくないが、杭州寒蘭の緑弁桃舌として、独特の雰囲気をもっている。安定すれば大変な人気になることだろう。
 数少ないピンク花の「朝暉」と合わせて、二つの珍しい杭州寒蘭が、春蘭の時期に見られるなんて、どうなっているのだろう。 

2003/2/13(木)
 若い子が「緑英」を買っていく。古木だが、控えのイモが三つもあり、花芽もついている。
 以前に「翠蓋」を買っていったそうだが覚えていない。上手に育てているらしから、古木1本でも大丈夫だろう。
 来店するお客はまだ少ないので、底をついてきた混合砂を急いで作る。赤ボラ2、鹿沼土1、焼赤玉1の割合で、ぜオライトと桑炭を少々加える。
 底土は赤ボラの単用だったが、最近は発泡スチロールを指先大にちぎって半々ぐらいに混ぜている。
 ものによっては中土にも使ってみている。ちぎって植え込むのが面倒なのでやめていたのだが、鉢が軽くなっていい。
 これまで作が落ちたという経験もないので、砂の節約のためにも、これからは大いに使ってやろうと思っている。


2003/2/11(火)
 降ったりやんだり、ぐずぐずした天気は気分まですっきりしない。おまけに一週間に2日ほど手伝ってくれる中学の同級生が、集団検診で引っかかり、肺の精密検査を近く受けるという。
 本人はこのところ左の背中が痛んで、癌ではないかと心配しているのだが、癌で痛むようなら末期も末期だろう。
 気分転換だと仕事はそっちのけにして、近くに住むやはり中学の同級生のところに遊びに行く。
 他愛のない世間話で、男しゃべりをしている間に、くつろいだいいムードになってくる。
 あすから春蘭展なので、午後から最後の準備をしていたら、茅ヶ崎からはじめてのお客様がみえる。
 「HPで休みとはわかっていたけれど、近くまで出てきたので」ということで寄ったとのこと。
 中国春蘭が好きだと聞いて急に親しみが湧き、23日からの人気コンクールに出品するよう薦めてしまった。
 Hさんも「休日出勤でちょっと時間が空いたので」と遊びに来る。こちらも仕事より遊びたい方なのでちょうどよかった。
 「緑雲」がことしは絵になりそうだ。4条の木に花芽が四つ。そのうち二つが双頭花間違いなし。
 作りに関してはいつも下手糞といわれているので、たまにはどんなもんだいと見返してやりたい。
 しかし「寰球荷鼎」の方は、大株なのに花芽はひとつだけ。なにもかもうまくいかないところがいただけない。


2003/2/9(日)
 暖房が要らない暖かさになったのに、午前中は常連のHさんがみえただけ。
 中国蘭の奇花を持ってきてこれは何だろうかという。「簪蝶」と「笑蝶」は区別がはっきりせず、いま出回っているものの殆どは「簪蝶」だ。
 Hさんのは「簪蝶」のくすんだ感じとにごりがなく、花弁の緑も紅点も明るくすっきりしている。
 確信はもてないが、これが「笑蝶」だといわれれば、そうかもしれないと思わせるだけの違いがある。
 午後は船乗りをしているという岩手の人が来る。寒蘭と富貴蘭をやっていて、奥さんはえびねに熱を上げているそうだ。
 航海にでている間は、管理は奥さん任せなので、どうも水遣りをサボっているらしく、あまりうまく出来ないとこぼしていた。
 「東洋蘭を商売にしている人は、なんとなく一癖も二癖もありそうな感じの人が多いが、ここの主人はまったく違うね」
 褒めているのかけなしているのか、意味不明の言葉を残して、また来るよと帰っていった。
 富貴蘭用に八起窯の透かし二重焼き締め鉢を付き合ってくれた。

2003/2/7(金)
 土、日を控えて表の246号線は、朝から渋滞がつづいているが、店の方は閑散としている。こんな日がときどきある。
 白石さんも早々と引き上げ、こちらは黙々と展示会用の品物作りに精を出す。
 立ち寄ったのは造園業のIさんだけ。蘭のことはそっちのけで、値下がりしている株をいま買い増しすべきかどうか、なんて話になる。
 底値圏は間違いないだろうが、いまは現金を持っているのが一番で、あわてて買う必要はないといった結論になった。
 財布の紐はかたく、デフレは当分続きそうだ。

2003/2/5(水)
 Fさんが来て久しぶりに肩をもんでくれる。月、火曜日はけっこう雑用に追われて疲れ気味なので、いいタイミングだ。
 Sさんが早々と人気コンクール用に「宋梅」と「素蝶」をもってくる。コンクールは23日からだが、花は頃合に咲きそうだ。
 あまりみかけない「祥字」の7花咲きも展示してくれる。こちらはもう見ごろになっている。
 このところ杭州寒蘭に熱があがっているKさんも、なんとなく刺激されたのか、2花きている「端秀荷」を出そうかと言いだす。
 人気コンクールは参加することに意義があるので、大勢の人が出品してくれると楽しい。賞品を用意するこちらにも張りがでる。
 きょうMさんが飾ってくれた日本春蘭「勾玉」は、自分が多摩丘陵で採取したものを、自ら作った鉢に入れて咲かせたものだ。
 何年か花は見ているが、ことしは舌の紅一点といい、一番よく咲いている。鉢も師匠(欅窯の三橋さん)顔負けの素晴らしい出来だ。
 いま83歳。花とともに、老いてますます元気なのがたのもしい。こちらもあやかって頑張らなくっちゃ。


2003/2/3(月)
 深谷市のOさんからニオイの「虞美人」などの注文をうける。写真を添付したメールをやりとりして、話がまとまった。
 PCによるこんなケースがこのところますます多くなっている。が、自分ではメールがどうやら打てるだけで、写真は白石さん任せ。
 デジカメで写真を撮って、とりこんで、メールに添付するぐらい、自分でやったらとは思うのだが、どうにも前向きにならない。
 困った爺だが、PC なんて金輪際やらねえぞといっていたのが、曲がりなりにも毎日いじくっているのだから、変われば変わるものだ。
 えびねといえば、広告代理店から「例年通りでいいか」という問い合わせが入る。
 OKと返事したが、PCの重みが増すにつれて、雑誌の方は軽くなっていく気がする。


2003/2/1(土)
 琵琶湖畔のXllさんが上京のついでに寄ってくれる。最近「渓谷の妖精たち」というイワチドリなど、チドリ類のHPを開設した人。
 手塩にかけた綺麗な写真がいっぱい載っていて、よく楽しませてもらっている。培養のことなど、色々教えてもらうことが多かった。
 帰り際、覆輪のオキナワチドリを買っていただく。チドリにぞっこんの人に望まれて、オキナワチドリも本望だろう。
 午後、Hさんが朶々香のサラサ素舌をもってくる。まだ三分咲きといったところだが、よだれが出るほどいい感じだ。
 「こんな花に弱いと思って・・」と、したり顔でにやにやしている。意外と安かったので買い占め、いまは少し増えているとのことだ。
 ひょっとしたら恩恵にあずかる人が何人かでてくるかもしれない。あすにでも白石さんが「きょうのショット!」でとりあげることだろう。
 森永のKさんが展示してくれていた杭州寒蘭を引き上げにくる。ことしは初花株が大当たりで、とくに「Kの青」と仮名した青花はみごと。
 おかげでボルテージはあがる一方だが、若い人の参入だけに、杭州にかけている私には心強い。


2003/1/30(木)
 包装紙ができあがってくる。印刷屋をやっていた中学の同級生が、開店のとき、お祝いだといって大量にプレゼントしてくれた。
 こんなに作って、死ぬまで使ったって使い切れないよ、といっていたのが、いつの間にかなくなっていた。
 今年で開店30年。毎日1枚ずつ使ったとしても1万枚をこえる。なくなって当然だが、それよりよく店がつぶれずにもったものだと思う。
 朝からせっせと寒蘭から春蘭への入れ替え作業。汚れた化粧砂を新しくしたり、溜まったみじんを洗い流したり、忙しい一日だった。
 白石さんは表にかける看板を完成し、あしたはいよいよ今年の展示会の日程を知らせるDMの発送だ。


2003/1/28(火)
 せっかく暖かでいいお天気になったが、2週間の入院がたたって、雑用で一日つぶれてしまう。
 昨日はずっと雨で仕事にならず、気ばかりあせるが、かなりお天気任せの商売なので仕方がない。
 このところメールでの問い合わせが多くなり、この日も2件。出来るだけ返事は早くするようにしているので、終ったらもう7時をすぎていた。


2003/1/26(日)
 白石さんのテニス仲間で陶芸を趣味で楽しんでいるお年寄りが、東洋蘭の鉢を作って、適当な蘭を植えて欲しいといってくる。
 鉢としての機能性はともかく、なかなか悪くない出来だ。なんとか絵になるものにしたいと、2花あがっている細葉蓮弁蘭を入れてみる。
 気に入ってもらえるかどうかいささか不安だが、それにしても、自分の手作りの鉢で蘭を楽しむなんて最高の道楽だ。
 HPをみてといって、鎌倉から若い男の子がくる。造成でだめになる裏山の春蘭を掘ってきて、何年か育てているという。
 気に入った「宋梅」とか「西神梅」をみたかったらしいが、まだ咲いていなかったので、しばらく常連のHさんらと雑談して帰る。
 こういう子が東洋蘭の伝統の担い手になるのだと思うと、こちらもつい力が入って、ウキウキした気分になった。


2003/1/24(金)
 風が強く冷たい。思わず背中を丸めてしまうが、蘭室の中は暖房を入れているみたいに暖かい。いつの間にかもう春の日差しだ。
 白石さんは来月12日からの春蘭展の看板作りの準備をはじめ、こちらも花のきた春蘭の整理に追われる。
 久しぶりにピアナン桃花素舌の「羽衣」が蕾をあげた。ピアナンは作りにくいといわれるが、このところ作があがってきている。
 春蘭の中では一番暗いところに置いて、風通しをよくしてやったのがよかったようだ。
 午後、横浜のHさんがみえる。むかし鈴木吉五郎さんから分けてもらったイトランの緑花「翠台妃」に、やっと花がきたとよろこんでいた。
 イトランは大好きなので、咲いたら展示してくれるように頼む。株も増えているようなので分けてもらえるかもしれない。


2003/1/22(水)
 午後、慈恵から退院してくる。2週間留守にした店の蘭など、大いに気になっていたが、思ったほど傷んではいなかった。
 東洋蘭は乾燥に強いことをあらためて知らされる。それでも小さい鉢は表土がからからなので、たっぷり水をやってやる。
 杭州寒蘭がまだがんばっている。くたびれた花を元気なのと代えてやったら、当分はまだ店内を飾れそうだ。
 「古美」の花持ちの良いのには驚きだ。もう2ヶ月は咲いている。捧心の舌化も見事だ。
 命名者のKさんが留守中に来て、「こんなに特徴が出た古美は見たことがない。誰が作ったのだろう?」と、べた褒めしてくれたそうだ。
 偶然うまく咲いてくれただけで、腕がいいなどといわれると、穴があったら入りたくなる。
 そのKさんは、蓮弁蘭と朶々香の満開の大株を飾ってくれた。Hさんもイトランの白花を持ってきてくれていた。
 暦のうえでは大寒だが、春はもうすぐそこまで来ている。しばらく見ぬ間に、蕾はどれも大きくふくらんでいる。
 数人のお客様から退院おめでとうのрいただく。ありがたいことだ。これからまたせいぜい頑張らなくちゃあ。


2003/1/6(月)
 ことしの冬は寒い。当初は暖冬の予報だったので、年齢のせいかと思っていたが、やっぱり例年より厳しい寒さのようだ。
 風の当るところは撒いた水がしばらくすると凍っている。生水苔を使おうと思ったら、凍っていてやめてしまった。
 まだ入院日は確定しないが、いずれ近いので、せっせと店内の模様替えをする。
 杭州寒蘭が元気だといっても、年が明ければやはり春蘭だ。奥地の蘭も俺の出番とばかり、花芽をあげてきている。

2003/1/4(土)
 森永のKさんに寝込みを襲われた感じの仕事始め。店を開ける前にもうやってきていた。
 道が込むだろうと早めに田舎を出たら、意外と空いていて、見込みの半分もかからなかったそうだ。
 13年に入れた杭州寒蘭の、二度目の花を見て欲しいと数鉢もってくる。
 青花でいいのが二つ、サラサでよくなりそうなのが二つと、なかなか効率がいい。
 さっそくお屠蘇で乾杯。Kさんのボルテージはことしますますあがりそうだ。
 IBMのHさんは、手塩にかけた中国春蘭を、販売に協力してくれるということで、早々ともってきてくれる。
 「松村万字」「雪蓮」「端秀荷」と、こちらにとっては品薄のものばかりで大いに助かる。
 消防署のFさんも来て、こちらは年末年始の疲れを、例のマッサージでもみほぐしてくれる。
 学研のSさんは、タイミングよく現れてたっぷりもんでもらい、いいお年玉を貰ったとご機嫌だった。


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