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2002/8/30(金)
 気温が30度を越せばこすほど、店に来るお客様の数は少なくなる。このところまた残暑が厳しくなって、夕方までは暇をもてあます。植え替えでもやればいいのだが、なんとなくその気にもならない。
 お客様の方も不精をして電話の問い合わせが多い。蘭鉢展のDMがもう届いていることもあって、古鉢ガラクタ市のことを聞いてくる。
 しかし、こちらもどの程度のものが集まるのか、いまのところ見当がつかない。蓋を開けてみるまではと、電話の返事もまことに歯切れが悪い。
 夕方フラワー・スタイリストという女性がきて、生水苔を買っていく。売るのがもったいないほどに、綺麗によく伸びていた。


2002/8/28(水)
 前夜雨という予報は外れて、外の水遣りに追われる。いまにも夕立がきそうな空模様に、一雨期待したが空振り。逆にどんどん気温があがって、こちらの動きが鈍くなる。 
 植え替えも柄物の寒蘭「月輪」の1鉢だけでやめてしまう。そして白石さんに店番を頼んで、クーラーの効いた床屋さんでさっぱりしてくる。
 ひと坪園芸から9月の園芸店情報はどうするかと聞いてくる。4日からの蘭鉢展を伝え、特にことしから始める古鉢ガラクタ市に力を入れてくれるよう頼む。
 どこまで品物が集まるか、正直のところ自信はないが、色々がんばってみるつもりだ。


2002/8/26(月)
 暑さが戻ってきたが、もう以前のようなことはない。前日、造園業のIさんが用土を買いに来て、これから植え替えを始めるといったのに刺激されて、こちらもその気になる。
 植え替えの適期は、春でも夏でもお彼岸すぎとなっているが、秋は今頃から始めてOKだ。植え替えた直後は出来るだけ涼しいところにおいてやるのがこつだ。
 手始めに台湾寒蘭の「白鷺」を植え替える。大株で花芽もいっぱいきているし、2年植え替えていないので、株分けして2鉢にする。心配していた根痛みもなくほっとする。
 気分を良くして少しがんばる気になったら、雑用が入ってだめ。欠かせない水遣りをさっとやってお仕舞いにする。色々あってなかなか仕事に集中できない。


2002/8/24(土)
 学研のSさんがやってくる。すぐ杭州寒蘭の話になる。Sさんのところも、ご多分に漏れず、出来はあまり良くないようだ。
 杭州寒蘭だけでなく、比較的丈夫だと見られていた蓮弁蘭も、ことしは新芽が4、5センチのところで伸びを止めたままのものが多く、ここにきてその一部が枯れてきたのもあるそうだ。
 気になる素心の「翠皇」は、新芽が2枚葉で、Sさんの期待を大いに裏切っているようだ。「花が来ても今年は摘んでしまおうと思ってます」と苦笑い。
 杭州寒蘭ぐらい天邪鬼な蘭はなく、増えて欲しいものほど言う事をきかない。それでいてある時期から、急に別物のように丈夫になることがあったりする。
 ここ一、二年の「峨眉山」「西湖」がそれで、ことしの暑さも一向に気にせず、元気一杯で、早くも花芽をあげている。


2002/8/22(木)
 ありがたいことに、台風を境にぐんとしのぎやすくなる。二階で蘭鉢展の看板作りをはじめた白石さんも「暑さが続いていたら大変。助かります」とご機嫌だ。
 蘭鉢展のDMも早手回しに刷り上っているので、こちらのほうはあしたの金曜日に発送する予定。
 生け花をしているという女の人がきて、咲いている夏咲きえびねを見て「これはえびねですか」ときいてくる。「そうです」と答えると、お師匠さんから「えびねは春の花だから、いまはないはずよ」といわれたといい、早速生け花に使ってみたい様子だった。
 夏咲くえびねがあることは、まだ知らない人がけっこういるようだ。春に比べればパンチが弱いから仕方ないか。


2002/8/20(火)
 しのぎよかったのも束の間、また暑さがぶり返してきた。きょうは風が味方になってくれたが、あしたからどうなることか。
 午前中は慈恵病院の定期健診。海外旅行でつい破目をはずして、体重が2キロ近く増えてしまった。検査の結果は悪いに決まっていると考え、先手を打ってあれこれ弁明していたらどうだろう。まったく逆の結果で褒められてしまう。
 血糖値は101。これは一、二食抜けばかなりごまかせるので当てにならないが、HgA1cが7・6。こいつはごまかせない。ひどいときは9点台だったこともあるので、当然8点台にはなっていると思っていたから、こっちもびっくりしてしまう。
 現金なもので、途端に体が軽くなったような気がして、るんるん気分で帰ってきたが、これが怖い。すぐたがが緩んで元の黙阿弥を、これまでなんど経験したことか。用心用心。
 あれだけ雨が降ったのに、強い風でよく乾く。生水苔など早くも白くなりかけている。風のときはいくら水をやっても心配ないので、えびねからウチョウラン、ほとんどのものにたっぷりかけてやる。


2002/8/18(日) 
 いや、涼しい涼しい。気温27度。台風の接近で時折強い雨が降るが、つけっぱなしのクーラーをとめて自然の風を一杯に入れて、こんな気分のいい日はない。
 中学の先輩からセッコクの八重咲き「妙高の鳳」が欲しいと電話が入る。5月11日のこの欄でとりあげたのが、今頃になって先輩の耳にはいったのだそうだ。
 Hさんが飾ってくれたもので、私の持ち物ではないので、さっそく聞いてみることを約束する。
 第一園芸のMさんらが、仕事の途中で立ち寄る。仕入れ部にいるのだが、ことしは異常な暑さで客足はさっぱりだとぼやいていた。もっとも涼しくなったきょうは、玉川の店はだいぶ賑わっているとのことだった。

2002/8/16(金)
 三橋ファンのYさんがひょっこりみえる。千葉の別荘と福島に嫁いでいる娘さんの家を行ったりきたりして、優雅な老後を送っている羨ましい限りのご夫人。
 店に入るなりチタン寒蘭鉢の窯変が気に入って売約にする。9月に蘭鉢展があるのに、その時はその時といって、さらりとしている。
 千葉の別荘では二階に棚を作って、これまで集めたものを飾って楽しんでいるそうだ。「もう個展ができるかもね」と笑っていた。
 午後4時からは例の「三金会」だ。あとは白石さんに頼んでさっさと出掛けてしまう。あちこちで夕立があったらしく、だいぶしのぎよくなった。

2002/8/14(水)
 お盆休みで開店休業と思っていたら、午後から千葉の方ではじめてのお客様がみえる。 現役を引退したので、これからは好きな中国春蘭をしばらくは楽しみたいと話していた。
 既に60種類ぐらいは集めているが、間違いないものであるかどうか、心もとないといって、蘭寶ャ史の日本語版を求めていった。
 千葉のTさんも来て杭州寒蘭の話になり、すっかり興味をそそられたらしく、時期にまた来るということだった。
 えびねのOさんもランニング姿でやってくる。威勢がいい。この暑さにもかかわらず、春に求めた「紫式部」をはじめ、どれも快調だという。
 会社が終ってから毎晩、かかさずに水はやっているそうだ。上手に作るコツは、思いやりに尽きるということか。


2002/8/12(月)
 日曜日、35度を越す今夏最高の暑さになったというのに、偶然杭州寒蘭マニアの浜ちゃん、埼玉のIさん、下町のHさんが遊びに来る。
 杭州寒蘭の出来は三者三様。埼玉のIさんは順調な成育のようで、2年前に2条で持っていった「弧峰」が、今年は新芽が3本も上って7条になっているという。
 とても信じられないような好調ぶりに対して、後の二人はパッとしない。屋上を作場にしているHさんは、素心を2鉢この暑さで枯らしてしまったと嘆き、アパートの室内で作っている浜ちゃんの蘭も、ばてばての様子らしい。
 報道によれば、この100年で気温が3度あがっているそうだが、実感としては、ここ10数年で急激にあがってきた感じで、蘭がこの変化についていけるのかどうか、いささか不安な気持ちになる。
 我が家の蘭もここのところ完全に成長を止めている。

2002/8/10(土)
 夕方、杭州寒蘭などに水をやっていて気が付いたのだが、今年は新芽の伸びが悪いようだ。
 2週間近くも留守していると、見違えたように、大きく伸びた感じがするものなのに、ことしはそれがない。
 ものによってはまだ4、5センチほどの株もある。これも猛暑がつづいているせいなのだろう。
 寒蘭、春蘭はまだいいが、心配なのはえびね。人一倍暑がるだけに、また病気のことが気にかかる。


2002/8/8(木)
 しばらく日本を離れて戻ってきたらこの暑さ。30度を越すというのならまだ我慢できるが、軽く35度を超えてしまう日が続くのだから、時差ぼけもあって、堪えること堪えること。
 店の方はもちろん開店休業状態。お客様を期待するほうが間違っている。それをいいことに昼間はクーラーの前でうつらうつら。5時を回ってから動き出すよたかの毎日だ。
 でも、きょうは暦のうえではもう立秋。正直なもので、朝コオロギが鳴いているのに気づいた。


2002/7/22(月)
 定休日なのだからゆっくり体を休めていればいいものを、どうしたかげんか、急に店の周りの草むしりや、茂った樹の刈り込みをやりはじめる。
 手伝いにきていた中学の友達こそ災難。暑い盛りの仕事だから、忽ち汗びっしょり。二人とも水にでも飛び込んだみたいな状態になって、思わず吹き出してしまった。
 大汗をかいたのは久しぶりのことだったが、シャワーを浴びた後のさっぱりした気分は、これまた格別だった。

 都合により8月7日まで休載させていただきます。

2002/7/20(土)
 朝から快晴、梅雨明け宣言も出て、昼過ぎには都内で35度をマークする。
 なにもかもがみるみる乾いていく感じで、日も当たらなくなった4時過ぎから、たっぷり水をかけてやる。2時間もかかってしまった。
 えびねに風を送っている扇風機が、カタカタ音を立てて首を振らなくなった。新品を買ってまだ1年ほどなのに、最近の器具は壊れるのが早い。
 それにしても、梅雨が明けるとともにダメになるなんて、タイミングが悪すぎる。


2002/7/18(木)
 店を開けてすぐ、一ヶ月ぶりに床屋にいき、さっぱりして戻ってきたら車の修理が出来上がっていて、取りに行ったりして、店の方は白石さんにまかせっぱなし。
 といってもこう暑くては、クーラーの効いた部屋の中で、PCでもいたずらしているしかない。
 午後は一ヶ月に一度の定期検診で、2時過ぎには病院に出掛けてしまい、戻ったのは7時。もう白石さんが店を占めて帰ろうとしているときだった。


2002/7/16(火)
 台風7号の被害は、6号に比べれば、ゼロといっていいほど軽くすんだ。少し東に逸れてくれたおかげだろう。
 6号のとき風で落ちて鉢を割ってしまった、ウチョウランの株立ち(60本以上)がまた落ちて、ものの見事にまた割れてしまった。
 小学生の頃先生から、羊は一度つまづいたところは二度とつまづかない、と教えられたのを思い出して苦笑する。


2002/7/14(日)
 今日も暑い。クーラーは23度にしてあるが、昼過ぎには室内の温度が30度を越しそうになる。
 出来るだけ動かないようにしていたら、森永のKさんがくる。えびね展の時に押さえたニオイの「青嵐」をひきとりに来たという。
 4月の時点では、中苗の古木にいい当たりがうごきだしている状態だった。 それが10センチの2枚葉にのび、さらに押し子まであげていた。
 Kさんは押し子が来ないほうがよかったといっていたが、ニオイの場合、子苗のときはこんなケースがよくある。ともあれ、無事に渡せてほっとする。
 ウチョウランで協力してもらったHさんが、事故渋滞にまきこまれ、店に着いたのは夜の8時過ぎ。夕方には来られるはずだったのに、大汗かいて気の毒だった。車の場合、時間はまったく当てにならない。


2002/7/12(金)
 昨日に続いて快晴。まるで梅雨明けしたみたいに、温度計もぐんぐん上っていく。
 ウチョウラン展も7日に無事終って、これで前半戦の終了、といった感じ。体の方が敏感で、すっかりのんびりする気分になっている。
 お客様の方も潮が引いたみたいで、これ幸いと、昼間はPCとじゃれあい、いろいろおもしろいHPに出会って、退屈しなかった。


2002/7/10(水)
 朝から断続的に雨。台風の接近で午後からは次第に激しくなってくる。風は午後7時現在まだたいしたことはない。
 南側に母屋がある関係で、これまでは被害を殆ど受けていない。だからこんども、たかをくくって対策らしい対策はなにもしなかった。
 岡山の平松さんから、HPにリンクしたいがよろしいか、とのメールがはいっていた。ありがたい提案なので、さっそくよろしくとお願いする。


2002/7/8(月)
 クーラーは入れてあるのだけれど、動くと汗が流れてくる。ウチョウランを整理して、夏咲きえびねや観葉ものに切り替える予定が、一向にはかどらない。
 このまま梅雨明けだったら参ってしまうが、どうやら又逆戻りするらしい。室内のものを外に出すには、この時期、急激な快晴は好ましくないので、そう願いたいものだ。
 夕方、暑がり屋のえびねや生ミズゴケなどにたっぷり水をかけてやる。梅雨があけるとこれが日課になる。


2002/7/6(土)
 日も差して暑くなる。ボツボツ夏咲きえびねを店内に並べはじめたので、23度にセットしてクーラーをいれる。こうするとカクチョウランさび病がでにくい。
 Hさんがメル友を連れてやってくる。これまでは洋らんがほとんどだったようで、珍しそうに色々作場を見て回っていた。最後にナゴランに挑戦。
 Hさんは八起窯の焼締めすかし二重鉢に、気に入ったウチョウランを入れて、売約の札を立てていく。 鉢まで手が回らない人が多い中で、いつも感心させられる。
 中国春蘭の私の師匠だった中村彌豫二さん(故人)も、鉢は全部中国鉢にこだわって作っていた。弟子たるものがんばらなくちゃ。


2002/7/4(木)
 外から見て綺麗なので、 一度寄ってみたいと思っていたというお客が、このところ立て続けに来店する。ウチョウランの展示会は7日までとなっているが、もう花の方は盛りを過ぎた株がほとんどだ。。
 それでもマニュアルどおりに管理して、来年花をあげることが出来たら自信が付く、と説明すると、やってみようと挑戦する人がけっこういる。
 咲き始めに買うお客様より、こんなお客様の方が、マニアになる可能性は高いような気がする。こちらも力がはいる。
夕方、延ばしていた東洋蘭の水遣りをする。 梅雨の晴れ間とまではいかないが、気温もけっこう上って蒸し暑い。冷えた麦茶が久しぶりにうまかった。


2002/7/2(火)
 傘こそいらないが天気はかんばしくない。5寸の鉢に入れた東洋蘭の水遣りの日だったが、乾きが悪いので一日のばす。
 HPの表紙にのせたフィリッピンの春蘭のことで、医者をしている船橋のOさんから、問い合わせのメールが入る。
 大好きな花なので、うれしくなり、すぐ返事のメールを打つ。打ちながら、これで香りがあったらいうことないのに、と愚痴が出る。
 でも、花は実に可愛い。花の少ない時期に咲いてくれるので、少し増やしたいと思っているのだが、10年以上たっているのに、まだ一鉢のままだ。


2002/6/30(日)
 ことしのウチョウラン展は、典型的なあめつゆで、気温の上らない日が多かった。花もちの点ではたすかったが、日照不足はいなめなかった。
 木がやわくなっているので、花後の管理がむずかしい。梅雨の合間の快晴が一番怖い。
 展示会が終るまであと一週間、日の足りない店内に置いておかなければいけないので神経を使う。
 ボーナスが出た後の日曜日で、賑わうかと思っていたら空振り。おかげで杭州寒蘭などに置肥したり、花芽のきた夏咲きえびねの手入れなどがけっこうできた。


2002/6/28(金)
 ウチョウランに関心をもつ人が多くなって、きょうも何人かみえる。アワチドリ、サツマチドリもウチョウランの仲間なのだが、ウチョウランが欲しいといわれると、内心困ってしまう事が多い。
 いまの交配種は3種混合がほとんどなので、ウチョウランといわれると、原種を勧めなければいけないことになる。
 しかし、お客様は原種を要求しているわけでなく、交配種でもきれいで安ければいいので、その辺の呼吸が難しい。
 夏咲きえびねの花芽が、早いのは15センチほどにあがっている。それほどまじめに管理したわけでもないのに、ちょっとすまないような気持ちになる。これから暇を見て汚れた葉など少しは整理してやらなくちゃ。


2002/6/26(水)
 朝から雨模様で、上着が欲しい陽気。北海道旅行の白石さんは今日まで休みでいないが、困る事も無い一日だった。
 困ったといえば、水曜日は出前をする店が休みなので、いつもは白石さんが弁当を買ってくるのだが、うっかりしてしまって、断食を強いられる破目になる。
 食えないとなると無性に食いたくなるもので、仕方なくお茶やコーヒーでごまかしたが、ちょっぴりきつい一日でもあった。

2002/6/24(月)
 前日の日曜日は、白石さんが北海道旅行でお休み。一人でもなんとかなると思っていたら、こんなときに限って、客足が絶えない。7時の閉店間際にも、お馴染みの方が久しぶりにみえたりして、店を閉めたのは8時過ぎ。
 東洋蘭、ウチョウランの水遣りは、全部翌日回しにしてしまったので、きょうは営業日以上に働いてしまった。
 東洋蘭の植え土もこしらえ、ウチョウランも並べ替えて、終ったものは早々と作に入る。
 予報によると、明日は一日雨のようなので、ゆっくり休ませてもらえるだろう。


2002/6/22(土)
 前日と10度も違うと、体がついていけない。セーターが欲しいくらいだが、ウチョウランの花持ちには、結構な一日だった。
 九州の盛華園から2002年のえびねのカタログが送られてくる。見てびっくりしたのは、天然もののニオイエビネが軒並み20万、50万、100万、時価となっていたこと。
 九州でニオイの人気が、急速に高まっているのは分かっていたが、ここまで来ているとは思わなかった。
 横浜のI君がこの話に刺激されたのか、「南海の星」を買っていく。ニオイエビネらしい葉姿と値段が割安だったのが気に入ったようだ。
 「いまの九州だったら二桁の値段が付いてもおかしくない花だよ」と、売りに出したHさんも、買い得を強調していた。


2002/6/20(木)
 定期健診のため店にいたのは1時過ぎまで。午前中は中学の同級生のH君が、好物のグレープフルーツをもってきてくれる。近所のスーパーに倉庫を貸している関係で、うまい果物にことかくことはないそうだ。羨ましい限り。
 お礼に前日株分けしたアワチドリの「紫水玉」という白紫点花の最上木をプレゼントする。一本でも充分鑑賞価値があるが、3、4年丹精して株立ちにしたら、それこそすばらしくなる木だ。
 同じ心臓病で、いつお迎えが来てもおかしくはないのだが、10本立ちにするぐらいまでがんばるぞの心意気がほしい。


2002/6/18(火)
 朝からかなりの雨脚で、早々と完全休養日と決め込んでしまう。雨が降らなければ、東洋蘭の植え土を配合して作るつもりだったが、この雨では仕事にならない。
 こんな時期に植え替え用の土をこしらえるのは、ちとピンボケだが、在庫ゼロにはできないので、天気が良くなれば、早めにつくっておかなければいけない。
 3時半からはもちろん対トルコ戦だ。結果は0−1の負けだったが、ゲーム展開は1−0で勝っているような気がした。
 韓国の方はイタリアに見事な逆転勝ち。守りの方に不安はあったが、主催国の一つがベスト8に残ってよかった。
 とにかく熱気と勢いがあった。なんとなく東洋蘭の世界と似ているような気がした。


2002/6/16(日)
 安息日のせいか、お客様の出足が遅い。これ幸いと午前中は、東洋蘭の水遣りにたっぷり時間をかける。
 昼食をすませてすぐ、Yさんが具合があまりよくないのにやってくる。「いいものを皆よその人に持っていかれるのではないかと、気が気でなくて・・」 
 そういわれると弱い癖がでて、売りたくないと思っていた、純白仁王の連舌カブト咲きを出してしまう。これはいい花だ。
 Yさんはすぐ帰ったが、どうやら福の神になったようで、それからはお客様の切れ目なし。7時の閉店までほとんど座る間がなかった。


2002/6/14(金)
 「今日は早く帰っていいですね」白石さんは定時で早々と帰宅。狙いはもちろんサッカーのTV観戦だ。
 日本中が決勝リーグ進出を賭けた対チュニジア戦に燃えている。こちらもさっさと商売の方はあきらめて、お客様にじゃまされないことをむしろ願いながら、TVの前に座り込む。
 正直な話、サッカーはよくわからないのだけれど、後半1点先行して、中田が2点目を入れたときは、思わず手をたたいていた。
 最近こんなに興奮したことはない。こういうことで体が熱くなるっていいことだ。
 7時の閉店までに、ウチョウランもぽつぽつ売れて、めでたしめでたしの一日だった。


2002/6/12(水)
 前夜の蒸し暑さとは打って変わって、肌寒い雨模様の一日だったが、展示会の初日らしい賑わいをみせる。
 どの展示会も、休みの関係で水曜日からにしているので、だいたいが静かなスタートなのだが、今回はまったく予想に反した。
 ウチョウランへの関心が、それだけ高くなっているとみていいのだろうか。とにかく、はじめて見える客が多い。
 旧制高校の大先輩Tさんが午後から、手土産にお茶菓子をさげて、あそびにきてくれる。
 東洋蘭がメインなのだが、園芸教室の教師もしていて、生徒にあげるのにウチョウランは手ごろなのだそうだ。
 この日も5鉢ほど付き合って、売り上げに協力してくれる。


2002/6/10(月)
 日曜日の夕方まで迷ったあげく、村樫バイオに行くことにきめて、早朝にでかける。掘り出し物を見つけたいという欲望は、この年になっても、人一倍つよいようだ。
 昔ウチョウランに燃えたHさんも同行してくれて、約2時間宝探しをする。いささか疲れたが、それでも出掛けた甲斐があって、純白仁王のいいのや赤花整形、それに誰が見てもきれいというだろう白紫一点の獅子咲きなどをみつけてくる。
 ウチョウランではないが、雲南のシプリペジウムで、ミクランサムとアグレガタムが、きれいに咲いていたので、無理を言って分けてもらってくる。12日からのウチョウラン展のいいアクセントになるだろう。


2002/6/8(土)
 夕方、Hさんがウチョウランの作りこんだ選別品を、50鉢ほどもってきてくれる。
 12日からの展示会に備えて、10日にもう一度、村樫バイオに出掛けて、仕入れてこなければいけないかと考えていたが、これで行かなくても間に合いそうだ。
 Hさんは展示会の途中に、もう一度補給できそうだといってくれている。作りこんだ品物だけに、安心してお客様に勧められる。
 今日もウチョウランがぽつぽつでたが、買っていったのは初めてのお客様ばかり。値段も手ごろだし、可愛いし、場所もくわないので、これからもますます期待のできる蘭といえるだろう。


2002/6/6(木)
 一年作って増えなかったウチョウランの植え替えをする。素焼きの鉢で培養したものが全般によくない。水持ちをよくするように工夫したのだが、まだ足りなかったようだ。
 特に蘭がけに入れて吊るして作ったものが悪かった。風通しが良すぎてかえっていけなかったのだろう。
 空けてみると根の伸びが、水切れしない鉢にくらべて、半分から三分の一しかない。
 ダンボールを1cm角に切ったものを、数枚入れて作ったものは、概してよくできていた。
 なにはともあれ、増えてくれなければ商売にならない。今年はいいものに限って、増えが悪いので頭が痛い。


2002/6/4(火) 
 きょうは一ヶ月に一度病院を口実にして、中学のときの友達と昼飯にうまい物を食う日だ。もう何年になるだろうか。
 はじめは色々と店を変えたが、いつの間にか四谷のMというビフテキ屋が定番になってしまった。
 気取らないで、アットホームで、お袋の味がして、診察が終わると、黙って足がそこに向いてしまう店だからおもしろい。
 午後はうまい具合に曇ってきたので、毛虫対策の消毒をする。いまは製造禁止になっている砒酸鉛と、カイガラムシ退治のカルホス、ついでにズボ抜け対策で、トップジンMも加えて丁寧にかけてやった。
 3月に出した中国奥地の蘭の「お買い得情報」が、いまごろになって問い合わせがきだす。
 よくわからないが、新芽も勢いよく伸びて、いま買う人は間違いなく、大いにお買い得といえそうだ。


2002/6/2(日)
 初めてのお客様が多かった。こんなかわいい花があるのかといって、衝動買いして行った女の人は、一度通り過ぎた車をひきかえしてきている。
 親子できた女の人は、2時間近く粘って、お母さんはアワチドリの原種を、娘さんは白紫一点花狙いの実生ものを買っていく。
 昨年から始めたそうで、丁度来合わせていたYさんとも話がはずみ、色々いい勉強になったようだ。
 Yさんはこの日も、実生のいいものを5点ほど求め、さらに「お金がなくなったから押さえておいて」と、白紫一点連舌ぼかし花に売約の札を入れていた。
 島根の方から、原種のニオイエビネをやってみたいという、問い合わせの手紙が来る。
 うちのHPをよくみているとあり、e-mailも知らせてきたので、さっそく返事をうったが、うまくいかなかった。どこかが間違っているのだろう。


2002/5/31(金)
 少し蒸し暑い。午後から雨の予報は外れて、薄日が差すなか、モンシロチョウが舞いだした。
 蝶が舞いだすとしばらくして、えびねの葉が毛虫に食われる被害が出る。 来週には殺虫剤をまいておこう。二年ほど前、不精して痛い思いをしたことがある。
 春蘭や寒蘭の古木が枯れこんで、いささか見た目が悪いので、少し整理する。月が替われば、ウチョウランで忙しくなるから、きょうがラストチャンスだ。


2002/5/29(水)
 目黒のマンションの屋上で、園芸を楽しんでいるFさんが、チョウランの連舌濃色が咲いたといって飾ってくれる。
 二、三年前に、村樫バイオの実生から選別してきた株で、花形も悪くなかったような記憶がある。
 今は4本立ちで、親は20センチにもなり、蕾の数も20花以上という立派な株になっている。
 木姿も堂々としていて、周りの花が圧倒されてしまいそうな勢いだ。鉢も欅窯の青磁スカシ鉢で作りこんでいる。
 ウチョウランはこうやって楽しむもの、という見本のような気がして、一番目立つところに飾らせてもらった。
 選別してきたウチョウランの植え込みが、まだだいぶ残っていて、もう一両日かかりそうだ。
 力はいらないが、細かい仕事なので、けっこう肩がこる。


2002/5/27(月)
 朝、7時半スタートで、栃木県葛生の村樫バイオに、ウチョウランをみにいく。
 まだ一週間早かったが、ぽつぽつ早咲きのもあって、作ってみたい濃色花や虹タイプ、赤花、初雪系、ピンク花などを手に入れてくる。
 つぶしてしまった連舌の純白も、より大きな花をみつけた。10本ほど候補の株が入っているので、これからの開花が楽しみだ。
 収穫は仁王タイプのピンク花。花はまだ1輪だが、色がやわらかくていい。これで花形がきまれば、一番の掘り出し物かもしれない。


2002/5/25(土)
 天気もよく陽気もよく、しかも土曜日とあって、張り切って店に出たが空振り。お客様はどこかにいってしまったようだ。
 こんな時は付加価値をつけるに限ると、ウチョウランで増えて、株立ちになっているのを小割して、売りやすいように何鉢かに分ける。
 乱暴にやると少ない根がすぐ折れてしまうので、ばらすのには根気が要る。この仕事は暇なときか休みのときでしかできない。
 学研のSさんが久しぶりに顔を見せる。杭州寒蘭も豆弁蘭も、新芽はあらかた土を切ってきたそうで、早いのはもう3センチになっているという。
 こちらは古木の方は、確実に黄色くなって枯れ落ちているが、新芽の方はまだ数鉢しかみえない。なんとなく焦ってしまう。


2002/5/23(木)
 狭心症のことで、午後から新橋の慈恵医大でエコー検査があった。前日千葉のTさんから、きょう伺うと電話をもらっていたのに、そのときはエコーのことをけろりと忘れ、きょうはTさんのことを、病院から帰るまでけろりと忘れていた。
 いよいよ焼きが回ってきたらしい。Tさんにはすぐにメールして、平謝りに謝る。こんなことははじめてだ。
 狭山のYさんから、えびね用土の注文をうける。開店の時からのえびねのお客様で、狭山に移って学校の先生をしていて、もうえびねは足を洗ったものと思っていた。
 時期はずれの注文だけれど、まだえびねを捨てていないのが分かって嬉しくなる。
 多分、いまのえびねの新葉の美しさが、先生にすがすがしい何かを感じさせているのだろう。


2002/5/21(火)
 ウチョウランがぼつぼつ咲き出す。このぶんだと今月の末には見ごろとなるだろう。
 展示会は来月12日からなので、ここでも半月早い計算になる。うちは自分の店でするのだからいいが、会場をよそに借りているところは大変だろう。
 東洋蘭に芽だしの肥料をやらなければと、一ヶ月も前から思いながら、やっと今日、一部のものに液肥をやることができた。
 肥料のやりすぎはよくないが、やらな過ぎるのもいかがなものか、と最近は思うようになっている。
 梅雨が明けて真夏が来るまでの間に、せめて二、三回はやってやりたい。


2002/5/19(日)
 久しぶりに青空がのぞく。気分もからりと晴れてくる。午前中かけて5号から5・5、笠間の鉢にたっぷり水をやる。
 志願して御蔵島で、歯科の診療をやっているというKさんが、えびねを見て欲しいと持ってくる。
 島の愛好家から頂いたのだそうで、「御蔵黄梅」もはいっていた。たまたま額に入れてあったのをみて「そう、この花です」
 いまでもまだかなり高価なものだと、話してあげるとびっくり仰天。大事にしなくちゃあと、作り方を熱心に聞いていった


2002/5/17(金)
 横浜のHさんが、こんどは小豆島のウチョウランと長崎・平戸のクロシオチドリを飾ってくれる。
 店内がだんだん賑やかになってくる。どれも原種なのがいい。「琴平」などは当の昔に消えてしまって、久しぶりの対面だ。売り物もだしてくれたので、さっそく自分が一鉢買う。
 午後、八起窯の塚本君が来る。ウチョウラン用の3号の焼締鉢を2タイプもってきてくれる。
 200円高いが炭化焼締鉢は、窯変がごく自然にでていて、山野草ファンにはうけそうな気がする。


2002/5/15(水)
 注文していたナゴランとフウランが九州から届く。途中どんな扱いをされたのか、箱の中はメチャクチャになっていたが、どちらもまったくといっていいほど、痛んではいなかった。運がいいといおうか。
 ナゴランは三枚か四枚葉が多く、全部花芽がきている。早いのはもう7、8センチ伸びて、蕾がはっきり数えられるものから、ようやく花芽を見せてきたものまで、けっこう楽しめそうだ。
 例によって、プラ鉢に入れてあったので、全部素焼きの2・5号鉢に入れなおす。おかげで午前中いっぱいかかってしまったが、なんとなくすっきりした。


2002/5/13(月)
 メールでスイレンはどこで売っているか、と問い合わせてくる。こちらは蘭の専門店、スイレンは関係ねえよ、とぶつぶついいながらも、知らん顔もできない。役に立てばと一応返事のメールは打っておく。
 不順な陽気のせいか、風邪気味の状態がもう一ヶ月以上もつづいている。寝込むほどひどくはならないのだけれど、鼻水が出たり、痰が絡んだり、節々がいたんだり、やけに眠気がさしたり、ちと微熱気味だったり・・
 これはお年寄りによくみられる症状のようで、自分ではまだ若いつもりでいても、体の方は正直ということか。


2002/5/11(土)
 えびねの後、花がなくて店内が寂しいと書いたものだから、Hさんが「これでも飾ってください」と、セッコクをもってきてくれる。
 「妙高の鳳」と命名されているらしい八重咲きがみごと。まだ名もないときに2本買ったのが、40本立ちの大株で4鉢にもなっている。
 香りも強烈で、セッコクがこんなに強い匂いをもっているとは知らなかった。
 イワチドリをウチョウランが咲くまでの前座扱いにしたら、草津の方から寂しい限りとやんわり抗議される。
 1、2本では寂しいが、5本立ち以上になると、ウチョウランとは違った趣があって、可愛いとのことだった。
 それもそうだなあ、と思ったりしていたら、この日は「可愛いねえ」といって男と女の人の二人が買っていった。 


2002/5/9(木)
 夕方、日本春蘭を始めたいという、まだ若い女性のTさんがみえる。
メールで数日前に問い合わせてきて、手始めに薦めた「極紅」を買いにきたもの。
 春蘭を育てるのは初めてというが、フウランをやっているそうで、管理に戸惑うことはなさそうだ。
 それにしても、若いのに日本春蘭をやりたいとは珍しい。はじめに躓かないように、よくケアーしてあげなければ・・
 プラ鉢や駄温鉢がだめだといって、若い男の子が、丹波の登り窯で焼いた中古の鉢を買っていく。
 なんでもプラ鉢に強い反発を感じるそうで、分かる分かると大いに同調しているうちに、値引きまでしてしまった。 


2002/5/7(火)
 日曜日の気温が29度、この日は15度。極端な温度差に、昨日から樹グループの鉢が並び出した店内は、なんとなく寒々とみえる。
 やはり花がほしいが、ウチョウラン類が咲き出すにはちと早い。わずかにイワチドリががんばってくれているが、これだけでは役不足だ。
 激しくはないが朝からずっと雨。こんなときは一日何もしないでのんびりすればいいのに、貧乏性でそれができない。
 鉢にぶつかっている、えびねの植え替えをやりだしたら、普段と変わりなく働いてしまった。


2002/5/5(日)
 白石さんはご主人の論文作成の手伝いで早上がり。昼前にウチョウランやイワチドリのお客様が二、三見えただけで、あとはヒマをもてあます。
 えびね展の時だけ応援に来てくれるHさんも、居眠りが出てしまうと苦笑い。
 いつもは渋滞の激しい表の246号線も、車の流れはスムーズ。時折は車の音もとだえて、静寂の世界だ。
 ことしのえびね展の最終日は、えびねのお客様が一人も来ないという珍記録をマークして終わった。
 花がないのだから、当然といえば当然なのだが、こんなことは開店以来はじめてだ。


2002/5/3(金)
 山口の方から東京に転勤になっているKさんが、展示してくれていた「夢の舞」(交配種)を引き取りに来る。
 今年の山口のほうは、展示会も多く、大変な人気だったようだ。交配苗を山に大量に植えているおばさんがいて、そこからキエビネのまん丸いのがでて、評判になっているとか。
 「夢の舞」は結局いただいてしまったので、お礼にニオイエビネの「華清宮」の苗をもらってもらう。
 5日までえびね展なので、片付けてしまうわけにはいかないが、花は八割方が終わりなので、ぽつぽつ作場に戻し始める。
 もう新根もだいぶ伸びてきているので、極力植え替えは避けるようにしている。


2002/5/1(水)
 横浜のHさんが、PCでの画像の操作、処理などについて、教えて欲しいと白石さんのところにやってくる。
 PC暦はむしろHさんのほうが古いのだが、めきめき力をつけている彼女との実力の差を前に「頭がさがるばかり」と感嘆していた。
 Hさんはまだ挑戦する意欲があるからいいが、私は文章をうつだけで、他の事はまったく覚えようとしないから始末が悪い。駄々っ子を扱うようなもので、白石さんの苦労がしのばれる。
 えびねで検索しても、すずき園芸のHPは簡単に出てこないので、色々なHPにリンクさせてもらいましょうと、白石さん毎日PCの前でがんばっている。
 ご迷惑かもしれないが、よろしくお願いしたいものだ。

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