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2001/12/25(火)
 定休日もここまで押し詰まってくると、のんびりしているヒマなどない。植え替え、水遣り、店内の模様替えなどなど、あれもこれもやらなければいけないのに、時間ばかり過ぎて、一向にはかどらない。
 いささかウンザリしていた午後、Yさんが久し振りにみえる。千葉・和田の別荘で老後を悠々と過ごしているご夫人だ。加茂川にいつでも入れる老人ホームを確保している。
 備えが万全なせいか、しばらく見ないうちに若返って元気そのもの。三橋さんの黄磁六角蘭鉢がすっかり気に入ってしまって欲しいという。昔からの三橋ファンでもうかなり集めているのだが、これでまたひとつ高価な逸品がふえた。

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 今年はこれで打ち止めにします。来年は1月5日からスタートします。
2001/12/23(日)
 展示に協力してくれたお客様が、品物を引き取りに来る。同時に買っていた品物も持って帰ったので、だいぶ店内が空いてくる。
 そんな時パソコンの先生もきて、具合の悪い所をみてくれる。白石さんはそちらの方にかかりきりになり、ひとりで一、二時間てんてこ舞いする。
 パソコンの方はどうも妙な具合で、いっそ買い換えてしまって、いままでのデータを取り込んだほうが、手っ取り早いみたいなことになっていた。
 ウイルス騒動から何かと不都合が多く、いつまでも機械に馴染めない私みたいな年寄は、嫌になって投げ出したくなることだろう。
 でも、HPをはじめてしまった以上、やーめたというわけにもいかない。パソコンなどIT関連ものは、わたしにとっては、まったく道楽息子をもったようなものだ。 

2001/12/21(金)
 予報では午後から雪とのことだったが、このあたりは、みぞれに近い冷たい雨となって、ともあれ店は開店休業の状態。
 それをいいことに、昨夜大阪から上京した新聞社時代の同僚M君と、同じく千葉にいるMa君にも出てきてもらって、久し振りに旧交をあたためる。昔の仲間はいいものだ。
 M君は前日、高校の同級生とのゴルフ・コンペで50、46で優勝した上に色々な賞も独り占めしたらしい。後半スコアを伸ばすあたり、古稀過ぎてますます盛んなのは羨ましい限りだ。
 店に帰ったらエプソンの印刷機がこわれていた。白石さんが専用の段ボール箱をとって置いてくれたので、すぐ修理のための発送ができた。


2001/12/19(水)
 一日中展示会あとの整理に終われる。展示で疲れた木の表土の取り替えから、株分けしなければならないものもあって、けっこう忙しく、時間もかかってしまう。
 アルバイトの白石さんはいても、蘭の管理はすべて自分一人なので、お客様がくれば中断しなければならなず、この日も出来たのは十数鉢。
 この分だとあと3、4日はかかりそうだ。早く作場に戻してやりたいと気は焦るのだが、昔のように店が終わってから残業するだけのファイトはもうない。

2001/12/17(月)
 12月も後半押し詰まってくると、何かと雑用が多くなってくる。きょうは店の方のことでは書くことなし。

2001/12/15(土)
 浜ちゃんが数年前に一度咲いただけの桃紅色の濃い花をもってくる。驚いたのは5輪の花のうち、第一花はもうグリーンをほとんど残さない濃桃紅色、以下順次薄くなり、てんの花はまだ緑のつぼみ。ここまで色変化の差がはっきりしたものは、これまで見たことがない。
 花間もあり、花も大きく、花茎もよく伸びて「てん(さんずいに真面目の真)笑山」と命名されたこの花、大物になる素質十分とみた。
 調布で多摩蘭遊会の展示会がはじまった。気仙沼のUさんがわざわざ出てきたので、店は早めに閉め、浜ちゃん、白石さんと4人で出かける。
 会場に入った途端、杭州寒蘭の緑の素晴らしさに圧倒される。市民会館11階の照明は、まるで杭州寒蘭のために用意されたのではないかと思ってしまうほどマッチしていて、展示品が生き生きとしてみえる。
 ここでも三重のKさんがだした青花2点と「南宋」も顔負けする濃い青花が印象に残った。
 それにしても7時について約3時間、途中食事をしたとはいえ、こんなに長くわいわいがやがやしていたのは久し振りのことだ。
 帰り際に聞いたところでは、きょうの初日だけで来場者が昨年の二日分を上回ったそうだ。

2001/12/13(木)
 昼間、大学の忘年会があったので、それに出たついでに、きょうから始まった大丸の杭州寒蘭展をみてくる。
 今年は花が早く咲き出したので、ちょっと心配したが、まだてんの花が開いていないものもかなりあった。
 杭州寒蘭は10月後半から年内いっぱい楽しめることが実証されたようなもので、これもいいセールス・ポイントになるだろう。
 展示品は質も高く、大事に管理されている様子がうかがわれて、気持が良かった。グリーン花でいいのがいくつかあったし、三重のKさんが出品した紫秀蘭にも素晴らしいのがあった。
 

2001/12/11(火)
 折角の休みも午前中は雑用に追われ、夕方からは中学の忘年会があるため、店にいたのはほんの二、三時間。その間にえびね、東洋蘭の水遣りをしたが、珍しく電話が数本入り、メールも入って、けっこう忙しい思いをする。 
 ニュースで今夜は今冬一番の冷え込みになると聞いて、風蘭は冬囲いをしてやった。少し早いかもしれないが、今年中にはやらなければいけないのだから、まあいいだろう。
 東洋蘭もそろそろフラコン・フレームにいれておくか。お彼岸過ぎまで水遣りは一度するかしないかでいいから、管理が大変楽で、もう5年つづけている。


2001/12/9(日)
 杭州寒蘭展の最終日。これで今年の催しはすべて終わったことになる。なにかあっという間に一年が経ってしまったような感じだ。
 杭州寒蘭は尻上がりにいい花が咲いてきて、まずまず有終の美をかざることができた。
 浜ちゃんの「八ッ山」「燈鐘山」がことしはさらによくなり、ルーペのSさんの平成7年もの(須弥山と命名)は大ヒット確実。教師のMさんの素心もでるし、何より気分を良くしたのは、昨年輸入したものに澄んだ花が多かったことだ。
 黄さんが残した「孤峰」もこれまでで一番いい状態で咲いてくれた。多くの人が高く評価してくれて、正直うれしかった。


2001/12/7(金)
 びっくりすることが二つあった。一つは横浜のHさんが鮮血の紅花を持ってきたこと。埼玉のIさんのものと色の程度は同じくらいで、花はややスリムな感じ。昨年が初花で、見せてもらっていたが、その時より今年のほうが紅が良く出ているような気がする。
 ことしは「紫芳山」がいろいろあって展示できなかったが、この「明日香」が十分代役を果たしてくれるだろう。幸いしばらく飾ってもらえるので、お客様の反応が楽しみだ。
 いまひとつは教師のMさん。「でました。でました」といってもってきたのは、なんと折鶴の素心。言ってみれば杭州の「水月」だ。むかし私のところから花なしで買った株の中から咲いたのだという。
 羨ましいと思う前に嬉しかった。思わずコングラチュレイションの言葉がついてでる。花型も今のところ申し分ない。このまま崩れないで咲きつづけてほしいものだ。


2001/12/5(水)
 ルーペのSさんがことしも大ヒットを飛ばしそうだ。平成7年に入れたもので、やっと蕾がきた初花株を買っていたのだが、それがここにきて開き始めた。
すでに開く前から欅窯のいい鉢にいれており、3輪きている蕾は一番下(第1花)が、「飛竜峰」と肩を並べる濃さで、一番上はまだグリーン。
 これで花型がよければ大当りもいいところだ。浜ちゃんのサラサが時間が経つと共に期待を裏切ってしまったこともあって、ここはしばらく展示を控え、うまく花型が決まったら、みんなをびっくりさせようということになった。
 それにしてもSさんといい浜ちゃんといい、これと見込んだ木は、花が咲く前からいい鉢に入れてやるあたり、まことに恐れ入ってしまう。


2001/12/3(月)
 目黒に住むKさんの作場に寒蘭を見に行く。作場全体が日本寒蘭向きに出来ていて、杭州寒蘭にとってはやや暗い感じ。それでも小割せずに作っているせいか、どの木も見事で、花も大きくしっかり咲いていた。
 捧心に紅覆輪をかける「紅孔雀」は、昔の初印象とは違って、グリーンが勝っているが、それでも見事な大輪咲きだ。
 「岳陽」も色は薄いが花茎を2本上げた10条立ちの大株に圧倒される。この2鉢、あと一週間ある展示会中、飾らせてもらうことにする。
 「飛竜峰」がようやく咲き出した。花茎2本でどちらも2輪。ことしは花茎が伸びなかったが、花形は申し分なさそう。花色の方もぐんぐん濃くなっている最中で、朝と晩では別物に見えるほどの差がある。


2001/12/1(土)
 杭州寒蘭を今年からはじめたHさんが、花が咲いたのでみてほしいと、二鉢もってくる。平成6年と12年に入れた、どちらも初花株。
 12年のも悪くなかったが驚いたのは6年もの。もう咲いて10日は経っているというのに、きれいに覆輪をかけた捧心は燕尾咲きで、やや抱えた花型が申し分なく、花間、子房もゆったりしていて、なによりも青花の色が抜群。
 居合わせたお客様も「いい花だねえ」と実に羨ましそう。「これで杭州の虜になっちゃうのは間違い無いね」とはやしていた。
 Hさんもご機嫌で、「いい鉢にいれてやってください」と、ブナ窯の瑠璃鉄釉鉢を選び、12年ものも八起窯の焼締鉢に替えてやっていた。


2001/11/29(木)
 今年も後一日で師走になる。一年が本当に早い。二月の春蘭展から始まって、えびね、ウチョウラン、蘭鉢展、そして一年を締めくくるのが杭州寒蘭展だ。あと10日間、今のところ順調に咲いてきている。
 開花が来週にずれこむのは、青花で「帰去来」「南宋」「草楽」と濃色花の「飛竜峰」だけ。この四つがうまく咲いてくれれば、今年の展示会は万万歳だ。
 コンピューター・ウイルスの件は、案ずるほどのことはなかった。いろいろ対策がとってあるそうで、怪しいと思って開かないで削除し、ごみ箱からも削除したのは正解とほめられた。


2001/11/27(火)
 無知は困ったもので、コンピューター・ウイルス問題の発生で、どう対処していいのか途方にくれてます。頼みの白石さんとは連絡取れず、余計なことをして面倒をかけてもいけないし、何もしないで遊んでいるのが一番と決め込みました。
 内心は仕事をしない口実が出来て喜んでいるところもあるのですが、後々のことも考えて、ここはしっかり勉強しとかなければと思ってます。


2001/11/24(土)
 埼玉のIさんが、杭州寒蘭の鮮血のような紅花を評価してくれと持ってくる。べたで紅いから、「紫芳山」より強烈な印象で、店にきた人は一様に凄いとおどろいていた。恐らく濃さの点では一番だろう。覆輪は弱いが、花型も悪くない。
 白石さんが早速デジカメで写真を撮らせてもらっていたら、来合わせたお客様も便乗して、シャッターをきっていた。
 増やすことのうまいKさんと「満月」など売り物を提供してもらう交渉をしていたが、どうもうまくいかなかった。この年になってもまだ人間が出来ていない。日の当たらない展示場に、Kさんは好意で大事なものを飾ってくれたのに、キレてしまった自分が少々いやになる。

2001/11/22(木)
 昨年中国から入れた杭州寒蘭の中から、素晴らしい濃色花が咲いた。例の浜ちゃんが蕾の時に押さえていたもの。最初から色がついていたので、あまり注目していなかったのだが、咲いてびっくり。
 色合いも昔の杭州の色で、舌が抜けるように白い。濃色花の場合、舌はどうしても濁りがちになるのだが、それがまったくない。
 杭州は、咲きはじめに駄花なし、といわれて、どれもはじめはすばらしいのだが、このまま終花まで期待を裏切らないでほしいものだ。
 浜ちゃん、きょうもやってきて、「誰が選んだと思うんだい?」と鼻高々だった。


2001/11/20(火)
 21日からの展示会に間に合わないのは、「飛竜峰」「秀水」「燕雀」位で、後はおおかた咲きそろってきた。「紫芳山」「白帝城」もまだだが、明日にも開きそうな所まで来ている。
 こんなにタイミングのいい年もめずらしい。12月の中頃に、いくつかの会が展示会をやるが、花は大丈夫だろうか。遅咲きもけっこうあるから、出す品物に困ることはないだろうが、ちょっと気にかかる。
 午後、生産者のEさん親子がやってくる。「息子にどんな花が評価されているのか、勉強してもらうんだ」といいながら、熱心にみていた。
 父親の方は「満月」に3年越しでご執心。今年こそ何とかして欲しい、というのだが、世話できる株が入るかどうか。「満月」同様に舌の豊な「世田谷錦」も、気に入ったようだった。


2001/11/18〔日)
 前夜、旧制高校の忘年会があって、また夕方から留守にしていたら、K君が杭州寒蘭の名品を9鉢、展示用にもってきてくれていた。戻ってみてびっくり。「満月」「下天竺山」「世田谷錦」「峨眉山」「紫芳山」「翡翠」「白帝城」など超一級品ばかりだ。
 さっそく棚の模様替えをする。なにか店内が急に引き締まったような感じだ。先輩のTさんも「万亀山」など5鉢ほどだしてくれて賑わしてくれる。
 「満月」にぞっこんほれているIさん、浜ちゃん、森永のKさん、Hさん、四日市のYさんも、タイミングのいい上京で、満足そうだった。
 問題は展示ばかりで、売り物が殆ど無いのが頭の痛いところ。これからどれほど集められるだろうか。


2001/11/16(金)
 「白妙」先芽どまりに花をつけて、花茎もよくのび、花数もまずまずだったが、咲き方に今ひとつ勢いがないとみていたら、案の定、根がだいぶやられていた。三年植え替えていなかったのがいけなかった。不精はいけないとあらためて思い知らされる。
 天気が良かったので、白石さんは臨時カメラマンに早変わり。咲いてきた杭州寒蘭をデジカメでせっせと撮っていく。この頃は実に手馴れたものだ。
 四時前、浜ちゃんと「白玉壷」のAさんがくる。しかし三金会〔中学の同級生の集まり)の日なので、後は白石さんにお願いして出掛けてしまう。


2001/11/14(水)
 杭州寒蘭の展示会は21日からだが、今年ばかりは少し早めにしておけば良かったと思うほど、花の咲くのが早い。青い蕾から徐々に変わっていく濃色サラサ系は、もうかなり色が濃くなってきて、下が濃くて上の蕾はまだ青、といった状態は、この二、三日がヤマだろうか。
 展示会は終わったが、日本寒蘭もいまが最高の見頃で、店内のレイアウトをどうするか、嬉しい悲鳴をあげている。
 Sさんが「里紅苑」と「黄雄」と「宝珠の月」を飾ってくれたのでなおさらだ。「宝珠・」は2輪だが、やはりいい花だ。来年は何とか自分でも咲かせてみたい。


2001/11/12(月)
 11日で日本の寒蘭展は一応終わり。次の杭州寒蘭展に向かって気持を切り替えるために、きょうは一日店のことは忘れる。中学の友達3人と河口湖に紅葉狩りとしゃれ込んだ。
 調布を走る頃はすごい雨でだめかと思ったが、現地に着く頃は雨もあがり、晴れ間も覗いてきてほっとする。紅葉街道、紅葉トンネルともに素晴らしい眺めで、さらに嬉しかったのは、晴れ上がって徐々に姿をはっきり見せてきた富士山のすばらしかったこと。
 昨年のマッターホルンといい、今日の富士山といい、山は本当に気持をスカッとさせてくれる。


2001/11/10(土)
 殆ど一日中雨でさむい。それでも待ちきれない杭州寒蘭のお客様が午後からやってくる。白石さんが都合で明日まで休みなので、一人でてんてこ舞いする。
 埼玉のIさん、「黄玉山」が良く咲いているのを見て「ことしはこれにするかなあ」とうれしいことをいってくれる。
 Iさんは予約していた「大河」を引き取りにくる。「世田谷錦」を他所で勧められたらしく、いろいろ質問していた。濃色サラサ花は少ないので、だれもがほしがって、品不足がつづいている。
 常連の浜ちゃんはきょうもひまつぶしにあらわれ、Tさん、Mさん、ひげのご夫妻もやってきて、店の中は熱気でむんむんだった。


2001/11/8(木)
 大学時代の同級生で大のえびね狂のFさんとHさんが店で顔を合わせた。たまたまニオイエビネの「青嵐」が話題になり、Fさんが「今年は終花で織姫のような濃い紫赤になった」といったものだから大変。毎年そうなら「青嵐」の評価が、どこまであがるか分からないということになり、横浜のHiさんも加わって熱の入った話が続いた。
 夕方「白玉壷」のAさんがみえる。まだ咲かないが、預かっていた「豊雪」が見頃になっていて、ご機嫌だった。
 Kさんもゴルフの帰りに寄る。日本寒蘭の方は全然ダメだが、杭州は成績がいいという。サラサ全面無点の「墨染」は、2輪だけれど順調だそうなので、ぜひ展示してくれるよう、あらためてお願いする。


2001/11/6(火)
 定期検診の日でもあり、朝のうち雨も残ったので、勝手に完全休養日に決めて外出する。が、午後戻ると、天気もまあまあとなり、これといってやらなければならない用事もなく、結局は蘭をいじくることになる。
 松阪のTさん、四日市のYさんからしばらくぶりのメールが入る。Tさんは四季折々の便りが楽しく、Yさんは同市の杭州寒蘭が咲きそろってくるのは二十日過ぎになりそうだと知らせてくる。こちらとあまり時差はないようだ。
 気仙沼のUさんからпB前に送ってあげた「吉祥山」の花芽がしけてしまったという。花茎が15cmほど上がっていた最上木で、根も良かったのにどうしてだろう。なんだか申し訳ない気持でいっぱいになる。


2001/11/4(日)
 朝一番でHさんが「酔玉」を持ってきて飾ってくれる。土佐寒蘭のべた舌の貴品だ。花茎が少しまがってしまったが、大きな花はすごい迫力で見応えがある。穴あきのプラ鉢作りがかわいそうだったので、適当な化粧鉢を探したが、鉢が大きすぎてだめ。ただ穴あきのところからシダが顔をだしているのがわずかに救いになっている。
 午後よんどころない事情で留守し、6時近くに戻ったら、ルーペのSさんが杭州寒蘭で一番に咲いた花を3鉢見せにもってきていた。どれも青花だったが、他所の園芸店で蕾の時に買ったという花がよかった。すんだ白い舌にグリーンの縦線が数条はいり、舌点もわずかで、点というより細い線のいわゆる無点系花。花間もあって、まずは大当りといっていいだろう。「娘が名前を付けると張り切っているんで・・」とSさんも実にうれしそうだった。


2001/11/2(金)
 上海に行っていた商社のOさんが、杭州寒蘭をもってきてくれた。前から選別品が手に入るようなら、任せるから買って欲しいと頼んでいたので、それにこたえてくれたもの。
 もっとも、花芽無しの株ばかりでちょっとがっかりしたが、杭州寒蘭に間違いはない。葉先も白く、よく抜けたものなど、なんとなく期待したくなるものもあって、大部分は作ってみることにする。
 杭州から上海の研究所に送られてきたものを、一部分けてもらったのだそうで、必ずしも選別品かどうか、その辺が定かでないのが残念。花芽付きのものが入るようなら、またよろしく頼むとお願いする。
 Kさんから電話で、杭州がだいぶ早く咲きそうだという。「下天竺山」の蕾がもう横を向いて、色づいてきたし、「峨眉山」も似たような状態だそうだ。今月の中旬には、杭州寒蘭もけっこう展示できるかもしれない。


2001/10/31(水)
 快晴。きょうはよく匂った。蘭も人間と同じように気持が良かったのだろう。いい花が続々咲いてくる。サラサ無点の「青雲」(土佐)紅花の「華神」(日向)白金鵄の「楊貴妃」(土佐)など。 「豊雪」も横を向いてあと二、三日だ。
 それより杭州寒蘭も早い。黄さんが命名した濃色サラサの「崑崙」が、横を向いて墨色を乗せはじめた。開花一番乗りは間違いなく、日本寒蘭展の期間中に咲き出すことだろう。
 二十台の若い人が二人、杭州のグリーンのよさと白い舌に魅せられて、一人は花付き株、一人は見込み株を買っていった。いい花が咲いて欲しいものだ。


2001/10/29(月)
 井戸水を汲み上げるモーターが壊れて、三日ばかり水をもらえなかった自宅のえびね。この日はやっとたっぷりもらえてほっとしたことだろう。じょうろでは体のほうがもたない。
 中国寒蘭の「大河」が咲き出した。数年前、杭州寒蘭で入れた株の中に混じっていたのだが、緑の色は杭州に引けをとらず、弁幅もあって、舌もふくよか。ごく自然に「大河」という名前が浮かんでくるような花で、これからしばらくは毎日楽しませてもらえそうだ。
 いまマニアの目は杭州寒蘭にへばりついているが、中国寒蘭も捨てたものではないと思う。大きな作場があれば大量に育ててみたいものの一つだ。


2001/10/27(土)
 昼過ぎ千葉のTさんがみえる。二日前にメールしたのに返事がなかったので、一瞬メールが届いてないのかと思ったら、直接来たことが返事だよとにやにや。
 前から欲しがっていた杭州の「万亀山」の苗が入ったことで、早速とりにやってきたもの。ついでに葉の色の濃い杭州初花株と、日向寒蘭の青チャボの古木も持っていった。
 前橋のKさんも一日がかりでやってくる。送ってあげた杭州見込株のお金を払いがてら、好きな三橋さんの鉢を見に来る。寒蘭はほとんど三橋さんの鉢で作っているようで、展示会では鉢がいいので入賞するケースもあると笑っていた。
 今回は寒蘭鉢でなく春蘭鉢。手ぶらで帰るのも能が無いといって、青磁の小鉢を選んでいた。「女雛」でも入れるのだろうか。


2001/10/25(木)
 日本寒蘭展の初日は、売れるのは杭州寒蘭の初花株ばかりで、なんとも複雑な気分のスタートとなったが、二日目のきょう、紀州寒蘭のサラサ花がでる。
 ことしは花あがりもよく、きのうは先輩のTさんが5鉢ほど応援出品してくれて、内容的にはまあまあといったところ。花が咲いてくれば尻上がりに見ごたえがでてくることだろう。
 杭州はいうまでもないが、日本寒蘭もやはり捨てがたい味がある。花をじっくり見て、気に入ったものを数鉢やってみるのはどうだろう。値段も手ごろだし、今がいいチャンスだと思うのだが。
 今週の話題で寒蘭が香らないのをとりあげたが、今日のお客様は良く香っているよといっていた。感じないところを見ると嗅覚が鈍ったのかもしれない。


2001/10/23(火)
 24日からの寒蘭展、どうやら見られるようになる。えびねのように一斉に咲いてくることはないが、蕾の状態で絵になるものもあるので、お客様に迷惑をかけることもないだろう。
 それにしても、寒蘭の色だしは難しい。特にピンクと黄色はいうことをきかない。一般に昼と夜の寒暖の差が大きいと、発色がいいといわれているが、今年は温度差があまりつかない蘭室に入れっぱなしの「日光」が、素晴らしい色になっている。恐らく過去最高ののりだろう。
 一方、夜露に当てて、理想的な管理をしたつもりの「武陵」が、茶色っぽく、最低の色ときているのは何故だろう。
 久し振りに花を上げた「玉姫」も、蘭室でいい色になっている。「糸屋姫」はことしもだめ。早く2鉢にして部屋の中と外で作るしかないか。


2001/10/21(日)
 水やりに午前中いっぱいかかる。店内の展示品はコンクリの床に下ろして水をやり、ある程度きってから棚に戻すので、どうしても時間がかかる。
 午後からはぽつぽつお客様が見える。杭州寒蘭の初花株を選んでくれといわれて困ってしまう。勧めていい花が咲いてくれればいいが、残念ながらそこまでの眼力は無い。
 蕾の先が白く抜けていれば、覆輪のある花が咲く可能性が高いので、どうでしょうかというのがせいぜいだった。
 日本寒蘭の方は順調だ。「憲陽」「蛍雪」も咲き出し、「苓州冠」「探幽」も展示会初日の24日までには開いているだろう。


2001/10/19(金)
 一ヶ月に一度中学の同級生が集まる三金会の日。今回は四谷駅近くのステーキ屋に決まっている。狂牛病騒ぎの最中だが、やめようというものは誰もいなかった。
 若い頃は人生25年なんていっていたのが、6度目の年男を迎えるまで長生きしてきたのだから、動じる気配は全く無い。
 花金というのにお客は少なく、4時に出かけるまでは、けっこう植え替えなどやることができた。
 前にも書いたことがあると思うが、蘭の植え替えは、2年経ったらするのが一番のようだ。3年はぎりぎりで、4年以上のものは確実に根がやられていると思った方がいい。


2001/10/16(火)
 いい天気が続いて寒蘭が咲き出してくる。平年より一週間から十日早い感じだ。さっそく店内の模様替えを始める。自宅にある寒蘭も笑い始めたので、数えてみたら、今日現在で6鉢になった。このぶんだと展示会初日の24日にはけっこう賑やかに咲いていることだろう。
 気仙沼のUさんが杭州寒蘭の青花で、推薦できる花はどれかと電話で尋ねてくる。難しい質問だが、考えた末「昆明湖」をすすめる。花型に問題はあるが、色合いは抜群だ。杭州を代表する花といっていいだろう。
 今日は休みの日だが、Aさん、浜ちゃんが顔を見せ、千葉のTさんも近くまで来たのでと立ち寄る。ことし入れた杭州など熱心に見ていたが、Tさんが求めていったのは昨年の一作した初花株だった。


2001/10/14(日)
 寒蘭展の看板できあがる。カット写真は杭州寒蘭の「奔月」にする。今年花が休んでしまったので、せめて看板で見てもらおうというわけだ。 
 DMの方も切手まで貼っていつでも発送できる状態になっている。最近は白石さんの仕事は実に手際がいい。
 「白玉壷」のAさんが久し振りに顔をみせる。そのうち浜ちゃん、るーぺのSさんも来て、杭州寒蘭三羽鴉の揃い踏みとなった。話がはずむことはずむこと、気がついたらもう7時の閉店時間になっていた。


2001/10/12(金)
 学校の先生で杭州寒蘭マニアのMさんが、開店早々みえる。狙いは杭州寒蘭見込み株だが、中国寒蘭とした中にも、杭州がけっこうありそうだと聞いて、そこからもこちらが選別を間違えたかなと思う株を選び出していた。値段が見込み株の三分の一だからニコニコ顔だった。
 午後から来たひげのご夫妻も、HPでみて寄ったという宮崎の男の人も、中国寒蘭が咲いてもいいからと、真剣な眼差しで選んでいた。
 最期は浜ちゃん。またやってきて4条立ちの葉幅が狭く緑の濃い株を選びだした。浜ちゃんが選ぶと、なんとなく杭州に見えてくるから不思議だ。この株はこちらが預かって咲かせてみることになった。


2001/10/10(水)
 文字どおり一日中の雨。当然ヒマなはずなのに、昼には大学のときの女の同級生が、プレゼント用の寒蘭を引き取りに来る。一緒に昼飯を食べようと弁当持参できてくれる。
 仲間が海外旅行で会社が休みの浜ちゃんも、雨の中をやってくる。輸入した杭州寒蘭を真っ先に見ることが出来て、またボルテージがあがり、何株か押さえていた。森永のKさんも釣られておつきあい。
 今回は杭州といえそうもない株も、三分の一弱まじっていた。お買い得コーナーで、中国寒蘭として売りに出したのだが、浜ちゃんは「根が細くても杭州寒蘭らしいのがけっこうある」と、これにも手を出しそうな気配だった。


2001/10/8(月)
 昨日の午後、待望の杭州寒蘭がとどいた。根がからからなので、とりあえず殺菌剤を入れた水に一晩つけておいた。
 今朝、仔細に調べてがっかりしたりよろこんだり。花芽つきは三分の一、杭州寒蘭と思えないのも三分の一、花ありは去年より少し多かったが、杭州でないのも多くて、プラマイゼロ。
 楽しみは株の多くが山採り一作株のかんじで、未選別の株がけっこうありそうなことだ。
 花芽つきの株は早速鉢上げする。しけないでうまく咲いてくれればいいが・・

2001/10/6(土)
 米寿のお祝いと結婚式とダブルのおめでたで、午前中から出かけてしまって、店の方はすっかり白石さん任せ。夜7時過ぎに戻ったらメモがぎっしりつけてあった。
 三連休の初日といえば、過去のケースでは大体ひまなことが多いのだが、この日は逆だった。
 まず杭州寒蘭の培養上手のK君、私が居れば何かいい話があったはず。ついでAさん。こちらは「豊雪」と「竜子」の花芽がやられてしまったそうだ。例のアザミウマの仕業か。
 出版社のSさんもきて、新宿の園芸店に、紫秀蘭の素心と黄花があり、山採りの株も沢山入っているとのこと。
 そろそろすずき園芸にも、期待の?杭州寒蘭が入っていいはずだが、ちょっと気もそぞろになってくる。


2001/10/4(木)
 一ヶ月に一度の定期検診などのため、午後からは出ずっぱり。血糖値を気にして一週間前から節制するするあたり、われながらいじましいが、この検査がないと歯止めがきかなくなる。
 留守中、盗難事件の続報がはいっていた。盗んだのは神父とも顔見知りの61歳の男性と年齢不詳の女性。信者の会があって、そのどさくさにまぎれて盗みをはたらいたのだそうだ。
 盗られた蘭は一応全部戻ったそうだが、殆どが小割りされていて、杭州寒蘭の紅花素舌は、花のついているところがなくなっているという。
 まだ何人かがこの事件に関係しているようだが、細かいことはよくわからない。蘭の盗難事件で品物が出てくるケースは稀なので、どんな形であれ、すべてがもどったのは不幸中の幸いだった。

2001/10/2(火)
 三橋さんから手紙が届いて、シュスラン一夜明けてみたら、ますます気に入ったと言ってくる。喜ばれるのは商売人冥利につきるが、ばかだねェ、あんなに安く売っちゃって、といわれているような気もして、苦笑いが出る。
 雲ひとつない秋晴れ、こんな日は蘭がみんな生き生きとみえる。大学の友達がご主人が世話になった友人に、寒蘭を贈りたいというので、どれにするか大いに迷う。
 予算の関係もあり、見栄えのよさから、花の質などいろいろ考えた末に、紀州寒蘭の「桃輝光」に決める。土佐・西谷の桃花とはまた違った味があって、好きな花の一つだ。


2001/9/30(日)
 公明党の都会議員・桜井良之助さん夫妻が久し振りにみえる。「今日はゆっくり休めるので、蘭の植え替えをするんだ」と、用土などを仕入れ、ついでに4月に買ってこちらが預かっていたえびねの「南州梅」と「侘麿」を持って帰った。
 自宅で作っているえびねは、どれも葉が茶色く枯れているそうで、全く傷んでいない葉っぱに奥さんいわく。「さすがはプロね」
 なんのことはない、やや暗い所にドブ漬けしてほっといただけだから、お褒めに預かるようなことはなにもしていない。むしろ花がきているかどうか、それの方が心配だった。
 午後、欅窯の三橋さんがみえる。鉢の間に一つだけ飾ってあったシュスランの斑入りを見つけて「こんな安い値段でいいのか」と押さえていた。シュスランは作りにくいといわれるが、段ボール植えにするとよくできるそうだ。


2001/9/28(金)
 今週の話題で取り上げた沼津の神父さんの蘭盗難事件。Mさんがやってきて、一部が見つかったという。神父さんから電話が入ったそうで、なんと近くの園芸店に、買って欲しいと持ち込んできたのだそうだ。
 店主は神父さんと親しいので、品物を見てすぐピンときたそうだ。寒蘭の一つは作りこまれたままの状態で、鉢の裏には神父の署名があったというから、ちょっと間が抜けた泥棒だ。
 もっとも持ち込んだ人は、売って欲しいと頼まれたのだそうで、盗んだ本人とは違うという。
 きょうのところはこの辺までしか分からないが、ともあれ一部でも出てきてよかった。寒蘭が紅花素舌かどうかわからないが、先ず大丈夫だろう。それにしてもバカなことをするものだ。


13/9/26(水)
 雲は少し多いが、暑くなく寒くなく風もなく、穏やかな一日だった。鉢も乾きやすくなって、ウチョウランにたっぷり水をやる。六日ぶりだ。
 ルーペのSさんが来て、押さえていた杭州寒蘭の初花株をもっていく。垂れ葉のゆったりした木姿のもので、木だけ見ていても悪くない。「花は最終的には分からないけれど、すんだ色で咲いてくれそう」と、Sさんは言っていた。
 花が来ていない日本春蘭の植え替えをする。柿右衛門、若桜、紫宝など、どれもあまり根がよくなかった。中国春蘭と比べて、日本のものは暑さに弱く、根をやられやすいようだ。
 小苗は特に影響を受けやすく、ことしは宴と紫宝を枯らしている。


2001/9/24(月)
 昨日で鉢の展示会が終わり、ほっとして迎えた定休日。天気も陽気も最高で、なにもしないでのんびり過ごすひと時が実にいい。家にいると何かと用をいいつけられるが、店にいるぶんには、おらが天下だ。
 もっとも午後から、振り替え休日でヒマをもてあました、浜ちゃんとSさんが遊びに来て"安息日"はお仕舞い。株のこと、アフガニスタンのこと話題は尽きることがなかった。
 夕方二人が帰ってから、大鉢に水をやり、西表島のカゴメランを4鉢に株分けして、早々と引き揚げる。


2001/9/22(土)
 ブナ窯の五百沢さんが追加の鉢を送ってくる。日本の陶芸は、ありのままの美を好み、轆轤の引き終わりが完品なのを目指すとかで、そんな鉢が二つ入れてあった。無削りの焼き締め鉢はすぐ売れそうな気がする。
 茶碗のように少し削ったという青磁の寒蘭鉢は、口径が24センチの大鉢。豊雪の大株でも持っていたら入れてやりたいところだ。
 それにしても寒い。まだ9月と言うのに室内で18度前後、20度を越すことはなかった。テレビでも11月の気温だと報じていた。


2001/9/20(木)
 九州からミヤマウズラの白花と、派手柄のシュスランをお付き合いで手に入れてくる。展示中の蘭鉢の間に置いてみたら雰囲気が変わって、一段と展示品が引き立ってみえる。
 見てくれのいい木を作ることに重点を置いてきたが、これからはレイアウトにももっと気を使わなければいけないと思った。
 ひげのご夫婦が玉ちん蘭の立派な木を持ってきてくれる。お金は要らないというので、杭州寒蘭の初花株を交換に持っていっていただく。いい花が咲いてくれればいいが。


2001/9/16(日)
 蘭鉢展そっちのけで、アメリカ、アフガニスタン、パキスタンの動き、テロに関するすべてのニュースが気になって、テレビばかり見てしまう。来店するお客様ともついその話になってくる。ひげのご夫婦、はまちゃん、造園業のIさんらがきて遊んでいく。
 「奔月」と同じ時に入れた杭州の赤花素舌(花未確認)は、今年も花があがらない。 Iさんの木を預かって、もういい木になっているのに、ここ3年咲かないままだ。こうなったら環境を変える以外に無いだろうというわけで、本人の作場で作ってもらうことにした。
 杭州寒蘭初花株で、はまちゃんのボルテージが、今のアメリカ人のように上がっている。11年に入れた2鉢の花芽が気になると、どちらも押さえてしまった。もうこれで押さえた株は5鉢になる。
 ところで、18日の朝・昼・晩は福岡に出張しているので、一回休ませていただきます。


2001/9/14(金)
 時折霧雨がまじって、どうにもすっきりしないお天気だ。予定表では大鉢と4・5号鉢に水をやる日なのだが、まだ早い感じなので止めておく。
 奥地の蘭協会のKさんがくる。何度も中国を旅して、杭州寒蘭もいいものをかなり集めている人だ。
 今年は花芽の出が例年より早く、花付きもいいそうで、久し振りに「墨染」に花がきたと喜んでいた。艶がある墨色のサラサ完全無点花で、杭州の中でもトップランクに入る。是が非でも展示してもらわなければいけない。


2001/9/12(水)
 ひどいことになった。昨夜は遅くまでテレビに釘付けで、寝不足もいいところ。台風が過ぎてやれやれと思っていたら、アメリカで驚天動地の同時多発テロ。もうこれは戦争だ。犯人はせいぜい十数人で、死者数千人に及ぶらしい。
 アラブで喜んでいる市民の映像がちらりと映った。テロへの激しい憤りと同時に、人間の怨念の深さにやりきれなさを感じる。
 こんな日はみなテレビの前で、商売にはならない。ルーペのSさんが来て、杭州寒蘭の初花株が1鉢売れただけ。
 世界貿易センタービルが殆ど崩れ落ちてしまったのが、不思議でならなかったが、大手ゼネコンに勤めるSさんの話では、地震が無いので、日本ほど頑丈に作る必要が無く、解体の時の効率も考えているのだそうだ。


2001/9/10(月)
 この前の台風は、肩透かしを食らった感じで、気象庁の悪口を盛んにいったものだが、被害は出なくて一安心だった。
 今度はどうだろう。予報は前回よりは控えめで、それでいて時折襲ってくる雨は前より激しいようだ。なんとなくいやな予感がする。
 天気なら初花のきた杭州寒蘭を、一株ずつ植え込む予定だったが、仕事にならないので、鉢の仕入れなど準備だけでお仕舞い。
 三橋さんのえびね焼き締め鉢、今日もメールで注文が入る。人気の高さに改めて驚く。雨またひどくなってきた。


2001/9/8(土)
 まれにこんな日があるのだが、展示会中の土曜日というのに、定休日のような静けさ。張り切ってやってきた八起窯の塚本君は、肩透かしを食らった感じで気の毒だった。
 今週は何かと忙しく、9日用の「今週の話題」も打てないままでいたので、わたしにとっては、ありがたかった。


2001/9/6(木)
 昨日は展示会の初日なので、三橋さんがほぼ一日店に居てくれる。平日の幕開けにしては、まずまずのお客様がきてくれる。
 杭州寒蘭の初花株がよくでる。1鉢1万円前後で買えるので、やはりつい手がでてしまうのだろう。
 平成6年に入れてやっと花がきた株もあり、売り物にするかどうかだいぶ迷ったのだが、だしたらすぐにMさんが(学校の先生)買っていった。
 だいぶ凌ぎやすくなって、寒蘭の動きも活発だ。毎日のように新しい株に花芽がきているのが見つかる。


2001/9/4(火)
 昼過ぎブナ窯の鉢が宅急便で届く。三島の鉢を三度とも失敗したとかで、本人はかなりがっかりしているらしい。後便で変化をつけていくと電話があった。
 3時過ぎには三橋さんも出来たての作品をもってくる。久しぶりに作ったと言う浮彫りの鉢が三つ、これは値段も張るけど悪くない。
 染付釉裏紅春夏秋冬文八角鉢も、春蘭用だが味がある。白釉のしのぎや面取りの寒蘭鉢も人気を呼ぶことだろう。
 横浜のHさんが待ちきれずにやってきて、2点ほど押さえていく。6時過ぎにはルーペのSさんもやってくる。どうやら蘭鉢展の到来とともに、長い夏休みも終わるようだ。


2001/9/2(日)
 午後、八起窯の塚本君が蘭鉢展用の焼締鉢をもってくる。窯を開いて初めての展示会出品なので意気込みが違う。
 7タイプの寒蘭鉢を作ってきたが、どれもそれなりに悪くない。値段は昨年に比べて500円ほどあがったが、独立したとなれば仕方のないところだろう。
 欅窯とブナ窯の作品は、展示会前日の火曜日(4日)になると連絡が入る。窯だしが月曜日の三橋さん、期待通りに焼けているといいが。ブナの五百沢さんは期間中に一、二度追加出品するそうだ。
 ルーペのSさん、出版社のSさん、ひげのKさん夫妻とYさんみえる。Yさんは塚本君に猫足のウチョウラン鉢を特別注文していた。
 ルーペのSさんは、昨年入れた杭州寒蘭の初花株を求めていく。その株を前からマークしていた浜ちゃん、なくなっているのに気がついたら、さぞがっかりすることだろう。


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