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2009年12月30日(水)
 27日の日曜日は今年最後の休日で、電話のやり取り、株分けや置いてあった品物を下げたりで忙しかった。午前中茨城からKoさん、午後は中野のEさん、下町のHiさん、埼玉のKuさん、千葉のTaさん、練馬のIさんらが来店。それぞれ注文のものを持ち帰ったり、置いてあった杭州を下げたりと、最後までにぎやかな一日だった。
 定休日が間にあって今日は今年最後の営業日。穏やかな天気になった。朝の道路は申し訳ないほど空いていて、赤信号以外はブレーキを踏むことがほとんどないほど。これまでの最短時間に近い記録だ。もう会社は休みに入っているし、正月用の買い物に必要なところ以外はどこも静か。ここでも埼玉のIさんが売約の杭州を取りにきた以外は静かなもので、最後の振込みをし、メールの返事、株分け、植え替えなど休みに入る準備をする。
 今年も何とか無事に終わりそうです。一年間どうもありがとうございました。来る年がどなたにとってもいい年でありますように。1月6日(水)からご来店をお待ちしています。


2009年12月26日(土)
 いよいよ押し詰まった。都内の一般道はスイスイで、いつもの土曜日よりは空いていた。どんよりとした一日。
 日中は来る人がいないので、温室の杭州寒蘭の棚を掃除する。鉢を倒してしまったり、水を遣った時に上砂がこぼれたりしたのが長い間にたまっている。、奥の方では落ちた葉を取りきれてないのもある。一旦棚の鉢をどかし、徹底的に掃除をする。
 作業をしていたら、港北のMoさんが来てくれた。蘭マニアの工務店社長だ。物置に棚を作りたいと思って適当な棚板を所望しておいたもの。忙しい年末だが都合がついて持ってきてくれたので、現場を見せてどうしたらいいか相談する。途中店内に戻ると町田のIさんが来ていた。Iさんが気に入った杭州を選び出すまでその相手をしていたら、その間にMoさんは立派な棚を完成させてくれていた。「さすが、プロ!!」。
 Iさん、Moさんが帰った後、出来立ての棚に新しいプラ鉢を並べる。これまで梱包のまま重ねていたのだが、取り出しにくい上、在庫の状況がつかめず不自由な思いをしていた。この棚に中身を出してサイズごとに並べると、丁度在庫が全部収まって、必要なものがすぐに取り出せるようになった。注文する時にも足りないものが一目で分かる。これで能率アップ間違いなし。Moさんありがとうございました。
 作業を中断していた温室の方は、暗くなってから杭州の鉢を奥から詰めて戻していく。植え替えの必要があるものは植え替えて並べる。一日中店を出たり入ったりして外を動き回っていたら、遅くなって千葉のTさんから電話。「何回かけてもつながりませんでした」。「あっ、スミマセーン」。


2009年12月25日(金)
 ホワイトクリスマスとは対極の絵葉書のような青空。雲ひとつなく晴れ渡っている。「東京でこんなきれいな空は珍しいかも」と思いながらの気持ちの良い運転だが、道路は混んでいる。交通情報では、朝246で事故ということだったが、処理が終わった後でものろのろ。そういえば仕事納め前の最後のゴトービだった。到着はセーフだったが、すぐに電話が鳴り始める。
 風もなく暖かい陽射しで、水遣りの手も冷たくないのはありがたい。銀杏の落ち葉を掃き、到着したプラ鉢を物置に片付け、振込みに郵便局まで走る。このところ入り口の戸が、力任せでないと開かない状態だったが、昨日戸車を買っておいたら、拓也さんが取り替えておいてくれた。おかげで今朝はスムーズ。古い建物は、もぐらたたきのようにあちこち具合が悪くなるものだ。
 横浜のお客さんが名残の杭州を見に来たあと、千葉のYさんが置いてあった品物を下げに来る。埼玉のKuさんが杭州の上級品をいくつか持って来る。紅舌、六弁花、突起弁花、濃紅花、紫月他。
 根洗いでいけばなに使うという女性が杭州を選びにくる。葉姿が良くいい感じに咲いているのを選んで、大事に持っていく。夕方大田区のUさんが来る。電話が多くて杭州、紫秀蘭、春蘭、えびねなど、様々な注文、問い合わせのやり取りで忙しく写真を撮る暇がなかった。


2009年12月24日(木)
 今日もほどほどの気温になったが、店の中はコンクリートの床から冷えが上がってきて、お客様も長くいると寒くて仕方ないようだ。
 そろそろ店内に出してある杭州を作場に仕舞うことを考えなくてはいけない。株分けしたり新しいのが加わったりして、出した時より鉢数が増えているのをどうやって仕舞うか。フレームの中から余分なものを出し、隙間が無いように詰めていくしかないが、棚に空間がある間に、こぼれた砂が散らばっているのを掃除したい。棚を一旦きれいにするのは、品物を出している時しかないが、これが中々大変で、目に付いたところからやり始める。
 埼玉のIさんが頼んだ株を持って来ながら、杭州青々の「王妃」を見せてくれる。桃腮素で刺毛素と言えるのかもしれないが、腮の桃色が何ともあでやかで、いいアクセントになっている。捧心が真っ白に抜けて魅力的な花だ。
 電話が何本もかかり、色々な件でやり取りが忙しい。年内残り少ないから、日程を考えて切りをつけていかないと。近くのSuさん、外科のKo先生が買い物に。ルーペのSさんが人気1賞になった「獅子峰」を、賞品の鉢と一緒に持ち帰る。


2009年12月23日(水)
 このところ寒い日が続いたが今日は一段落。よく晴れて陽射しのあるところでは多少ほっとできる。早目に家を出たら道路はすきすきで、9時半過ぎには到着してしまった。休み前に水揚げしておいた新着杭州は、元気になったものもあるが、中には水が揚がらなかったものもある。すでに1ヶ月以上も咲かせている展示品は、さすがに勢いがなくなってきた。舌が小さくなったり、肩が落ちてきたものは花を切って植え替え、作場にしまっていく。
 朝一番に麻布のMoさん、その後いつものKoさん、品川のIさん、駒場のWaさん。午後遅くなって中野のEさん、下町のHiさん、長野のSaさん、川崎のKiさんらが来てくれ、にぎやかな一日だった。


2009年12月20日(土)
 昨日は千葉のMoさんが何年か振りに見えたそうで、休んでしまって申し訳ないことをした。会えずに残念と思っていたら今日電話をいただき、変わらずに一生懸命作っているというので一安心。目立たない場所に置いてあったいい花が無くなっているのに気づいたが、それを持っていったと聞いて「さすが!」と納得。又来られるのを楽しみにしたい。
 朝一番に埼玉のKuさんが来て、置いてあった品物を下げる。麻布のMoさんが、前から気になっていたという杭州や鉢を買っていく。港北のHaさん、目黒のYoさん、駒場のWaさん、ルーペのSさんなどが寄っていく。
 人気コンクールの出品物は少なくなったので、まだ取りにきていない鉢はすべて1階に下ろす。2階にあった即売品も下げられ、上は鉢だけになった。最近地震が多いから、まだ渡していないコンクール賞品の鉢は1階に避難。
 1ヶ月以上咲かせている「孤峰」の花を今日ようやく切って花瓶に挿した。花瓶には「てん笑山」「奔月」などがぴんとしたまま形を保っている。「孤峰」は水に挿しても花もちがいいが、切るとすぐに萎れてしまう花もある。「黄玉山」は「孤峰」より前に咲いたのだから、本当はもう可愛そうだが、いまだに形を変えない。毎年思うが、終盤にきて花の持っている底力がわかる。そういって長く咲かせてしまうのがいけないのは分かっているのだが、店というのは花が無いとどうしようもないのだ。
 今日新着杭州が10株ほど入荷。「初めて見た」というような変わったのもあって、今日のところは一生懸命水揚げだけしておいた。休み明けに写真を撮りたい。


2009年12月18日(金)
 早朝の地震で目が覚めた。伊豆で群発地震。年末になって落ち着かない事態になった。今日も来る途中事故をやっている。師走の慌しい時期は一層気をつけないといけない。
 天気はいいが寒さはかなりのもので、温度の入らないフレームの最低温度は2.5℃。あちこち閉めてあってもこれくらいだから、全くの外ではもっと下がっているだろう。気温が低いだけでなく風も強い。道路に銀杏の葉が散り敷いていて、掃除をするそばから降ってくる。
 出版社のSさんが展示品を下げにくる。川崎のKiさんは香蘭会の仲間のYoさんと一緒に来て、展示品を下げながら鉢を買っていく。阿佐ヶ谷のUさん、埼玉のIさんも寒い中来てくれる。遅くなって仕事を終えた造園のIさんも来て、欲しいものを決めていく。それぞれ売約のものを精算したり、置いてあるものを下げたりして、2階のコンクール展示品は大分片付いた。これからは注文の株分けをしたり花が終わったものを切って植え替えたりと、年末まで後始末に追われる。
 帰りる頃には店の前の道路は黄色い絨毯のよう。全部落ち尽くすまでこれが続く。
 明日はすみませんが白石は私用で休みます。株分けなどのご用は日曜日においでいただけると助かります。


2009年12月17日(木)
 この冬一番の寒さはあっさりと更新された。陽が出ていたので日中は多少何とかなったが、朝晩は相当に冷え込む。朝京浜東北線の不通を報じていたが、道路の方も事故があったりして渋滞していた。いつもより遅く到着。
 埼玉のKuさんが杭州寒蘭の追加を持って来る。日本で作っていた株がほとんどで、こちらでもこんなすごい色が出るのだと感心するような濃紅の花や、青花やサラサでもしっかりと咲いているものばかり。作りこんだ株は安心できる。
 横浜のHiさんが展示品を下げに来た後、入荷した株の写真を撮る。遅くなって仕事が終わった造園のTaさんも、展示してくれた品を下げる。土曜日は白石は休むので、明日HPに写真を掲載できるかどうか。


2009年12月16日(水)
 予報通りこの冬一番の寒い一日になった。フレーム内の最低温度は5℃。本格的な冬の到来だ。店も自宅も冬囲いを済ませておいて良かった。
 寒い中、近くのSuさん、埼玉のIさん、町田のIさん、埼玉のAさんが来て、出品し蘭品を下げていく。人気コンクールの写真をアップ。


2009年12月13日(日)
 これまでは比較的暖かかったが、今日から徐々に寒くなるそうで、今週中には本格的な冬になるらしい。昨日拓也さんに外の棚の冬囲いをしてもらったが、自宅の方も明日の休みにはするつもり。
 今日は皆さん忙しい代わりに店の方は静か。人気コンクールの写真をHPに掲載しようと、作業を始めた。午後麻布のMoさんが買い物に来た後、遅くなって埼玉のNaさんが来る。この間注文していった虹色大輪サラサを株分け。「霓裳」(げいしょう)という名前をつけてもらった。「長恨歌」にも出てきたと思うが、霓は虹のこと、裳は女性のもすそ。難しい字だが、花の雰囲気を良く表している。出世しそうな花で、大切に作っていきたい。港北のHaさんも寄っていく。
 Naさんに立ち会ってもらって、コンクールの開票をした。1賞は8番ということになったが、ページの方は最後まで完成しなかった。休み明けに作業を続けて掲載する予定。近いうちにご披露します。
 夕方下町のHiさんが、神代植物園から撤収してきた蘭を持って来る。若いGoさんもひさしぶり。
 年末年始の休みを相談。今年は定休日の都合で休みが長い。年内は30日まで。年始は6日からとなった。


2009年12月12日(土)
 天気がガラッと変わってコートもいらないほと暖かくなった。朝上野グリーンクラブに行って展示会を見る。知った顔に何人も会って、挨拶したり話をしたり。2階には昔からの杭州寒蘭の範疇を超えたような「すごい」花が飾られている。ゆっくり見ていたいが時間がなくて会場を後にした。「昼までに店に帰る」というのには大分遅れてしまった。
 天気がいいので、混合砂作りに励む。売り物と自家用をたっぷりと作って、これから株分けなどに必要な分を確保する。何人かから電話が入り、見てきた展示会が話題になる。「あそこにあったあれが良かった」と蘭の話になると盛り上がる。
 明日は三つの展示会の撤収の日。それが終わらないと落ち着かない。


2009年12月11日(金)
 冷たい雨の一日。時間が経つにつれて、雨足が強くなってきた。先ず混合砂を当座の分だけ作る。後は明日、拓也さんにたっぷり作ってもらおうと思う。
 午前中に千葉のMuさんが売約の杭州を取りにくる。Muさんが帰った後は近くのSuさんが来ただけ。昨日はお昼を食べる暇もなかったが、この雨ではどうしようもない。ちょうどいいとコンクールの撮影をする。鉢ごとの全身写真は2階で、花の写真は1階でと、1鉢づつ階段の上り下りを繰り返す。やはり写真は光がすべて。杭州寒蘭の微妙な美しさを出すのは難しいが、それでも毎日撮っている場所がよさそうだ。撮影した画像を保存するところまでやって、コンクールが終わってからゆっくり載せよう。
 明日、明後日の土日は神代植物園、上野グリーンクラブ、三重県津の展示会と大きな杭州寒蘭展が重なる。マニアは時間をやりくりしてどれも見て廻ることになるが、土日しか動けない人も多く、その分店は暇になるはず。白石は明日午前中は上野に行く。
 すずき園芸の杭州寒蘭人気コンクールもまだの方は是非投票をお願いします。日曜日が開票です。


2009年12月10日(木)
 先ず混合砂を作ろうか、撮影をしようか迷った。埼玉のIさんが人気コンクールに出品している杭州を木曜日に下げると言っていたので、その前に撮っておきたい。やはり今日は撮影が先だと、2階に並べてある出品作の撮影を始める。2階にグラデーションペーパーを垂らして撮影場所を作ってあるのだが、国道沿いの建物は振動がひどくて、寒蘭のように細管で高く上がっているものは揺れてしまう。そこで蘭鉢の撮影以外には2階の場所を使用していなかった。今日は窓から明るい日差しが入って明るく、いちいち下に運ぶのも大変だし、大丈夫かと2階で撮影開始。窓からの光が陰影を作り、その場所に蘭を置くと実に深みがあって美しく見える。「これはいいかも」と机を動かして態勢を整え、一応全部撮りおわった。
 下から声が聞こえて早くもIさんが現れる。続いてルーペのSさん、村長さんも。やがて目黒のOさん、中野のEさんの息子さん、世田谷のKo先生も来てくれる。皆さん深大寺に行った帰りとか、こちらを見てから向かうとかで、展示会が集中している今の時期は皆駆け回るようにして見て歩く。
 合間にさっき撮った写真をパソコンで見た。その場所だととてもきれいに見える杭州だが、日光が強すぎて写真にするといまいち。やはりいつも撮っている下で撮り直そうと思うが、中々その時間がない。結局Iさんはコンクールの品は置いていってくれたので、明日一つづつ下に下ろしながら撮ることにしよう。
 少し手が空いたところで、贈り物として発送を頼まれた杭州を荷造りする。昨日小柴鉢に植え替えて落ち着かせておいたもの。花を傷めないように時間をかけて梱包し、発送する。
 閉店時間になる頃、仕事を終えた造園のTaさんが駆けつける。2階をじっくりと見て、「あれもいい、これもいい」と言っているところに、階段を上がってくる足音。久し振りの世田谷のMaさんが現れた。この時期にはここにいておかしくない人だが、体調が悪くなってからは、時たましか来られなくなった。Taさんとも古くからの知り合いだから、ゆっくりとおしゃべりし、好きな杭州を見て英気を養ってもらった。
 明日は雨の予報で混合砂作りができないだろうから、今日やっておこうと思ったのだが、結局あれもこれも無理だった。売約の株分けなどがあるので、砂が足りないと困る。明日は雨の中でもやらなくては。
 上野グリーンクラブの杭州寒蘭展を土曜日の午前中見てこようと思う。作場の冬支度もそろそろ。何と忙しいこと!


2009年12月9日(水)
 昨日の抜けるような青空が、今日はどんよりとしてぶるぶる。休み明けは銀杏の落ち葉掃除から始まった。走ってくる途中は社員総出で掃いているらしいところもあったが、店の前の木はようやく色づき始めた程度だ。それでも戸を開けようとすると、吹き溜まっているのがある。いよいよ落ち葉との格闘が始まった。風が強かったのか水苔類も白くなっていて、急いで水遣りをする。
 昨日の午後遅く、神代植物園の杭州寒蘭展を見にいった。当番の人達はつい先日店に来てくれた知った顔ばかり。花も見るが後のおしゃべりも楽しく、ついつい最後まで居座ってしまった。店にたくさんの人が顔を見せてくれるとこちらもうれしいが、他所の展示会を見せてもらうのは、気楽さもあってほんとに楽しいものだ。
 昨日深大寺で入れ違いになってしまった三重のKaさん、埼玉のKuさんが来てくれる。早速投票をお願いする。話をしているところにいつものKoさん。その後葛飾のOさん、近くのSuさん、雑誌社のKaさん、港北のHaさん、大田区のUさんなどが来て、出来る限り投票をお願いする。
 今日は無くなってしまった混合砂を篩おうと思ったが結局時間がなく、人気コンクール出品の撮影も出来ず仕舞い。休み明けは展示品の水遣りなどで忙しい。


2009年12月6日(日)
 全く日替わりの天気で、すっかり晴れて暖かくなった。今日も9時半には店に出る。あちこち開けた途端に下町のHiさんが展示品を持ってきた。早速コンクールのコーナーに飾る。間もなく長野のSaさんが到着。出版社のSさんが合流し、シャングリラもゆっくりと出てきた。昨日は人が一杯で蘭のところまで近づけず、仕事がたくさんあって花をゆっくり見られなかったが、ようやく落ち着いて見られる。昨日に続いての阿佐ヶ谷のUさんも、今日は津久井のKuさんと一緒にやってきた。
 大田区のIさんは大きくて端整な無点系青花の1鉢を見せにくる。「いい花ですね」と言うと、ついこの間ここで買った新着杭州の根巻きを鉢植えにしたものだそうで、きちんと水が揚がってまるで別物だ。黄さんの頃から蘭をやっている人だけに、さすがの目利き。運搬で多少花型が狂っているものも、ちゃんと作ると良くなることがわかる。町田のIさんもコンクール用を1鉢出品してくれた。すでに昨日投票を済ませた人も大分いるが、公職選挙法ではないので、最終日を待たずに下げる人もいるし、後から持って来る人もいて様々。埼玉のNaさん、世田谷のHaさん、Toさん夫妻、外科のKo先生、神奈川のFuさん、千葉のIさんなど、入れ替わり立ち代り人が来て、出来る限り投票をしてもらった。いい花が揃っているだけに、その中から1点を選ぶのは難しく、最後は個人の好みということになろう。あくまでもお遊びで。
 3時ごろシャングリラが引き上げ、即売品コーナーはがらんとしてしまった。取りあえず場所を埋めておいたが、明日、明後日ゆっくりと休んでから又並べかえよう。
 大騒ぎのイベントが終わって何となくほっとしたが、人気コンクールはまだやっているし、23日(月)までは杭州寒蘭展が続く。今度は落ち着いた雰囲気で、作りこんだ良さを見て欲しい。火曜日には神代植物園の杭州寒蘭展に行くつもり。


2009年12月5日(土)
 午前中はそこそこいい天気だったが、夕方にかけてかなりの本降りになった。
 昨日は会場準備で蘭や鉢をあちこち動かしたり、掃除をしたりで、夜9時過ぎまで仕事をしてしまった。帰りは渋滞に巻き込まれて家に着いたら10時半。今朝は店に協力者が10時集合らしいので遅れるわけにはいかず、9時半頃には店に着いた。このところ自宅にいるより店にいる時間の方が長い。駐車場を空けるため電車で来たが、もう先に車が待っていて、10時頃には続々と人が増えてきた。「渋滞していた」と少し遅れて到着した村長の車から、みんなで蘭と鉢を降ろす。どこもかも人と荷物で一杯だ。やがてシャングリラも到着。スーツケースに詰めてきた蘭を植え込んで並べる。色々なやり取りで1時スタートにしておいて正解だった。皆で立ったまま軽いお昼を食べ、一日中座る暇はなかった。
 今回は何年も作りこんだ杭州の分け木なので、どれも落ち着いたいい咲き方をしている。木も日本の木になっていて、全体にきりりとした雰囲気。紫秀蘭も面白いものが色々あり、全体として価格はかなりサービスだ。
 3時頃には帰った人、それからやってきた人、関西や山梨など遠くから来た人などで、今日も遅くまでにぎやかだった。遠方から杭州を持ってきてくれた二人も、東京の趣味家との交流やこちらで咲かせた花を見るのを楽しみにしてくれているし、これが大好きという人達ばかりが集まって、今年も大いに盛り上がった。村長は日帰りで引き揚げたが、シャングリラは明日もいるので、今日来られなかった方も、色々な話をしにどうぞ。明日はもう少しゆったりとできるかもしれない。
 人気コンクールへの出品はまだ大丈夫なので、「参加することに意義あり」、是非1鉢でも。


2009年12月4日(金)
 天気は一転快晴になったが、朝のうちは風が強く、青空にぽっかりと浮かんだ雲の動きが速い。途中の道路ではすっかり黄色くなった銀杏が道路端にたまっていて、もう少しすると店の前もこうなるのだなと覚悟する。
 植え替えをいくつかしていると、大田区のYoさんが遊びに来る。続いて横浜のHiさんが明日からの人気コンクールに出品するものを持ってきた。プラ鉢で栽培しているのを欅鉢に入れて出すのだが、長い寒蘭用のを収められる鉢は少なく、すっぽりと落とし込んで化粧砂でカバーするというわけにはいかない。人気コンクールは「みんなで楽しみましょう」というお遊びなので、あまり細かいことは言わず、プラ鉢でそのまま出すのはご遠慮願うという程度にしておきたい。
 目黒のOさんが売約の蘭を引き取りに来た後、明日の準備にとりかかる。2階を片付けて展示できるようにし、1階の道路側を明日の品物を並べるために空ける。追い出されたものは作場にしまったり、詰めて並べたりして、受け入れ態勢は出来た。店が狭いのでどこもかもぎっしりだが、まだコンクール用の出品が少ないので、2階だけはゆったりとしている。明日、明後日に持って来る予定もあり、いつも通り三々五々に集まってくることになるだろう。
 コンクール開催と同時に、明日は九州からシャングリラ、浜松から蘭花村長が来て、それぞれ自分のところで何年か作った杭州と紫秀蘭を持ってくることになっている。午前中は運んできた蘭を植え込んで並べるなど準備があるので、販売開始は午後1時から。例年通りオークションもするつもりだが、こちらは3時頃から。皆さんゆっくりと出動してください。杭州まつりということで、みんなで盛り上がりましょう。
 明日は又天気が下り坂で寒くなるようだ。


2009年12月3日(木)
 昨日までの暖かさはどこへやら、暗く垂れ込めた空で、しとしと雨の一日。朝からライトをつけて走らなくてはならないほどだ。日中になるにしたがって気温は徐々に下がっていく。
 朝一番に雑誌社の杭州撮影の約束があって早目に店に出る。これまでに撮ってない品種を中心に選んで昼前に撮影が終わり、引き揚げて間もなく、この雨で仕事が流れた造園のTaさんがやってきた。土曜日からの杭州寒蘭人気コンクールに出品する「てん笑山」を持ってきたもの。もう少し早ければ撮影に間に合ったのに残念!。一番上の花はまだ完全なつぼみで青く、開いている一番下の花はピンクがかった明るい紅色。途中の色の乗ってきたつぼみはつやつやとした縞状で、上下の間がグラデーションになっている。咲くまでの色の変化も楽しめる花だ。いつものKoさんも寄っていく。
 先日部下の方が選びにきて、杭州寒蘭をお餞別として贈られたSoさんが、「とても気に入った」と別の株を選びにくる。この間のがサラサだったから今度は青花。目の前でプラ鉢から焼き物の鉢に植え替えて、根の状態も見てもらう。「1鉢では管理しにくいから何鉢かあった方がいい」とのことだが、全くその通り。ある程度数があった方が栽培はうまくいくものだ。
 5日から2階を人気コンクールの会場にするため、上に並べてあった新着杭州を昨日大分下げた。コンクールが終わった頃に、又新しいのが入ることになっているが、昨日新たに入荷した分もあり、HPの即売品のページを整理して作り変えた。HPはいじるとリンクを全部貼り直さなくてはならず、新規の撮影もあって、昨日は遅くまでパソコンに向かってしまった。「朝・昼・晩」の更新を見送って帰ったが、HPを見ていてくれるというカメラマンから「毎日更新で大変ですね。でも店の様子が伝わってとてもいいと思います」と言っていただいた。その言葉を信じて、忙しくてもがんばって続けていきたい。
 紀州寒蘭「旭鳳」の特級株が入荷。立派な花付きだ。杭州寒蘭の店ではあるが、是非こちらも見にきて欲しい。


2009年11月29日(日)
 朝一番に埼玉のKuさん、続いて茨城のKoさん、麻布のMoさん、埼玉のIさんがやってきた。それぞれ展示品や売り物を持ってきたり、買って持ち帰るものがあったりで、床には鉢が並び、動きが取れない。その中紫秀蘭や鉢を選んでいく人あり。やがて中野のEさん、下町のHiさんも到着。それぞれ車で来ているので、駐車場も一杯になった。忙しさでご無沙汰だった上海のSさんも現れる。丁度商店街で餅つきをしていたので、つきたてのお餅を買って来てみんなで食べた。
 そのうち出版社のSさん、駒場のWaさん、夕方にはルーペのSさんも。搬入した杭州を記録して並べ、持ち帰る蘭を包装。てんやわんやの一日だ。
 今年の「奔月」は本咲きよりはやや花弁が細く、一回り小さいかもしれないが、赤味が少なく、大人しいが上品。今日は色々な人が持って来た自慢の花が集まり、「珠峰雪」「八つ山」なども咲いてきて、並べる場所に苦労するほどいい花が並んだ。展示していったものもあるし、持ち帰ったものもあるが、持ち寄ってたくさんの名花が見られるのはうれしいこと。それぞれ12月5日からの人気コンクールには、秘蔵のものを準備してくれているようだ。楽しみ、楽しみ。


2009年11月28日(土)
 昨日の帰りは思わぬ渋滞に巻き込まれてしまって、すっかり遅くなった。天気は今日までが晴れということらしいが、途中銀杏の黄葉が見事な場所があって、朝日を受けて黄金色に輝いているのを楽しみながら運転してくる。ところが店の前の銀杏はまだ青いままだ。都内に入った途端色が違う。落ち葉に悩まされるのはもう少し先のようだ。
 この間からやり残している植え替えをしていたら、ひょっこり浜ちゃんが現れた。「まあなんと久し振り」。そこへ千葉のTaさんが姿を見せる。毎年杭州の時期には遠い距離も厭わず移動するTaさんだが、今年は珍しく沈黙したままだった。こちらもやっと現れたというところ。「出張続きがようやく終わりました」と本格復帰宣言。欲しい株をアピールしていく。
 初めてのお客さんが「何でも枯らしていたけど、やっとうまく出来そうになったから」と杭州を選んでいく。埼玉のSiさん、品川のIさん、遅くなって造園のTaさん。
 「奔月」が展示されたが、あまり陽を取らないようお願いした通り、赤味を出さずに咲かせている。初めて咲いた時の色に近いかもしれない。


2009年11月27日(金)
 天気がいいせいか、朝車から降りると外まで寒蘭の香りが漂ってくる。鍵を開けないうちに中で電話のベル。急いで入ると造園のTaさんからだった。朝から仕事をして丁度一服の時間なのだろう。「あれが開きだした」「これのつぼみが色づいてきた」というような取りとめもない会話だが、この時期お互い楽しくて仕方がない。
 島根からのお客様が杭州を見に。阿佐ヶ谷のUさんもやってくる。港北のHaさんは売約の株を引き取りに。気に入った花にはいい鉢を用意して入れ、相応しい名前をつけるHaさん。この間盛んに褒めてくれた15年選別サラサ円弁花の命名を頼んだら、いくつか考えてきてくれた。相談の上「ひぐらし門」と命名。「いい花に見とれて時間を忘れているうちに、日が暮れてしまった」というイメージだそうだ。新規命名は何年振りか。
 いつものKoさんが売約の株を引き取りに寄る。千葉のYさんもついでがあったと、ゆっくり杭州を見ていく。「お餞別に杭州寒蘭を贈りたい」という人が来て、丁度ぴったりの株が見つかったのを鉢に植え替えて持っていく。香蘭会のKiさんとNaさんが一緒に現れ、閉店まで蘭を見ながらゆっくりおしゃべりしていく。暗くなるのが早くて一日があっという間。どうしても植え替えなど仕事のやり残しが出てしまう。


2009年11月26日(木)
 ポカポカと風もなく、穏やかな一日になった。休み前はつぼみだった「帰去来」が開き始めている。杭州は花もちが良く、ずい分咲いていても中々片付けたいという気にならないが、少しづつでも新旧交代させていきたい。
 ここでは花が早いと思っていたが、やってきた横浜のHiさんの話では、「早いのが少し開きだしたくらいで、つぼみがほとんど」ということだった。神奈川の我が家でもまだつぼみだから、全部が早い訳ではなくばらつきはあるのだろう。HIさんによると、これまで作場にしていた場所を一箇所、どうしても空ける必要があって、たくさん作っているえびねを整理したいとの希望。作る場所に余裕がないのはどこも同じなので、お買い得品としてHP上で販売することになった。資料が揃ったら載せることにしたい。きれいに作ることでは定評がある人なので、欲しい品種があれば早目にご注文を!。HP作成が又忙しくなる。
 練馬のKiさんが久し振り。目黒のOさんも今が盛りの杭州をじっくりと見て、欲しい品種を決めていく。雑誌の取材の打合せも決まり、いよいよ杭州真っ盛り状態だ。


2009年11月23日(月)
 このところ天気は日替わりメニューで、三連休最終日の今日は晴れて暖かい。昨日、一昨日と忙しく、写真のホームページアップが中々進まなかった。今日は静かになって、土曜日に新着杭州の追加があった分の撮影も終わらせる。麻布のMoさんが来て、気に入った杭州を持っていった。
 昨日は都合で遅くに来る人がいて帰りが遅くなったのと、ホームページ掲載で遅い日が続いたので、今日は久し振りに定時に帰ることにする。
 今週は火・水が休みとなります。


2009年11月22日(日)
 時折小雨が降る中、上野東照宮に直行。黒崎先生をはじめ、知っている会員達と話をしながら、すばらしいできばえの寒蘭を鑑賞する。このように作品として作り上げられた寒蘭が立派な鉢に植えられて、雰囲気のいい会場に並べられているのを見ると、「やっぱり日本の寒蘭はいいなあ」と思う。「水月」が総合優勝だったが、うちの株とは別物のようだ。杭州寒蘭がメインのうちとは力の入れ方が違うのだから、あまり手を広げず、展示品は見せてもらうことにしよう。
 昼頃店に戻ってしばらくすると、埼玉のIさんが自宅で咲かせた杭州をいくつか持ってきてくれた。帰りには持ち帰ってしまうので、写真だけは撮っておく。造園のIさんもやってきて、ゆっくりと買い物をする。注文のあった「紫芳山」を聞いてみたら、分けてある鉢を持ってきてくれた。今年そちらの株には花がないが、2条づつ二人に分けることが出来る。何回か見えている千葉のお客さんも、時間をかけて1鉢を選び出す。
 遅くなって「香蘭会」の展示を撤収してきた横浜のMoさん、長野のSaさんがやってきた。日は出ず真冬並みの寒い一日になった。


2009年11月21日(土)
 今日も快晴で気温もそこそこ上がった。三連休の初日だけあって、出勤途中の道路は混んでいる。明日、明後日と雨模様らしく、今日が出かけるチャンスなのだろう。店の前の国道246は一日中のろのろだ。
 店に着いてまだ表を開けないうちにウィンドウを叩く音。新潟のHaさんが早くも到着した。寒蘭を長くやっている人だが、杭州をやってみたいということで、2階と下をじっくりと見ていく。「杭州寒蘭の見方のポイントは?」と聞いた上でいくつか選び出したが、別の分野で本格的にやっていた人はやはり見る目が確か。それぞれ魅力的な花を選んでいった。
 埼玉のKuさん、埼玉のSaさんが来て、杭州を持ってきたり、展示品を持ち帰ったり。午後から埼玉のTaさんが杭州を選びに来る。品川のOさんも、「水が揚がった頃か」とやってくる。夕方上野東照宮の帰りに香蘭会のKiさんが寄る。今日は設営やら審査やら役員として目一杯働いて、「やっと終わった〜」。明日は一般公開だから、白石は午前中に見せてもらうつもり。朝は上野東照宮に直行して、なるべく昼には店に着く予定です。ご迷惑をかけますが、店は11時から開いていますのでどうぞ。


2009年11月20日(金)
 久し振りに沁みるような青空の中出勤。やはりお日様を見るとうれしくなる。
 フレームの杭州がどんどん開きだしているのを店内に出すと同時に、寒蘭を仕舞って交代させていく。昨日撮影した杭州の写真をHPに載せる作業を急ぐ。リサイズしたり、リンクを貼ったり作業に手間取り、一気に全部を載せることが出来ず、明日に残してしまった。とりあえず出来たところだけでもと、即売品のページをアップする。水が揚がってかなりシャンとしてきたのもあるし、2本花茎があって、つぼみで来た方のが咲いてくるのもある。輸送傷みを割り引いて、作ってどうなるかを見て欲しい。


2009年11月19日(木)
 日中の最高気温が一桁という真冬の寒さになった。昨夜からの細かい雨が降り続き、朝から電気をつけなくてはいけないほど薄暗い。あまりの寒さにフレームの窓も開け方を少なくした。11月に最高気温が10℃以下になるのは珍しいことだが、このまま一直線に寒くなる訳ではないだろうから、完全に閉め切ってしまうのはもう少し先にしたい。それでも人間のいる店内は、高窓を閉め、換気扇を止め、エアコンを入れて、冬の態勢だ。
 先日入荷した新着杭州の写真をHPに載せようと、朝から順番に撮影をするが、結構時間がかかって一日では終わらなかった。輸送のダメージがあって花茎が倒れているのを起こしたり、うまく花が撮影できるように葉を除けたりの作業があって、ここで作りこんだもののようにはいかない。全部を一度に出すのは難しいので、撮れたものからアップして、追加していくことにしたい。
 こんな寒さで来る人は少なく、何本か問い合わせの電話はあるが、いつものKoさん、港北のHaさんが来て、売約したり、持ち帰ったりしただけ。水遣りもないのでほとんど一日中パソコンの前で作業する。


2009年11月18日(水)
 昨日は冷たい雨の中、神代植物公園に寒蘭展を見にいった。時期的に遅すぎて元気な花が残っているのかな?と思ったが、結構数は揃っていて充分見られた。会員は「揃えるのが大変だった」らしい。天晴れ!。
 今年の11月は例年より雨が多い気がする。今日は日が出てきて回復したが、寒さはそのまま。定休日の間高窓はフルに開けて、扇風機や換気扇もつけておいたから、店内はかなり冷え込んで、今朝来ると花弁が後に反ってしまったのもあった。扇風機を止め、少し直してやると元に戻ったが、寒さや乾燥はきれいに咲かせるには避けたいことだ。しかし、上段にある名品は少しも形を変えない。さすが長年の厳しい目に耐えてきた選別品。一瞬だけを見たらいい花はたくさんあるが、どんな条件でも、最後まで変わらない姿でいる杭州はそれほど多くはない。毎年、こういう急激な寒さが来た後、実力をあらためて認識する。
 朝近くのSuさんが寄ったが、「やっぱり見てこようかな」と神代植物園に出かけていった。その後埼玉のKuさん、埼玉のAさん、川崎のAさん。以前に杭州を買っていったがその後全然咲かないと嘆いていた女性が、今日は車の付いた買い物袋を持って、植え替え用の砂や肥料を買いに来た。今年80歳だそうだが、「咲かないって愚痴ばっかり言ってたってしょうがないから。来年はいい報告を持ってきます」と栽培法の載っている古書も一緒に買っていく。「絶対咲かせる」という前向きの姿勢に拍手喝采。「うれしい報告を待っています」。夕方仕事帰りの埼玉のSiさんが寄って、好みの杭州を選んでいく。
 つぼみの段階で売約になっていた杭州未選別株にいい花が咲いた。初めから色のついたつぼみだったが、先端に真っ白な覆輪が見えていた。今日開いたのを見ると、捧心の白さも形も良いし、舌が抜群にふっくらしていて舌点もいい。この間もいいサラサが出て喜ばれたが、このままいくとちょっとした話題になりそうな花だ。


2009年11月15日(日)
 久し振りにカラリと晴れて七五三日和。朝から何人かのマニアの人達が顔を見せる。埼玉のIさん、茨城のKoさんが自分のところで咲いた花を持って来た。2〜3年前に輸入した選別品が落ち着いて、いい感じに固定してきている。入ったばかりのものはこれから作りこんでどうなるかという素質を見極める素材で、木が出来て一層すばらしくなるものもあるし、着いていた花とは雰囲気が変わるケースもある。そこはやはり経験がものを言うことになろう。2階のお買い得根巻きを、「どうなるかわからないけど賭けてみる」と持っていく人もある。何年か後に「こうなりました」といい花を見せてくれるとうれしい。

2009年11月14日(土)
 昨日からの細かい雨が続く。妙に生暖かくて窓ガラスも鏡も汗をかいて曇っている。風が強く、窓を開けておくと時折突風が吹くので、様子を見ながら開けたり閉めたり。古い品種の「翠翔」が久し振りに花がきて割れ始めた。小輪だが捧心が見事に真っ白で、まだ形が決まらないが一応写真を撮った。ところがパソコンで見ると霧の彼方のような写り方。レンズも汗をかいていたのだ。
 朝埼玉のSaさん、近くのSuさん。午後からは国分寺のUさん、出版社のSさんも顔を見せる。暗くなって造園のTaさんが仕事帰りに寄る。
 午後には雨が止んで一時薄日が射してきた。明日はようやく天気回復のようだ。


2009年11月13日(金)
 13日の金曜日で大安という妙なバランス。朝の道路はスイスイで、9時半頃には店に着いてしまった。道路事情が気がかりだったのは、今日中国からの新着杭州が来る日なので、都心の高速を通って来る人達がいるため。昨日より寒い一日になる予報で、しっかり着込んできた。今日は亡くなった鈴木さんの命日。早いもので丸5年が経過した。
 午後杭州が入るということで、港北のHaさんからは「入った?」と電話。近くのSuさんも覗きにきて、中野のEさんが昼過ぎには到着した。しかし品物が中々来なくて、「道を間違えた」とKuさんが着いたのは2時半頃か。すぐに2階に並べる。皆それぞれ特徴があって、かなり面白い花もある。埼玉のAさん、目黒のOさん、近くのSuさん、駒場のWaさんが来て閉店までにぎやかに見て行った。平日なので来られる人は限られているから、明日が初日のようなものだ。
 夕方には小雨が降り出して明日は又雨の予報。湿度があって花のためにはいいかもしれない。


2009年11月12日(木)
 天皇ご在位20年記念式典のため一部交通規制をするとの報道で、渋滞もあるかと覚悟して出た。多摩川の手前でのろのろになり、「やっぱり・・」と思ったら、新二子橋の上で交通事故があったせいだった。事故現場を過ぎたらスムーズになり、予定通り到着したが、明日はオバマ大統領来日で、又何らかの影響がないか気がかりだ。
 雨は小降りになったが寒い。一気に12月の気温になってしまった。昨日の激しい雨で閉めてあった高窓は、今日は寒さで開ける気がしない。室内の扇風機や換気扇も止め、初めて足元のヒーターもつける。
 12日頃新着杭州が入るかもしれないと言ってあったのを目当てに、港北のHaさんが朝からやってきた。まだここには到着せず、早くても明日ということを説明したが、結局こちらで咲かせた杭州を選んでいった。近くのSuさんも展示品を持ってくる。
 午後からは雨が上がったが曇り空で寒いまま。夕方いつものKoさんが「入りました?」と顔を出す。その他電話で「どうですか?」の問い合わせも。品物は当店までの中継に手間取り、予定より1日遅れで明日の午後入荷することになった。
 今日と思って動いた方には申し訳ないことをしました。今度の週末にはぜひお出かけください。


2009年11月11日(水)
 定休日の2日間は季節が戻ったように暖かく絶好の天気だったが、昨夜から降り出して、来る時は土砂降り。吹き込んで障子がシミになりそうで、いつも開いている高い窓も閉めてしまう。外に出ることも出来ず、新着杭州を並べる場所を作ろうと、2階にそのままになっていた蘭鉢展の名残を片付ける。
 近くのSuさん、新橋のUさん、いつものKoさんが来る。Uさんは「写真を撮るから」と展示していた寒蘭を下げたが、ここの早目に咲いた寒蘭はもう花が終わり。フレームに残っていたつぼみの株も、今日見ると開き出していた。終わった花を切って代わりの寒蘭を出したが、杭州寒蘭がどんどん咲いてしまって、寒蘭展というのは事実上通過してしまいそう。店の一角を寒蘭に当てているが、次第に杭州に侵略されそうだ。
 夕方、予定通りなら明日入荷するはずの新着杭州の様子を電話で聞く。水揚げしてしっかりさせてから持って来るので、明日到着するかは微妙なところ。明後日の金曜日になるかもしれない。いずれにしても今度の週末には展示出来ている筈だ。出かける前にお問い合わせください。


2009年11月8日(日)
 昨日の展示会初日には、寒蘭だけでなく杭州寒蘭の好きな方達が朝から大勢見えて、にぎやかだった。皆さん白石が早く帰るという都合を考えて早目の出動。大変に助かった。
 昨日に続き今日も日中は妙に暖かい。上着を着て動いていると汗ばむほどだ。朝一番に、黄さん時代から来ている古いお客さんが仲間を誘ってきてくれた。この前の古鉢市で、「面白い鉢だから」と買っていった寒蘭鉢が、「仲間に見せたらいい鉢だと褒められた」と喜んでいた。こういう橋渡しができるのが古鉢・がらくた市の楽しいところだ。
 この間も鉢を見に来た中国の人が、今日は真剣に選んで中国古鉢を買っていく。大分骨董を集めているそうで、「来月はこれ」と次のターゲットもしぼってある。麻布のMoさんは今年入手する杭州寒蘭の品定め。杭州寒蘭の好きな女性が、「前に花付で買ったものが一向に咲かない」と、作り方を聞きにくる。練馬のIさんも杭州を見に来て、古鉢市の名残を選んでいった。
 夕方造園のIさんが売約の鉢を引き取りに。そこへ中野のEさんが取れたての野菜を持ってきてくれ、三人で閉店まで賑やかな話が続いた。


2009年11月6日(金)
 やっと寒さを脱して例年の気温になった。今日は気持ちよく動ける。午前中は近くのSuさん、午後から川崎のAさん、目黒のYoさん。若いMiさんが欅焼締鉢を選びにくる。明日からの寒蘭展に合わせて寒蘭の即売品を少し持ってきてくれた人があり、お買い得の価格で提供できる。閉店頃になって若い男性が買い物に。買ったものとは別にやはり苔に興味があるようで苔の話になる。
 明日は寒蘭展初日ですが、白石は用事があって夕方5時少し前に店を出ます。なるべく早くお出でになるか、遅い時間がいい方は日曜日にしていただけると助かります。


2009年11月5日(木)
 20℃になるという予報よりはずっと気温が低く、室内でも16℃。どんよりとした曇り空で、入り口が開いていると寒い。
 昨日は賑やかだったが今日は近くのSuさんが寄っていったくらいで、電話だけはかかってくる。棚下などで作っていた初花株や2回目の花がいくつか咲いているのを、植え替えて並べる。今年の選別品のような未選別株も開いてきたのがあり、最初のサラサはきれいに形が決まった。舌も捧心も白く、今のところかなり優秀な花になりそう。港北のHaさんが散々迷った末に押えておいて正解のようだ。
 12月5日から杭州寒蘭人気コンクールの予定だが、あまりに早く花が咲いてしまいそうで心配になる。遅咲きのタイプで勝負ということになるだろう。


2009年11月4日(水)
 月・火と底冷えのする寒さがきて、北の方では雪が降ったと報じていた。自宅でも初めて暖房を入れた。今朝は冷え込んだが日中にはこの寒さが収まり、穏やかな陽気。それでも入り口を開けていると寒く感じる。長野のSaさんから渋柿を送るという電話をもらい、今日配達ということで渋抜きの焼酎を買ってきた。そこに柿が到着。丁度品川のUさん、川崎のKiさんが来ていたので、手伝ってもらって一つづつ焼酎に漬け、ビニール袋に密封した。去年は焼酎の量が少なかったのか、完全に渋が抜けなかったので、今年はたっぷり使ってみた。店の中に焼酎のにおいが漂う。何日位やっておけば食べられるようになるのかわからないが、うまくいったら皆さんに食べてもらうつもり。Saさん、ご馳走様です。
 Noさんがお茶会用の寒蘭を探しに来た後、世田谷のHaさんご夫妻、いつものKoさん、近くのSuさんも姿を見せる。川崎のKiさんは「風月」がきれいな桃色に発色したのを持ってきて見せてくれる。ガラスの前に置いたら、射してきた光に透けて実にいい色。豊かな舌のやさしい花型によくマッチしている。そこに新橋のUさんが展示品の「緑竜」を持ってきてくれた。KIさん、Uさん、Suさんは皆香蘭会の仲間。展示会に何を出すかと夕方までにぎやかに話が弾んだ。


2009年11月1日(日)
 いよいよ11月に突入。1日が日曜日なので29日に繰り上がって年賀葉書も発売された。何となく気ぜわしくなってくる。
 今日は南風?というくらい生暖かく、動くと暑いほどだ。ニュースでは夏日といっている。途中から風が強まり、戸を開けておくと紙類が飛んだり、ドアがバタンと閉まって危ない。夜から雨になるという予報だから、雲が激しく動いているのだろう。丁度天気の変わり目というわけだ。その中で出来る限り植え替えをする。
 朝長野のSaさんが昨日置いていったものを取りにきて、これから長野まで帰るという。夏はいいが冬の冷え込みの中で寒蘭を作るにはそれなりの工夫が必要だ。まだあちらの作では試行錯誤中だが、好きというのが一番の原動力。蘭自身も徐々に気候に慣れてくるだろうし、何とかうまく作りたいという一心で、そのうちクリアすることだろう。
 下町のHiさんが平肩の金鵄を持って来て展示してくれる。色出しに努力している甲斐があって良く緑が抜けた。麻布のMoさん、港北のHaさんも寄っていく。
 今年は杭州の花付きが良く、あちこちでポツポツと開きだした。現状では内心期待できるのもあって、これから良く見ていきたい。


2009年10月31日(土)
 比較的暖かな晴天。朝から近くのSuさん、長野のSaさんが展示品などを持って来る。夜間冷える長野で咲かせた「桃里」は、ほれぼれするような発色だ。「日向の誉」、「室戸錦」など、きれいな寒蘭が揃ってきた。ここの「白妙」も今日開きだして花を添えている。えびねがメインの埼玉のKuさんが「香りのいいのを一つ」と日本寒蘭を買っていく。
 茨城からKoさん、駒場のWaさん、目黒のYoさん、相模原のUさん、埼玉のTaさんなど午後から店が混んできた。
 杭州16年マオサンの初花株で1花だけのが棚で咲いていた。翠緑色で捧心の覆輪が深く、真っ白な舌に小さな点を少し散らす。小輪だが今のところきりっとしてこの先どうなるかといったところ。今年は花がたくさんきているので、これから続々と楽しめる。
 展示会を前につぼみをスリップスにやられた話があちこちで聞かれる。ここでは幸い鼠も虫も被害がないが、消毒だけはまめにやっておく。


2009年10月30日(金)
 案内状の印刷を宛名まで終え、ほっと一息。明日切手を貼って出せることになった。これで安心して植え替えに専念できる。
 港北のHaさんが、この間から気になっている杭州未選別株を見に来る。つぼみにかなりサラサの色が乗ってきているのを、どこまで乗るかときどき来て確認している。近くのSuさんも寄って一緒におしゃべり。閉店頃になって寒蘭のUさんが展示品を持って来た。帰りかけたSuさんが引き返して遅くまで話に花が咲く。
 明日は白石は5時には失礼します。


2009年10月29日(木)
 展示会のスケジュールは1月に年間のを作ってしまうから、実際の花時期とずれてしまうことがある。会場を借りてのイベントなら仕方ないが、ここはそのまま店でやっているので、早くても遅くても花に合わせて展示できる。広告などは最初に決めた通りに載ってしまうが、実際は花が咲いている間はずっと展示会をしているようなものだ。今年のように花が早いと、案内状も早目に出したい。今日は何をおいても文案を作ろうとすぐに取り掛かり、いつも協力をしてくれるShangと村長に確認の電話を入れる。それを元にレイアウトが出来上がったので、明日は印刷を終えるつもり。
 今年の杭州寒蘭展は中国での展示会が11月初旬にあり、そこでの選別品が12日頃入荷する。村長のところの花芽付きも近いうちに持ってきてくれることになった。恒例になった村長、Shangの来訪も12月5、6日で、今年もオークションをする予定。人気コンクールの初日でもあるので、杭州まつりということで盛り上がりたい。
 昨日は開いてなかった杭州寒蘭が今朝は何鉢か咲き始めていた。毎年鈴木さんの命日の11月13日頃に咲き始める「黄玉山」がもう開きだし、店内の定位置に飾る。「上海サラサ」ほか数鉢が棚に並ぶときりっと引き締まり、全部杭州にしてしまいたくなるが、「豊雪」「白妙」もまだつぼみのままなのだ。11月7日から「寒蘭展」ということになっているが、その頃には杭州が大分並んでいるかもしれない。
 中野のEさんが「咲いたよ」と杭州を2鉢持ってきてくれる。写真だけ撮って帰りには持ち帰ったが、花色が良く、葉姿もよく、中々の品種。いつものKoさんも来て一緒に楽しんだ。わくわくの季節がもうすぐそこだ。


2009年10月28日(水)
 朝来ると青いままの銀杏の葉がたくさん落ちていて、やはり台風の影響があったのだと感じる。今日はカラッと晴れ上がった。
 寒蘭展の案内状を作らないといけないなと思いながら、先ずは植え替えの続きを。文章を考えるのをついつい後回しにしてしまうのは、やはり苦手意識か。身体を動かすことの方にはさっと手が出るのだが。外が気持ちいいので、杭州寒蘭をいつくか植え替える。香蘭会のUさんが「青蛍」を展示用に持ってきてくれ、初めてのお客さんが欅鉢を買っていく。杭州寒蘭を実際に見たことがないというので、丁度今日開きだした青花「高秋」を見てもらう。葛飾のOさんが久し振りに顔を見せ、近くのSuさんも寄っていく。生の水苔の最後の一箱が売れてしまって、あとは自家用のが残るのみ。植え替えで根が悪いのを水苔巻きにすると、今年の分は終了となりそうだ。
 今日は暑くも寒くもなかったが、夕方陽が落ちるとぐっと冷えてきた。本格的な寒さがやってくるのももうすぐだ。


2009年10月25日(日)
 涼しさを通り越して寒い。朝測ったフレーム内の最低温度が11.5℃。昼過ぎの気温が14℃だから、一気に冬の寒さになった。これまで開けていた店の窓や入り口を閉め、2箇所で回っている扇風機も止めた。最後は換気扇も。それでも床のコンクリートから寒さが沁みてくる。朝のうち降っていた細かい雨が昼前には上がったが、一日暗い空のまま。寒くてイマイチ力が出ないが、植え替えの続きと砂作りだけは続ける。
 昼過ぎに中野のEさんと下町のHiさんが来る。近くのSuさんも合流。中国古鉢を見に来た若い人が、黄さんの鉢を熱心に見ていく。時々来る若いお客さんが、中国寒蘭のいい赤花を買っていく。いくつか並んでいる中国寒蘭は、昔山採りの杭州を入れた時に混じってきたもの。当時は中国で普通の寒蘭と杭州寒蘭の区別が充分できなくて、中国寒蘭や秋蘭がかなり混じっていた。杭州が本命だったから、それらは”はずれ”として安い値段がつけられているが、中々いい花もある。寒蘭を買うのは初めてというが、これもきちんと作って咲かせれば、すてきな一鉢になるだろう。
 EさんとHiさんとフレームの中の杭州寒蘭を一緒に見る。大方は植え替えが済んでいるので、一応棚はきれいになっている。ざっと見たところではいい新芽が伸びているのや、花がきて元気がいいのが目に付くので、「よく手入れしている」「作上がりしていて勢いがある」と褒められてしまった。遅くなって焼締欅鉢を買いにお客さんが来る。
 明日も天気は悪いらしい。いよいよ冬物の準備をしなくては。


2009年10月24日(土)
 朝上野に行って寒蘭を見てくる。業者もお客さんも知った顔が多く、あちこちで話をするので、結局3階の展示室を慌しく見ただけで売り場を丁寧に見ている暇がない。もっとゆっくり見たかったが、店の時間が来たので、予定より少し遅れて帰って来た。新花が色々出ているが、「銀鈴」が実にきれいに咲いていたのが印象的。やっぱり昔の名花は力がある。
 練馬のSiさんが売約の杭州を引き取りに来る。初期の頃の杭州にあこがれているが、実際どういう花と葉姿だったのかイメージが定かでないらしい。横山進一氏の大判写真集を見せると、翡翠色の違いや株の雰囲気がよくわかり、「なるほど、参考になりました」。埼玉のTaさんが寒蘭を見に来てつぼみが上がっているのを持っていく。埼玉のSaさん、Iさんがグリーンクラブに行った帰りに寄る。杭州がそろそろ咲いてくるそうで、二人とも「今度持ってきます」。うすら寒い曇り空だったが、予報通り夕方には雨になった。


2009年10月23日(金)
 一日中植え替え。寒蘭のYoさんが見えただけで、それ以外は植え替えと砂作りの繰り返し。杭州の売約など電話だけはかかってくる。曇りがちの一日で陽が傾いてくると入り口も閉めたくなるほど。明日はやはり上野を覗いてこようと思う。昼には店に戻れると思うので、グリーンクラブに行かれる方は帰りにお寄りください。


2009年10月22日(木)
 日中は暖かいが、朝晩めっきり肌寒くなってきた。今日もずっと寒蘭の植え替えを続ける。鉢から抜くのに苦労するのがあるかと思えば、根が傷んでいて生の水苔で根巻きになるのもあり、ばらついている。どうも調子が良くないというのを開けてみたら、ナメクジが2匹もいたりして、やはり「何か変だ」と思うものはすぐに鉢を開けてみないといけない。
 いつものKoさんが売約の杭州の支払いに、造園のTaさんは桐箱が出来上がった欅鉢を引き取りにくる。港北のHaさんも杭州を選びに来て小柴鉢を買っていく。
 明日から上野グリーンクラブの寒蘭展。帰りに寄るという電話が何件かある。白石もできれば土曜日の朝に直行したい。その場合店に出るのはお昼頃になるかもしれない。


2009年10月21日(水)
 昨日の作場は27℃まで気温が上昇した。風もあって朝来ると山草類がカラカラになっている。先ずはそちらに水遣り。今日は平年並みだがまさに「天高く馬肥ゆる秋」だ。
 一日中植え替え。砂がなくなると篩って夕方までがんばる。遊びにきた近くのSuさんが「よくやるねえ」。寒蘭が大分開いてきた。


2009年10月18日(日)
 すっきりとした秋晴れで、暑くもなく寒くもなく、陽射しが心地いい。こういう時期は実に短く、残暑が去って寒さが来るまでのほんのひととき。毎日の植え替えで土や水に触れている手は、すでに荒れ始めている。手袋をする人が多いだろうが、ぴったりのは取るのが大変だし、ゆるいのは指先がやりにくい。植え替えだけをやっているならいいが、同時に色々なことをしなければならず、はめたり外したりが面倒でつい素手でやってしまう。そろそろケアが必要だ。
 植え替えをしていると外がにぎやかになってきた。近くの駒留神社のお神輿のお通り。店の入り口も駐車場も完全に塞がれてしまって、通り過ぎるまでしばしお祭りを楽しむ。お神輿の前を担ぐのはほとんどかっこいい若い女性。後の方は男性が担いでいる。かわいい子供神輿もいいが、さすがに迫力があって祭り日和の青空によく映える。この調子で景気よくなってほしいものだ。
 寒蘭の植え替えがほとんど終わって奥地蘭などの棚に移る。植え替えをしながら棚の枯れ葉を片付け、日頃手の届かない奥の方を整理する。埼玉のSiさんが久し振りに来てくれた後、埼玉のHaさんが珍しく寄ってくれて、中国鉢を見て行く。


2009年10月17日(土)
 朝仕入れに寄ってから店に出る。苔を頼んだ青葉区のKiさんが、昼休みに取りに来る。注文より余計に入れた分は、残り少なくなった生水苔の棚に並べる。発注した蘭掛けが到着。これも外の棚に。地元のお祭りらしく、太鼓や子供神輿が店の前を通ったので、カメラを持って走る。いつも出前を頼むやぶそばのご主人も、半被を着て子供神輿に付き添っていた。
 お茶会の花を探しにNoさんが来て、丁度いい感じの寒蘭を分けていく。駒場のWaさんも杭州の支払いに寄る。いつものように作場を丹念に見ていたが、奥の方で中国寒蘭が咲いているのを発見し、「寂しく咲いていたよ」と持って来た。今日は一日中混合砂を篩ったり植え替えをしていたので、これも植え替えて店の中に入れる。どんよりとした空だったが、夕方になって雨が落ちてきた。


2009年10月16日(金)
 「憲陽」に続いて「瑞鳳」、「糸屋姫」、「天竜紅花×嫦娥」が咲き始めた。「蛍雪」、「御国の花」、「国宝」などももうすぐ。今日もすっきりとした天気で、寒蘭を出しに温室に行っては、植え替えるものを探してきて植え替えをする。
 「ずっと気になりながら初めて店に入りました」と弦巻のSuさん。ウチョウラン、風蘭などをやっていたそうだが、東洋蘭の奥深さに惹かれてどんどん興味を持ってきたところらしい。二階に古鉢・ガラクタ市の名残が少し残っているのを見て、春蘭鉢や風蘭鉢をあるだけさらって行く。町田のIさんも顔を見せる。今流行のぽっちゃり杭州には興味がなくて、一番好きな花は「孤峰」というIさんだが、一度根を傷めたのが復活し、今年ようやくいい新芽が出て立派な木になったのに、花が着かなかったとがっかりしていた。
 昨日植え込んだ山草を早速持っていく女性や、苔を注文に来た横浜のKiさんなど、様々な要求があって面白い。ここしばらくは植え替え適期。せっせと励むことにしよう。


2009年10月15日(木)
 朝山草を仕入れに寄ってから店に出る。昨日は少し肌寒いほどで、夜になって雷雨になったが、今日は爽やかに晴れて気持ちがいい。
 注文の杭州を梱包し発送した後、買ってきた山草を植え込む。どの鉢にどれを植えようかと考える鉢合わせが楽しい。作りこんだ鉢が並んでいる中に新しいのが加わって、棚が活気付いた。
 つぼみが割れて舌が下りていた「憲陽」が、休み明けには咲いていた。ピンと張った紅の一文字咲きで、細管、花間良し。本当にいい花だが、早咲きで展示会前に咲いてしまう。ここでも大体最初に咲いてくる品種だ。用事で来た港北のMoさんが、「いい花だね」とつぼみのを持っていく。夕方近くのSuさん、港北のHaさんが寄っていく。Suさんもつぼみが大きくなってきた寒蘭が大分やられてしまって残念がっていた。花が必ず来るわけではないのに、やっと着いた花芽が落ちてしまうのは本当に無念。きれいに咲くまでにはいくつものハードルを越えなくてはいけない。


2009年10月12日(月)
 午前中山草の植え込みをしていると造園のTaさんがやってきた。あちこち開けている上扇風機も廻っているから「何だか寒いなあ」。入り口を閉め、お昼に暖かいうどんを一緒に食べたらそれで丁度いいくらい。保存してある杭州の写真を見ながら話に花が咲く。杭州のバックを持っていくことになり、丁度植え替えるタイミングなので株分けをする。5年程前に中国から持って来た株だが、鉢をあけると後ろの根はほとんど傷んでいた。その根がものすごく太くて、明らかに中国で付いていた部分だ。向こうで栽培した根はどうしてあんなに太いのか。豆弁など他の蘭でも言えることだが、日本で栽培していると根が細くなって、どこまでが中国の根か一目瞭然。植え込み材料が違うというのが大きいのだろうが、日本に来てこれだけ根の太さや性質がが変わるということは、中国で咲いていた花と同じようには中々咲かないことに通じているのかもしれない。しかし腐葉土一杯で植える勇気が中々持てないのも事実。悩ましいところだ。麻布のMoさんも来て鉢などを持っていく。
 台風18号の後湿度が低い日が続いている。昨日水を遣っているのに、生の水苔の使いかけの部分が白っぽく乾いている。発泡スチロールの箱にぎっしり入っている方は比較的水が保つが、ばらになってくるとどんどん乾いてしまうので、早目に水を遣る。
 寒蘭は「憲陽」の舌が下りてきたのがトップで、つぼみが横を向いてきたのがいくつかある。休み明けからは寒蘭に切り替えよう。


2009年10月11日(日)
 今朝測ったフレーム内最低温度は13℃。この秋初めて15℃を切った。冷え込みがくると寒蘭の開花が進んで、早いのは今週中に開きそうだ。愛好会の展示会はまだ1ヶ月も先だから、「今年は花が早くて展示会前に咲いちゃいそうだ」との声が多い。今朝も真っ青な空だがピリッとした涼しさで、日当りと日陰の差が大きい。湿度が低いせいだろう。鉢がよく乾いて、今日は全面的に水やり、消毒。スリップスの被害が盛んに耳に入るようになった。予防が第一なのはインフルエンザと同じだ。
 練馬のSiさんが鉢を買いにきて杭州寒蘭が並んでいるのに目が行き、こちらも押えていく。茨城からKoさんが寒蘭の展示品をいくつか持ってきてくれる。中野のEさん、下町のHiさん、転勤から東京に戻られた世田谷のHaさん、出版社のSさんらマニアが集まって、それぞれ杭州寒蘭、紫秀蘭を選んでいく。花が並びだすとやはりムズムズと好きの虫が動き出して、葉の紺地が強いの、葉肉が厚いの、つぼみの先端が白いの、葉姿がいいのと始まり、他の人の選んだのも気になって、皆でひとしきり選別を楽しんだ。
 明日は月曜日ですが、休日なので営業。今週は火・水が休みになります。


2009年10月10日(土)
 店を開けようとすると外からすでに秋蘭のいい香りが漂ってくる。午前中少しパラパラときたが、晴れの特異日そのまま昼からはいい天気。今日はあちこちで運動会だ。気温がぐっと下がって室内でも20℃に届かない。三連休の初日とあって、前の246下りは一日中車が詰まっている。
 昨日爽やかな晴天だったため、水苔、山草がずい分乾いている。まずはその水遣り。店の入り口脇で松村鉢に植えてあるヘッカランが咲き出した。「自然と野生ラン」が早くも入荷。
 植え替えをしていると駒場のWaさんが来て、紫秀蘭と杭州寒蘭がケースごと置いてあるのを見つけ、「もう誰か選んだの?」。「一昨日夕方遅くに入荷してそのまま閉店。昨日は臨時休業。まだ誰も見ていません。」というと「それなら見てみようか。もう棚が一杯なんだけど」と選別を始める。この杭州は国内一作して花を上げたもの。一応写真付きや花を見ての選別品で、かなり面白い花も混じっているそうだが、どの株がどの花という区別がされてないので、未選別株の価格で出すことにした。うまく当たるとラッキーな人が出るかもしれない。中国での花が着いていても、日本で咲くとずい分変わってしまうケースもあるし、こちらで作ったものはある意味安心な面もある。一方紫秀蘭は全くの未選別品で、これも国内で作したもの。
 山草や鉢を買いにきた人や目黒のSiさんが寄っていくが、閉店までひたすら植え替えをする。


2009年10月8日(木)
 台風お見舞い申し上げます。
 今朝の通勤はスリリングだった。走っているとビニール傘や折れた枝など色々なものが飛んでくる。それらを除けながらの運転だ。昨日帰る頃には雨がほとんど止んで風もなく、何だかピンと来なかった。風に吹き飛ばされそうになってから、あわてて屋根に上ったり、危険箇所に出かけて危ない目に遭う人が必ずいるが、分かっていてもそうする気持ちはよく分かる。台風が近づく前は、ほんとに来るのかと思うほどなのだから。でもその静かな間に手を打たなくてはいけないのだ。
 朝早く店に着くと、外の鉢物がいくつか倒れていた。風が収まるのを待って一気に片付けることにし、先ずはテレビの台風情報。飛行機の欠航は勿論、鉄道もあちこちで運休している。高速道路も通行止めになっていたりする。
 9時ごろには雨が止み、10時過ぎには日が射してきたが、午前中一杯強風が吹き荒れた。途中買い物に行ったら、風が抜ける場所では電柱につかまるほど。風の力恐るべし。日が出てくると締め切ったフレームの温度が上がってしまう。まず天窓を開け、側面も様子を見ながら少しづつ開けていく。時折突風が来るので油断はできない。
 2時前には風がすっかり収まった。フレームの側面を全開にし、落ちた枝や濡れ落ち葉となった柿の葉を掃除する。店内に避難させてあったえびね類を作場に戻し、山草の鉢に無数に刺さっている松葉も取り除く。結局作棚に置いてあったものは1鉢も倒れてなくて、はみ出してその辺に置いてあったものが倒れた。きちんとした場所を確保することがいかに大事かだ。
 こんな日は誰も来ないと思ったら、強い風の最中風蘭のSaさんが寄っていく。「山手線が止まっているから」とかえって時間が出来たそうだ。夕方近くのSuさん。遅くなって千葉のYさんが、杭州寒蘭と紫秀蘭の花付株を持って来る。今日は時間がないのでそのまま。明日は臨時休業だから、土曜日に整理して並べよう。


2009年10月7日(水)
 今度の台風18号はすごいらしい。この10年で最強クラスとか。進路予想図で見ると、日本列島串刺しのコース。早くも各地の大きな被害をニュースで伝えている。東京でも秋雨前線が刺激され、月曜日からぐずついた日が続いて今日も一日中雨。明日朝には関東を通過する見込みという。何か対策をしなければと見回るが、どこもかも無防備で、すぐには手の打ちようがない。フレームだけは天窓も側面もぴったり閉め、背の高い植物を少し店内に取り込んで帰ることにする。とに角無事に行ってくれるよう、ほとんど神頼みの状態だ。
 雨の中、三橋さんが注文の桐箱を持ってきてくれて、残りの鉢を下げる。箱待ちで置いてある鉢は桐箱の中に収めてそのまま棚で引取りを待つ。
 いつものKoさんが寄っていく。日曜日にはつぼみが大分膨らんだ寒蘭を持ってきてくれるようだ。港北のHaさんからは電話で、「楽しみにしていた寒蘭の花芽がみんな茶色くなっちゃった」。スリップスだろう。花が着いたら消毒は欠かせない。ちょっとの油断で一年の丹精が駄目になってしまうのだから。週末には又コテツをやっておこう。
 今日、明日は雨で、台風一過の金曜日は都合で臨時休業させてもらう。土日には鉢が片付いて棚が空くだろうから、その後本格的に寒蘭へ模様替えだ。
 4日(日)の「きょうのショット!」に十六夜と書いたが、満月だったというので訂正しておいた。中秋の名月は3日(土)でその日が満月なんだとずっと思っていたが、ずれることの方が多いらしい。どうりでまん丸で明るい月だった。


2009年10月4日(日)
 昨日は一日中ひたすら植え替えをして疲れた。千葉のIさん、造園のTさんが蘭鉢展の精算にくる。中秋の名月だが、生憎の天気だった。
 今日はすっきりと晴れた。遠くから電話で古書の注文があり、まとめて発送。植え替えの続きをしていると、中野のEさん、下町のHiさんが来て賑やかになる。そこへ麻布のMoさんが赤芽素心系の覆輪縞に花が咲いたといって持ってきてくれた。埼玉のIさんも現れる。
 近くのYoさんご夫妻が、家にあった各種鉢を下げてきてくれる。鉢好きの女性で欅鉢など長年にわたって集めて来られたYoさんの息子さん。コレクションの鉢は今田舎に飾ってある。今回のはウチョウラン鉢や、山草鉢など。Yoさんの欅鉢が放出される時には又話題になることだろう。
 閉店間際に佐倉のNaさんが松村鉢と朝顔鉢を買いに来る。朝顔鉢は元々数が少なく、Moさんも持っていったので、今日売れた後は残り3個だけ。松村鉢の方はもう少しあるが、こちらも数はしれたものだ。あちこちに分散して置いてあったから、残っていたのが見つかることがあるかもしれないが、あれほど大量にあったものが、どこに行ってしまったかと思うほどだ。紐を解いてばらしてみると縁が欠けているのもあるから、これからはレアものになってしまうかも。汚れが着いたまま持っていって、せっせと自分で洗っているNaさんだが、サンポールに漬けておく方法は以前に教えてあった。それをアレンジしたのかクエン酸液に漬けてこすったら、付着している白っぽい汚れが落ちたそうだ。早速クエン酸も試してみよう。


2009年10月2日(金)
 雨の一日で気温が上がらない。外の作業が出来ないので、ラベル作りなど中で出来る準備をする。お茶会の花をNoさんが買いに来た後、寒蘭一筋のUさんが顔を見せ、いつものKoさんも寄る。花が着いたの着かないの、いつ頃咲きそうだのと寒蘭の話でひとしきり。後から近くのSuさんが来て、本の写真を見ながら展示会の話で盛り上がる。一時雨が止んだ折に春蘭の植え替えの続きをするが、閉店頃に又本降りになった。


2009年10月1日(木)
 曇り勝ちだった空が、昼過ぎには爽やかに晴れ上がった。いよいよ10月に突入。寒蘭の季節が目の前に迫ってきた。それでも店内が蘭鉢展のままなのは、欅窯の鉢を買った人が桐箱を頼んでいるからで、箱が届いたら一緒に持ち帰る段取り。フレームでは寒蘭のつぼみが花間をとってきてスタンバイOKだが、早目に店内に入れてしまうと花色によくないだろうと、一部を出したのみ。何となく中途半端な状態だ。9月はめちゃくちゃ忙しかったから、秋のシーズン前にちょっと一服。一人静かに春蘭の植え替えを進める。


2009年9月30日(水)
 昨日は蒸し暑い日だったが、夕べからの雨で一気に涼しくなった。小雨が降ったり止んだりの一日で、いつもは開け放している窓を一部閉めるほど。しばらく続いたいい天気に水遣りが忙しかったが、今日は心配ない。雨の止み間に外の棚の中国春蘭を植え替える。屋根と囲いはあるがここはカタバミが鉢に飛び込むところで、上から引っ張ったくらいでは退治できない。1本の太い根と周りのふわふわした細い根が蘭の根の間に入り込んでいて、鉢をあけて丁寧に掃除するしかない。そうした鉢は丁度植え替えなくてはいけないタイミングで、カタバミの生えている鉢から取り掛かる。
 近くのSuさんが、咲き始めた「雪月花」を持ってきて展示してくれた。


2009年9月27日(日)
 今日も気持よく晴れた。昨日写真を撮った赤芽素心系「乙女」を、花を切って植え替える。古葉の小さな黒い点々が治らないものかと、オーソサイドの液にしばらく漬けてから植え込んだ。花も株も小振りで、透明感のあるきれいなピンクの蘭だ。夕方若いGoさんが寄って、「あの花を見に来ました」というので、花瓶に挿してある花を見せたら、「めちゃくちゃきれいじゃないですか」と写真を撮っていった。
 日中は静かで、山草が好きな女性が鉢や土を買っていったり、蘭をつくっている女性が松村鉢を買って行ったり。中野のEさんが売約の鉢を取りにきたあと、駒場のWaさんが大株になった一茎九華を植える鉢を探しにくる。今松村鉢に植わっているのがはみ出ているというのだから、そんな大きな鉢を探すのは大変だ。皆植える鉢に困ると松村鉢を買っていくのだから。蘭鉢展は終わったが、まだ引き取りに来ない人が何人もいて、店内はそのまま鉢が並んでいる。寒蘭の花芽が大分伸びてきて、今年はやや早めかもしれない。


2009年9月26日(土)
 先日持って来てもらったえびね関係の古書をHPに載せる。よくもこれだけ集めたものだと思うほど、えびね関連の本が揃っている。一点づつ打ち込んでいくだけで相当な時間がかかってしまった。
 拓也さんがいるので、懸案の設備箇所を色々いじってもらう。植え替えも急がなくてはならず、混合砂を作りながら植え替えも進める。港北のHaさんが売約の鉢を引き取りにくる。


2009年9月25日(金)
 これぞ秋晴れという澄み切った空。しばらくいい天気が続くらしい。半袖でOKという気温で、外にいると日焼けしそうだ。いつも休みの日はテニスで充分すぎるほど焼いているのだから、今さらの話だが。
 秋の交通安全運動実施中でごとう日の金曜日。混む条件が揃って、途中かなり渋滞している箇所があったが、早目に家を出るので遅れることはない。246が世田谷に入った途端、「交通安全」と書いた黄色い旗を持った人達が数メートルおきに立っている。横断歩道とは無関係にガードレールの内側から車道に向かって旗を出しているから、児童の横断を護っているわけではないらしい。ところどころにテントを張って、町会の役員さんたちが座っているのは良く見るが、こういうのは初めて。大勢の目に見つめられて、真面目な運転になってしまう。立って旗を振っている人達は大変ご苦労様だが、テントより大いに効果はありそうだ。
 暑いほどの天気の中、春蘭をひたすら植え替える。日本春蘭はどうも作が合わないらしく、鉢を開けてみると根がイマイチ。中国春蘭の方は出来がいい。それでというわけではないが、日本春蘭にはどうも力が入らない。花芽の遮光がうまくいって、間違っていい色が出たりすると、「今度こそ本気でやろうかな」と思うが、やはり中国蘭の方が性に合うみたいだ。その中国蘭の中で「緑雲」は植え替えが大変なものの一つ。新芽がどんどん下にもぐっていき、バックバルブとは一階と三階ほどの段差ができてしまう。太くごつい根が張っていて、花芽が根の下をもぐって変な方から出ているし、どこを基準に植えたらいいか迷う。バックバルブを思い切って外すと、根がやたら付いていたりするのだ。新芽も根の間をくぐって離れて出てくるので、大株になると株分けが大変。隣のバルブとつながっているとは限らず、切り離すとばらばらになってしまったりする。蓮弁蘭にもそんな品種があって、こういうのは植え替えに手間取る。
 1年経った根巻きを新しい水苔で巻きなおすと、「西湖梅」が新芽も出て、真っ白い根をたくさん下ろしていた。木はまだ小さいが、これはもう完全復活。退院させて砂植えにする。夕方まで目一杯植え替えをして、最後は水遣り。空気が乾燥していて鉢がよく乾く。


2009年9月24日(木)
 朝から眩しい光が降り注ぐ。近くの郵便局までのやや上り坂を急ぎ足で歩くと、汗ばむほどの上天気。二日間の休みの間に、つぼみだった四季蘭がいくつか開きだした。底紅サラサの「彩虹」は、花型も葉姿も良く、中々いい感じ。赤芽素心「乙女」も咲き始めた。
 蘭鉢展が終わって、気持ちの上では少しゆっくりできる。預かっていた鉢を順番に下げるのがこれからの仕事。先ずは千葉のYさん。多古窯の自分で使う分を持ち帰ったが、10個ほど残しておいてもらった。Yさんは実際に植えて栽培しているが、春剣蘭など成績がよいそうだ。
 合間に春蘭の植え替えをする。ざっと見たところ、日本春蘭も中国春蘭もあまり花着きが良くない。植え替えてみると「西神梅」にたくさん着いていたりと多少見つかるのもあるが、寒蘭が花付がいいのに比べ、春蘭はちょっと寂しい感じ。まだ一部しか見てないのでこれからだが。ネグロス島の一茎九華に近い花というのに花芽があったが、早くに着いた分はしけてしまった。今日見ると又元気な花芽がある。咲くのは久し振りなので楽しみにしたい。外の棚では鉢の中に雑草の種が飛び込んで、たくさん顔を出している。これを小さいうちに取らないと、どちらが主役かわからなくなってしまう。フレームの中はめったに草が生えることはないのだが、屋根と棚をダイオネットで囲っただけのところは雑草に悩まされる。風通しが良くて夏はいいのだが、すべてうまくはいかないものだ。いつものKoさん、近くのSuさんが寄っていく。


2009年9月21日(月)
 昨日のフレーム内最高温度は30℃になっていたから、やはり暑い日だったのだ。今日は涼しくて上着が必要。一番に来た長野のSaさんが、半袖シャツの腕をさすっている。間もなく下町のHiさんが到着。二人とも「道路が混んでる〜」。Saさんは上りの高速は順調だったが、練馬から1時間半かかったとか。高速の下りは数珠繋ぎだったらしい。Hiさんも昨日伊豆から帰って来たときは、珍しく上りが渋滞していたという。千円の恩恵に与ろうと大勢が繰り出しているが、走れないのではどうしようもない。いつもご夫妻で来る方が肥料を買いに、埼玉のKuさんもやってくる。茨城からはKoさんも参加。親しい同士でにぎやかにおしゃべりが続く。この間追加した蘭関係書籍は、人気のあるところがバタバタっと出た。
 埼玉のNaさんが到着。やはり渋滞で大変だったそうで、「途中で帰ろうかと思った」。えびね関係の本をたくさん持ってきてくれたので、休み明けには整理して書籍欄に載せたい。古鉢市に出品してくれたのを精算して、「帰りも又大変だから」と慌しく帰っていった。
 夕方佐倉のNaさんが鉢を買いにくる。松村鉢、朝顔鉢をたくさん持ち帰るのを梱包。重たい荷物を引いて電車に乗るそうだが、「これも又思い出になっていい」とか。若いということはすばらしい。注文の欅鉢を梱包して発送。忙しく、楽しく蘭鉢展が終わった。皆様ありがとうございました。今週は火・水が休みになります。


2009年9月20日(日)
 この連休中一番いい天気ということで、日中は少し暑いくらい。それでもカラッとしているので、洗濯物もよく乾くが、鉢も乾く。246の下りは一日中混んでいて、「だるまさんころんだ」ではないが、見ると常に車が止まっている。
 午前中品川のNさんが花芽のついた寒蘭を選んでいった後、埼玉のSaさんが鉢を探しにくる。蘭鉢展初日に来てたくさん買っていったのに、計算が狂って1鉢足りなくなったそうだ。Saさんはどんな高い鉢でも全部植えて栽培するので、植える予定のものとの釣り合いが選ぶポイント。中々ピッタリくる大きさとバランスが難しい。「こんな最後に来て気に入ったのを見つけようとしても無理だよね」といいながら、欅鉢を選んでいった。
 午後川崎のKiさんが頼んでおいた風蘭を持って来てくれる。ついでにこの間見て気に入っていた欅鉢を持っていく。目黒のSiさんも遊びにくる。
 合間を見て寒蘭を植え替える。植え替え用の混合砂が少なくなったので、篩って作っておく。ついでに売り物用の小分けを袋詰め。蘭鉢展の間予定が詰まっていてじりじりしていた長野のSaさんから電話。ようやく最終日に来られることになった。明日は引取りの人達も集まるだろうから、にぎやかにしめたいものだ。


2009年9月19日(土)
 蘭鉢展は21日まで。いよいよ最終段階に入った。これからは売約の鉢の精算、引き取りが多くなる。やはり最終日に集中するだろうが、今日も阿佐ヶ谷のUさん、出版社のSさん、駒場のWaさん、近くのSuさんなどが来る。シルバーウィークといわれるこの連休は好天に恵まれるという予報で、行楽地は賑わうことだろう。今日も涼しくて気持ちの良い一日。寒蘭をいくつか植え替える。


2009年9月18日(金)
 涼しい。台風が近づいているようで、進路が気になる。明日からの連休は又にぎやかになるだろうから、この涼しさを利用して今日は草取り。寒蘭の植え替えを始めたら、「憲陽」「糸屋姫」などは花茎が40センチくらいになっていた。取り込んで店内に飾る。
 昨日一緒に削除してしまったのは気のせいではなく、やはり注文メールだった。件名が空白だったためのうっかりミス。今日再送して下さり、無事に返事ができた。「よかった〜!!。慌て者でどうもすみません。」
 川崎のKiさん、近くのSuさん、Goさんなどが寄っていく。


2009年9月17日(木)
 毎朝店に来ると先ずパソコンの電源を入れる。それが立ち上がる間に店の窓やフレームを開け、最高最低温度を測って記入する。一渡り開店準備を終わらせてからメールチェック。毎日迷惑メールがたくさん来る。その中に注文・問い合わせなど必要なメールが混じってないか良く見て、端から端までまとめて選択し、ShiftプラスDeleteで一気に削除する。今朝も早々と店に着いて同じ手順でメールチェックをし、大丈夫だな?と一気に選択して削除した。消去される画面を見ていると、小柴鉢旧作の期間限定お買い得セールで見慣れた、6,000円→4,000円の赤い文字が一瞬見えた気がした。「えっ!、もしかして注文だったか?」と思ったがもう遅い。削除済アイテムに入らずそのまま消えてしまった。そんなわけで、もしお心当たりの方がいらっしゃいましたら、誠に申し訳ありません。もう一度メールを送っていただけますか?。気のせいならいいのですが。風俗関係のメールがやたらと多いので、つい消してしまいますが、やはり削除は慎重に!!ですね。
 大分のIさんから電話で鉢の注文。対馬のToさんのと合わせて荷造り、発送する。鉢を買いに来た世田谷のKoさんが置いてあった四季蘭を見て、「緑梅の丸い花がすばらしくて、昔手に入らないかと台湾に問い合わせてもらったんですよ。日本に入ってきたんですね。それもこんな安い値段で」と持っていく。
 閉店間際に練馬のKiさんが売約の鉢を引き取りにくる。夏咲きえびねを2鉢持ってきて展示してくれた。「長丹波があったんですって?。どんなの?」とパソコンで写真を見る。他の売れてしまった鉢の写真も見て、「いいものはすぐに売れちゃうなあ。やっぱりせっせと来ないといけないなあ」。欅鉢の古いのなど、もう売れてしまったものに未練たっぷり。「あの人が持っていったんなら当分出てこないだろうね」。古鉢市のものを又いくつか売約にしていく。
 カラッとして爽やかな天気の分よく乾く。水遣りがすっかり遅くなった。


2009年9月16日(水)
 午前中三橋さんが追加の欅鉢を持って来る。朝まだ暖かいのを窯から出したもので、貫入青磁が3点と金砂釉が3点。搬入に合わせて中野のEさんが見に来る。三橋さんが来たついでに、預かっている黒楽と赤楽の茶碗を見てもらった。「こんな昔のもの良く探しましたね」と作った本人が懐かしそう。「間違いありません。僕が作ったものです」。無落款かと思ったら、分かりにくいが手書きで「俊」と彫ってあった。この茶碗を作った頃、鉢の方はまだ自分用のを作ったり、山草会の仲間に頼まれて焼いていたくらいで、その後鉢専門の陶芸家になっていったのだが、その歴史を見る思いで感慨深い。
 今年は寒蘭用のロングプラ鉢が入るように考えて作ったものがいくつかある。ジャストサイズにスポッと落とし込めるのもあるし、厚い縁を少し切った方がいいものもある。プラ鉢を中に入れることを考えないものは、鉢としてのバランス重視だから、これはこれで見事なラインということになる。どうやって選ぶかはそれぞれの基準。プラ鉢の縁を切るのは鋏では割れてしまうが、目の細かい、竹を切るのこぎりで切るとうまくいくそうだ。もっとも植わっているままで切ることは出来ないから、植える前にのこぎりで切っておかなくてはいけない。切り取った頭の方を逆さにして下からはめると、蘭掛けに掛けて作るときの引っ掛かりができるのだとか。色々と考える人がいるものだ。欅鉢に植え込んで水を掛けるのをもったいながって、桐箱に入れて使わない人もいるし、全部植えるために買う人、プラ鉢を入れて展示会用に使う人など様々だが、使って古くなった味は捨てがたい。今回彫り三島六角鉢をいくつか作ったのは、昔作って実際に植えていた鉢が店にあるのを、鉢好きの人が何人も欲しがるため。使って古くなったのがいい味になって超人気品なのだ。新しいのはピカピカだが、時代がつけば皆すばらしいものになるのだろう。
 定休日に資材の仕入れに行ったが、一箇所ですべての欲しいものが揃わないのがつらいところ。結局この間から三箇所に行って買い集めてきたものを整理する。埼玉のAさん、苔や山草のお客さんなども来て、電話がたくさんかかってくる。晴れて久し振りに暑いと感じる一日だった。


2009年9月13日(日)
 昨日帰り道は前が見えないほどの土砂降りだったが、夜には上がって今朝は上天気。気持ちよく身体を動かせる。昨日の帰りは大渋滞で、ずい分時間がかかってしまった。そういうことを考えていつも早目に家を出るのだが、今朝は実に道路が空いていて、9時半には店に着いてしまった。開店までたっぷりと用事が出来ると思ったが、表を掃除しているうちに横浜のKaさんがやってくる。昨日の四季蘭が入荷したのを見てのこと。そこへ麻布のMoさんも顔を見せる。これまでも毎年四季蘭を買っているKaさん。新芽がどんどん出て丈夫だし、良く花が咲くという。「殖えるばっかりで花が咲かない」という声も聞くが、冬も特別加温はしてないそうだ。「毎年花が楽しめていい」と、これまで持っていない品種を選んでいく。麻布のMoさんも四季蘭をたくさん集めているが、こちらも良く花が着く。二人とも「今年は花が遅い」と言って、やはり今頃つぼみが上がってきたらしい。これだけ涼しくなってから咲けば、きれいだけど早く花が終わってしまうという欠点をカバーできるかもしれない。お勧めの「翠荷仙」には電話で注文が入る。
 Moさんは洗って並べてある松村鉢を見て、「洗ってない方でいいから」と買っていくことになった。朝顔鉢と両方、新品だが真っ黒に汚れているのを梱包して持ち帰った。それを見ていたKaさんが「僕ももらっていく」。
 午後から中野のEさんと下町のHiさん。にぎやかにおしゃべりをしていると、佐倉のNaさんが売約の大きな鉢を引き取りにくる。この間松村鉢を持っていって自分で洗ったら、結構きれいになることが分かったようで、今日も又追加。「送りましょうか?」と言ったが、「時々来て下げていく」ということなので、重いが下げられるように荷造りする。以前は1個4,000円で売っていた品だが、洗ってある方は1個2,500円、泥のついたままのは3個5千円で今回も出している。洗うのは大変なので、現状のまま持っていってくれるのは助かる。最終的にはかなり大量に欲しいということなので、在庫がどれくらいあるか把握しないといけない。結局洗ってない松村鉢、朝顔鉢がずい分たくさん出て、注文の鉢や四季蘭の発送もあり、持ち帰りの鉢の包装と、今日一日梱包が続いた。
 昨日長丹波のことを紹介したら、早速メールをいただいて売約になった。新品はレアものだけに、好きな人のところに納まってくれてほっとする。昨日電話のあった前橋のKiさんからは、HPの「蘭鉢展2009」をプリントしてもらったらしく、小柴鉢を二つ注文。うまい具合に重ならないで良かった。


2009年9月12日(土)
 しばらく振りの雨。朝はかなり強く降ったが、間もなく止んで涼しい一日になった。拓也さんには作場の扇風機の交換をしてもらい、白石は「宝珠の月」「日向の誉」など花芽がきていなくて2年経過したものを植え替えはじめる。寒蘭の棚を順に見て植え替えるものを探していたら、去年水苔巻きから砂植えにしたばかりの、小木2条しかない「南雪」につぼみが着いていた。しかもかなり伸びている。本来なら取ってしまった方がいいのだろうが、何でも花がくるとどうしても咲かせてしまう。ろくな咲き方をしないとは思うが、花を見てすぐに切るつもり。
 昼過ぎ静岡のYaさんが四季蘭を目当てに来てくれる。目黒のOさんは売約の鉢を引き取りに。千葉のYさんが四季蘭のつぼみ付を12鉢持って来た。「香妃」が1鉢だけ咲いていて、いい香りが漂う。素心の「翠荷仙」が一番のお勧め。あとは「緑鳥嘴」「緑梅」「玉環妃」「彩虹」など。到着を待っていたYaさんが早速品選び。若いGoさんもやってきた。前橋のKiさんからは鉢の問い合わせ。HPに写真を出したといったら、「蘭友のところに行って見せてもらおう」。
 いつも真っ先に売り切れる長丹波が、今回は珍しく二つ残っている。とっくに無くなってしまった立杭窯の丹波鉢で、丸丹波は比較的出てくるが、長丹波は昔から人気があって探している人が多かった。昔、数あった在庫から、一つづつ景色のいいのを選んで買っておいたものの中で、灰被りの一番気に入ったのを未使用のまま秘蔵していた品だ。鉢の中にはまだ、窯から出した時の灰が残っている。「もうこれが最後」と持ってきてくれたもので、蘭にもえびねにも山草にも使える。小柴鉢のことを聞いてきたKiさんにも勧めてみよう。
 閉店時間になった途端、ザーッと激しい雨になった。明日は又暑さが戻るらしい。


2009年9月11日(金)
 思い立ったらすぐ実行とばかり、混合砂を作って蘭とえびねの株わけをする。何でも始めだすとどんどんやってしまうのだが、取り掛かる最初がぐずぐずしてしまう。今日は手を付けただけにして、借りている古い蘭の本を読むのを優先。本は山ほどあるが、中々座って読んでいる時間がない。前は通勤電車の中が読書タイムだったが、それでも重い大きな本は持ち歩けないし、今は車通勤なので全く本が読めなくなってしまった。そこへ「自然と野生ラン」が到着。そちらもパラパラとやっていると、実に久し振りに世田谷のKo先生が顔を見せる。東京ドームの内覧会でも以前は良く一緒になったが、最近はとんと顔を見ない。蘭は相変わらずやっているそうだが、特徴だったモミガラ燻炭植えが良くないとかで、全部砂植えに替えることにしたという。昔大きな鉢に花をいっぱい着けた宋梅を展示していただいてたが、どれも作落ちが激しく、今はほとんど花が着かない状態で残念。小さめのプラ鉢で再起を図ってほしい。
 夕方帰る途中の若いGoさんが寄る。棚から赤芽素心「乙女」のピンクの花芽を見つけて持って来た。昔からあるやさしい色合いのきれいな花だが、葉にサビダニのような小さな黒点が出ている。新葉はきれいなので、何年かかかって立ち直ってくれれば、いい花だけにうれしい。5年ほど前まで、フレームからはみ出したものを雨のかかる外の棚に置いていたが、その一群はダメージが大きかった。今は全部雨に当てないようにしているが、大分回復してきたものもあり、雨がかかるところは良くないということを実感している。東京の雨が良くないということかもしれないが。


2009年9月10日(木)
 晴れて陽射しは強いものの、湿度が極端に低くて爽やか。例年蘭鉢展は残暑の真っ只中で、2階に上がると暑くて長くはいられないほどだが、今年はストンと秋になった感じで、2階のものもゆっくり選んでいられる。
 蘭鉢展は準備が大変だが、それが出来てしまうと水をやらなくていい分楽になる。今日はさすがに静かになったが、鉢に詳しい横浜のNoさんが来てくれた。鉢の話を聞いて色々と教えてもらう。
 いつものKoさん、若いGoさんなどとゆっくりする時間もできた。これからは合間を見ながら植え替えを始めよう。先ずは混合砂を篩うことから。
 千葉のYさんから電話で、四季蘭の花芽が出揃ってきたので、土曜日の午後持って来るという。鉢の数が減ってきたので丁度いい。どんな品種が出てくるかお楽しみに。


2009年9月9日(水)
 昨日は暑い一日だったが、今日はぐっと涼しくなった。もうすっかり秋の気配だ。朝、地下鉄東西線が事故で折り返し運転とのニュース。東名も青葉インターで大きな事故というから、道路はさぞかし混むだろうと思ったが、資材屋さんに寄ってもほぼ順調に着いた。
 初めてのお客さんが何人かと埼玉のAさん、目黒のYoさん、ルーペのSさん、佐倉のNaさんなど。初日の賑わいからはずっと落ち着いたが、まだ一日中鉢を選んでいく人がいる。三橋さんの追加搬入がありそうだと書いたら、「来たら見てもらって」と別々の人から欅窯の黒楽茶碗と赤楽茶碗を預かった。両方共箱書きはあるが、茶碗に落款が無いということで、鉢作家になる前の昔の作品を、ご本人に確認してもらうことになった。交差点のようなこの店は、色々と面白いことが起こって退屈しない。


2009年9月6日(日)
 蘭鉢展初日、二日目と大勢の方にお出でいただきありがとうございました。高知、群馬など遠方からのお客様もあり、二日間とも大賑わいでした。まだまだいいものはたくさんありますし、後半欅窯の追加もあるようです。明日、明後日久し振りのお休みをいただいて、水曜日からまだ続きます。遊びがてらお出かけください。


2009年9月4日(金)
 午前中に出版社のSさん。夏のブランクが終わって、お馴染みさんの顔が揃ってくるとホッとする。欅鉢の到着を待ちながら、久し振りにゆっくりおしゃべりをする。
 午後いつものKoさんが来ているところにいよいよ三橋さんの搬入。片付けて掃除をしておいた正面の棚に、チェックしながら並べていく。蘭鉢と風蘭鉢を合わせて20点ほど。ため息ものの作品が並んで緊張感のある棚になった。新作を収めた後は2階に上がって、古鉢市の古い欅鉢にご対面。使って古びのついたのがいい味になっているのを懐かしそうに見て行く。
 夕方港北のMoさん、造園のTaさんなど鉢マニアがやってくる。これだけ店全体が鉢ばかりになると、それぞれ選別基準が違うから競合することは少ない。明日は朝から大騒ぎになるはず。早く来ないと・・・。


2009年9月3日(木)
 展示会の準備はどれも大変なのだが、蘭鉢展もかなり手間のかかるものの一つ。新作、古鉢を合わせると相当な数が間際に持ち込まれる。それを後から困らないようにきちんと整理するのが一仕事。古鉢はきれいに洗って持ってきてもらわないと、汚れたままのをこちらで洗うゆとりはない。先日の蘭を止めてしまった方のように、かなり高齢で身体も不自由となるとそうもいかず、運んでくるだけで手も服も車の中も真っ黒という事態になる。これを洗って片付け、車まで掃除するのは重労働だが、まだ暇な真夏だったため何とかなった。
 遠くにお住まいでここまで来られない方のために、ホームページに写真を載せる作業が結構時間がかかる。間があくとその都度やり方を忘れてしまうので、一気にやってしまうのが望ましいのだが、これも営業しながらなので、予定通り進まないこともある。「いつも画像アップする頃には売り切ればっかり」とお叱りを受けるが、愛蘭会の展示会がメンバー全員で役割分担するのを一人でするのだと思って欲しい。それでも出来る限り早くとやっているので、ぎりぎり納入の欅鉢を除いて今回は準備万端のつもり。
 大変だといってもたくさんの鉢が並ぶのは楽しいし、他の展示会のように、水やりに追われることがないだけまだいい。怖いのは地震だ。
 そんなわけで準備に忙殺され、寒蘭の花芽が出てくる時期なのに、丁寧に見ている暇がない。「「珠峰雪」に花芽がきてますね」といつものKoさんに言われて行ってみると、まだハカマの中。こんなのを見つけるなんて不可能だ。2005年に日本に入ってきてから初花というわけで、あの時の花と同じに咲くかどうか注目したい。
 埼玉のAさんが掘り出し物を。目黒のOさんも鉢を選ぶ。遅くなって久し振りに近くのSuさんも寄っていく。昨日からぐっと涼しくなったし、ほんとに暮れるのが早くなった。


2009年9月2日(水)
 月曜日は台風接近の中店にきて、一日多古窯の写真を撮り、HPに載せる作業をする。早く入った順に片付けていかないと、後が大変になる。一人黙々とやっていると能率が上がって、寸法を測り、写真を加工し、ページ完成までやってしまった。結局台風は上陸せず、東京は大したことにはならなかったが、千葉県はかなりの暴風雨だったようで、アクアラインも閉鎖された。小柴さんの都合で約束が火曜日に変更になったのが幸いした。
 昨日の火曜日は台風一過の暑い日。朝早く出て鴨川に。小柴さんは鉢を作るときの無理が祟って指を痛めてしまい、しばらく出来ない期間があったが、ようやくいくらか良くなって必要な量を焼いてもらった。これまで色出しが難しかった辰砂が、今回はいい発色をしているのがいくつもある。新しい釉薬の鉢もあって色とりどり。夕方店に着いて段ボールを運び込み、小柴鉢を並べる場所を空ける。1階正面が欅窯、その下に多古窯、入り口脇が渥美窯、松村鉢、蘭花村鉢。道路側のウィンドウが小柴鉢、2階が古鉢・ガラクタ市と決め、掃除をしたり、上がったり下りたりしてレイアウトする。下に下りてきたら窓の外に若いGoさんの顔が。「通りかかったら車があって電気が着いていたから。何か手伝うことあります?」。すぐに入ってもらって、梱包開けを手伝ってもらう。この間は運んできたところに、造園のTaさんが偶然通りかかって手を貸してくれたし、こういう協力者のお陰で何と助かることか。遅くなったので鉢を棚に並べただけにして撮影は翌日に。
 結局月・火もフルに仕事をしてしまって、今週はスタートからお疲れ気味。水曜日の今日はまず小柴鉢の撮影をして、識別シールを貼り、値段付け、寸法取りまで済ませる。写真を加工する前に、初日は仕事で来られないという埼玉のAさん、いつものKoさん、今日しか休みがないというルーペのSさん、若いGoさんなど。
 常設店は毎日店を開けていながら展示会の準備もするから、借り会場でのイベントのようなわけにはいかず、初日を待たずお客さんが来て売約になってしまうことがある。いちにのさんでスタートするには、ずっと店を閉めておかない限り不可能だ。ただ、人によって選ぶ基準が様々で、必ずしも売れてしまったものが一番いいとは限らない。


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