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2006年12月30日(土)
 銀杏の葉がようやく落ち尽くした。昨日変則的に休んだので、今年は30日まで仕事をすることになったが、世の中すっかり年末年始の休みに入ってしまったようで電車も道路も空いている。
 拓也さんが水を遣っている間、店の中も一応大掃除の真似事をした。生の水苔は去年ビニールで覆って無事冬越しをしたが、今年は残りが少ないので、プランターカバーを被せておくことにする。すべりが悪くなっている入り口や門の戸を手入れしたり、杭州を作場にしまったり、あれこれ休みに入る準備をする。
 今日になって花茎をねずみにかじられているのがいくつか見つかった。噛み切った花茎が一まとめに並べてあって、蕊柱を残し花弁だけを食べているようだ。もう花が終わりだからいいが、春蘭が並ぶまでにネズミを何とかしないといけない。殺鼠剤や、粘着シートのネズミ捕りを置いたが効果はどうだろうか。休み中食べ放題のバイキングをやられてはたまらない。
 さすがに師走のこの時期に来る人は少なく、午前中は杉並のUさん、港北のHiさん。午後からは大田区のSaさんが仕事を終えて、写真を撮る態勢で来てくれた。ところが肝心の埼玉のIさんが、用事で来られなくなったと電話があって空振り。正月には花を切るというから、スゴイ花は又来年ということになった。
 これで今年は仕事納めかと思ったら、閉店間際に去年から杭州寒蘭を始めたお客さんが飛び込んできた。「もっと早く来たかったんですが、忙しくて」と、あわただしく品選び。いまだにいい形を保っているお勧めのサラサを買っていく。その後パソコンに向かったら、遅くなって若い脚本家のGoさんが現れた。正月休みに山に入るのを楽しみにしているそうで、採ってきたものを植える用土や鉢を買っていく。春蘭を探していて蜂にさされたり、熊にびくびくしたりと山採りの苦労話や、見つけた時のうれしかった話を聞かせてくれる。「人に会うと不審人物と思われないかと気になって。ほんとに死体でも埋めて来たんじゃないかというくらいの怪しさなんですよ」には笑ってしまった。今日は早仕舞いできそうな雰囲気だったのに、結局いつもの時間になった。余計なことは考えるものではない。
       *   *   *   *   *   *   *   *   *
 今年一年色々とお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。新年は5日から始めます。よいお正月をお迎えください。


2006年12月28日(木)
 先ずは落ち葉掃き。外の鉢ものに飛び込んでいる銀杏の葉も取り除く。楊さんが来ないうちにと郵便局に行き、振込を済ませる。昨日に続いて暖かいのが助かった。
 午後楊さんが残った杭州を引き上げに来る。精算が終わったあといつもあわただしく帰ってしまうが、今日は他に人もいないのでゆっくり話をしていく。情報交換をし、理解し合うためにも、コミュニケーションをとることは大事だ。楊さんが帰ったあと、ところ狭しと並んでいた場所ががらんとしてしまい、まだ元気があるものをゆったりと並べ替える。最盛期でもこれ位の間隔をとって眺めたいものだ。花が終わったものはどんどん切って植え替える。
 いよいよ押し詰まった。他にも預かっているものや精算しなくてはいけないものがあり、関係者にあちこち電話をする。門松やお飾りも届いた。正月用に丁度いい台湾寒蘭素心の「白鷺」が開きだし、「露声」も膨らんできた。蓮弁蘭や豆弁蘭の花芽も伸びてきている。ムードはもう新春を迎える気分だが、明日休んで30日の最終日には、展示品を引き上げがてらIさんのスゴイ花を見、杭州寒蘭のフィナーレを楽しみましょう。


2006年12月27日(水)
 昨日の激しい雨が上がって年末らしからぬポカポカ陽気。冬支度を終えた作場の窓を急いで開ける。三日間休んだらさすがに花が終わったものが目に付くので、植え替えて作場にしまう。
 富山からのお客さんが来たあと、船橋のSiさんがこの時期には珍しく現れる。これまでえびね専門だったが、奥地の蘭にも魅力を感じてきたらしく、年が明けたら参入しそうだ。
 横浜のHiさんが売約してあった株を取りにくる。花を切って棚が空いたところに下の段にあった鉢を上げておいたら、「この花いいね。申し込んでおく」と札を挿していった。出来ればどれもいい場所で見てもらいたいと思ってはいるのだが・・・。
 楊さんから電話があって、明日品物を下げにくることになった。後はお客さんの展示品を引き上げると、年明け何鉢くらい残るだろうか。今年の杭州は早くに咲いたから、年末までもたないのではないかと思ったが、結構生きのいい株もある。やはり例年並か。
 埼玉のIさんから電話が入る。「日向ぼっこをしながら、杭州寒蘭を眺めているところ」だそうだ。今年もかなりのものを買ってしまったし、これまでもいいものをたくさん持っているから、自分の棚を見ているだけでも質の高い展示会だろう。「すごい花が咲いてきましたよ」と言ったのは、自分の棚で初めて咲いた大舌で、内弁の抱えの良いスゴイ花らしい。29日は休みなので、30日の土曜日に持ってきてくれるという。大掃除から抜け出したい人は、今年最後のお楽しみにどうぞ。
 植え替えをしていたら大田区のUさんが来る。年内の休みは今日だけで、後は年末年始も仕事だそうだ。誰か話し相手が来ないかなと思っていたら、遅くなって仕事帰りの川崎のKiさんが呼ばれたようにやってきた。しばらくして「まだやってたの?」と近くのSuさんも寄る。三人は香蘭会の仲間だから展示会の話で盛り上がり、「いけない、もう8時だ」と帰っていった。
 暖かかったが日が落ちるとさすがに寒くなった。風が強く、銀杏の葉やゴミが飛んできている。目をつぶって又明日。


2006年12月23日(土)
 朝一で下町のHiさん。続いて仙台からToさんが訪ねてきてくれる。いつもメールで鉢や蘭の注文をいただくが、実際に見えたのは2回目。あちこちに置いてある鉢を見て春蘭の大株用に欅鉢を選ぶ。前年の冬凍害でほとんどの蘭を駄目にしてしまったというからさぞかしショックだったろう。この冬はしっかり対策を立てて、立ち直って欲しいものだ。
 埼玉のSaさん、大田区のSaさん、麻布のMoさん、千葉のTさんも来る。押さえていた蘭を精算したり、頼まれていた名品を株分けしたり。
 杭州寒蘭展もいよいよフィナーレだ。もう売約のものや展示品を引き取る人ばかり。植え替えて作場にしまうのもあって、店内の棚にはあちこち空席が出てきた。持ち帰るものやしまうものは花を切って花瓶に挿しているが、「奔月」「孤峰」「秀水」「侘助」「露華」「挿雲」「白玉壷」などが入っているのを見てHiさん、「高価な花束ですね」。
 接骨院をやっているKoさんが、スルガランの大鉢を持ってくる。咲いていたのに咲かなくなってしまったと植え替え依頼。開けて見るとぼろぼろの根の山だ。作っていた人が亡くなってしまったので、何の蘭かもわからないが作ってみようということだった。この間やはり同じ状況でスルガランの植え替えをしたが、何とかしようと思ってくれる人がいるだけでも幸せな蘭だろう。松村鉢2個に植え込んで管理の仕方も伝える。
 明日は白石は休みます。


2006年12月22日(金)
 昨夜帰ったら横浜のHさんから「朝・昼・晩」の曜日が違っているとのメール。確認すると17日からずっと間違っていた。一度間違えると何も考えず機械的にやってしまうから、ずっと訂正されないままだ。知らぬが仏の間はいいが、知ってしまうと気になる。免許証を忘れたことに気がついてしまった後のような居心地の悪さだが、自宅ではどうにもならないので、今朝一番に訂正する。
 一日中日が射さず、どんよりと暗い空。寒い。お客も誰も来ない。道路の落ち葉掃きを終え、裏の資材置き場に溜まっていた柿の落ち葉も片付ける。砂を篩って混合土を作ったり、見通しの良くなっている作場の棚をきれいにしながら、土の古そうなものを植え替えたり。一時雨模様になったがどうにか持ちこたえ、夕方まで作業に励む。
 今日は誰も来ないままかと思ったら、いつものKoさんがちょっと寄って、押さえてあった花を持ち帰る。年末年始のお知らせを入り口に張っていよいよ年末気分だ。
 あさっての日曜日は白石は法事で休みますので、ご用のある方は出来るだけ明日の土曜日に来て下さると助かります。


2006年12月21日(木)
 店の前の街路樹の銀杏が残った葉をしきりに振るっている。これがすっかり落ち切るまで毎日格闘だ。先に水をやってしまうとそれこそ濡れ落ち葉で掃除が大変になるし、後から後から降ってくる落ち葉はきりがないしで、朝の仕事の順番に悩むところだ。
 今咲いている杭州寒蘭は、早いものは皆1ヶ月以上になる。そろそろ花が終わりかけてきたものや、条数が少ないものは作に入ることにした。「侘助」「翡翠」はあまりにもスリムな木に花がきてしまったので、切って作場に戻す。「露華」「翠泉」も花を切った。
 毎年この時期になると花の格がはっきりしてくる。昨日切った「奔月」は、花瓶の中でもぴんとしたまま辺りを払っているし、今年も最初に開いた「挿雲」は、一番下の花がようやく終わりかけてきたので切ることにした。元々抱え咲きだが濃い緑の色が抜群に澄んできれいな上、5弁の白覆輪が鮮やかで、いつも鏡の前に置いてそれを楽しんでいる。流行の平肩で大きく舌もたっぷりのぽっちゃりタイプとは正反対の花だが、最後までその魅力を失わないのは大したものだ。
 11月13日の鈴木さんの命日にはちゃんと開いていた「黄玉山」も毎年早咲きで、すでに5週間以上咲いている。切らなくてはいけないのだが、幾分抱えが強くなったものの気品ある姿のまま。黄さん選別品の「翠々」は、他の強そうな花が並んでいると押されてしまうような花なのだが、これもややうつむき加減の感じいい咲き方が急な寒さにも狂わず、1ヶ月以上同じ形を保っている。
 杭州寒蘭は咲き始めは皆すばらしく、名品以上の花がどんどん出てくる気がするが、最終段階になって「やっぱりいい花だ」と残せるものはそれほど多くない。さすが目のある人が選んできた花だなと実感するのがこの時期だ。
 植え替えをしていたら大田区のUさんが来て、「いい花なのにどうして皆目をつけないんですかね」と、新花の騒ぎで忘れられていた作りこんだ花に決める。練馬のOさんもこの間売約した分を引き取りに来て、「今年最後の買い物」と蘭花村の根巻きも持っていく。昨日見ていった千葉のTさんは、迷った末置いていった株を、「やっぱり押さえておいて」と電話。いつも帰りに寄る川崎のKiさんは、インフルエンザ予防注射の予約があるからと、珍しく早い時間に来たが、丁度顔を合わせた香蘭会仲間のUさんを、自宅の作場を見に来るように誘って一緒に出て行った。蘭の話で夢中になって肝心の予防注射間に合うかな?


2006年12月20日(水)
 店に出たら銀杏の葉っぱが至る所に吹き溜まっている。生の水苔も乾いている。レールに落ち葉がたまっていて、掃除しないと門を開けられないし、水もやりたいし・・・。
 電話が鳴って先日鉢をたくさん送った広島のNiさんから、開けてみたら1鉢割れていたという連絡があった。すぐに代替品を荷造りして郵便局に持っていく。9月の蘭鉢展のときにも送った鉢が壊れていて、代わりの鉢を送ったことがあったが、連絡して手続きをとるようお願いする。
 いつものKoさんが寄り、蘭花村の青花を押さえる。横浜のMoさんと蘭仲間が久しぶりに来て杭州を丹念に見ていたが、結局鉢好きのMoさんらしく、プラ鉢をそっくり入れて展示するのにちょうどいいい大きさで、値段の割には高級感がある中古の中国鉢が気に入ってもらえた。
 横浜のHさんも約束通り顔を見せてくれる。1ヶ月以上咲かせた「奔月」を持ってきてくれたが、咲きはじめと少しも変わらず凛とした気品をたたえていたので安心した。花もちがいいのが名花の条件と書いたが、これはすごい!。「白石さんに最後に見てもらおうと思って」と目の前で花を切って花瓶に挿していってくれる。帰りには蘭花村の花を付き合ってくれた。
 大田区のSaさんもやってくる。日曜日に寄った時「我慢、我慢」と手に取らなかった蘭花村の花を、「これ取っておいて」と押さえていく。
 千葉のTさんも来て、今年ラブコールの「秀水」の上砂を払って根を確かめ、しっかりアピールしていく。
 いつも鉢を買っていただく明石のHiさんから電話。先ほどMoさんが買って帰った中古の中国鉢の注文だった。「すみません。ついさっき売れてしまって」。まだHPに反映されてなくて申し訳なかった。
 通常静かな水曜日だが、ぼつぼつといい具合にお客様が来て、込み合うこともなくスムーズ。ただ朝やりかけの落ち葉掃きは中途半端に終わってしまった。
 HPの更新を始めたら、若い脚本家のGoさんが用土や鉢を買いに来る。今公演の準備をしているところだそうで、「具体的になったらお知らせします」。若い人の話が面白くてついつい遅くまで話を聞いてしまった。


2006年12月17日(日)
 昨日は朝から蘭花村の村長Tさんがやって来た。いつも電話ばかりで、昨年の三重の展示会以来の再会。出版社のSさんも続いて現れた。村長さん紹介の陶芸家、青山陶窯の秦一朗さんが作った鉢が直前に到着。荷を開けて値をつける。大荷物の中には杭州寒蘭の根巻きが20株。お土産代わりのサービス価格だ。赤サラサ系3株が3万円均一、青花が1万円均一で、どれも中々いいのを持ってきた。もう終わりかと思うと新しい荷が入って、あいかわらず置くところがない状態が続いている。
 今日は多摩蘭友会杭州寒蘭展の最終日。皆そちらに行ってしまっているのか、電話がかかってくるばかりで誰も来ない。世田谷のHaさん夫妻が寄っただけだ。このチャンスにと昨日入った新作鉢の写真を撮り、HPに載せる。背景をセットしたついでに中古鉢も撮影。ほとんど売り物が無くなった蘭鉢展のページを削除して、常設の鉢コーナーを作り直す。
 夕方町田のIさんが来て展示してあった素心を下げ、遅くなって神代植物園から展示品を下げてきた近くのSuさんと大田区のSaさんが寄る。明日からは冷えるらしい。


2006年12月15日(金)
 朝出てきた頃は暗く夕方のようだったが、昼前には日が射してきた。風も無く暖かで、外の仕事が苦にならない。今店内に出している杭州を作場にしまうことを考えて、店が静かな時にと整理を始めたら、暮れの挨拶廻りの途中だと言って杉並のUさんが現れた。
 この間選別品が一度にたくさん入った時、花が傷んでいる上どんどん終わってしまうので、一つ一つ吟味してゆっくり値付けする余裕がなく、よく見るとお買い得のものがたくさんある。床に並べてあるのを丹念に探して、「これください」と選んできたものは、作ってちゃんと咲かせたらいい花になるに違いないと思うものばかりだ。目のあるUさんは花間のある無点系の大きな青花を選び出す。「さすが!」お買い得でした。
 続いて港北のHaさんが、押さえてあった杭州を引き取りに来る。「吉祥山」を展示していた目黒のFuさんも引き上げに来る。花もちのいい杭州も、さすがに花を切る株が出てきた。ようやく開きだした一番遅いグループが、わずかにフレッシュな雰囲気を醸し出している。12月も後半に入って、1ヶ月以上続いたお祭り騒ぎがフィナーレに近づきつつあるようだ。
 午後は世田谷のYoさんが入荷した本を取りに来ただけで、外の作業とパソコンの作業がはかどり、今日は間違いなく早く帰れるが、明日は仙台のYaさん、蘭花村グループ、千葉のTさんなどが来る予定になっている。Tさんからは電話で「神代植物園に行ってからそちらに回ります。3時までには着けます」ということで、こちらの事情も把握していてくれる。この時期あちこちで開かれる展示会を土日の休みに全部見て回ろうとすると、忙しいことこの上ない。皆さんようやく時間を作って見にきてくれるというのに、途中で帰ってしまって本当に申し訳ない。
 来週からは本格的な寒波襲来らしい。日曜日までには作場の冬囲いを完成させなければ。やっぱり師走は忙しい・・・。


2006年12月14日(木)
 「忠臣蔵」討ち入り。年の暮れを実感する。雨は止んだがどんよりとして今晩から又降るらしいが、外が乾かないのは助かる。
 朝近くのKaさんが覗きに来ているところに、頼んであった鹿沼土が届く。ダンボール箱を開け、中身を積み、箱を丁寧に畳む。しっかりした箱で、今注文を受けているたくさんの鉢を送るのに使えそうだ。
 午後「五島列島から来ました」という若い男性。この近くに住んでいる友人と3人連れで、案内してきてもらったようだ。地元で採れる寒蘭を作っているそうで、遠来のお客に色々話を聞く。
 久しぶりに人が少なく、近くの郵便局に行ったり、落ち葉を掃除したり、とりあえず花付のまま温室に戻してある日本寒蘭の花を切ったり、気になっていたことを片付ける。写真も撮り、この時期としては記録的に早く帰れるかとHPの更新にかかっていたら、夕方若いGoさんが現れる。「明るいうちにと思って急いできたんですけど、すぐに暗くなっちゃいますね」。ラベルも見にくくなっている中で、欲しいものがあるといったのは「円梅」だった。何鉢かあるのを出してみると、皆花芽がいくつもきている。一番割りやすそうに見えたのを開けてみると、新芽が深くもぐっている上に根が絡まりあって、どういう風につながっているのかもわからないほど複雑になっていた。新芽のところから真っ白く太いものが根の間を縫うように這っているのは花芽のようだ。咲くところまでもっていけるかどうかわからないが、もし咲いたらキャップをしたように白い花になるのだろうか。このままにしても益々分けにくくなるしどうなってもいいと割ったら、何とか両方に花芽がつくように割れた。例によって予算がないアルバイト青年だから、思い切りサービスしたのはいうまでもない。するとこのGoさん、元はデザインの方をやっていてHPを作る仕事もしているのだとか。パソコンが得意で、「いつも安くしてくれるから何でもお手伝いしますよ」と言ってくれた。「そのうち困ったことがあったらお願いね」。
 Goさんとおしゃべりしているところに練馬のOさん。引越しやら何やらで忙しくしばらく振りだ。「HPを見ていて来たくてしょうがなかったんだけど」とようやくとれた時間に、床に並んだ選別品を選んで押さえていく。
 結局それほど早く帰れることにはならなかったが、いい花が咲いているのを見るのも好きだし、お客様とあれこれ話をするのも楽しいのだから、これもまたよし。但し土曜日は早く帰ります。


2006年12月13日(水)
 昨日神代植物園で開かれている多摩蘭友会の杭州寒蘭展の初日に行ってきた。年々出品者が増えているようで見応えがある。この店に展示されていたものを持っていったのがいくつかあるが、会場や照明が違うと別物に見える。やはり広い会場で映えるものと、すぐ近くに置いていい感じのものとあるようだ。いわゆる展示会映えするというのだろうか。このようにゆったりと間隔を開けて展示するのが理想だが、この狭い店内では無理な話だ。
 日中は日が射して暖か。前の店主が亡くなったことも知らないほど久しぶりの神奈川のHiさんが、長生蘭用の錦鉢とその他の古鉢を見て欲しいと持ってくる。ここのお客さんはこういう鉢を使わない人がほとんどだから、すぐには売れないだろうと安くつけておいたら、夕方寄った川崎のKiさんが全部買っていってくれた。
 蘭花村の村長から電話があり、16日(土)に来るという。中国に行ったり三重の展示会をしたりで忙しく飛び回っていたから、ようやく見に来る時間がとれたということだろう。多摩蘭友会に顔を出すついでもあるが、こっちはもう見ごろを過ぎてしまった。いい時に見て欲しかったが、デビューの青山鉢をいくつか持ってくるのが楽しみだ。これは一点ものの手作り鉢で、お客様にとっても選択の幅が広がるのはいいことだ。
 いつものKoさんが寄り、明日上海に帰る朱さんも来る。置いてあった杭州を下げようと荷造りしていたら、港北のHaさんがこの間2階で見た花を確認したいといってくる。大株だったのを半分に割って持っていったが、荷造り寸前だったのでグッドタイミングだった。夕方から予報通り雨になった。
 16日の土曜日は所要のため、白石は3時で帰らせていただきます。ご用の方はなるべくお早めに。又24日日曜日は法事のため休みます。両日とも拓也さんが出ています。年末は29日金曜日を休みにし、代わりに30日土曜日を営業します。お間違えなく。年内は30日まで、年始は5日からです。


2006年12月10日(日)
 朝から町田のTaさん、埼玉のSaさん、川崎のKoさん、瑞穂のSaさん、下町のHiさん、埼玉のIさんらが集まってくる。川崎のKoさんには去年から頼まれていた株を割り、埼玉のIさんも前から予約していた杭州を持っていく。午前中仕事だった大田区のSaさんも、さっさと終わらせて合流。麻布のMoさん、連日の中野のEさん、港北のHaさん、出版社のSさん、会津からのお客さんなどが次々と来て、狭い店内は一杯になる。売り物と展示品とで棚も満杯、床にも並べてあるのを一つ一つ持ち上げて吟味する人、展示品を持ってくる人、写真を撮る人、持ち帰るダンボール箱などがひしめき合って、あちこちで鉢がひっくり返ったりの混雑だった。
 いただいたメールに返事をするのも遅れてしまい、撮影する時間もない。そんなわけで「きょうのショット!」は休みます。
 火曜日からは神代植物園の展示会です。


2006年12月9日(土)
 冷たい雨の割には盛況だった。まず中野のEさんが昨日入荷した杭州を見に来て、開き始めたかわいい花を選ぶ。続いて横浜のKoさん夫妻。あまりにたくさんあって目移りするが、吟味して選びだした候補の中から花茎の細い紫紅色に決めた。そこへ昨日に続いていつものKoさん。夕べ忘年会があり、そのままさっきまでマージャンをしていたとかでご機嫌だ。昨日押さえたのを支払いにきて、さらに濃い紫紅色のも持って行く。駒場のWaさんも、売約の蘭鉢や杭州、紫秀蘭を引き取りにくる。夕方川崎のKiさんが茨城のFuさんを伴ってきて、「杭州は枯らしちゃうんだよなぁ」といいながら、たくさん並んだ中から新芽が元気な株を選んでいる。そこへ大田区のSaさんが長野の実家に行った帰りだといって、りんごをお土産に寄ってくれる。「わー、又たくさん入りましたねえ」と濃い紅花を押さえて、「又明日来ます」。
 埼玉のIさんからも電話があり、明日は又にぎやかになりそうだ。


2006年12月8日(金)
 荷物を送りに郵便局に行って戻ってきたら、楊さんが杭州選別品を持って来ていた。前回並べたものを一部下げて新しいのと入れ替える。荷を降ろしたところにいつものKoさんが現れ、「悪いところに来た」といいながらも丁寧に見ていく。今回は価格も抑え目にするつもりだと言ったら、チャボっぽい花型のを押さえていく。
 これらを又パソコンに入力し、価格を決め、札をつけていかなくてはならないのだが、それも手がつかないうちに今度は朱さんが顔を見せる。この間上海の第1回寒蘭展をやって、三重のKaさんや村長さんとも会ってきたところだ。展示会を終えて昨日上海から戻り、明日は三重の展示会に行き、一泊して帰ったら今度は神代植物園の展示会にも顔を出すそうだ。上海に帰るまでにもう一度ここにも寄るということだから、この時期あちこち駆け回って忙しい。朱さんも忙しいが、又荷物を預けられるこちらも忙しい。
 朱さんがいるところに丁度荷物が届いた今回の杭州は、送る前日に上海で写真を撮っておいてもらった。荷造り発送を頼んだ人は蘭をやっていない人で、ぎゅうぎゅうに詰めて送ってくる間に葉は折れ、舌は曲がり、花弁はよれてしまって、写真を撮るのも難しい状態になる。それなりに選んで持ってきているものだから見応えのある花のはずなのに、開けるとよれよれで魅力は失せてしまう。今日は目の前で開けて、いつもどういう状態で来るのかを見てもらうことができた。「すごくいい花だったのに、これじゃあしょうがないね。もっと丁寧に荷造りするように言わなくっちゃ」。
 展示品として持ってきたサラサの姫杭州は、今度神代植物園に展示する予定だ。即売品は荷造り前の写真をなるべく早くアップするつもり。とりあえず昨日予告した中古鉢の写真を撮り、お知らせのところに載せた。
 年末年始の休みについては、色々な用事が入って人がいないものだから、明日拓也さんと話し合って、当初の予定とは少し変わるかもしれない。近いうちお知らせします。


2006年12月7日(木)
 午前中はしーんとしているので、郵便局まで支払いに行ったり、混合砂を作ったりと店の仕事がはかどる。
 近くのSuさんが来て、12日から始まる神代植物園での杭州寒蘭展に持っていく蘭を選んでいる。主催者のKuさんの蘭がスリップスでやられてしまったというので、出展協力するためだ。2階で間に合いそうな株を探していたら、隅の高い花台に乗せてあったMaさんの鉢が、下の段に並べてある中国古鉢の中に落ちて逆さになっているのを発見。軽いプラ鉢だっから良かったが、焼き物の鉢だったらと思うとぞっとする。落ちた株は花茎が途中から折れてしまって、花一輪を残して切ったが、これもネズミの仕業ではないかと思う。早く何とかしないといけない。
 午後からは一転して、麻布のMoさんが注文の杭州を引き取りにくる。町田のIさんが素心を1鉢持ってきて展示してくれる。目黒のOさんも久しぶり。世田谷のYoさんとえびねのHaさんが一緒に来てこの間買った杭州を持ち帰り、千葉のTさんも仕事の途中に寄る。
 展示会の直前に趣味家から入れた株は、数鉢が面白い鉢に植わっていて、鉢は別売りにしようと抜いて洗っておいたら、Yoさんが目ざとく見つけてすぐに持っていく。他の鉢も明日写真を撮ってHPに古鉢として出そうと思う。夕方大田区のUさんが来て閉店までおしゃべりしていく。
 ほとんどの花は上まで咲ききり、つぼみだった「帰去来」も開き始めた。時間が経った名品は咲き始めの勢いはなくなるものの、終わりになっても形を崩さない。花もちの良さも名花の条件だ。


2006年12月6日(水)
 静かな水曜日。土日の喧騒が嘘のようだ。温室に一時片付けてあった杭州を出してきて棚に並べる。注文の蘭を発送したあと、見ぬふりをしていた街路樹の落ち葉をようやく掃除することができた。
 そこへ大田区のSaさん、いつものKoさんが、外回りの仕事の途中に寄る。そして近くのSuさんもやってくる。昼休みをオアシスで過ごしたあと、又仕事に戻っていった。
 久しぶりにゆっくり出来る機会に少し花の写真を撮り、HPに載せる。夕方仕事帰りに川崎のKiさんが寄り、これで今日はお仕舞いかと思ったら、いつも遅くに来る若いGoさんが、山に春蘭を採りに行った帰りだといって戦利品を持って現れた。興味があるから何を見ても面白くて仕方がないようで、熱く語るのに付き合ってやっぱり早く帰るのはあきらめた。


2006年12月3日(日)
 シャングリラの2日目。昨日梱包を解いて植え込んだ蘭は、一晩水を吸って元気になっていた。
 朝一番は下町のHiさん。続いていつものKoさん。埼玉のIさんはこれからお葬式だといって忙しいのに、この間買っていった中国からの選別品を、ちゃんと鉢植えにして持ってきてくれた。ただ本体だけを見たときより、植え込んだら数段格上がりして見える。やはり全体のバランスが大事だ。
 奥地の蘭協会のUさん、多摩蘭友会のKuさん夫妻も見に来てくれる。Kuさんと入れ違いに杉並のUさんが現れ、今日は休日出勤だった大田区のSaさんも、「早めに終わった」とやってくる。えびねのHさんも写真を撮りにくる。
 その合間に注文のメールに返事をしたり、この騒ぎで発送が遅れてしまった分を発送したりと本来の業務もしなければならないが、次々と押し寄せる仕事に中断され、途切れ途切れにようやく終わらせた。
 毎年計画的に、よく吟味した昔のタイプの名品を揃えていく小田原のIさんが来て、去年からの予約のものを分けていく。
 夕方奥地の蘭協会のGoさんも姿を見せ、最後の買い物をする。8時の飛行機で帰るシャングリラは持ち帰る蘭の荷造り。短期間に何度も移動をすることになる蘭だが、荷造りが手馴れていて実に素早く丁寧に包んでいた。この2日間忙しくて疲れただろうが、大勢の人に会い、名前だけは知っている人と実際に話が出来て「楽しかった」と、最後まで残っていた常連さんたちに見送られ、「又来年!」を約束して帰っていった。「おつかれさま!」。
 ようやくいつものペースに戻った店内で、中野のEさん、目黒のGoさん、下町のHiさん、大田区のSaさんたちといつまでも話に花が咲き、楽しく締めくくった。但し杭州寒蘭展はまだまだ続きます。


2006年12月2日(土)
 朝出てきたらもう駐車場に車が入っている。拓也さんが早朝に水をやっていたので、中野のEさんはもう店内に。続いて杉並のUさん、埼玉のSaさん、杉並のOさん夫妻、ルーペのSさん、駒場のWaさんと続々集まってくるが、肝心のシャングリラはまだ到着しない。迷っているのではないかと迎えに行く人あり、携帯に電話を入れてもつながらないなどといってるうち、飛行機が1時間遅れたとかで結局11時ごろになってようやく現れた。
 こちらの商品を一時温室に仕舞って店の棚を一部明け、並べるコーナーを作っておいた。皆のいるところで荷開きすると混乱するので、自宅の玄関を使って梱包を解き、1株づつ鉢に植え込んだ。店内に並ぶのを棚の前で皆待っている。最後の1鉢を植え込んで並べ、皆の目が一斉に注がれる。
 こんなフィーバーがあるとも知らずにえびねのHaさんが、何年ぶりかで九州から帰ってきたえびねのFuさんとのんびり現れた。「人だかりがして何の騒ぎかと思った」。それでもいいものには目がないHaさんが、一番の目玉のチャボっぽい丸い青花を手に入れて、蘭鉢展で買ったまま置いてあった古い丹波鉢に入れた。こじんまりとしたいい葉姿に趣のある鉢がぴったり合って、「やっぱり違うねえ」。
 午後からも目黒のFuさん、横浜のWaさん、仕事の昼休みに見に来てくれた麻布のMoさん、「さっきHPを見たところ」と駆けつけてきた出版社のSさん、日本中国蘭協会の展示会を抜け出して新橋からきてくれた千葉のTさん、出席していた結婚式と二次会の合間を利用して横浜から駆けつけた大田区のUさんなど。全くこの熱意には頭が下がる。
 中国で市場に出る前の段階で手に入れるチャンスがあることと、日本人の感性で選んできていることとで、さすがにいい選別をしている。今晩は近くのホテルに泊まって、明日は朝から3時頃までは来てくれるそうだ。お買い上げのものも今日は置いてあるので、明日都合のつく方は是非見てほしい。


2006年12月1日(金)
 いよいよカレンダーが最後の1枚になった。今日はこの間水道工事のため掘り返したところを舗装する工事があって、又駐車場の出入りが不自由になることを昨日お知らせするつもりだったが、シャングリラの電話で羽田からの道順やホテルの手配などに気を取られ、この欄に載せることをすっかり忘れてしまった。朝来たらもう駐車場の1台分が占領されていて、ロープが張られている。どうなることかと思ったが、午前中は車が立て込むこともなく、早めに終わってほっとした。
 朝は杉並のUさん、いつものKoさん。午後から目黒のFuさんが、開き始めて丁度いいところの「吉祥山」を持ってきてくれる。大輪で3本も花が上がっても、花間がいいからうるさくない。それにふさわしいくらいの大株で、ここ何年も夏冬2回咲いている。葉は傷みにくいし丈夫でいい性質だ。
 入れ替わりに大田区のSaさんが来て、昨日入荷した杭州選別株を押さえる。前橋のKiさん、埼玉のSaさん、中野のEさん、鴨川の小柴さん他、連絡や問い合わせの電話が何本もかかり、初めてのお客様などもあって昨日の静けさが嘘のよう。シャングリラに電話したら、「今荷造りしているところで、15株くらいもっていく」ということだ。明日は朝から来る予定の人もあって、賑やかになるだろう。楽しみだ。


2006年11月30日(木)
 暖かかった昨日とは打って変わって寒い一日。そのせいだけでもないだろうが、今日は蘭のお客は全く誰も来ない。杭州寒蘭展の最中なのにと思いながらも、「これまで毎日賑やかだったからたまにはこんな日があってもいいか」と、メールの注文に返事をした他は撮影に精を出す。前半パソコンの買い替えで大変だったのと、個人的な理由で休みが入ったり、人がいっぱいで撮れなかったりで、そういえばあまり撮ってなかった。今はかなり咲ききっているから、もう少し早い時期にじっくり撮っておきたかったなと思いながら、HPの杭州寒蘭写真集に何年ぶりかで手をつける。取り合えず写真集1だけにして、これから徐々に増やしていくことにする。
 こんな時間があるときになんとラッキー。中国から杭州寒蘭の選別品の荷が入った。水苔を取り除いてベンレート液にしばらく漬け、水苔で鉢に植え込んだ。花を包んでいた紙を取って明日花型が戻ったら、写真を撮ろうと思う。
 そんなことをしていたら電話の若い声。シャングリラからだった。「さっき日本に帰ってきたところです」。ブログに出ている青花の写真を褒めたら、「これはスゴイです。明らかに色が全然違う」とのこと。今はもう花は終わりかけて、ますます濃くなっているそうだ。何しろ杭州に住んでいて言葉は出来るし、いい花があるという情報を掴んだら、1人でどんな田舎までも出かけて行く。「10時間位かけて行くこともあります」。機動力が違うから勝負にならない。
 2日の土曜日朝には東京に来て店にも寄ってくれることになった。もう終わりの花だけれどいつくか持ってきて見せてもらうことに。「おじさんのお線香も上げたいし」。
 持ってきてくれるチャボ花を見がてら、ホットな中国情報も聞けるし、日頃疑問に思っていることを聞いてみるのもいい。いいチャンスだから都合のつく方は朝から全員集合!。
 閉店間際、昨日に引き続き川崎のKiさんが寄って、これが今日唯一人のお客様。でも内容は充実した一日だった。


2006年11月29日(水)
 昨日は新企画の写真撮影があり、昼から出てきた。定休日なので狭い店内の椅子など片付け、背景やライトをセットして撮影に入る。いつもこんな条件で写真が撮れればいいのだが、狭い場所で邪魔になりながら、慌しく撮って更新している身にはうらやましい。撮影が終わるまでと展示してもらった「奔月」「下天竺山」を下げがてら、横浜のHさんが見学していく。
 今朝見ると、売り物の「翡永丸」の1花ついていた花茎がかじられて、花なしになっていた。軒並みやられるわけではなく、たまに1鉢被害にあってこれで今年3鉢目。まだネズミはつかまっていないから油断はできない。それにしても「奔月」などがやられなくてよかった!。
 午前中は目黒のKoさん。昔から松村氏等と何度も中国に行っていた人で、たくさんの花を見てきている。その人がいいと褒めた花は「黄玉山」、「清潭月露」、「飛燕」(Koさんの初花株)、Suさんの濃い青サラサだった。
 午後からは港北のHaさん、杉並のUさん、いつものKoさん、横浜のIさん母子、浜ちゃん、川崎のKiさんなどが来てにぎやかに。仙台のYaさん、上海のZyuさん、横浜のHさんなどからも電話があり、さすがは杭州寒蘭展。静かなはずの水曜日でもそれなりの賑わいだった。


2006年11月26日(日)
 朝一番にいつものKoさんが展示品を色々持ってきて入れ替える。下町のHiさんが杭州を何鉢か持ってきて飾る。中野のEさんも「奔月」を見に来て、「やっぱりこれがナンバーワンだなー」。
 昼から出版社のSさん、近くのSuさんもやってきて、2階は満員になった。夕方大田区のSaさんが「まだみんないますか?」と電話をかけてきて、外出の帰りに寄る。いつも仕事帰りに来る若いGoさんも現れ、花芽のついた朶々香を割る。どんよりと寒い一日で、皆でEさんに熱いおそばをご馳走になり、閉店時間を過ぎるまで花を見たりおしゃべりして過ごした。
 例年遅い「八つ山」も開きだし、もうつぼみのものは何鉢もない。ここ1週間がピークかもしれない。「奔月」も火曜日の撮影の後下げる予定だ。


2006年11月25日(土)
 昨日は臨時休業でご迷惑をかけました。
 朝店内の鉢に水をやっているところに早々とお客様。いつもHPを見ていて「いつかは行ってみたいと思ってた」と言うのは、茨城からわざわざ来てくれたからだった。名前のあるのが欲しいと「峨眉山」や中国からの選別品を買っていく。
 埼玉のIさんから電話があり、ボルテージは益々高まっているようだし、大田区のSaさんも昼前から顔を見せる。埼玉のSaさんがこの間話に出た素心と紅花を持って来る。駒場のWaさんも続いてやってくる。にぎやかになったところに久し振りの横浜のHさんが、頼んでおいた「奔月」と「下天竺山」を持ってきてくれる。「奔月」は6花ついたうちの5花が咲いて丁度見頃。端正な咲き方に正面真ん中の席を譲った。次々とやってくる良花に、Saさんは撮影に忙しい。埼玉のSaさんの2鉢には早速「殖えたら分けて」の申し込みがあり、「プレッシャーがかかるなー」。
 そこへ岡山から来てくれたお客様。いい感じで咲いていた「湖志野」を分けたのを持って、「これから岡山まで帰ります」。こちらもHPを見てとのことだった。毎日の更新は大変だが、こうして遠くの方までつながる有効な手段として機能し、反応を寄せてくれるのはうれしいことだ。
 うれしいといえば、いいニュースが飛び込んできた。この間新しいパソコンにデータを移した時、My Documentsがそっくり無くなってしまって慌てた。PC DEPOTに古いパソコンを持ち込んで探してもらったが、見つからなかったという返事で、半ば諦めていた。拓也さんが再度検索してくれるよう頼んでおいたところ、「見つかりました」の返事。取りに行ってもらったら、復活ファイルというフォルダに無くなったすべてを復活させて戻ってきた。こちらでも散々検索して見つからなかったのに「さすがプロ!」と感心したが、それにしてもどこに隠れていたのか不思議でならない。今夜は乾杯だ。


2006年11月22日(水)
 朝来たら水道工事が始まっていた。店の駐車場は大きな工事車両で塞がって、その前は通行止めになっている。隙間を潜り抜けて中に入り、店を開ける。
 今日から杭州寒蘭展だ。水曜日はいつも静かなスタートだが、それにしてもこんな状態では困るので、どかしてもらって1台分の駐車場を確保する。
 午前中全く誰も来ないのは、水道工事で今日を避けてと書いたのだから仕方がない。約束していた横浜のHさんも、他の日に来てくれることになった。「奔月」「下天竺山」「秀水」などが今見ごろという感じで咲いているそうで、週末には何とか持ってきてくれるようお願いする。
 午後からはいつものKoさん、港北のHaさん、中野のEさん、練馬のOさん、近くのSuさん、Ki工房さん、ルーペのSさんなどが次々と来て、展示会らしくなってきた。
 明日23日はお通夜があって、白石は午前中で帰ります。この日は拓也さんがいますし、何人か「23日に行きます」という申し出があり、にぎやかになるはずです。24日(金)は告別式のため、店を臨時休業にします。代わりがいないため、展示会中に休みになってしまい申し訳ありません。その他は通常通り営業します。


2006年11月19日(日)
 今親戚にいつ知らせがあってもおかしくない人がいて、昨日も早めに終えて病院に駆けつけた。こればかりは仕方なく、平日に異変があった場合は急に臨時休業ということがあるかもしれない。
 丁度杭州が見ごろで22日からは展示会という時期ですが、平日は1人で代わりの人がなく、ご迷惑をかけることがあると思います。そういう事情ですのでどうぞご了承ください。
 そんなわけで今日は来られないかと思ったが、大丈夫そうなので少し遅れて出てきた。下町のHiさんにサポートをお願いしておいたら、会社のWaさんと一緒に早くから来てくれていた。いつもHPを見ているという和歌山のOさんが朝訪ねてくれたそうで、ちゃんと売り上げてくれる。強力な助っ人に感謝。
 午後からは埼玉のIさん、港北のHaさん、いつものKoさんが来て、それぞれいい花を持ってきた。夕方遅く若い脚本家のGoさんが寄り、冷たい雨が降る中、震えながら熱心に春蘭の話をしていく。


2006年11月18日(土)
 開店と同時に杭州を買いに来た人がいた以外は、上野東照宮や神代植物園の寒蘭展を見に行っているのか午前中は静か。午後になってその帰りに寄った埼玉のSaさんや出版社のSさんが来る。
 フルートのAさんがしばらくぶりに現れる。預かりっぱなしの「五橋亭」が2本花をあげて開きかけたのをプレゼントするといって、台湾の友人を連れてきた。寒蘭は初めて見るそうで、最初は「どれも同じに見える」と言っていたが、Aさんが色々説明していた。
 夕方駒場のWaさん、えびねのHaさんが寄る。
 明日白石は急用のため来られないと思います。日曜日を予定していらっしゃる方には申し訳ありません。明日は浩司さんがでています。
 22日水曜日は、敷地内に引き込まれている水道管を交換する工事があります。駐車場は一応使える予定ですが、ご不便をおかけすることがあるかもしれません。もし他の日で都合がつくようでしたら、水曜日を避けていただいた方がいいかもしれません。


2006年11月17日(金)
 メールで鉢や本の注文があり、返事を書いたり品物を揃えて荷造りしたり。その後棚の入れ替えを進める。2階と1階と温室とを往復して上がったり降りたり。大体杭州を並べることができたがもう満杯。これから展示品をどんどん持ってくるだろうから、花が終わった日本寒蘭の展示品を下げてもらって場所を作るしかない。反対に棚がすきすきになった温室で一番奥にあった「峨眉山」は、4本上がった花茎のうち2本がネズミに食べられていた。1本はスリップスにやられたらしく立ち枯れている。残りの1本が障害物競走に勝ち抜いて、いい色に染めていた。他の鉢も花が上がっているので問題はないが、こちらにもネズミ捕りをしかけないといけない。
 作業をしていたら楊さんが来る。この間持ってきた選別品は、まだ温室にしまってあったのもすべて店内に並べた。中国から入ったばかりのものも、なるべく安く提供できるよう交渉して値札を付け替える。作りこんだもののうち最初に開いた青花は、なかなかしっかりとした顔をしていて色もいい。
 今年はどれもいい感じで咲いて写真を撮っておきたいが中々時間がない。細切れの時間を利用して1鉢づつでも撮っているが、全部撮りきれるか。「紫香楽山」がいい色で上がっていてすばらしいし、「侘助」も2鉢同じようなタイミングで開いてきて今かわいいところ。お客さんから持ってきた方は日が強かったのかかなりサラサが濃く出ている。ここで作った青サラサと並べてみたが、どちらも本当にかわいい。
 大田区のUさん、えびねのHaさんが寄る。土日は上野東照宮の社務所で香蘭会の寒蘭展が開かれ、ここに来ている人も何人か出品するので、日曜日の朝見せてもらうつもりです。


2006年11月16日(木)
 昨夜は冷え込んだ。日中ほとんど立ちっぱなしなので、寝ている最中によく足がつる。冷えてくるとこのために睡眠が妨げられて困る。手も急に荒れてきて、いよいよ蘭の冬支度を考えなくてはいけない。この時期ずい分暖かい日もあるから、そのコントロールが難しいが、段階を踏んで夏作から切り替える。今年は早めにビニールの準備だけは出来ているから安心だ。
 午前中人も少ないので、どんどん咲いてくる杭州や紫秀蘭の写真を撮る。今年の初花には中々いい花がたくさん出て、新しい売り物を並べるため、売れているものは2階に展示する。
 写真を撮っていたら初めてのお客様。この間注文があって発送した大分のIさんだった。いつもHPを見ていて、どんな店かどうしても一度行ってみたいと、結婚式で上京したついでに訪ねてくれたのだった。楽しい方で色々な話をしながら、実際に見るのは初めてという杭州寒蘭を選び、蘭花村鉢を買っていく。メールのやり取りだけの遠方の人がついでの折に寄ってくれると、こちらもぐっと身近な感じがしてうれしい。インターネットは顔が見えないから、HPでものを売るというより店の雰囲気と内容を分かってもらえたらと思いながら更新しているが、HPでのイメージを壊さなかったかな?。
 Iさんが帰ったあと浜ちゃんが来る。もう蘭作りは卒業したとはいえ、この季節には欠かせない人だ。預かっている「湖伊万里」は浜ちゃんが一番気に入っている花で、今年は真っ赤な軸にこれまでより緑の濃いつぼみが膨らみ、期待も膨らむ。きちんと咲いたら欅窯のいい鉢に入れて写真を撮ろうと話し合った。浜ちゃんも久しぶりにわくわくと血が騒ぐ様子。「もう早く全部杭州にして!」という声に促されて、まだ盛りの日本寒蘭はほとんど仕舞い、8割方杭州に切り替える。
 近くのSuさんが寄ってますますにぎやかに。埼玉のIさんからも電話が入る。「もう皆さん出動してますよ」と言うと、週末予定があって中々出かけられないのがもどかしそう。「岳陽」がすごい紅色に咲いているそうで、作の上手な人だから「展示して下さい」とお願いする。


2006年11月15日(水)
 日曜日は震え上がっていたのに、昨日はポカポカ陽気で強風。神代植物公園での寒蘭展の初日に出かけてきた。下町のHiさんが出した「日光」の大株が、たくさんの花を上げて見事。きりっとした寒蘭のたたずまいとは別に、これも華やかで見ごたえがあった。
 強風の休み明け、生の水苔は乾いている。落ち葉が山のように吹き溜まっている。風通しのいいところにあったプラ鉢が倒れている。その上2階に上がると、展示してあったKoさんの「隼人」の花がない!!。花茎の中途からネズミにかじられたようだ。後からとれた上半分が又半分に食いちぎられて、2階の隅にまとめてあるのが見つかった。何年か前の春蘭の時期に、ネズミが出没して花芽を食べ、人気コンクールを中止したことがあったが、又そんなことになったら大変だ。取られた花はちゃんと形が残っていて食べた形跡はないのだが、とりあえずネズミ捕りの粘着シートをしかけておいた。
 あちこちの後始末に追われてまだ全体を見る暇もない間に、目黒のFuさん、造園のTaさん、港北のHaさん、大田区のSaさん、目黒のOさんらが続々とやってくる。Haさんが買った紫秀蘭がちょうど開き始め、飛肩に丸い舌が下りてきて中々の花。「翁にしては元気が良すぎる」との外野の声もある中、予定の名前「白髭翁」が決定になった。
 もう2つの温室で杭州寒蘭がどんどん開いてきた。今週は入れ替え作業をするつもりだが、あまりにも急激で温室の棚をきれいにする時間がない。しかし日本寒蘭を下げないと、出してきた杭州を並べる場所がないから、花がついたまま温室に戻す。これからは日に日に開いてきて今度の土・日には主なものは咲いてしまうのではないだろうか。お出かけになる予定の方はお早めに。
 今店内には「黄玉山」「孤峰」「洞庭湖」「西湖」「崑崙」「翡翠」「挿雲」「東湖」「清潭月露」「翠鈴」「燕雀」「侘助」「楓林」「白玉壺」「逸品」「紫香楽山」「天童山」「紫極」などめぼしいものはほんとんど並んだ。「秀水」も開きかけていたから、明日には入れなくてはならない。この分だと12月は早めにおしまいになって、ゆっくりお正月の仕度が出来るかもしれない。
 去年あまり色が出なかった紅系統のものが、今年は期待できそうだ。「紫極」もまあまあの色が出たし、渋い「紫香楽山」も妖しいほど濃い色に染めている。
 メールでえびね、天草小蘭、イトラン、本など、この時期以外のものの問い合わせが色々あり、出してきて花芽や条数を確認したり、返事をしたりして遅くなったら、かなりの雨が落ちてきた。天気予報は晴れのはずだったと思ったが・・。


2006年11月12日(日)
 雨は上がったが、強い北風が冷たい。木枯らし1号になったのかどうか。お客さんも「寒い、寒い」と飛び込んできて、つけっぱなしの扇風機を止め、窓も閉める。
 今日は鈴木さんの3回忌法要で、家族は揃って留守。遺影を入り口脇の棚に飾り、好きだったお饅頭も供えた。一番気に入っていた「黄玉山」は早咲きで、今年もタイミング良く咲き、写真の位置からきれいに眺められる。
 開店と同時に大田区のSaさん、続いていつものKoさん、麻布のMoさん、中野の父子など次々と。Koさんは展示品の杭州寒蘭を積んでくる。まず昨日持ってきた杭州名品の株を物色。未確認株や選別品が色々入ったので見るのが忙しい。ごたごたした中で、Saさんは撮影に精を出している。中野の父子は蘭という共通の話題でうらやましいほど仲が良く、相談しながら、未選別株の中から花が開いた、捧心の抱えのいい青花を持っていく。
 昼から杭州マニアのIさん、出版社のSさん、港北のHaさんも集まって来て、本や鉢が出る。Sさんを残して皆が引き上げた夕方、久しぶりに朱さんが現れた。杭州をいくつか持ってきていて、荷を開けると真っ白くすばらしい根をしている。水苔で1株づつ巻いて鉢に入れ、値段をつけ、リストを作る。今回は初心者でも育てられる株で、値段も手頃。濃色はもう少し後で送ってくることになった。閉店時間を過ぎるまで中国の蘭事情を聞く。
 今日で日本の寒蘭展は終わりだが、「月輪」などはこれから咲くところ。来週からは花をつけたまま温室に戻して、店内は杭州モードに入る。


2006年11月11日(土)
 雷の音で目が覚める。昨日まで暖かい晴天が続いたのに、今日は悪天候の予報。それでもお客様のところに行って、花のついた杭州名品を受け取ってくる。欅鉢も含めて個性的な鉢が色々あり、鉢は別に出す予定だ。「紫芳山」「侘助」「翡永丸」「清潭月露」他全部で10鉢が入ったが、ちょうどそこへ来たOさんが、並べた中から「侘助」を押さえる。うちの「侘助」は「こんな木に」というほどのスリムな株につぼみをつけているのだから、それよりは大分ましだ。
 昨日と今日入荷した杭州選別品のリスト作りに追われる。パソコンにだけ頼ると、又データが消えてしまうこともあり危険だが、取りあえず入力をしておいて、バックアップも考慮することになるだろう。データは日々更新されるからバックアップといっても大変なのだが、今度のパソコンは早いから楽だ。HPを立ち上げても読み込みが早く、前のとはずい分違う。
 天気が悪いのでお客様の出足も悪く、Oさんの他は駒場のWaさんと近くのSuさんだけ。Waさんは紫秀蘭の選別品で舌の大きな株を予約する。拓也さんがいるチャンスにとデータの入力を頼み、何とか懸案が片付いた。明日は鈴木さんの3回忌の法事だが、店は通常通りやってます。


2006年11月10日(金)
 昨日に続いて暖かい。昼前に楊さんが中国から入ったばかりの選別品杭州と紫秀蘭を持ってくる。どちらも花が開いて輸送しているので、花型は多少くずれている。今日はかわいい娘さんと一緒。とてもきれいな発音の日本語で、パパよりはずっとうまい。未選別杭州の花が上がってきたのも8鉢追加する。こちらはここで作っているのより花芽の進み具合が遅く、まだくっついている段階。これで今年の初花株は終わりだ。
 中国が盛んに杭州の選別をするようになったので、これから未選別株といって輸入しても面白みがない。かつてのように山採り株を夢中で選ぶ楽しみは今に無くなるだろう。昔たくさん入れた株を育てている中から初花が上がってきたというのが貴重品になるかもしれない。花のつかないのがたくさんあって植え替えも大変だが、大切にしないといけない。入荷した分の写真は撮る暇がなく、明日以降順次アップする予定。
 新しいパソコンは動きが早くて快適だ。失われたファイルも徐々に復活するべく努力中。少し古いバックアップだから、修正、追加が必要だが。ただごく最近作ったファイルはバックアップがなく、困るものもある。そのひとつが「購入希望」のファイル。お客様から「これが入ったらお願い」と言われているものが、蘭でもえびねでも古書でもあって、「はいはい」と返事しているのに、時間が経つと誰の注文だったか忘れてしまう。それを防ぐためにパソコンに入力するようになったのが、消えてしまった。これをご覧の方で、頼んでいるものに心当たりのある方はメールでお知らせください。新しくファイルを作ります。
 いつものKoさん、近くのSuさんが寄り、目黒のFuさんが「日光」を展示してくれる。夕方横浜の母娘が訪ねてくる。亡くなったおじい様がやっていた蘭が残されていて、管理の仕方もわからずに作っていたが、何ていう蘭なのかわからないので、とりあえず見てみようとHPを頼りにやってきたという。よく246を通るそうで、車の中から温室や鉢がたくさんあるのを見ていたが、ただ蘭の好きな家だと思っていたらしい。住所を頼りに来てみたら、元から見ていたところで驚いたと言っていた。看板が目立つように出ているわけではないし、趣味でやっている程度の規模だから仕方がない。植え替え用に蘭花村鉢を買い、店内を見ているうちに咲き始めた杭州寒蘭に魅せられてしまった。どうしてもこの白い舌のをやってみたいと、未選別株から1つ選び、「咲くまで置いといて」の仲間に入った。
 日曜日までは日本の寒蘭展だが、杭州がどんどん咲いてしまうので同居状態。「孤峰」も先が割れ始めて店内に飾る。来週からは少しづつ杭州に場所を譲っていくことになるだろう。
 明日は白石は都内某所に寄ってから昼ごろ店に出ます。杭州名品を少し持ってくるつもりです。


2006年11月9日(木)
 杭州未選別株の発送を2件済ませる。午前中はいつものKoさんが寄っただけ。時間がある時にと作場を丹念に見回る。根巻きになっている株を開けてみて、いい根が出ているものは砂植えに、根の悪いものは新しい水苔で巻き直す。
 HPを見て古書を買いに来た人や、何年ぶりかで寄ってくれた人などがポツポツと来て、蘭花村鉢や紫秀蘭が出る。紫秀蘭も残り3鉢となった。
 温室の中の杭州寒蘭が次々と笑い出している。まだこれから咲いてくる寒蘭もあるのに、出してこないわけにはいかない。道路側の棚に先が割れてきたものを並べる。亡くなった店主が好きだった「黄玉山」は正面右端の定位置に収まった。
 未選別杭州も早いものは花が開きだした。咲き始めはどれもすばらしいが、1週間後にどうなるかだ。お知らせの写真を一部更新する。
 夕方近くのSuさん、川崎のKiさん、埼玉のSiさんなどが寄って、2階の展示品を鑑賞。Koさんの「玉金剛」は皆が褒めていく。


2006年11月8日(水)
 昨日は嵐のような風が吹いて、夜から冷えてきた。北海道では竜巻の被害で大変なことになっている。
 午前中世田谷のMaさんが来る。病後で運転は禁止されていたのが、近いところならいいとお許しがでたそうで、久しぶりに車に乗ってきた。それだけ元気になったということで良かった。杭州初花株の予約を清算に来て、又新たに追加してしまう。元気を与えてくれるならこれも薬だ。「又皆が集まっているときに来ます」としばらく蘭の気の中でエネルギーを補給して帰っていく。
 続いて所沢からのお客様。サラサの色がぐっと乗ってきた未確認杭州と紫秀蘭を選んでいく。初花株はそろそろ開いてくるのもあり、残り少なくなった。これからは選別品の出番だ。
 午後Uさん父子が、「酔虎」など展示品の紀州寒蘭を2鉢持ってきてくれる。べた舌が好きで色々な種類を持っている人だ。電話で杭州寒蘭が欲しいというのに応えて品物を選んだり、発送予定のものを送ったりして、夕方ようやく写真を撮る時間が出来た。外付けのカードリーダーを買ってきて接続したら、すいすいとうまくいく。とそこで恐ろしいことに気がついてしまった。前のパソコンだって、これを使えば大丈夫だったのだと。たった1980円の投資で済んだのかもしれない。もっと早く思いつけば良かったが、後の祭り。
 新しいパソコンは動きも良くなって、使いやすいように細かいところを修正し、すっかり馴染んできた。


2006年11月5日(日)
 朝来たら浩司さんがもうパソコンの前に座っている。最初はすぐに終わると思っていたようだが、昨日やってみて、これは大変な作業だと認識をあらためたようだ。今日は各種ソフトをインストールしたり、使いやすいようにカスタマイズしたり。だが、昨日無くなったファイルは出てこない。
 今日は注文の鉢や蘭を発送。午前中から下町のHiさん、いつものKoさん、麻布のMoさん、港北のHaさん、中野のEさん、目黒のHiさん、出版社のSさんに、初めてお客や久しぶりのお客など一日中大賑わい。夕方遠出していた大田区のSaさんも帰りに寄り、近くのSuさんも参加して2階は集会所となった。6時過ぎまで笑い声が絶えないで、楽しく過ごす。
 結局古いパソコンは失われたファイル復元のため、パソコン専門店に預けた。うまく取り出してくれればラッキーだが、これがだめだったら影響大だ。やはり移す前にコピーを取るという大原則は守らなくてはいけない。「急いては事を仕損じる」のたとえもある。
 だが今日は拓也さんと3人。「3人寄れば文殊の知恵」とばかり、「このファイルはこの添付ファイルから取り出せる」とか、「こちらから戻せばいい」とかアイディアが出てきて、遠くに小さな灯火が見えてきた感じ。古いパソコンがあったところに新しいパソコンを設置し、不完全ながら動きだした。メールももうOK。HPの更新も出来ると写真を撮り、カードアダプタを差し込もうとしたら、ナントこのパソコン、差し込むところが無いのだ。外付けのカードリーダーを買ってこなくてはいけないことがわかって、「全く何やってるんだ・・」。
 そんなわけで、メールは通じるようになりましたが、写真の更新はまだちょっとお休み。


2006年11月4日(土)
 昼前に新しく買ったパソコンを出してきた。ちょうど寒蘭展の最中で白石は忙しいから、浩司さんにすぐ使えるところまでやってもらうことになっている。セットアップが終わり、クロスケーブルで2台のパソコンをつなぎ、共有フォルダに転送、新しいパソコンに保存という手順で始まった。
 店では大田区のUさんが青八咫ベタ舌や秀峰を展示してくれる。新潟の蘭愛好家のHaさんが、欅寒蘭鉢を探しにきて目当てのものが見つかり、喜んでいる。出版社のSさんの皆が期待して見守っている杭州も開きだした。
 夕方手が空いたところでパソコンの様子を見ると、かなり難航していた。サポートに電話して指示を受けながら作業を進める。前回5年前に入れ替えた時より何倍もデータが増えているから、転送も時間がかかる。そして何より新しいパソコンが動作が遅くてどうにもならないのだ。サポートに言うと、「起動と同時に動き出すものをいくつか削除してみてください」というので、グーグルツールバーなど2つを削除。少しは動きが良くなった。「サービスで入れてあるだけですから」というが、こんな動かなくなってしまうものがサービスとは。確認もしないのだろうか。
 ようやく転送が終わり、漢字辞書などもインポートし、アドレス帳やお気に入りも移した。Outlook Expressの設定も終わり、受信トレイも何とか移動できた。段々にパソコンらしくなってきたところで調べると、一番大事なフォルダがなくなっている。古いパソコンにも残っていない。一体どこへ行ったのだと検索をかけても出てこない。夜も11時近くになってしまい、又明日ということにして帰った。


2006年11月3日(金)
 今年も文化の日はきちんと晴れた。風も無く穏やかで行楽には絶好の日和だ。3連休を利用して遠出する人も多いのだろう。その分店の方は閑散としていて植替えがはかどる。
 夕べ帰りがけに温室を見廻ると、杭州のところで花が咲きだしていた。出してみると「東湖」。早速店内に飾ったが、1鉢でも存在感があってつい目がいってしまう。堂々とした日本の寒蘭とは別物の清潔感が魅力だ。
 麻布のMoさん、駒場のWaさんが来た他は、常連さんは日曜日の予定。埼玉のIさんからも電話があり、集まることになるかもしれない。
 何回目かの父親と若い息子が来る。丁寧に全体を見ていたが、杭州初花株の中から、一際濃い緑の株と花間の良いいい形のつぼみを選び出す。まだどこか幼さの残る顔立ちにもかかわらず、相当な知識で選んでいるようだ。聞くと幼稚園の頃からえびね、フウランに始まって、カンアオイ、春蘭、寒蘭などの古典園芸に夢中になってきたのだという。絵本の代わりに富貴蘭図鑑を見て、全部覚えてしまったというから驚きだ。何事もどんどん吸収する時期の頭には、大人はかなわない。こちらのキンゾクヒロウの脳みそでは太刀打ちできない筈だ。
 仕事帰りに狛江のHiさんが寄って、注文の「日光」を持っていく。今年いいものをいくつか揃えて、楽しみでわくわくしている様子にこちらも嬉しくなる。
 明日土曜日にパソコンのセットアップとデータ移動をする予定です。何のトラブルもなく終わっても明日1日パソコンが使えません。緊急のメール連絡は無理と思われますので、HPがアップするまでは電話等をご利用ください。


2006年11月2日(木)
 万年青専門でやっている人が来る。去年友人から「豊雪」をプレゼントされたのが、今年2本花があがって開き出したところだという。感動して他の色もやってみたいと、咲く寸前の「桃里」を持っていく。一つの植物を極めた人は全く違うジャンルのものでも、水遣り、明るさ、用土、肥料、消毒などポイントを押さえてから管理するので、失敗せずに良く出来る。これから集めようという人が、簡単に花付きを鉢ごと買えるようになったのだから、昔高い頃に集めた人は悔しい思いをしてることだろう。
 その高い頃買っている近くのKaさんに、注文のあった「日光」の花付きを持ってきてもらった。すばらしい発色でつぼみが上がっていて、「買ったときはメチャクチャ高かったんだよ」。それでも「趣味で楽しんだ後なんだからいいよ」と出してくれる。申し訳ないが今の相場が下がっているのだから仕方が無い。
 いつものKoさんが寄って蘭を置いていく。目黒のOさんがHPを見て選んだ未選別杭州を買いにくるが、一足違いで注文が入ってしまった。現物がここに並んでいるのより、写真で見た方が一つ一つじっくり見られるようで、「又HPで見てきます」。
 蘭花村鉢が入荷。品切れになっていたマンガン釉の小などが入った。一緒に入っていた新しい飴釉は、粗い肌のつや消しでちょっと渋い。大きな箱に詰め合わせてくるのを、全部出して色形別に分け、取り出せるようにストックする。正直言って大変な作業です・・・。


2006年11月1日(水)
 新築祝いに寒蘭を贈る人が来て、遠くまで持っていくというのを慎重に包む。蘭鉢と杭州寒蘭の地方からの注文を発送する。
 港北のHaさん、いつものKoさん、大田区のSaさんが来て、大分花芽が進んできた杭州初花株を1鉢づつ吟味している。どれも段々良さそうに見えてきて、「今年はもう初花株は買わない」と言いながら、Koさんは又1鉢。そのうち今年の当たりくじは誰の手にということになるのだが、それまでのわくわくがたまらない。
 「豊雪」を注文していた狛江のHiさんが品物を取りに来る。安くなった今がチャンス。代表的な名品を揃えたいとあれこれ本を見ながら選んでいく。
 仕事帰りに川崎のKiさん、近くのSuさん、埼玉のSiさんが寄る。今年のSiさんは丁度見頃の「蛍雪」にした。まだつぼみの株も咲く寸前といったところ。中国寒蘭の「大河」も明日は開きそうだ。今週は次々と咲き揃うだろう。
 夕方又写真を取り込めなくなり、「きょうのショット!」は休むことにする。パソコンの機嫌次第だから、拍子抜けするほどうまくいくこともある。そんなときは「新しいパソコンを買ったのは早まったかな?」と一瞬不安になるが、そのあとすぐに差し込んで電源が落ちると、かえってほっとするという変な現象だ。この週末セットアップとデータの移動が出来れば、こんなストレスはなくなるはずだ。


2006年10月29日(日)
 朝一番で大田区のSaさん、下町のHiさん、近くのKaさんが来る。奇花好きのHiさんは、「絹巻」「世界の輪」などHiさんらしい花と「日向」「紅サラサの良花」などを展示してくれる。
 世田谷のHaさん夫妻も来て、グリーンクラブの様子を聞く。蓮弁など中国からの高価な銘品もあったというと興味を持たれたようす。SaさんHiさんも揃って昼からグリーンクラブへ。そちらで又顔をあわせることになるだろう。
  Hiさんの展示品が来て1階は満杯になった。2階にはまだ鉢が並んでいたのを片付けて展示コーナーにする。棚下の収納場所に余裕がないので、奥の方にある段ボール箱を出してみた。22年前私がここへ来て以来初めてで何が入っているのかわからない。浩司さんに埃だらけの箱を出してもらうと開店当時のもので、今では全く要らないものばかり。こんなものが貴重な収納スペースを占めていたのかとあきれて、すべて処分。
 初めてのご夫婦が新築祝いにと、いい株の「金鵄」を選ぶ。まだつぼみが上を向いているので、これから長く楽しめる。相手は寒蘭をやっていない人だそうだが、シンビジウム並の値段になったのに格調高く、贈り物には最高だ。土佐寒蘭本場の出身Uさんが、いい色につぼみが上がった「土佐鶴」を買っていく。
 注文のパソコンが届いた。今日はどうすることも出来ないので、とりあえず箱に入ったまま片付けておく。これをいつセットアップできるか見通しがたたないが、寒蘭展の最中のこと、浩司さんにすべてやってもらうことにした。来月3、4、5の連休に時間を作って、何とか使えるようにしたいものだ。


2006年10月28日(土)
 直行で上野グリーンクラブへ行く。売店の方はつぼみも多かったが、3階の展示場はきれいに咲きあがっている。この3日間に照準を合わせて調整してきたのはさすがだ。こちらは自分の店での展示だから、早くても遅くても関係なく、自然に咲くのを待つだけ。開花調整などはしたことがない。売店に並んでいるものの中には、例の針金で花茎を巻いているものがいくつもあった。
 豊美園の藤崎さんや蘭万園の有賀さん達と挨拶して少し話をする。いつも店に来てくれるお客さんにも何人か出会って挨拶。皆こっちの寒蘭展に来ているから、店の方は誰も来ないだろうと、ゆっくり見て廻り買い物をする。帰るとやっぱり誰も来ていなかった。
 発送がいくつかあって、鉢植えを抜いて根巻きにし、梱包が終わると、買ってきた根巻きを鉢に植え込む。「蛍雪」と「虹雪」がようやく笑い始めた。今日近くのKaさんに持ってきてもらった「豊雪」は乳白色によく抜けていて、ここで作っている緑の乗った「白鹿」とは大違い。並べては置けないので、「白鹿」は別の棚に退散した。


2006年10月27日(金)
 まず未選別杭州の地方からの注文分を発送する。
 いつものKoさんが寄って「隼人」を展示。まだつぼみが横を向いてないので、しばらくかかりそうだ。
 「黄金月」と「天竜紅花×紅娥」が開き出した。これでようやく4鉢。広告を見て始めてのお客さんが来てくれるが、つぼみばかりで申し訳ない。それでも杭州寒蘭目当ての人が、未選別杭州と紫秀蘭を買っていく。
 午後からは続々で、久し振りに目黒のKoさんが来てくれる。蘭の大先輩だが、花茎の針金を見て「何ですかこれは?」。実物のアルミ線でやり方を見せると、「うちのはどうしても光の方に曲がってしまうから、いいねえこれは。やってみよう」ということになった。目黒のSiさんも1年ぶりに来て植替え用土を買っていく。九州からも杭州寒蘭の注文が入る。
 港北のHaさんも杭州未選別株を買っていく。「ルーペのSさんに対抗するには際物狙いでいくしかない。」と葉幅の広いタイプを選ぶ。「ルーペさんは忙しいらしくてまだ選んでないんですよ」と言っていたら、夕方になって現れた。全然休みがなかったそうで、とりあえず押さえてあったのをしっかり検討していく。
 狛江のHiさんも久し振りに来る。春蘭が目当てだったが、もうすぐ咲きそうな寒蘭を見て、「やっぱり寒蘭をやってみたくなった」。中国春蘭は来春にして、花が咲いた頃又見にくることになった。
 明日は朝上野グリーンクラブに寄ってから、昼頃店に出ます。


2006年10月26日(木)
 「自然と野生ラン」の広告を見たといって、何人かが来てくれる。世田谷のNaさんが小柴さんの鉢を買いに来て、目に留まった蘭花村鉢も買っていく。近所のKaさんが株分け用の鉢を探しにきたついでに、久し振りに作場をぐるっと見ていく。どの棚もきれいによく出来ているとお褒めの言葉をいただいた。植替えをするといい新芽が出てくるし、砂が新しくなって見た目がきれいだ。忙しい思いをした分報われた気がしてうれしかった。
 夕方会社の帰りに千葉のTさんが寄ってくれたが、そのほかは大部分を写真撮影やHPの更新に費やす。昨日撮影したコンパクトフラッシュを家に持ち帰り、自宅のパソコンで開いたのをフラッシュメモリーに入れて持ってきた。ところが今日は、電源が落ちることを覚悟で「きょうのショット!」の写真を撮って挿入すると、何と普通に認識される。機嫌がいいうちにと、杭州初花株の写真を次々と撮り、HPにアップしていった。明日続きの作業をすれば、全部アップできるだろう。紫秀蘭のつぼみも丸くふくらんできて、きれいなグリーンを見せている。大分伸びてきた花芽の写真も更新したいし、パソコンが働いてさえくれればしたいことはたくさんある。


2006年10月25日(水)
 寒蘭展が始まったが、まだ2鉢しか咲いてない。花芽がぐんぐん進んでいたので早いかなと思ったが、意外とゆっくりとしていて一向に開かない。やはり11月に入ってしまうのだろう。杭州寒蘭もずいぶん花芽を伸ばしているから、重なってしまうのが困る。
 三橋さんが頼んでおいた寒蘭鉢を持ってきてくれる。このところ製作の方も次第にエンジンがかかってきたそうで、注文を受けていたものをぼつぼつ手がけるようになったという。何事も一度完全に止まってしまうと、次に動き出すまでが大変だ。「やっぱり止まっちゃ駄目ですね」と言っていた。「自分の植える鉢が無くなってきたから」と焼き始めたそうで、「それなら来年の蘭鉢展も期待出来ますね。あまりプレッシャーはかけませんが・・」と希望がつながった。
 店の欅鉢の棚を見て、青白磁のいい鉢に目を留める。手に取って「やっぱり僕の鉢だけど、全然覚えてない。こんなの作ったかなあ」。三橋さんのいつもの線とは違うが、昔鉢好きのお客様が買って植えていたものだ。中身が無くなって鉢だけきれいにして置いてある。やはり鉢は目に飛び込んでくるようだ。
 昨日は震える寒さだったが、今日も少しひんやりの抜けるような青空だ。近くのSuさん、川崎のKiさんが寄ったくらいで、いつもの通り静かなスタート。お客さんが入ってきたと思ったら、「レンガを引き取ってもらえませんか」という話だった。マンションのベランダに敷き詰めていたのだが、引越しをして要らなくなった。ゴミとして持っていってくれず、処分に困っているという。園芸店というとガーデニングという連想なのだろうが、こちらは扱っていないとお断りするしかない。それでも連絡先を聞いておいて、造園のIさんに念のため聞いてみた。
 「今は何でも捨てるということにすごくお金がかかるんですよ。土でもなんでも買うときと同じくらい処分するにもお金がかかるし、分別がやかましいので土、ガラ、自然石など、きちんと分けないと処分できないんですよ。だから造園屋もストックを出来るだけ置かずに、必要なものをその都度必要なだけ買ってくるんです」ということだった。「いつか使うかもしれない」ものをストックしておくことはできない時代なのだ。買う時に「これを処分するのに又お金がかかる」という意識を持つことが大事なのだろう。
 「杭州寒蘭未確認株の画像を出して」というリクエストでページをアップしたが、デジカメの画像を取り込むとトラブルが発生するので、取り合えず出来た写真だけを載せた。まだいくつもあるので徐々に追加していくが、道は遠い。そんなわけで「今日のショット!」は休みます。


2006年10月22日(日)
 面白い一日だった。まず朝一番に大田区のSaさん。今日は特に約束をしていないというが、続いて下町のHiさんも。Saさんは、まだ花があまり咲いてないだろうからと、多肉植物コノフィシム「玉彦」の花がきれいに咲いているのを、Hiさんは3本花が上がった大株の黄葉寒蘭「御樽桃」を持ってきて飾ってくれた。
 目黒のOさんも蘭花村鉢を買いに来る。先週来てきのこ狩りの話をしていった川崎のTaさん夫妻が、「話だけじゃ申し訳ない」と「じごぼう」を冷凍して持ってきてくれる。貴重なものをご馳走様。楽しみにいただきます。
 「今日はKoさんは来るでしょうか」と噂をしていたら、やっぱりやってきた。これでいつもの3人が揃い、作場を覗いたり、未確認杭州を品定めしたり、おしゃべりをしたりでにぎやかに。その間杭州初花株をそれぞれ又押さえる。
 午後中野のEさんが来て4人が並んで座り、次から次へと話に花が咲く。暗くなるまで大いに盛り上がって皆が帰った後、もう閉店するばかりとパソコンに向かった途端、若いお客さんが現れた。前にも来て日本春蘭を買っていった人だが、今日も暗い中一生懸命棚を探している。聞くと演劇の台本を書いているのだそうで、「まだ修行中でお金がないんです」ということだった。「安かったからとインターネットオークションで2品種買ったら、両方とも枯れてしまった」とか。「やっぱりお店で買いたいけれど、この金額で何とかなりますか?」と持っているお金を数える。「がんばってうんと有名になってね」と将来ある若者を応援するつもりでサービスしてしまった。
 「柿右衛門」と「女雛」をもって行ったが、「柿右衛門」には花芽がついていた。にょっきり出ているのをこれまで気が付かなかったうかつさで、これでは来春の色は全く駄目だ。日本春蘭の棚を探しているとき、土盛りしてあった花芽が土を切って顔を出してしまっているのも見つけた。夏の終わりに花芽に気づいたものは慌しく土盛りしたが、その後も気をつけていないと、後から花芽が上がってくるのもあるし、伸びてきたのをキャップに変えなくてはいけなかった。蘭鉢展があまりにも忙しかったのと、終わるとすぐに寒蘭の準備に追われて、日本春蘭の色だしはすっかり飛んでしまっていた。気が付いたものはすぐにキャップを被せて水苔で覆ったが、まだまだ修行が足りない。反省!。


2006年10月21日(土)
 夕べ遅くまで写真を撮って、いざパソコンにカードを差し込むと電源が落ちてしまった。2回それを繰り返した挙句あきらめて帰り、今朝やってみると、うまくいくのは5回に1回ほど。ソニーのサポートに電話をして、カードのコントローラを更新しても解決しなかった。カードアダプタは別のパソコンでは問題なく使えるのだから、パソコン本体の問題と思われる。昨日の写真は何とか取り込めたが、毎日こんなことで時間を無駄にしているわけにはいかない。
 拓也さんが、「時間がもったいないし精神衛生上もよくないですから」と、新しいパソコンを買ってくれることになった。ここへきてエアコンも買い換えたし、色々なものが一度に寿命になってしまって痛手ではあるのだが、仕事上今ではパソコンなしではやっていけない。今の機種は5年前の大晦日に移しかえ作業をやったのだから、こんな環境で毎日使っていれば仕方ないか。
 とに角インターネット上からパソコンを注文した。新しくなって調子が良くなるのはうれしいが、これから忙しくなる時期に、又移しかえ作業をすることを考えるとため息だ。我が家でやったときには深夜までかかったから、何日か使えない日が出るに違いない。その時には事前にお知らせします。
 注文の本を発送し、お任せの発送用杭州寒蘭も品物を選んだ。出版社のSさんが来た他は、覗いていった人がいるだけで、ほとんどパソコンのことで1日が過ぎてしまった。


2006年10月20日(金)
 楊さんが杭州寒蘭の選別品と未選別品を持ってくる。選別品は花が咲いてからでないと売り物にならないから、とりあえず未選別を並べることにする。蘭鉢展の名残でまだ鉢がたくさん並んでいるのを片付けて、寒蘭を並べる場所を空ける。
 青森と九州から、杭州寒蘭の未選別株が欲しいと電話が入る。又写真を撮ってHPに載せたいと思うが、画像を取り込もうとするとパソコンが落ちるので、順調に作業できるかが問題だ。
 今年86才になる鷺沼のMiさんが、案内状が届いたからと久し振りに顔を見せてくれる。杖はついているがまだまだ元気だ。
 すずき園芸がスタートしたのが寒蘭展から。鈴木さんが亡くなったのは杭州寒蘭展直前だ。どうしてもこの時期は古いお客様を中心に、鈴木さんの話題になる。この間は厚木のTaさんからえびねの「金鳥」についての問い合わせがあり、しばらく昔話になった。
 10月5日にMaさんが白い髯の鈴木さんに会った夢を見たという話を書いたが、それを読んだ港北のHaさんが、買った紫秀蘭に「白髯翁」(はくぜんおう)という名前を用意したと言ってきた。Haさんは一昨年緑の濃い杭州寒蘭に、鈴木さんに因んで「聖鈴樹」(せいれいじゅ)という名前をつけている人だ。あっという間のこの2年間だったが、その存在感は薄れることがない。笑って思い出話ができるよう、これからも明るくいきたいものだ。
 早いということで、私のお気に入りの小話を一つ。
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 太陽と月と雷が旅の宿で一緒になり、酒盛りで大いに盛り上がりました。
翌朝雷が起きてみると、二人がいません。番頭に尋ねると
「もうお発ちになりました。」
「さすがに月日のたつのは早いねえ。」
「それでお客さんはいつお発ちで?」
「おいらは夕だちに決まってらあ。」

 失礼いたしました。


2006年10月19日(木)
 朝から看板作り。プリントを9分割して拡大コピーしたものを貼り合わせる。今はイラストレータで完成版を作ってしまうので、貼る作業はぐんと簡単になった。午前中に完成させてホッ!。
 昼からは植替えに取りかかる。途中いつものKoさんが寄ったが、夕方まで続けて今日の予定はクリア。そこへこの間スルガランの植替えを頼んだ女性が引き取りにくる。結局3鉢が4鉢になってしまい、2回に分けて持ち帰った。
 明日杭州寒蘭の花芽つきが入る予定だが、花が咲き揃うまではしばし静かな日が続くだろう。今日は久し振りに早く帰れそうだ。


2006年10月18日(水)
 昨日は埼玉県入川渓谷ブナの森をハイキング。紅葉はまだ始まったばかりだが、天気も上々で気持ちの良い山歩きだった。
 午前中紫秀蘭の発送を終わらせて看板のファイルを印刷する。プリントをカラーコピーで拡大し、張り合わせる準備だけは済ませた。週末には掛けられるはずだ。
 本や鉢の注文があり、品物を手配する。今日は電話やメールのやりとりだけで、店に寄ったのはいつも仕事帰りに寄る川崎のKiさんだけ。Kiさんと話しながら植え替えを続ける。去年ほとんどの鉢を植え替えたから、もうあまり古い日付の株はないはずだ。ところが、花付きの鉢を店内に入れたため手が届くようになった一番奥のものを出してみたら、11年となっているのが見つかった。元々ひびが入った楽鉢だったのだろう。雷に打たれた大木のように、鉢が縦に裂けている。根がぎっしりと張っていて、根の力で裂けたものと思われる。割れている鉢を更に割って取り出すと、真っ白い根が1本も傷んでない。葉先の傷みもなく、惚れ惚れするような株だが、花はきていないし、大株の割には新芽も1本だけ。肥料ももらってなかったせいだろうと、割って植え替えて肥料も置く。明日看板を作ってしまったら、やっと蘭の管理に専念できそうだ。


2006年10月15日(日)
 下町のHiさん、大田区のSaさんが示し合わせて来る。続いて川崎のTaさん夫妻も久し振りに顔を見せる。去年初花株を買っていい花が咲いたTaさんは、今年も未確認株を選んでいく。先週きのこ狩りに行ったばかりのSaさんとTaさんは、きのこの話題で盛り上がっていた。
 昼からは港北のHaさん、麻布のMoさん、中野のEさんら。埼玉のIさんからは杭州寒蘭の具合を電話で問い合わせてくる。紫秀蘭も日に日に花芽を伸ばしてきており、売約済がかなり出てきた。寒蘭のつぼみはまだ上を向いているが、気分は次第に盛り上がってきている。
 拓也さんは案内状の切手貼りを終わらせて、あとは出すばかり。
 今日は看板作りに取り掛かるつもりだったが、やはり土日は無理のようだ。休み明けには何が何でもしなければ間に合わないが、発送の予定もあるし、中々まとまった時間が取れないのが悩みだ。


2006年10月14日(土)
 私用で午前中休み、1時前に店に着く。留守の間に欅鉢を見にきたお客さんがいたのと、蘭花村鉢のマンガン釉大が届き、浩司さんが案内状印刷にかかっていた。
 昼から昨日頼まれたスルガラン3鉢の植え替えを始める。どれも長い間植え替えてないらしくぎっしりで、予想通り抜けない。いくら叩こうがびくともしないし、真ん中の枯れ込んでいるバルブにはさみを入れて取り除いても、全く動かない。自分のものだったらとっくに鉢を割っているところだ。
 とんとんとやっているところに出版社のSさんが来る。新たに1鉢展示する杭州寒蘭を持ってきて、代わりにこの間目をつけていた尢魔買っていく。続いて駒場のWaさんが来て生の水苔や松村鉢を買う。葉書用紙を買ってきた浩司さんに、さっぱり抜けないスルガランの鉢を渡して選手交代。そこへ世田谷のYoさんがケーキを持ってきてくれた。最近は洋蘭の方にシフトしていて久し振りだが、毎日HPのこの欄を見ていてくれるので、いつも来ている位様子が分かっているという。話をしながらも鉢を叩く作業は続く。Yoさんからプレゼントされたケーキ作りのパレットナイフももちろん出番だ。
 Yoさんが帰っていよいよ本格的に抜けない鉢と格闘。それを見守るWaさんが、たまりかねて手を出す。3人掛かりで押したり引っ張ったり悪戦苦闘の末ついに抜けた時は、もう薄暗くなっていた。秋の日はつるべ落とし。悪くなった根を整理して植え込むのに、この間取りつけたライトが役に立った。
 閉店時間まで同時進行でやっていた案内状印刷が終わり、宛名印刷は浩司さんが家に持ち帰ってやってくれることになった。やっとパソコンが空いてHPの更新。大変!、今日明日にもアクセス25万に届きそうだ。


2006年10月13日(金)
 朝大田区のSaさんが寄って頼まれていた本を、その後杉並のマニアUさんが来る。
 さすがに植替えのシーズンだ。まず年配の女性が用土が欲しいと来店。1鉢だけだというので蘭を持ってきてもらった。花が咲いていたのに段々駄目になってきたというのを見ると、大きすぎる鉢に庭の土で植わっている。根はほとんどぼろぼろなのを洗って、別の鉢に植え替える。途中で「用土を下さい」と男性客。混合砂と松村鉢を選んで買っていく。
 2人の対応に追われている最中に、水道工事の人が来た。このところ駐車場横の私道がいつも水で濡れていて、水道管が破れているらしい。工事会社の都合がつき次第、今日中に工事をすることになった。たびたびそちらにも呼ばれて植替えは中断。そこに港北のHaさんも来て、作業はどんどん遅くなる。ようやくきれいに仕上がると、「見違えるようになりました」と喜んで大事そうに持って帰った。
 横浜のHさんから久し振りの電話。きのうショット!に出した針金かけの全体を知りたいという。これは今年仕入れた情報で、結果を確認しているわけではないが、とりあえずいいということは試してみるという方針の一つだ。
 まず、花茎の伸びる長さより長く0.8ミリのアルミ線を切る。それを細めのサインペンくらいの丸い棒に巻きつけてコイル状にし、びゅーんと伸ばす。針金の端はバックの株元に軽く巻いて固定し、花茎の元からぐるぐると巻きつけていく。くせがついているから簡単に巻きつく。花茎が硬い部分まで巻いたら先端は丸めたままにして、伸びたら徐々に上まで。これで少しづつ矯正していくと、途中の曲がりも修正できるということだった。これは土佐寒蘭の本場の人から教わった方法で、実際にやっているという。支柱を立ててしばっていくのが一般的だと思うが、どちらがいいかやってみようと実験中。
 今日の予定は何が何でも案内状のファイルを作ることだった。植替えが一段落したところでパソコンに向かう。明日印刷する準備はできた。
 夕方「前にもやってもらった」という女性客がスルガランの大鉢を3つも、植え替えて欲しいと持ってくる。預かって植え替えることにしたが、鉢一杯で抜くのも大変そうだ。こちらは今日は時間切れ。結局水道工事は暗くなるまで続き、しばらく水の出も止まって大工事になってしまった。
 明日白石は午前中休みで午後から出ます。


2006年10月12日(木)
 今週は木曜スタート。これまでにも何回かあったが、やはりまだ一寸違和感がある。まず注文の鉢の発送を済ませ、ひと坪園芸や自然と野生ラン11月号が届いたのを、荷を解いて並べる。
 午前中にいつものKoさん。昼から大田区のUさんが来る。盆栽用の細いアルミ線をらせん状にして寒蘭の花茎に巻き、曲がりを矯正する方法をUさんから教わったので、早速試してみたのだが、今日見てうまく修正してくれた。やってない鉢にも巻いたりと、段々慣れてくると面白くて、しばらく二人でこの作業を続ける。
 終わった頃目黒のOさんが来る。これまでにも蘭花村鉢をいくつか買っていただいているが、新しいマンガン釉もお買い上げ。そこへ新企画の大塚さんが取材に来る。マンガン釉を見て、「蘭花村鉢にこんな渋いのがありましたっけ?」新作だというと、「これはいけますね。人気出るんじゃないですか?」
 朝送った鉢もマンガン釉だし、夕方売れたものもこれ。丁度蘭花村の村長さんから電話で、新しく大も焼けたから送ると電話が入ったところだ。植替えの適期だし、これから寒蘭のシーズンだから、植える鉢に困ったら是非検討してもらいたい。
 夕方川崎のKiさんが寄る。月曜日にあれほどうまくいかなかった写真が、今日はほとんどうまくいく。やはり2日間休んだので、機械もリフレッシュできたのだろうか。このパソコン、使いすぎなのかもしれない。このチャンスにやってしまおうと、紫秀蘭をお知らせのところにアップする。寒蘭展の看板と案内状もすぐ取り掛からないと、又ぎりぎりになってしまった。パソコンには引き続き頑張ってもらわないといけないようだ。


2006年10月9日(月)
 朝来たら駐車場に車が2台止まっている。厚木のTaさんと横浜のKaさんだった。掃除をする暇も無く直ちに店を開ける。
 海山で遭難が相次いだ大荒れの連休だったが、最終日の今日は文句のつけようが無いほどの好天気。からっとして何をやっても気持ちいい。厚木のTaさんはえびねと本、横浜のKaさんは中国春蘭とそれぞれ目当てのものを買って引き揚げる。
 注文の蘭を取りに作場に行くと、ついつい植え替えたいものが目に入る。去年から今年にかけてほとんどのものを植え替えたから緊急のものはないが、それでも16年のものが見つかると、植え替えを始める。そこへ前橋のKiさんが約束通りやってきた。畑をやっているから作業が忙しく、種まきが終わってようやく今日来ることができた。寄るつもりにしていた蕎麦やが休みで、近くの弁当屋に買いに行き、二人でお昼にする。用意してあった注文のえびねとイトランを包んでいたら、紫秀蘭が並んでいるのを見て、これも1鉢付き合ってくれる。地域の蘭の会に入っていて、年に3回の展示会用に欅窯の鉢をたくさん買っているのだが、小柴さんの鉢もいくつか持っていて、これで作っているものがとても良く出来ていると言われてうれしかった。
 午後は駒場のWaさん。家で九華を植え替えたら根がぎっしりで抜けず、とうとう鉢を割ってしまった。買ってあった松村鉢に植えたら丁度良かったと言っていた。Waさんも紫秀蘭を1鉢お買い上げ。HPにアップする前に段々減って行くが、まだ花芽が小さいものもあるので、これからでも充分間に合う。
 Waさんが帰ってから紫秀蘭の写真を撮り始めたが、パソコンで出そうとすると認識されなかったり電源が落ちたり。何度もやり直して途中までは撮影ができたが、あまりに不調なので諦める。もう今はパソコン無しではいられないから、これが突然壊れるということだけは勘弁してほしいものだ。
 今週は火・水が休みになります。


2006年10月8日(日)
 強風が止まず、青いままの銀杏や柿の葉が敷き詰められる。落ち葉掃きは風が止むまで諦めて、大きなゴミだけ拾い集め、からからに乾いている山野草や水苔、外の鉢ものにとり合えず水を遣る。空は雲一つないほどの晴天で湿度が低く、この風ではどんなに水を遣ってもすぐに乾いてしまう。
 目の前の246が今日は混んでいる。連休だし好天だし遠出する人が多いのだろう。午前中下町のHiさんが来たが、仲間のKoさんやSaさんは今日は来ない。Hiさんは鈴木さんや三橋さんの座談会が載っている「らん」15号を手に入れて持ってきてくれた。写真を見ると二人とも若い。早速蔵書に加える。
 次の人が来るまで杭州初花株を見ていたHiさんは、葉姿の良い1鉢を選ぶ。ずい分並んだと思った初花株も、段々数が少なくなってきた。
 紫秀蘭の写真をHPに載せようと鉢に番号を付け、先ず1の写真を撮ったところで港北のHaさんが現れ、一番花芽が伸びているその1をお買い上げ。午後は次々と人が来て写真を撮る暇が無い。出版社のSさんが来てHiさんもようやく話相手が出来、その後近くのSuさんも現れて夕方まで盛り上がる。
 皆が帰ってから全体に水を遣り、写真を撮り始めたが、パソコンにカードを差し込むと電源が落ちてしまって、再起動の繰り返し。時間が経つばかりで一向に進まない。どんどん遅くなるので「きょうのショット!」の更新を諦め、紫秀蘭の撮影も明日のこととする。


2006年10月7日(土)
 昨日は臨時休業の罰が当ったのか一日中よく降った。雨ばかりでなく風も強かったから、朝来たら嵐の後のように落ち葉やゴミが吹き溜まっている。天気は回復したが風は引き続き強く、店の中に落ち葉が吹き込んで来るので、入り口の戸を閉めてしまった。
 午前中は電話がたくさん鳴ってその応対。残っていた最後の根巻きの束を鉢植えにしていたら、昼過ぎに珍しく浜ちゃんが現れた。杭州花未確認株が並び始めるとセットのように必ずいた人だが、作るのをやめてしまってからは、ごくたまにひょっこり現れる。今日は三軒茶屋にあるおいしい餃子屋さんの焼きたて餃子を並んで買って来てくれた。一緒に食べようと2人分持ってきてくれたので、お昼を簡単に済ませた後だったが、せっかくの焼きたてだからと、これもご馳走になってしまった。
 杭州寒蘭しかやっていなかったのに、それもリタイアしてしまった今は、選ぶ楽しみもないはずなのだが、それでもやはり並んでいる初花の芽をルーペで一つ一つ見ている。「これは面白そう」と言ったのは、大田区のSaさんの売約株。他人のものでも、初花は皆で楽しめる要素を持っている。Saさんのは果たして浜ちゃんの予言通り、いい花が咲くだろうか。今年優秀花を枯らしてしまったから、「大当たり!」ということになってくれればこちらもうれしいのだが。
 ずっと雨が続いた後の晴れ間ですることがたくさんあるのか、今日は他に誰も来ない。電話で紫秀蘭の問い合わせがあり、遠くの人にどうやって選んでもらうか悩むところだ。写真を見たいという希望を入れて、写真つきのリストをHPに載せようと思う。根は中国から入った時の例の鎌で短く刈った黒い根に、新根が出ているが、新根もあまり長くない。それまで生の水苔巻きの、持て余す程の真っ白く長い根をいじっていたから、ひどく悪い根に見える。ただ新子も出ているし育てるのに問題はないと思う。これらも全部新しい用土で植え込んだ。
 中国の山採り株を見慣れている人は、こういうものだと分かっていると思うが、栽培品のいい根とは全く違うので、初めての人に理解してもらえるか心配だ。


2006年10月5日(木)
 朝から雨で肌寒い。外の作業が出来ずパソコンに向かっていたら、世田谷のMaさんが現れた。春「近いうちに伺います」と言ったまま姿を見せず、病気を抱えている人だけに心配していたら、先日入院していたというメールが来たところだ。ここまで出かけられるようになって良かったが、杖を手放せなくなったということで、「もう頑張らないことにしました」と言っていた。杖が無くても歩けるが、持っていることで自分への戒めにもなるし、他人も気遣ってくれるし、注意するためにはいいことかもしれない。仕事をしながら自分のペースを守ることは考えるより難しいが、自身を労わりながらまだまだ元気でいて欲しい。これまでも忙しさやストレスで一杯一杯になったとき、「充電させてください」といって寄ってくれたが、今日もあちこち見て杭州初花株を売約していく。「今年の花の時期には必ず来ます」といって帰ったが、ここに遊びに来る時間があるくらいで丁度いい。どうぞお大事に。
 Maさんは不思議な話をしてくれた。今年になって意識が無くなった4日間があって、その時夢の中で鈴木さんと話をしたそうだ。話の中身もはっきり覚えていて、意識が戻った後、詳しくメモをしておいたのが残っている。場所はこの店の中で、真っ白い髯をたくわえていた他は以前の通り。いつものポーズで話をしていたし、白石も横にいたということで不思議としか言い様が無い。上海の話や、仕入れてきた姫杭州の話をしていたというから、鈴木さんはきっといつもこの店の中で毎日の様子を見て、ダメ出ししているに違いない。
 午後は正反対に元気中年の大田区のIさんが来る。今年の12月のホノルルマラソンに参加申し込みをして、毎日歩いたり走ったりしてトレーニングをしているそうだ。かなり体重が落ちたというMaさんとは違った意味で、こちらもスマートになった。元気が何より。頑張ってくださいね。
 明日は臨時休業させていただきます。


2006年10月4日(水)
 どんよりとして重たい空。休み中に仕入れたプラ鉢や資材をたくさん積んで車で来た。品物を下ろし、それぞれの置き場を片付けて納めたり、値段をつけて並べたりと作業が一杯。店内がごったがえしているところに、エアコンの取り付け工事の人が来る。
 夏からしょっちゅうストライキでいよいよ駄目になったエアコンを、新しくすることになった。包装台など作業の邪魔になるものを移動し、ますます足の踏み場が無くなる。工事の途中、山草鉢を選んでいる女性客があり、狭い中横になって歩きながらいくつか買っていく。やがて周りの煤けた壁に不似合いなほど、真新しいエアコンが取り付けられた。
 休み中に買ってきた屋外用のライトがあって、工事の人に見せて取り付け方を相談したら、専用線を引っ張って屋外用コンセントをつけなければならないという。あらためて工事を頼むより一緒にやってしまった方がいいと、ついでにやってもらうことになった。植替えをする場所に取り付けてもらい、夕方暗くなるのを待ってつけてみる。明るい!。いつも日没コールドになっていた植え替えが、これなら充分続けられる。これから益々日が短くなるから良かった。
 店内の床に植替え候補の株が並べてあるのを、うれしくて次々と植え替えていたら、真っ暗になってからいつものKoさんが寄る。初花株コーナーを一つ一つ見て、せっかく伸びてきた花芽がスリップスにやられているのを2鉢見つけてくれた。「自分の棚でも初めて花を見る株がたくさんある」といいながら、「今年の運試しに遊んでみる」と、2鉢押さえる。花芽がだんだん伸びてくると、今年もこの光景が繰り返されることになるだろう。


2006年10月1日(日)
 去年は寒波が来てからあわてて作場のビニールカバーを用意したが、日もとっぷりと暮れてからの作業で後手後手になってしまった。今年は先手必勝で準備しようと、早々と部品を揃えてあるが、中々作業をする暇がない。鉢が一段落して浩司さんが出ている時にと、今日やってもらった。今回はハトメで穴を補強したから、風にも耐えられるのではないかと期待している。まだ当分は必要ないが、準備さえしておけばこれから益々忙しくなっても安心だ。
 朝門をあけると、道路から一番手の届きやすいところにある水苔が抜き取られていた。それが道路に落ちている。酔っ払いのいたずらか。
 根巻きを少し巻きなおしていたら、大田区のSaさんが来る。やはりまず初花株を吟味して2鉢押さえる。仲間のHiさんは昨日来てしまったし、雨は降り出したし、今日は誰も来ないかなと思ったところに、中野のEさんが現れた。Eさんも今日は誰もいなくて退屈だからというわけで、3人で暗くなるまで楽しいおしゃべり。こうしてシーズンでなくても、退屈な時間をつぶしに、遊びに行くところとして思い出してもらえるのはありがたい。
 この間蘭花村の村長さんの注文で松村鉢をたくさん送った。洗わなくてもいいというありがたいお言葉で、簡単に洗って送ったのだが、トイレの洗剤「サンポール」でこすったら、すごくきれいになったというメールが来た。添付の写真を見ると、彫り込んである蘭の絵の中も、新品のようにきれいになっている。白くなったところはやはり水やすりで削る必要があると思うが、これでいけるのだったら、安いし簡単でいいかもしれない。ただし、鉢の中に成分が染み込んで、蘭を植えたときにどうなのだろうか。悪影響がないかそれが心配だ。化学はまるで駄目なので、詳しい人は考えてください。私はある程度の汚れはあっても、植えてしまえば気にならないと思うが、どうしてもきれいにしたくて試す人は自己責任でどうぞ。


2006年9月30日(土)
 上野グリーンクラブの「水石展」を見に行く。古いお客様の埼玉のNaさんが今年初出品というので、水石を初めて見るチャンスとばかり出かけてみたのだが、こんな石が本当に自然にあるものだろうかと感心するばかり。長い長い年月、川の底で磨かれてきたのだろうが、偶然の妙というべきか。えびねや杭州寒蘭に数々の命名をしている博識のNaさんらしく、名栗川の水石の銘は「秋霖」。
 会場で下町のHiさんと待ち合わせ、老舗のかき揚丼をご馳走になって一緒に店に戻る。蘭花村から新しいマンガン釉の新作が届いていた。中と小だけだがつや消しで中々いい感じ。各4個しかないから、これはすぐに売れてしまうだろう。
 午後近くのSuさんや駒場のWaさんが寄る。Waさんが又杭州未確認株グループをルーペで見て、花芽を見落としているのをいくつも見つけて持ってくる。初花は30鉢くらいになったが、まだ増えるだろう。
 去年植え替えたときほとんど根が無かった株を根巻きにしておいたのが、いい新芽が出ている。開けてみると、真っ白い根が何本も下りていた。今度は砂植えにしたが、生の水苔の威力を又も実感。
 「今年は厳選したものしか買わない」宣言をしていたHiさんは、入り口近くにある今年の初花コーナーを見ていたが、13年ので濃い軸のものを結局持っていくことになった。「この間誓ったばかりなのに・・・」。


2006年9月29日(金)
 杭州寒蘭花未確認株の中から、花芽がきたものを店内に並べているが、よく探すとまだまだ見つかる。1鉢ずつに植え替えて今年の初花コーナーに置き、最後に生水苔で根巻きになっている束を出してくると、根が長く伸びすぎて尾長鶏のようだ。花芽がついているのを鉢に植えようとしても、この長さをどうやって納めるか。一昨年中国から輸入した時の根は真っ黒に傷んで短かったが、生水苔で巻いてあったのを昨年又巻きなおし、切って捨てたいほどの根になった。花がついた株が少ないので、今年は鉢植えにしようと思う。場所をとるのが悩みだが。
 植替えに精を出していたら、夕方大田区のUさんと川崎のKiさんが寄る。二人とも寒蘭マニアだから、写真集を見ながら話に花が咲く。
 明日は上野グリーンクラブに寄ってから店に出ます。


2006年9月28日(木)
 頼んであった荷物が着いて、その後注文を受けている最後の発送を何件か済ませる。大きな肩の荷を下ろした感じで、久し振りの開放感。
 広告のレイアウトがfaxされたのを検討し、後は寒蘭の花芽がついたのを探す。杭州寒蘭初花株もたくさん花芽がきていて、植え替えて並べるとたちまち一杯になった。紫秀蘭の初花も並んでいるし、一気に寒蘭モード。
 この間家から持ってきた四季蘭「香妃」のつぼみがスリップスにやられていた。鉢一杯になっていたので株分けしたら、もう1本小さな花芽が上がっていた。モスピランをかけておいたが、こちらはうまく咲いてくれるだろうか。自宅の方の消毒は手が廻らず、杭州の花芽が心配だ。次の休みも仕入れに行く必要があるが、何とか消毒だけはしておきたい。
 今日はカラッとした晴天で、外にいるのが気持ちいい。気分も乗ってずっと植替えをしていたら、気がつくと配送の人と通りがかりの人以外誰も来ていない。寒蘭展までに又案内状や看板作りがあるし、植え替えのシーズンだから、しばらくは黙々と仕事をすることになるだろう。


2006年9月27日(水)
 朝蘭花村鉢の追加が届く。釉薬の種類と大きさがすぐにばらついてきて、一応どのタイプも揃うようにしておく積りだが、在庫をどのように効率よく保管するかが問題だ。包んだまま箱に入れておくと、一々開けてみないと注文のものが出せないし、分かりやすいように包を開けて並べると場所をとるし、壊れることもあるしで、目下悩みの種だ。
 鉢の大きな箱と一緒にもう1箱届く。頼んであった蘭の本だった。ずっと(売り切れ)状態が続いた一茎九華の本が3種類入荷。早速HPに載せる。
 昼前急に雷が鳴り、強い雨の中三橋さんがくる。残った鉢を梱包するところを見ていると、さすがに手際がいい。さんざん発送に手こずった後だから、梱包の注意点やコツを聞いておく。
 帰った後はそれこそ棚ががらんとしてしまった。丁度やってきた大田区のSaさんが、「ホント何も無くなりましたね」。とりあえず昨日仕入れてきた紫秀蘭花未確認株を出してきて並べると、「悪いところに来てしまった」といいながら、1鉢選んでいく。
 その後ようやく蘭花村鉢の梱包を解き、タイプ別に仕分けをする。まだ店内に包んだ新聞紙が散乱しているところに、近くのSuさんが寄る。続いていつものKoさん、ルーペのSさん、川崎のKiさんも。Kiさんは日本春蘭の柄物を1鉢持ってきてくれる。
 新企画から寒蘭展広告の原稿催促。蘭鉢展が終わるが早いか、もう寒蘭にスイッチを切り替えなくてはならない。このところの忙しさでほとんど見る暇がなかった寒蘭を見回る。急に涼しくなったせいか、花芽がぐんぐん伸びていて、主だったものを整理して店内に並べる。一気に店内に植物が増えて、蘭鉢展は遠い昔のようだ。明日鉢の発送があるのを忘れないようにしなければ。


2006年9月24日(日)
 まだ表を開けないうちに千葉のTさんが松村鉢を買いにくる。3個梱包したのを下げて、これから会合に出るのだそうだ。素焼きでやわらかいから、コツンとやっても傷になる。無事に持ち帰れるように、厳重に包装する。丁度たくさんの松村鉢、朝顔鉢を送った静岡のSoさんから、一番下にあったのが一つ割れていたとの連絡をもらったところだ。Soさんにはすぐに替りの鉢を発送する。
 千葉のTさんのところでカイガラムシが又活動し始めて何鉢か発見したそうだ。蘭鉢展が終わったあとは、こちらもアザミウマやカイガラ対策に消毒をしなければならない。
 横浜のWaさんが来て欅窯の鉢を買っていった後、事務処理にとりかかる。色々な人の預かり品を、それぞれ間違いなく精算するのは結構手間隙がかかるものだ。様々な種類のものがある上、預かる時も、売るときもばたばたしているから、帰ったあとパソコンに向かうことになるが、遅くなってもその日のうちに済ませておかないと後で困ることになる。精算を念入りにチェックした後、古鉢市にたくさんのいいものを出してくれた埼玉のNaさんがやってきた。目玉だっただけあって早々に完売してしまい、皆さんに喜ばれたと言ったら、来年も秘蔵の鉢を出してくれるという言葉をいただいた。昔ずっといい鉢を買ってきた人だから、来年も何とかなりそうでよかった。
 朱さんから「頼んでおいた一茎九華の本を3種類持ってきたので送る」という電話が入る。こちらも待たれているから、荷物が着いたらHPで紹介したい。


2006年9月23日(土)
 普段より30分早く来て蘭の荷造り。いつもたくさんの鉢を選ぶ横浜のYさんが午前中に来ることになっていたので、その前に発送を済ませようと根巻き作りを始める。丁度花がいい具合に咲いてきたので、来年のためにまず写真を撮っておく。たくさんの種類の発送で根巻きを作るだけでも時間がかかり、全部終わらないうちにYさんが見えたが、鉢の荷造りは拓也さんと、二人で手分けして何とか梱包を済ませる。
 Yさんが鉢を選んでいる間も、裏では別の大口の梱包。郵便局の集荷が済んだ後、今度はYさんの鉢を梱包して送ることになり、拓也さんは一日腰をかがめて荷造りをする羽目になった。
 以前に買った欅窯の焼締えびね鉢を持って、これに植える蘭を買いたいと1年ぶりの女性客のMさん。やや小振りのスマートな鉢で春蘭にもぴったりなのだが、花がいくつかつく方がいいというので、花芽がついた天草小蘭を勧める。持参の鉢に植え替えたら、小ぢんまりした木姿でぴったり。中古の鉢もゲットして喜んで帰っていった。
 続いて港北のHaさんが寄る。がらくた市に出した鉢が完売し、代わりに売約の鉢と「舞妓」を買っていく。前から気にしていた「舞妓」だが、どこかで安いのを見つけて買ったからいいと言っていたのに、ウィルス症状が出たとかで、「やっぱり安物買いの銭失いだ」と、いい新芽が出た株を分けていく。
 明日の分の発送準備で又根巻きをいくつか作る。昨日たっぷり水苔を用意しておいたつもりが、足りなくなって追加。一角を占めていた四季蘭や、発送待ちの蘭が全部無くなって急に寂しくなり、杭州花未確認株の花芽が伸びているのをいくつか店内に並べる。
 明日はいよいよ蘭鉢展の最終日。松村鉢を買いにくる人や、精算の人など、何人か予定している人がいてにぎやかになりそうだ。明日で松村鉢、朝顔鉢は締め切ります。


2006年9月22日(金)
 明日発送の松村鉢を洗い始めたら、いつも鉢の注文をいただく静岡のYaさんが来る。「写真を見て注文しようかと思ったけれど、やっぱり実物を見たくて」。気になっていたものを確認した結果、やはりお買い上げ。
 広告を見て江戸川のUさん他初めてのお客様が何人か見える。いつも鉢には関心を示すOさんが久し振りに顔を見せたと思ったら、引越しをしてまだ段ボールの中にいるのだという。温室を作る予定で待っているところなので、鉢の山があるからかえって目立たないと、さらに鉢を選んでいく。そこに目黒のOさんが出来上がった桐箱を取りにくる。夕方はいつも帰りに寄る川崎のKiさん。人の出入りの合間を縫って、一日中ひたすら鉢を洗う。
 花が終わった玉花蘭やスルガランを作場に仕舞い、分けてあったイトランなどを植え込んだりで、写真を撮る暇がない。「きょうのショット!」の更新は休むことにした。四季蘭は完売。明日は発送だ。


2006年9月21日(木)
 木曜日からという変則的な週のスタート。朝田園都市線が遅れたが、通常通り店を開けられた。
 桐箱を受け取りに大田区のSaさんが寄り、梱包が出来ている3件の鉢の発送を済ませる。これで一応注文が来ている分は一段落。蘭鉢展も終盤だし何とか乗り切ったと思ったら、今日又大量の松村鉢、朝顔鉢、四季蘭の注文がある。洗って乾かして発送だから、週末に発送するには早急に洗わなくてはいけない。いつものKoさんが寄った以外は、又夢中で鉢洗い。400番の水やすりで時間をかければかなりきれいになるが、数があると一つ一つにそこまでかけられない。この間たくさん送った蘭花村の村長さんは、塩素系トイレ洗剤に一晩つけて、かなりきれいにしたということだ。皆色々試してみて、楽にきれいになる方法を教えてくれるとありがたい。
 寒蘭展の広告の打ち合わせが始まり、蘭鉢が終わるとすぐ次のものが待っている。


2006年9月18日(月)
 家を出る前はすごい雨だったので覚悟をして来たが、思ったより早く天気が回復した。
 朝一番に下町のHさんが来る。仕事や法事で忙しかったようで、続いて来た大田区のSaさんともしばらく振りで顔を合わせる。世田谷のHaさん夫妻もようやく姿を見せる。展示している杭州初花が、ずっといい形を保って、ますますすばらしくなっているのを見て、満足そう。午後からは、花芽がついた素心蘭の「雪月花」を持って、麻布のMoさんも加わる。にぎやかなおしゃべりの最中に電話をかけてきた中野のEさんも、楽しそうな声に誘われてやってくる。昨日三橋さんの桐箱が出来たことを電話したが、留守で通じなかった造園のTaさんが、丁度いいタイミングでやってくる。発送の準備はほとんど終わったので、鉢洗いを拓也さんにまかせて、今日はゆっくりと話に加わった。
 今日の振り替えで水曜日を休みますのでお間違いなく。


2006年9月17日(日)
 店の前にパトカーや救急車が停まっていて、着いたときには丁度救急車が出発するところだった。又ここで事故があったようだ。
 蘭花村鉢の追加が到着。包んだままにしておくと、色、大きさの注文にすぐ応えられないから、全部中身を出して並べておく。入荷待ちのなど、そのまま発送の方へ廻るのもある。今日は浩司さんが段ボールと格闘。集荷の人に引き渡してホッとしたところに、藤沢のFuさんが売約の鉢をとりにくる。中々ここまで来る時間がないようなので、ついでに分けることになっていた「赤春」を割る。先芽に真っ白い根がたくさん下りていて上も下も申し分ない。花芽がきていなかったが、喜んでもらえる株でよかった。。
 鉢をたくさん売約にしていた調布のIさんが帰った後、三橋さんが箱書きの出来た桐箱を届けてくれた。それぞれの行き先に連絡する。入れ違いに東京山草会の人が来たが、三橋さんが帰った後で残念そう。見つけた古い欅鉢を買っていく。蘭花村鉢を買った駒場のWaさんも、古いぶな窯の辰砂を押さえる。
 合間を見て松村鉢を洗ったが、一応これまでの注文分は間に合った。そろそろ蘭の方の問合せが増えてきて、今日も蓮弁蘭の電話がある。鉢が一段落したら、紹介できそうな株を探しておかなくてはならない。


2006年9月16日(土)
 朝から夢中になって松村鉢を洗う。大口の発送がいくつもあるので、拓也さんは梱包作業。
 朝目黒のOさんが蘭花村鉢を買っていく。こちらも徐々に動いてくるようだ。午後春蘭以来のご夫婦が見えて小柴さんの鉢を、グリーンクラブの帰りに寄った出版社のSさんが古鉢を買っていく。
 一日中鉢を洗っているので、夕方にはさすがに手が動かなくなった。鉢と同時に蘭を注文した人がいて、根巻きを作るなど発送の準備をする。月曜日には又店がにぎやかになりそうなので、作業は明日もう一頑張り。


2006年9月15日(金)
 久し振りに傘を持たずに出てきた。曇りがちだが自由に動けるのはうれしい。ひんやりした空気で凌ぎやすく、問い合わせの蘭をいじるのに丁度いい。大分お待たせしたが、ようやくメールの返事をする。
 午前中は郵便局に行ったり、あちこちの連絡等、細かい用事がたくさんあり、人も来ないので事務的な処理を進める。
 午後大田区のSaさんが寄っていった他は、夕方近くのSuさんが来ただけで、落ち葉を掃いたり、松村鉢を出してきて洗うなどの余裕が出来た。鉢を洗う作業はわずかな時間も惜しんでやらないと、注文の分をこなすことができないが、この季節はまだ水仕事が苦にならないから大丈夫。そういう意味でも9月の蘭鉢展はうまく出来ている。


2006年9月14日(木)
 朝のうちの雨は昼にはあがったが、今日も涼しい。雨の日は温室の窓を開ける時に服がびっしょりになってしまうけれど、連日の忙しさの中、水をやらなくて済むのは本当に助かる。
 朝は燃えないゴミが散乱しているのを、濡れながら拾い集め、そのまま室内を掃除して奥の方に箒を入れると、べたっとネズミ捕りシートがくっついた。引っ張ると何と鼠がかかっていた。早目に気がついたのか、まだひどい臭いになる前で良かった。これを処分し、メールをチェック。
 大分前からだが、迷惑メールが山のように来て、朝はこれらを削除することからスタートする。ところがその間に挟まって、問い合わせや注文のメールがあるものだから、それを消さないように注意しないと、以前にやった失敗を繰り返すことになる。蘭鉢展の期間中は特に注文メールが多く、それらに返事をしたり、伝票を書いたり。たくさんの発送依頼を、間違いなく配達希望日に届くように手配するのは大変だ。その場で伝票を書いてしまわないと、メモリーの少ない頭ではこぼれてしまいそうだ。
 様々な蘭の注文が同時にあり、今日こそ花芽の具合や、割れる条数など確認して返事しようと、作場から出してきて目につくところに並べた。大株のは花芽がついたところを適当な条数で割ろうと鉢を開け、古根を整理して株分けに取り組んでいるところに、中野のEさんが来る。直前に蘭花村鉢第2弾の大きな箱が届き、まだ梱包も開けないうちだ。床には未整理の蘭が10鉢ほど並び、売約済で発送を待っている蘭鉢がたくさん置いてある。洗った松村鉢も並べてある。そんな片付かない中、目黒のOさん、いつものKoさん、2年振りのお客、初めての練馬のKaさん、川崎のKiさん、通りかかった女性客など、閉店まで次々とお客が来て、皆の前で梱包を開けた蘭花村鉢は、ルリ釉が好評で大きいのは完売してしまった。結局鉢を開けた蘭は三つに割って植えられるまで、何時間もむき出しで放置されることになった。そんなわけで、蘭の方はもう少し時間がかかります。


2006年9月13日(水)
 日曜日のサウナ状態とは打って変わった涼しさ。長袖の上に雨除けのウィンドブレーカーを着ていて丁度いい。一日中雨が止まないが、合間をみて鉢の発送に郵便局へ行く。
 広告を見たといって初めてのお客さんが来る。欅窯のフウラン鉢が目当てで、一つだけあった金砂釉のあっさりしたのが気に入ってお買い上げ。
 雨で店は閑散としているのだが、電話やメールで松村鉢や朝顔鉢の注文があり、仕舞ってあるのを出してきて次々洗う。4個重ねてひもでしばったまま置いてあったから、何番目にあったかで汚れている場所が違う。一つ一つ状態が異なるが、いくら洗ってもどこかに取れない汚れが残るのは、素焼きの場合仕方が無い。今回はリピーターだから、こういうものだと理解してもらえるだろうが。
 蘭花村鉢にも注文があって、明日追加が入ることになった。今度のはルリ釉と飴釉のそれぞれ単色だが、微妙な濃淡があって景色は全部違う。少し大人しくなって植えやすくなった。
 幕開けにマニアが殺到するのがまず一点ものの欅窯。こちらが一段落すると、手頃で気軽に使える小柴鉢や古鉢。早いもの順で選んでいく。その後、松村鉢や朝顔鉢、蘭花村鉢という数があるものに移る。急がなくてはいけないものをちゃんと判った行動なのはさすが。
 いつも注文をいただく九州の方から、今回も大量の鉢や蘭の注文があって、どうやって送るかこれから悩むことになりそうだ。


2006年9月10日(日)
 まだ外の入り口を開けないうちに、窓から手を振る笑顔。浜松蘭花村の村長さんだった。お早いお着き。急いで戸を開ける。
 30℃を越す真夏の暑さになったのに、エアコンが故障でつかない。電気屋さんも休みでお手上げだ。「暑い暑い!」といいながら、冷たい麦茶で我慢してもらう。
 村長さんは蘭花村鉢の新しく出来たのを見本に持ってきた。今度のは単色で焼いてある。信楽の鉢を作っている窯元に、見本でいい感じだったのを注文しても、中々同じように焼きあがってこなくて、試行錯誤の連続のようだ。色々やっているうちに気に入ったものが出来るだろうが、型代が高いし、一窯焼いてもらうのだから、採算がとれるのだろうか。これだけ見ても、鉢は割りに合わないとして段々作るところがなくなるのがわかる。スタートは楽鉢程度の価格の仕立て鉢をという考え方だから、なるべく安く提供したいそうなので、相談の結果販売方式を変更して、すべて2,000円均一で出すことにした。
 村長さんと待ち合わせて、出版社のSさん、ルーペのSさんもやってくる。早速ルーペのSさんが付き合ってくれる。
 午前中一杯にぎやかにそれぞれ買う鉢を選んで、これから皆できたみ工房さんに行くといって引き上げて行った。
 午後は大田区のSaさん、港北のHaさん、麻布のMoさんなどが集まってくる。港北のHaさんは、持ってきたばかりの蘭花村鉢と小柴鉢を押さえる。日曜出勤をしていた浩司さんが帰ってきたので、何件かある鉢の発送を済ませた。先週は月・火ともに店に出てしまったから、明日は久し振りにお休みだ。


2006年9月9日(土)
 今日は拓也さんがいるので、発送する鉢の梱包をしてもらう。均一のものなら専用の箱も作れるが、それぞれ形も大きさも違うものを、複数組み合わせての注文だから、丁度いい段ボールを探すのが大変。大きすぎたら送料が無駄になるし、小さすぎると危ないしで、梱包は本当に手間がかかる。これを人手のある週末にやってもらわないと、1人ではどうにもならない。
 そちらはお任せして朝から撮影に精を出す。HPに鉢の写真を追加する作業に専念。その間にもメールや電話が入り、「売り切れ」の表示を追加しながら、欅鉢4をアップする。
 今年も松村鉢と朝顔鉢を、蘭鉢展の期間中1個2,000円、3個5千円というサービス価格で出すことになっている。そのお知らせのページは明日の作業。店のことと同時進行でHPを更新するので、しょっちゅう中断して思うように進まないものだ。
 「自然と野生ラン」に蘭鉢展の広告を出したので、それを見て初めてのお客さんもぼつぼつ見える。町田のIさんや国分寺のSuさんらも久し振りに見える。鉢もそれなりに動くが、昨日入れた四季蘭や蘭の本もぽつぽつ売れて一安心。
 自然と野生ランの大塚さんが、新人の高野さんを連れて見に来る。本当ならまだ数が揃っている間に来てほしいのだが、それは展示会前日でないと難しいかもしれない。
 昔の愛好家の写真には、それぞれ趣のある中国鉢に入った蘭が出てきて品格を感じる。中身には大金を払ってもプラ鉢というのでは寂しすぎる。鉢が重視されて、中の蘭とのバランスを考えて飾るのが当たり前という傾向になるのは喜ばしいことだ。


2006年9月8日(金)
 昨夜HPを見たら、欅窯落款の写真が上がってなかった。自宅ではどうしようもないので、朝一番にHPの修正をする。ろくに点検する暇もなくワーッと作業するからミスもあるが、遠くから写真を待っている人のために少しでも早くアップしたいと、作業を急ぐ。やはり待っていてくれたようで、早速メールや電話で注文が入る。
 午後いつものKoさんが来ているところへ、三橋さんが豆鉢セットと虫籠を持ってきた。飾り棚にならベた豆鉢は、小さな盃程度の大きさだが、それぞれ豆盆栽として使える一人前の立派な鉢だ。飾り物としてもかわいいし、棚も含めたセットとしては手頃な価格だろう。小さすぎて指では形をつけられないから、轆轤をひくときは綿棒を使うのだそうだ。繊細な棚に並べてあるところに地震が来ませんようにと祈るばかり。備前の虫籠も細かい細工もので、作り方など色々質問をしてしまう。
 新しく展示品を持ってきたのと引き換えに、古鉢として出ていた昔の欅鉢を自分で買っていく。若い頃は焼いた鉢を残しておく余裕がなく、求められるままに全部売ってしまったから、古いものは手元に全く残ってないという。ここでも初期の頃から毎年、これはという鉢を買い続けているファンが何人もいるが、途中からコレクションを始めて、古い時代のものを持ってない人に頼まれたのだそうだ。
 そこへ楊さんが四季蘭の花芽がついたのを持ってくる。鉢作りは仕事、趣味は野性蘭という三橋さんは楊さんとは初対面だが、紹介すると台湾の野性蘭の話が弾んでいる。
 皆が帰ってから、今日持ってきたものの撮影を始める。撮影場所は2階だから、豆鉢を運ぶために上がったり下りたり。いい運動だ。
 夕方又川崎のKiさん、大田区のUさんが寄って、小柴さんの鉢も少しづつ動いていく。朝のうち雨のどんよりとした空模様で、水をやらなくて済むのが助かる。


2006年9月7日(木)
 昨日の騒ぎが嘘のように、今日はぐっと落ち着いた。常連の大田区のSaさんが来て、欅焼締鉢を付き合ってくれる。昨日一番に来て富貴蘭鉢を買った別のSaさんは、桐箱つきのものがいくつかあったのにサイズを測ってなくて、今日それを持ってきてもらった。三橋さんに連絡して、箱書きをしてもらうことにする。
 あとは初めてのお客さんや、電話での売約などで、さすがに鉢目当ての人は初日という鉄則を守っているのだとわかる。ようやく頼まれていた鉢を発送したり、写真を撮りおわって、HPにアップすることができた。遅くなって撮影した中国鉢のページは明日の作業に。いつまでたっても終わらない。あわててやっているので、数字などの間違いがなければいいが。


2006年9月6日(水)
 今日から蘭鉢展。昨日の夕方欅窯の三橋さんが搬入したが、直前になって精力的に焼いてくれたので、思った以上に品物が揃い、空けておいたスペースでは足りなくなって、急きょ他のものを移動して陳列した。今回は昨年に引き続いての金砂釉と、焼締、備前だが、今年の金砂釉はつや消しで渋い。その上深い色の丹波鉢が並んでいるから、棚は明るい金茶から焦げ茶までのモノトーンに統一されている。
 問い合わせなどで事前にボルテージが上がっていることは感じていたが、朝出てくるともう車が待っていた。それ以来、一日中途切れることなくお客様があって、それぞれ何鉢か買われる。鉢の好きな人が次々と顔を見せ、どんどん空間が空いてくる。昨日は写真を撮れなかったので、朝撮ろうと思ったが甘かった。全くそんな時間はなく、HPに載せる頃には、かなり歯抜けになってしまうだろう。目玉の丹波鉢も完売してしまった。
 新しく作った落款も含め、欅窯歴代の落款を1枚の紙にしたものを三橋さんが持ってきてくれたが、透かしの富貴蘭鉢がほとんどなくなってしまったのを見て、丁度車に3鉢積んであったのを補充してくれた。
 蘭鉢展に出るのは一点ものなので、少しでも早く見ないとどんどん選択肢が少なくなっていく。午前中仕事の都合をつけて来てくれた人が何人もいて、ウィークデースタートは不公平だから、来年から展示会はすべて土曜日からに変えようと思う。営業しながら展示会の準備をするのは厳しいが、何日もたたないと来られない人には気の毒だから。
 メールでの問い合わせに返事をする時間もなく、皆が帰ってから撮影、発送の準備とすっかり遅くなってしまった。色々とお待たせしている方には申し訳ないが、もう少し落ち着くまでお待ちください。


2006年9月3日(日)
 世田谷のHaさん夫妻が、三橋さんの鉢を目当てにやってくる。搬入は火曜日というと、「来週は仕事で来られないから」と残念そう。「今度来た時は売れちゃうだろうなあ」。初花の杭州寒蘭が1輪開き出したのを持ってきて展示してくれる。舌の大きな前面無点の青花。夏の花は色と形は変わるケースがあるが、舌の特徴は変わらないから、このままでいったらかなりのいい花だ。
 3時過ぎに埼玉のNaさんが、頼んであった鉢を持ってきてくれる。今日Naさんが来るといってあったので、えびねのHaさんも一足先に来て待っている。二人とも飾ってあった杭州を見て「すごい、いい花ですね」。
 Naさんが持ってきた秘蔵の鉢は、初期の頃の欅鉢3点と、丹波鉢13点、小平の山田さんの手作り小鉢1点というラインナップ。何事にも凝り性のNaさんは、鉢もいいものをたくさん集めている。大分前に大雪で登り窯がつぶれ、それ以来再建されないまま手に入らなくなってしまった昔の丹波鉢は、まだたくさんあった時代に、窯変、火だすきなど景色の良いのを一つ一つ選んでおいた選別品だ。一部少しだけ使ったのもあるがほとんどは未使用で、底にまだ灰が残ったままのもある。貴重品の手作り勧修寺鉢も1鉢、何より丹波の寒蘭鉢は、杭州寒蘭にぴったりで奪い合いになりそうな人気品だ。別のフォルムで2本あったが、1本は待ち構えていたHaさんがすぐさま押さえてしまった。もう1本も欲しがる人の顔が浮かんでくる。今年の古鉢・がらくた市は面白くなりそうだ。
 今水石に夢中のNaさんは、今月末の上野グリーンクラブの水石展に出品するそうで、どんなものか一度見せてもらうつもり。夕方まで三人で楽しいおしゃべりが続いた。
 鉢の写真を撮るのが間に合わないが、できるだけ撮影して公開したいと思っている。


2006年9月2日(土)
 からりとした秋空で気持ちがいい。蘭鉢展の準備のため、朝から棚の掃除をしたり窓ガラスを拭いたり。2階のテーブルの上は地震があると危ないので、1階に小柴さんのコーナーを作る。2階を古鉢・がらくた市にして、メインの棚を欅鉢用に空ける。午後駒場のWaさんが売約のものを引き取りにきて、後は搬入を待つばかりになった。
 夕方えびねのHaさんがプール焼けした顔できたが、出かける時間になって早目に失礼する。


2006年9月1日(金)
 いよいよ9月。これから切れ目なく続く忙しいシーズンへ突入だ。気持ちを切り替えて、効率よく作業を進めていかなくてはならない。
 気温も一気に秋になり、雨が一日中しとしとと降って肌寒いくらい。これまで店内に並んでいた寒蘭などは、売約のものを除いてすべて植替え、作場にしまって蘭鉢を並べる場所を空ける。昨日田舎から戻ってきた近くのSuさんが売約してあった分を持ち帰り、あと何人分かを残すのみとなった。
 中古・がらくた市に出す鉢の写真を撮り始めたが、素性のはっきりしない鉢もあり、HPで紹介するのは難しいかもしれない。実物を見て触って、納得して買っていく場合はいいのだが、写真を出すのは説明のつくものだけにしようかと思う。
 9月だから「さあ、やるぞ」と思ったばかりだが、明日は用事があって、夕方早目に帰らせてもらうことになっている。拓也さんがいるのでゆっくり遊んでいってください。


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