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2006年8月31日(木)
 昼前に中野のEさんが、予約してあった鉢を買いにくる。朝電話をした時「今ゴーヤを料理しているところだ」というので、頼んでそれを持ってきてもらい、一緒にお昼にした。自宅で収穫したばかりのゴーヤはおいしく、思いがけず豪華な昼食になった。
 夕方まで二人でおしゃべりをしていたが、他に誰も来ない。Eさんが帰ったあと、2階で鉢の撮影をして下りてきたら、どーんと突き上げるような揺れの地震があった。結構大きい。2階で何か倒れたような物音がする。いやな予感。1階の鉢が倒れていないのを確認してすぐテレビをつけたら、我が家の神奈川は震度4、東京は震度3だった。今蘭鉢展の準備で鉢がたくさん置いてあるから、2階はひどいことになっているかと上がってみたら、この間入れてきた小柴さんの鉢が2鉢床に落ち、テーブルの上で1鉢倒れていた。落ちた1鉢は割れていたが、あとの2鉢は幸い倒れただけで無事だった。作場も全部廻ってみたが、倒れている鉢はない。棚を作り変えて一応しっかりしたから大丈夫だったが、以前のものだったら、又何鉢かひっくり返っていたことだろう。
 いつも帰りに寄る川崎のKiさんが帰ってから埼玉のNaさんに電話。未使用の欅鉢や焼締、窯変の見事な未使用丹波鉢など長い間キープしていたコレクションを、日曜日に持ってきてくれることになった。展示会の楽しみにしていただきたい。
 閉店時間を過ぎてから、ウチョウランの時にも来た若い夫婦がやってくる。山野草や鉢、蘭にも興味深々。花が開き始めた斑入りイワタバコと斑入りツルランの「老白晃殿」を買っていく。
 日中は暑かったが秋を感じさせるカラッとした天気でよく乾いている。水遣りがすっかり遅くなってしまった。
 明日9月1日から平常の営業時間に戻ります。


2006年8月30日(水)
 日曜日の山行きは、一時雨にも降られたがまあまあの天気で、マツムシソウ、アキノキリンソウ、リンドウ、ワレモコウなど、山の花はもう秋。2千メートルでお昼を食べていたら、携帯が鳴ってびっくりした。留守番をお願いした浩司さんからで、こんなところで電話がつながることに驚いた。恐るべしau!。
 今日も時折小雨が降る涼しい天気。パソコンに向かっていると何か変なにおいがする。もしかして鼠が死んでいるかと、パソコンデスクの下に仕掛けた粘着シートを出してみると、果たしてかかっていた。こんなものを見たくないし触りたくもないが、他に誰も始末する人がいないのだから仕方が無い。覚悟を決めて棒の先で二つ折りにし、ポリ袋に詰めて捨てたものの、そのニオイが鼻についてしまった。
 いつものKoさんが寄った以外は表の山野草を買っていった人がいる程度。静かなので小柴鉢の撮影の続きを済ませる。
 夕方仕事帰りの造園のTaさんが寄る。いつも蘭鉢展を楽しみにしていてくれるが、今回の欅窯も期待しているようだ。仕事中にのこぎりで指を切ってしまったとかで、包帯姿も痛々しい。怪我がつきものの仕事とはいえ、大変なことだ。今年涼しかったせいで、チャドクガなどの発生が遅れ、今2回目の大発生だそうだ。もう一度見回る必要があるかもしれない。


2006年8月26日(土)
 昼前にもう横浜のYoさんが現れる。「1時からと知っていたけど、早く着いてしまって・・」。蘭鉢展の準備が色々あって、午前中から来て仕事はしている。「そろそろ鉢が並んでいるかと・・・」。HP用の写真を撮るために、裏から梱包したまま運んできたのを一緒に荷開けして、蘭花村鉢や中古鉢、開けたばかりの小柴さんの鉢からも少し選んでいく。
 予約していた誠文堂新光社の「中国ラン」の本を買いに、藤沢のFuさんが来る。割ることになっている蓮弁蘭は、お彼岸頃に又来てもらうことにした。
 そこへ出版社のSさんがやってきて、2階に一部広げてしまった鉢を一つ選び出す。本来は展示会の初日までしまっておきたいが、写真を撮ったり、ラベルをつけたり、HPに整理して載せたりする作業は、前もって順にやっていかないと、数があるので間に合わない。前日に持ってくる三橋さんのは、展示会が始まってから写真を撮ることになるので、すでにあるものはそれまでに終わらせたい。買いに来てくれる場合は現物だからいいが、HPでは写真と実物を間違いなく一致させるために、それなりの準備が必要だ。一方お客様は他の人より少しでも早く見て選びたいと、準備を見越して早目に来るから、広げてあれば仕方が無いということになる。皆さんに公平にという気持ちではいるのだが、毎年その辺の攻防が繰り返されることになる。
 明日白石は休みをいただいて、蓼科方面を歩いてきます。山の花に会えるのを楽しみに。明日は浩司さんが出ています。


2006年8月25日(金)
 昨夜拓也さんが調子の悪いエアコンを見てくれて、朝来たらちゃんとつくようになっていた。良かった!。ただ今日は凌ぎやすく、エアコンなしでも充分。ドアを全開にして風を通す。
 蘭鉢展の看板が出来上がって取り付け、涼しいので遺品の蘭の残ったのを植え替える。やはり何年も植え替えてないのは根が良くない。大体に大きすぎる鉢に植わっているものが多く、開けて根を整理した後、皆小さめの鉢に植えかえた。
 初めての大田区のSさんが、造園のTaさんに紹介されて鉢を見に来る。富貴蘭を専門にやっていて、欅窯の透かし富貴蘭鉢を見たいという。三橋さんに電話して、搬入のときに富貴蘭鉢の在庫も持ってきてもらうことにした。搬入は展示会前日の9月5日(火)になる予定。
 えびねのHさんが真っ黒な顔をして、買ったばかりのバイクに乗って来た。毎日プールで泳いでいたそうで、じわじわと焼いているから皮もむけず、むらなく焼けて黒光りしている。水泳の効果か体重も減って、ずい分すっきりとしたようだ。「バイクは便利でいいよ」とすっかり気に入った様子。「気をつけてください」。
 夕方大田区のUさんが遊びに来る。目黒のOさんや前橋のKiさんから予約の電話が入る。
 蘭鉢展の内容をHPでも紹介したいので、少しずつあるものから写真を撮って整理していきたいと思う。三橋さんのはぎりぎりにならないと来ないので、その前に小柴さんの鉢の写真を撮ろうと思うのだが、まだ箱に入ったまま。出してきて1点ずつ写真を撮るのは大変だ。明日は少しずつでも始めよう。


2006年8月24日(木)
 このところ店の中に鼠が出没している気配。閉店時間にパソコンに向かっていると、端の方を黒いものが音もなくするすると動くのが目に入ることがある。最初は錯覚かと思ったが、毎日HPの更新を始めると、目の端に黒い影がするする・・。夜中ならともかく、まだ私がいるのに・・・。すっかりなめられている。昨日店を開けたら、石鹸が入れ物ごと流しに落ちていた。何かのはずみに落ちたのかと思ったが、今朝も流しに落ちていた石鹸には、明らかに鼠の齧ったような痕がある。間違いない!。昨日ネズミ捕りの粘着シートを、いつも通る場所に仕掛けておいた(鼠には内緒!)。何年か前に春蘭の花芽を食べられたことがあったが、今のところ蘭には被害が出てないようだ。しかし毎日鼠と一緒にいると思うと気持ちがいいものではないから、何とか早くかかってくれればと思う。
 熱帯夜がしばらく続いて、梅雨明けが遅かった分残暑も後へずれ込むのだろうか。雨がぱらつくこともある蒸し暑さなのに、店のエアコンがおかしくなった。窓を開けて看板を作り始める。うー!暑い!
 27日の日曜日、白石は用事で休みます。


2006年8月23日(水)
 本の発送や看板の準備で午前中から出勤。開店前にあちこち出かける用事を済ませる。
 月曜日小柴さんのところに行って鉢を仕入れ、出たついでだからと、方向は違うが所沢へ廻って資材を仕入れた。帰りに渋滞にはまってすっかり遅くなったため、とりあえず置いて帰ったものを、今日開けて値段をつけ並べる。看板の方は準備だけして、明日とりかかることにする。
 夕方になって川崎のKiさんが寄り、展示してあった富貴蘭を下げる。段々に場所を空けて、蘭鉢展の準備を進めていくことにする。


2006年8月20日(日)
 全員集合の号令がかかったかのように、埼玉のIさん、茨城のKoさん、下町のHiさん、大田区のSaさん、麻布のMoさん、近くのSuさんなどが続々と集まってきて、この季節とは思えないほどのにぎやかさ。心配した車も、近くのコインパーキングに入れてくれたり、電車で来てくれたりで、何とか無事に消化できた。大田区のMaさんも子供連れで来て、中古の本を買っていく。
 マニアが集まって寒蘭の話題で盛り上がり、いつものKoさんが、花芽が見え初めた未確認杭州を、先が抜けているとか、葉がごわごわで厚弁だろうとかいって、早くも遊んでみることにした。Iさんも予約の杭州を持っていき、いよいよ秋のシーズンに突入だ。
 そんな座る場所もないところに、浜松から蘭花村鉢が到着した。今回は3種類の釉薬だが、又別の釉薬のも焼きあがってくるらしい。下膨らみで根が無理なくゆったりと入り、湿度を均等に保つよう工夫されているという。1年作をかけて、よくできることは確認済み。奥地蘭や杭州寒蘭を念頭に、あれこれ試行錯誤した末にたどり着いた形を、型で焼いてもらった作鉢だ。価格も2600円から3,000円と手頃なので、植替え時には是非お試しを。
 明日は小柴さんのところに行くことになっている。どんなのが焼けているか楽しみだ。蘭鉢展案内状も印刷が済んで、あとは出すばかり。今週中には看板を作らなくっちゃ。


2006年8月19日(土)
 朝から気温がぐんぐん上がり、「暑い〜!」。ようやく本格的な夏が来た感じだ。これまでの日照不足を取り戻さなくてはならないが、急激な暑さは蘭にもこたえるだろう。温室の「紫園」を見たら、古い葉に黒い斑点がいくつか出ていた。ダコニールを塗って室内に入れ、経過を見ることにする。
 暑さがピークの間は、涼しいところで蘭鉢展の案内状を印刷する。今日も日中は誰も来ない。夕方になって駒場のWaさんが現れ、遺品の蘭を一つ付き合ってくれる。蚊取り用のリストバンド持参で杭州の作場を丹念に見ていたが、外の棚にあった未選別杭州に花芽がきているのを見つけて教えてくれる。
 今日は二子玉川の花火大会。帰りの電車の窓から見えるかな?。


2006年8月18日(金)
 久し振りに夏らしいかんかん照りで風が強い。昨日時間切れだった植え込みを終わらせ、休みの間に伸びてしまった草を取る。
 昨日とは打って変わって誰も来ない。埼玉のIさんからは「日曜日に行きます」との電話があり、日曜は又車があふれそうだ。横浜のYoさんからも電話で、鉢の揃い具合を尋ねてくる。品揃えはぎりぎりになる見込みで、三橋さんの備前焼に期待が集まる。
 静かな時には作業をと、日本春蘭の花芽を探すことにした。上土を払ってよくよく見ると、花芽かな?という程度。違っているのや、反対に見逃しもあるかもしれないが、一応土盛りをした。 浙江省秋蘭が今日咲き始め、玉花蘭も棚で咲いていたのを店内に飾る。
 夕方になってようやく近くのSuさんが来て、遺品の蘭の中から2つ選び出し、段々に嫁入り先が決まっていく。続いて退院したばかりの川崎のKiさん。この間よりはずい分元気そうでよかった。
 最近山野草の石付けを色々買っていったお客さんが又来る。連れの外人さんもとても興味があるようで、軽石鉢をいくつか買って、自分で植えてみるらしい。自転車で通りかかったご夫婦も、山草棚を見て並べたばかりのを選んで行く。暑い時期は夕方になってから人出があるようだ。
 小柴さんに電話をして、鉢を取りに行く日にちを打ち合わせた。

2006年8月17日(木)
 10日間の夏休みが終わって後半戦がスタートした。その間、御岳山でレンゲショウマを見がてら、日の出山までハイキングをしたり、出光美術館で開催されている「青磁の美」展を見に行ったり、普段中々会えない友人らと会ったりと、それなりに楽しんだ。休みの間に山野草の仕入れに行きたかったが、向こうもやはり休みで、仕方なく今朝仕入れ先に寄ってから車で来た。
 こんな暑い時に来る人もないからと思ったのが間違いだった。買ってきた山野草を植え込んでいたら、下町のHiさんが現れる。続いていつものKoさんも寄る。目黒のHiさんも、行くところがないからと遊びにくる。大田区のUさんも、ようやく休みになったとやってくる。世間が休みでまだ開いてないところがあるから、かえって人が集まることになったのだろう。駐車場が忙しいことになってしまった。
 夏の花は短命で、休み前に咲いていたギボウシやスルガランはすっかり終わっていた。代わりにサギソウが真っ白い羽を広げたように咲き始めたし、秋蘭のつぼみもふくらんできた。
 日曜日には又ここに集まる相談がまとまったようだし、古本の注文もある。すぐにも休みボケから脱して、秋のシーズンに向けて動き出さなくては。


2006年8月6日(土)
 乾いた熱風が吹き付け、日中は照り返しで強烈だが、風があるだけましかもしれない。今日も東京は35℃になったが、夕方日が落ちたらぐっと涼しくなった。
 その一番暑い時間帯に、麻布のMoさんがやってきた。「今日はみんな来ないのかなあ」。「この暑さではどうでしょうか・・」と言っていたら、大田区のSaさんが歩いてやってきた。近くのマンションが防水工事か何かで、工事期間中駐車場が使えなくなり、その影響でここの駐車場がすべて埋まってしまった。店専用の2台分だけなので、私も荷物を運ぶのは定休日にして、営業日は車で来ないようにしている。Saさんもそれに協力してくれて、最近は電車で来てくれる。店内に新しく並べた寒蘭を見て、「これ欲しいと思っていた」と売約にしていく。
 明日から10日間夏休みに入るので、夕方から全面的に水やり。途中から帰ってきた拓也さんと交代してHPの更新を始めたら、この間石付けの山草を色々買っていったお客様が、「すごく好評だったから友達を連れてきました」と3人で来てくれた。連れてきた友達というのは外国人で、イベントのディスプレーに使うらしい。「素敵!、素敵!」と、欅窯の焼締鉢、石付けの草もの、水盤などにぎやかに選んで、待たせたタクシーで慌しく帰っていった。
 明日からしばらくHPの更新を休みます。夏休み明けに又元気でお会いしましょう。


2006年8月5日(金)
 昨日は店を開ける前から中野のEさんが来て、他にお客様もないことだしと、ゆっくりおしゃべりをしてしまった。夕方かわいい赤ちゃんを連れた若いママが「見せてください」とやってきた。こんな店に珍しいと思ったら、この間ひょっと寄ったイギリス人男性の奥さんで、こういうものに興味があるらしい。ご主人に渡した案内状の葉書を持ってきていた。「洋蘭はあまり好きじゃなくて・・・」。花がない寒蘭と春蘭が店内に並べてあったのを説明し、2階の中国鉢も見ていってもらう。
 メールがいくつか来ているのに返事をしたら、更新する時間がなくなった。
 今日も朝からじりじりと照りつける。月曜日から夏休みに入るので、その前に色々片付けておかなくてはならないことがある。拓也さんがいる時にと、在庫合わせや精算、発送など次々とやってもらう。目黒のFuさんが展示していた「吉祥山」を引き上げ、八起窯のウチョウラン鉢と山草鉢を送り返したら、なおさらがらんとしてしまった。
 浜松のTさんから電話があり、9月の蘭鉢展には、蘭花村オリジナル鉢を紹介できることになった。展示できる作鉢として、ほどほどの値段で提供できそうだ。
 夏休み期間中の水遣りを再確認し、準備を進める。
 明日の日曜日は早仕舞いする必要がなくなったので、通常通り7時までの営業になります。


2006年8月3日(木)
 ようやく本格的な夏空になった。週末まで30℃を超える日が続くらしい。これまで乾きにくかった鉢もぐんぐん乾く。夕方からたっぷり全面的に水をやる。来週から夏休みに入るので、その間の水やりとの兼ね合いもあり、土曜日に計画表を作ることにする。
 6日の日曜日は3人とも都合が悪く、夕方5時に閉めることになった。夏休みの期間を決めたら、それ以外の時にそれぞれ用事が出来て、1日早く夏休みのような格好になってしまった。用事は夏休みの旧盆期間中ではなくその前後にぱらぱらとあり、夏休み中も管理は休めないから、8月は何となくだらだらと出たり休んだりということになりそうだ。(お客様にはご不便をおかけして申し訳ありません。)その間に小柴さんのところに鉢を取りに行ったり、蘭鉢展の看板作りなど準備を進めていくことにする。
 夕方、先月亡くなったお客様の遺された蘭と本を、息子さんが持ってくる。家族の方は管理の仕方も分からないし、続けていかれないというので、駄目にしないうちに持ってきて貰うことになった。夏休み直前なので、明日は管理体制に入れるようにしないといけない。


2006年8月2日(水)
 結局30日に関東は梅雨明けし、滑り込みで7月中ということになった。ところがその後もまだ夏らしい暑さはやってこない。きょうも秋を感じさせるような凌ぎやすさだ。このままいくわけはないと思うが、一体どんな夏になるのだろう。
 8月に入った今日から午後1時からの営業になった。8月一杯はこの時間帯でいく。注文の本を発送した後は、いつものKoさん、川崎のHaさんが寄ったくらいで静かなものだ。
 古くからのお客様の訃報が入ってびっくり。お世話になった方なので連絡に追われる。まだそんな年ではないのに残念だ。ご冥福をお祈りします。
 日曜日にはつぼみが固かったスルガランが開き始めた。


2006年7月30日(日)
 梅雨が明けたかと思うようなカラッとした青空になった。暑いが風があって気持ちいい。頼んであった楽の富貴蘭鉢が届いたので、開けて少し並べる。メールで書籍の注文に返事をする。
 表を通りかかる人が山野草の棚を覗いていったり、青々と盛り上がって伸びている生の水苔に興味をもって寄っていく。水苔は緑の絨毯のようで気持ちがいい。水苔だけを植えて緑を楽しみたいという人が時々いるのだが、そういう形で植え込んで試したことがないので、うまくいくものかどうかわからない。お客様で生の水苔を買っていった人は、余った分を結構駄目にしているようだ。ここでは発泡スチロールの箱に入れたまま、明るいところに置いて毎日水をやっているだけなのだが、これだけは失敗することなく良く育つ。今日もベランダに敷き詰めたいという人がいたが、毎日水をやるのが難しいというので、もう少し方法を考えてからにすることになった。代わりに石付けの山草類をいくつか買い、水盤も選んでいく。苔がいい感じに覆って、私も気に入っていたものだ。水苔を飾れるように作ってみようと、試しに少し鉢植えにして管理してみることにした。
 蘭の常連さんは今日は1人も来なくて、中野のEさん、麻布のMoさんなどが電話で「どうですか?」と聞いてくるだけ。Eさんは「今日は曇りだろうと早朝に水をやったらカッと晴れてしまって・・。雲が出ないかなと思っているんだ」。朝水をやると気を揉むことになるから、どんな天気でもやはり夕方にした方が安全ということだろう。「今年はチャドクガが異常発生しているよ」とも教えてくれた。梅雨がいつまでも明けなかったから、乾燥せず卵が孵るには都合が良かったようで、椿の木にはびっしりついているという。「まだ数ミリだから、今のうちならフマキラーをシュウッとかけるとすぐ死ぬよ」。明日の休みはフマキラー片手に我が家の侘び助を良く見なくっちゃ。


2006年7月29日(土)
 ようやく夏空になったと思ったら、昼頃急に雨が降り出した。すぐに上がったが、やはりまだ梅雨が明けてないから油断はできない。蒸し暑くてエアコンを入れる。
 店に接している外の棚の一番奥に置いてあるものは、手前から出さないと中々手が届かない。枯れ葉もそのままになりがちだが、店の中からは一番手前に見えるので気になる。今日も見ていたらぐんと丸い花芽が長く伸びている。順番に鉢を動かして出してみるとスルガランだった。もう25センチくらいになっていて、花が少ない時期なので喜んで店内に飾る。
 肥料が入荷したことを電話したら、世田谷のNaさんが買いに来る。使う量が半端じゃなくて、1箱取り寄せたのを大部分持っていってしまった。蘭もたくさんやっているが、菊も一生懸命作っていて、そちらにどんどん乗せるらしい。大輪の花を見事に咲かせて、咲いた鉢はあちこちに飾って皆さんに見てもらうという余裕の楽しみ方をしている。まさに悠々自適の老後でうらやましい。Naさんが帰ったあとは静かなもので、拓也さんとパソコンに向かってデータの整理をする。
 今日は隅田川の花火大会。我が家の近くでも、ローカルの花火大会があって、規模は比べようもないが毎年楽しみにしている。帰りに寄るつもりなのでさっさと片付けて帰る。天気がもってくれればいいが。


2006年7月28日(金)
 蘭鉢展のことで三橋さんと小柴さんに電話する。三橋さんは休養中だが、自分の楽しみのためにぼつぼつ作ったものを出してもらって、何とかいいものが並べられそうだ。
 午前中富貴蘭のHoさんが寄った後、いつものKoさんが来て、「何もありませんね」。この時期、次々と新しい花を見せるのはむつかしい。午後になって大田区のUさん、近くのSuさん、造園のTaさんが来る。Taさんも、「いやー、ホントにサッパリしたねえ」。皆新芽の伸び具合を自分のところと比べていく。
 夕方久し振りにえびねのHさんが寄る。今日もどんよりとした天気で、梅雨明けは来週になるようだ。


2006年7月27日(木)
 雨は降らないが梅雨空に逆戻り。今年初めて蝉の鳴き声を聞いた。
 パソコンでデータを整理したり名刺を作ったり、蘭鉢展の広告の打ち合わせをしたりで、部屋の中で過ごすことが多い。
 曇っているしお客様も来ないので、早目に水をやってしまおうかと思ったが、まあ夕方にと控えていたら、朱さんがやってきた。今回は仕事の出張なので、何も持ってきていない。「夕食の待ち合わせまで時間があったので」と中国の情報を色々聞かせてもらう。中国での蘭市場は、冷静な日本とは違ってすさまじいもののようだ。蓮弁蘭などは殖えがいいから、そんなに高いものがよく売れるものだと思うと、「殖えるから高くてもいい」という発想なのだそうだ。需要が何百本という単位なので、殖えればすぐに換金でき、又新しい品種を買うことが出来る。名前の通った有名品種は売リやすいから、安心して投資できるということのようだ。早いうちに買えば銀行に預けるより蘭に投資した方が確実に儲かるのと、人口の単位が日本とは違うので、大きなビジネスの場になっているのだろう。
 朱さんと入れ違いに川崎のKiさんが来る。7月3日に入院して心臓の手術をしたばかりで、退院後仕事に復帰して間もない。まだ大事にと、少し早目に引き上げたというのに、こんなところに寄ってしまって・・・。予定よりいい状態で手術も回復も進み、少しスリムになったが、元気な顔を見せてくれて良かった。手術の様子、留守中の蘭の世話と話が進んで、又いつものように、色々な蘭の話が止まらなくなる。早く帰って休んだ方が良さそうに思うが、精神的にはこれが一番のリハビリなのかもしれない。結局水やりはすっかり遅くなってしまった。


2006年7月26日(水)
 久し振りに日が射した。気温も上がって30℃を超えた。梅雨明け間近か。日中は何も出来ないので、切っても切っても伸びてくる通路の生垣を剪定する。
 世田谷のNaさんが用土と肥料を買いにくる。あるだけ持っていってまだ足りない。あわてて追加注文する。
 することもなく書籍2をアップする。


2006年7月23日(日)
 今日は土用の丑の日。雨が上がって蒸し暑いとはいえ、30℃には届かずどんよりしている。例年の丑の日とはずい分違うイメージだ。
 昼前にいつものKoさんが来る。そのうち麻布のMoさん、遅れて大田区のSaさんが顔を揃える。やがて昨日に引き続きの駒場のWaさんもやってきた。Waさんは日本ミツバチを集める箱を作るための材料を買いに来たついで。厚い板は重いので、二日に分けて運んでいき、手作りして蜂蜜をとるのだそうだ。
 このところ富貴蘭が次々と咲いてくるので、どうしても話題が富貴蘭のことになる。見るとやっぱりいいので、Moさんも新規参入することになり、Koさん、Saさんの解説を受けながら、丁度花が開いたところの「白皇覆輪」を持っていく。小さな鉢ながら存在感があって、花はいい香り。殖えたものはずい分お手頃の価格だから、花の少ない時期に涼しげでいい。
 目黒のFuさんが、毎年夏に花をつける杭州寒蘭の「吉祥山」が咲いたと持ってくる。5花ついて新芽も上がっているし、毎年冬にも咲くのだから完全な2期咲きだ。
 今日は近くの中里商店街のお祭りで、顔を出した近くのSuさんが寄る。屋台が出ているようで人通りもあり、覗いていった女性が山草を買っていく。日曜出勤だった浩司さんが戻ってきて、先週の続きで残った山草棚の日除けネットを取り付けてくれる。やり方がわかっているから1人で材料を買ってきて作業を進め完成した。準備さえ出来ていれば、いつ強烈な日差しが戻ってきても安心だ。


2006年7月22日(土)
 ようやく雨が上がったが、来週は又雨の予報。夏休みになってもまだ梅雨が明けない。しばらく太陽にはご無沙汰で、本当に雨はもう結構だ。蘭を見ても土が乾いてないので、水遣りに迷う。
 棚の奥で手が届きにくいところは、古葉の枯れこみが目立ったままだ。今日は前から順番に出して奥の鉢を取り出してみる。手に取るとどこがどのように枯れているかわかるので、おかしなものはすぐに開けてみる。植替えの時期ではないが、「変だと思ったらすぐに開けてみる」というのは鈴木さんによく言われていたことだ。枯れこみを整理したら、ずい分生きが良くなったように見える。
 午後になって下町のHiさんが来る。「明日都合がつかなくなったので今日来ました」。いつもの仲間は今日は来ないが、ゆっくりおしゃべりをして、「売れてなかったら買おうと思っていた」本を買っていく。
 杭州が1鉢株元が枯れこんで、あわてて処置してきたという駒場のWaさん、富貴蘭のHoさん、富貴蘭を買っていった女性客なども寄ってくれる。隅から隅まで丹念に見ていくWaさんは、浙江省秋蘭に花芽がついているのを見つけてくれた。
 昨日カイガラムシが見つかった棚では、他にもカイガラがついているのがあったので、夕方から拓也さんにカルホスを散布してもらう。普通ならこの時期では暑くてダメな筈だが、梅雨が明けないせいで涼しいのは助かる。夏前最後の消毒だろう。あとは寒蘭の花芽が上がった頃に、スリップス対策の殺虫剤をやることにする。


2006年7月21日(金)
 朝から又雨で外の作業が出来ない。忙しいシーズンには中々手が廻らないことを、こんなときにやっておこうと、店内の扇風機を2台分解して掃除する。この時期は作場の環境を整えたり、店をきれいにしたり、物置を整理したりの絶好機だ。その日の天気次第でどこに手をつけるか考える。雨の止み間には、伸びてしまった木の剪定をする。
 午後前橋のKiさんから電話で、秋に割るものの予約が入った。いつものKoさんが寄っていったあと、雨も上がったので外の作場を見て廻る。「蟻を見たらカイガラ」というのは本当だった。何だか調子が良くないなという日本春蘭を見つけて取り出すと、鉢の上を蟻が這っていて、案の定カイガラムシがびっしりとついている。開けて見ると鉢の中にも蟻が一杯。根もあまり良くない。樹精が衰えたところにカイガラがついて、カイガラの出すネバネバした甘い液に蟻が集まってくる。株は一層弱る。傷んだ根を整理して殺虫剤、殺菌剤をたっぷりかけてから、新しい土で植え替えた。その隣の鉢にもやはりついていて、同じように開けて処置する。他のものは大丈夫そうだが、明日又たっぷりと消毒だ。何度も予防的にやってはいるが、まだ足りないのだろう。たまに株元から茶色になってはらりと落ちるのも出るし、一にも二にも観察を怠らないことが肝心だろう。


2006年7月20日(木)
 朝の雨が上がって、曇りだが久し振りに傘のない日になった。それにしてもよく降って、各地の被害が連日報じられている。明日からもまだこの雨が続きそうで、これ以上被害が広がらなければいいが。今日も涼しくて乾いてないから水もやらず。
 午前中港北のHaさんが来た後、三橋さんに電話して蘭鉢展への出品について問い合わせる。備前焼の新作が並べられそうなので楽しみだ。
 作場を丹念に見て廻ると、前の方が枯れこんでいる豆弁蘭が見つかり、植え替えて手当てをする。古葉を整理していたら、中野のEさんが来た。久し振りなので近くのSuさんも呼んで閉店までおしゃべりをする。


2006年7月17日(月)
 このところの蒸し暑さから一転、雨で涼しい。丁度富貴蘭を送ることになっていたので、この涼しさはありがたい。今朝一番で荷造りして郵便局へ出しに行く。
 午前中から下町のHiさん、着生蘭を買いに若い造園屋さん、昼過ぎに大田区のSaさん、目黒のOさんがくる。このところ行事で休日に来られなかったSaさんは、新盆を済ませたHiさんと約束して久し振りに顔を合わせた。先週茶色く枯れこんだため手当てして預かっていたSaさんの杭州は、殺菌剤でも止まらず、ついにほとんどが茶色くなってしまった。残念!。ここでも今年4本新芽が出た「紫園」は、そのうちの1本が少し黒くなってきたので昨日それを欠いた。幸い元までいってないので、後の3本は大丈夫そうだ。あちこちの棚で、この時期見られることだろう。
 鉢好きのOさんは2階の鉢をじっくり見ていく。普段は暑くて長い時間いられないが、今日は凌ぎやすくて苦にならない。それぞれ予定があって引き揚げたあとは静かなもの。雨の止み間に作場を整理し、早めに閉める。
 19日水曜日は振り替えの休みになりますので、ご注意ください。


2006年7月16日(日)
 どんよりとした梅雨空に戻り、午前中は時折雨。蒸すが日が射さない分ましで、何とかエアコンなしで過ごす。
 この間山草棚の上にダイオネットを張ったが、その取り付け方法が良かったので、反対側もこのやり方でしようということになった。浩司さんに材料を買いに行ってもらって、こういう風にと注文だけしておいたら、お客さんの相手をしている間に、1人で全部やってくれた。
 まず、田園調布のTuさんが寄って行った後、上野グリーンクラブに行った帰りだといって、出版社のSさんが久し振りに寄る。そこへ麻布のMoさんもやってきた。しばらくおしゃべりして2階の鉢や本を見る。Sさんは棚下から出てきて初めて披露した黄泥の六角鉢を持っていく。
 その後藤沢のFuさんが、これまた久し振りに顔を見せる。春に2条で買っていった蓮弁蘭が、新芽がたくさんあがったそうで、「2条で育つのか不安だったんですけど、大丈夫なものですね」と栽培に自信がもてたようだ。秋には又別のを割ってと作場を見ていく。やはり2階に新設した本棚が目当てで、じっくりと見ている。絶版になっている本を、「今度売り物が出たらお願いします」と言って、中国語の蘭の本を買って行った。
 富貴蘭は次々花芽を伸ばし、咲いてきた。明日は休日の月曜日なので営業し、代わりに水曜日を休みにします。


2006年7月15日(土)
 今日もまるでオーブンの中。上野グリーンクラブに直行して、富貴蘭展を見てくる。一通り見て頼まれていた品物を買い、表の山野草を見る。強い陽射しの下に並べてある蘭鉢を手に取ったら、やけどしそうなほど熱くなっていた。買い物をして昼前に店に着く。
 エアコンをつけるように頼んでいったのは、人間のためでもあるが、夏咲きえびねのためでもある。ツルランやリュウキュウエビネは、せっかくつぼみがあがっても、黒くなってしまって咲かないことが多い。早目にエアコンをかけた中に入れると、カクチョウランサビ病にならずにちゃんと咲くので、ここ何年も夏はエアコンのお世話になっている。
 昼過ぎにすごい雷雨で、頭の上で鳴っている感じ。パソコンの電源も切ってじっとしている。そう長い時間でもなく又明るくなったが、梅雨明けはまだか?
 拓也さんと本棚の組み立てにかかる。2階は暑いのでクーラーの効いた1階で作業し、出来てから上へ運ぶ。それほど邪魔にもならずに、売り物の本が並べられるようになった。
 小柴さんに電話して、鉢の進み具合を聞く。色々お願い事をしてあったのにそって、着々と作りためていてくれるようだ。蘭鉢展に間に合うように取りに行くことにする。注文の鉢の発送など、作業ばかりの日で、店の方は閑散としている。こんな暑さでは、余程の用事がないと出かける気になれないだろう。
 夏休みと8月の変則営業を店主と相談。スケジュールにアップする。


2006年7月14日(金)
 とにかく暑い!!。朝出てくる時からじりじりと照りつける。日中はエアコンの中にいるだけで、水もやれないしどうしようもない。
 今日も自分のところで作っている春蘭の芽が出てこないとか、木につけていたフウランが調子よくないので、鉢植えに変えたいとか、暑い中をやってくる人がいる。この時期は一番トラブルが発生するし不安になるものだ。ここでもえびねの小苗で軟腐になったのがあったし、色々なところで「あーあ!」ということはあるが、全体としては新芽の出もいいし、まあまあかな?。それにしても、今からこの暑さではたまらない。
 目黒のHiさんが「作業をしていた接着剤が乾くまで」と遊びに来て、杉並のUさんが昨日に引き続き「暑い!」とやってくる。最も気温の高い時間帯だから、ハウスの中もざっと見るだけで、落ち着いていられない。それでも「秋にこれを割って」と中国蘭を予約していく。Uさんのところでも、株元から茶色になってポロッと落ちていく杭州や連弁がたくさんあったそうだ。マニアの棚でもそうなのだから、ある程度は仕方ないか。
 夏咲きえびねのつぼみが上がっているのが見つかって店内に入れる。今のところ3鉢しかないので、今年の夏は並べるものに苦労しそうだ。
 明日は上野グリーンクラブに寄ってから出るので、白石はお昼頃になります。


2006年7月13日(木)
 じとーっとまつわりつくような暑さ。たまりかねて初めてエアコンを入れる。
 こんな日に来る人はないだろうと思ったら、午後になって横浜のHさんが現れた。短パンにサンダルという軽装で「暑いねぇ」。久し振りなので、すっかり変わったねと、あちこち見たり、新芽の具合を確認したり。ハウスの中も2階も、暑くて長いこといられない。
 そこへ杉並のUさんも「暑い!」と入ってくる。2階に並べた古鉢を見て「花が何もない時は鉢」と売約していく。空が暗くなってきて「これは降ってきそうだ。濡れないうちに三軒茶屋まで行かなくっちゃ」とあわてて帰っていったが、外の棚に水をやり終わった途端にザーッと落ちてきた。Uさんは無事濡れずに着いただろうか。
 今度は大田区のUさんがやってくる。昨日預かって置いてある調子の悪い杭州の根巻きを見て、「凍害でしょう。僕もありました。今年の冬は寒かったから」。そういえばここでも外の棚に置いてあったもので、葉が黒くなって落ちてしまった杭州があったが、凍害というのは東京ではこのところあまりなかったことだ。それだけ何年に一度という寒さだったのだろう。軟腐や病気によるものでなければ、現在大丈夫なところはOKだから、当たりが動いて芽が出てくればいいが。期待している人がいるホープの株だから、何とか盛り返してほしいものだ。
 Uさんは日本寒蘭をやっているので、先日入れた寒蘭関係の本に目が行く。「持ってないものばっかりだ」と1冊づつ丁寧に見ていたが、「探していたものが一気に揃いました」と喜んでごっそり持っていく。こうして不要になったところから必要とする人のところへの橋渡しができて良かった。


2006年7月12日(水)
 鉢や本の置き場を作るべく、休みにホームセンターに行った。包んでしまっておいたのでは簡単に見てもらえないから、選びやすいように並べておきたいのだが、狭い場所の邪魔にならないようにする必要もある。メジャー片手にたくさんのアイテムの中から、適当なものを探して持ってきた。
 夕べは今年初の熱帯夜で、日中も曇ってはいるが蒸し暑い。汗をかきながら、取りあえず鉢置き場だけは何とかなった。本棚の方は組み立てなくてはならないので、週末の作業だ。
 そんなところへ、大田区のSaさんが久し振りに寄る。杭州寒蘭がおかしくなったと持ってきたのは、葉先は青いのに1条の株元が黒くなっている。バルブはまだしっかりしているのではずし、トップジンMとマイシンで消毒して、それぞれ生の水苔巻きにしてみた。これで止まってくれればいいが。
 この間植え込んだ苔が、休み中の暑さと乾燥でチリチリしている。新たに持ってきたものを植え込んだり、作業をしていたら、女性の二人連れが入ってきた。やはり気になる葉を見てもらいたいと持ってきて、こちらはダニによる被害に見える。この季節はトラブルが起き易いから、とにかく作場をまめに見ることが大切だろう。


2006年7月9日(日)
 目黒のHiさんが来て、この間下げた中古鉢が高値で売れたという。ここで色々な人に見てもらって残っていたものだが、別のところで需要があるのだったら良かった。「それにしても鉢は良く売れましたね」。Hiさんにしても予想以上だったようだ。
 下町のHiさんが、今日はいつものKoさんと約束してやってくる。目黒のHiさんが出した鉢をいくつも買っていて、「鉢は出会いだし、用が無くなったときに、次の人の手に渡るようにすることは大事ですね」という話になった。ここの蘭鉢展でも、新作が売り出された時に、いいものから売れてしまうのだから、残った新品より買われたものの方が良かったに決まっている。たくさんの中から厳しく選んで、気に入ったものを買って使っていたのだから、放出の中古鉢は宝の山だ。
 後からやってきたKoさんも合流して、杭州の新芽の具合を見る。それぞれ狙っているものがあって、「この新芽が伸びたら秋にはここをはずせる」とか、「今年は割れますね」とか予約をしていく。見ているうちに、杭州花未確認の根巻きの束に花芽がきているのが見つかった。これで今のところ花芽は2株。
 見慣れた車に引き寄せられて近くのSuさんが寄る。これで中国蘭の3人が揃って又にぎやかになった。
 ウチョウランは数鉢を残して全部花を切り、培養に入る。富貴蘭はずい分花芽が伸びてきた。


2006年7月8日(土)
 久し振りに横浜のYoさんが来る。以前から目をつけていた欅鉢があったが、「あれっ!売れちゃった」。下町のHiさんも同じように気にしていたもので、この間持っていった後だった。「残念!」と最近入った中古鉢など、いくつか選んでいく。
 千葉のTさんが「これから同窓会に行くんです」と言って、杭州の新芽を見に寄る。予約札を入れているものがあるから、気になるところ。そろそろ次の予定を立てなくてはいけない時期だ。
 売り物の本がだんだん増えてきて、指定席を作ってあげたいと思う。新刊の中国の本や中古の本など、これからも置くことになるのだから、並べる場所が必要だ。2階を工夫して、夏の閑な間に何とかしたいと片付けはじめる。
 夕方貸してあった「朱天王」が戻ってきた。持って行った時は最初の1花が開いたところだったが、1本全部が咲いていい香りが漂っている。「白紫宝」「シライトソウ」もまだ元気で勤めを果たしてきたようだ。


2006年7月7日(金)
 朝来たら店の前にパトカーがいて、現場検証をしている。246と旧道との合流地点だから、いつものように横断する自転車との接触事故だろう。今日はバイクと自転車のようだ。
 七夕だが、ちょっとデートは無理のような曇り空。一日中どんよりとしている。人の出入りもなく静かなので、ウチョウランを片付けたり、山草を植え込んだり。山草棚の桔梗が咲いてきた。本に関わるついでに、これまでに発行された蘭の本のデータを整理しようと思い、パソコンに向かう。


2006年7月6日(木)
 業者から中国蘭関係の本が欲しいとの電話があり、偶然入ったばかりの誠文堂新光社「中国ラン」と、「蘭寶ャ史日本語訳版」を送る。「蘭寶ャ史」はこれで完売打ち止めとなった。
 今日も古本の現状をインターネットで調べてみたが、価格が実にまちまちだ。それにしても蘭に関する単行本というのは、ずい分長いこと出版されてないのに驚く。ほとんど絶版になっているから、最近になって始めた人は、手に入れるのが大変だろう。持っている人が放出するのを待つしかないから、今揃えている人は丁寧に扱って、最後はリサイクルを考えて欲しいものだ。
 いつものKoさん、近くのSuさんが寄り、新芽の出を気にしてみていく。


2006年7月5日(水)
 昨日ちょっと遠出して、かなりのマニアだった古いお客様を訪ねた。亡くなられたご主人と一緒に遠くまで展示会を廻って歩き、一緒に世話をしてこられた方で、最優先で蘭を買ってしまうご主人と、同じように夢中の蘭友が時間も構わず訪ねてくるのを、あきらめの気持ちで付き合ってきたのだそうだ。あちこちのマニアの家でも、同じ光景が見られるに違いない。亡くなる少し前の、最後の退院の途中も蘭屋へ寄って蘭を買い、来年植え替え用の土も買おうとするのを、「治療費だと思って買いました」と言われる思いやりに感じ入る。
 昨日はいい天気で暑かったが、今日は朝から烈しい雨。何も出来ないので、いただいてきた古い蘭の本を整理する。これから始める人には喜ばれるだろう。最近はホント手に入りにくいから。
 ウチョウランはほとんど花が終わってしまったが、こんな頃に見に来る人が何人もいる。「今度はピークの時に見てくださいね。素晴らしいですから」。「ちょっとやってみたい」という若い男性は、雨の中わざわざお金を下ろしに行った。
 葬儀の花をMaさんが取りに来る。前もって電話があったときは、ウチョウランの大株がまだ見られたのだが、休みの間に下の方が茶色になってきた。遅咲きの「白紫宝」がまだきれいなのを山野草の盆景の中に入れたら、すてきな飾り物になった。咲き始めたフウランや山草の植え込みで予定の数が揃い、ほっとする。こういう端境期に、飾れるような花が常にあるというのは中々難しいことだ。
 普通のスルガランを予約していたSuさんが来る。こんな安くなってしまったものは、聞いても売ってないのだそうだ。


2006年7月2日(日)
 目黒のFuさんが生の水苔を買いに来る。今鳴く虫に夢中で、水辺の虫のためにかごの中に敷くのだそうだ。適当に水苔の中にもぐって具合がいいという。
 富貴蘭を色々出してくれているHoさんが来て、シランの三蝶咲きや大株のスズチドリ、黄さんの朝顔鉢など色々買っていく。続いて下町のHさんが来て欅鉢を。通りかかったら車があったと近くのSuさんが寄る。作場を見て、新芽の出具合がとてもいいとほめられた。昨日出土?した鉢を見て、「これは何々を」と植える構想が膨らむ。
 夕方又Hoさんが寄って、朝顔鉢をたくさん持っていく。昨日見つかって表に出しておいた珊瑚礁を、「全部貰っていく」と一緒に詰めていった。ウチョウランやイワチドリの展示用に作った盆景作りを置いていってくれたので、有効に使わせてもらうことにする。
 世田谷のYoさんが、予約してあった黄花フウランを、タクシーを待たせたまま慌しく買っていく。
 日中予期せぬ雨がかなり降って「やはり梅雨時は傘を持って来るべきだった」とあせったが、夕方には止んでホッとした。


2006年7月1日(土)
 店のストック品などで物置になっている部屋は、とりあえず皆の不用品置き場になっていて、段々足の踏み場が無くなってきた。後から後から空いた場所に置いてしまうので、もう何がどれだけあるのかわからない。拓也さんと朝からその部屋を片付け始める。長いものや薄いものなど形がまちまちなのを、立てかけたり積み重ねたり、天井近くの棚に上げたりと格闘。不用品を処分したら、ずい分広く使えるようになった。小さい家だと物をしまっておけないから、その都度処分するのだが、広くて場所があると、ついつい何でも取って置くことになって、結局スペースが足りないのは同じだ。二人で店を離れてしまうので、時々様子を気にしながらの作業だったが、とうとう誰も来なかった。
 午後から店内の棚下を、ついでとばかり片付ける。ひな壇になっている棚下は、これまた置き場所に困るものを入れてしまう。掃除を兼ねて置いてある鉢を全部出し、捨てるものを処分した。鉢を洗うと、ひびが入っているものもあったが、完品もある。昔鈴木さんが植えていたもので、「そうそう」と懐かしい。2階に上げて、少しずつきれいにし、9月のガラクタ市に出そうと思う。
 普段手の届かない部分の掃除、片付けを夢中でして、気がついたら用土を買いに来たお客さんだけ。電話での注文があって、明日は少しにぎやかになるかもしれない。


2006年6月30日(金)
 早いもので今年も前半が終わった。ウチョウランは大分花が傷んできて、徐々に片付け態勢。あとは富貴蘭、夏咲きえびね、蘭鉢だが、杭州寒蘭がぐっと近づいてきた気がして、あらためて新芽を見て廻る。この前は出てないと気を揉んでいた鉢も、今日見るとずい分出ている。「八つ山」「岳陽」「聞韶」にもいい芽がきたし、「峨眉山」「飛仙」は2本。この間3本上がっていて驚いた「紫園」は、さらにもう1本出て4本。元々4条だから倍増だ。こんなに殖えるなんて何かあるんじゃないかと心配になるほどだ。
 大田区のSaさんが寄って、「富貴蘭ずい分ふえましたねえ」。「少し置き始めると仲間を呼ぶんでしょう」。赤花のラックを見ていたが、「猩々」を売約する。


2006年6月29日(木)
 昨日の春剣蘭を、横浜のWaさんが早速来て持って行く。昨日取り上げた「ヒトツバショウマ」も、自転車で来た女性が買っていく。その後、港北のHaさんが病院の帰りに寄る。
 昨日に引き続き晴天で暑い。夕方まで水をやることもできず閑。時々通りかかりの女性がウチョウランを見に入って来る。
 夕方えびねの棚を見ていたら、コオズが1鉢軟腐になっているのが見つかった。鉢を開けて黒くなったバルブを切り取ってトップジンMペーストを塗り、マイシンで消毒した。新しい芽が出ていたから、何とか助かってくれればいいが。
 遅くなってえびねのHさんが黄花フウランを見に来る。


2006年6月28日(水)
 定休日に鉢、用土、山草など仕入れたのを、植えたり整理したり。ポット植えを似合う鉢に植え替えて、ぐっと見栄え良くなった時がうれしい。山草棚ではしばらく前に開きだした「ヒトツバショウマ」が、小さな白い花を一杯咲かせて見頃だし、ラベンダーも紫に染まって満開だ。
 蘭も山草も何でも好きというHoさんが、黄花のフウランを持ってきてくれる。咲き始めは薄いが、段々色が乗ってくっきりとした黄色だ。ウチョウランの並んだ棚にもこの黄色は無いので一段と映え、甘い香りが漂う。
 港北のHaさんが、頼んであった紅花春剣蘭を分けてきてくれたので、希望者のWaさんに電話する。Haさんは緑釉広東丸鉢の全面銀化したのや、注文で作った欅窯の焼締えびね鉢などを持ってきた。これもそのうち皆さんに見てもらうことにする。
 いつものKoさんが来ているところに、Hoさんが今度は「朱天王」と「猩々」の殖やしたのを持って来てくれる。どれも花芽が大分伸びていい色になっている。値段をつけるとKoさんが早速1鉢持っていった。
 夕方大田区のUさんが遊びにくる。梅雨の中休みで昨日今日と夏のようだ。水やりも夏バージョンにしなくては。


2006年6月25日(日)
 次々と休み無く続いた植替え、株分け、店内の入れ替えなどの作業が一段落し、ようやく置き場を見直す余裕ができた。人手のある土日に大仕事をしようと、昨日は山草棚の日よけ、今日は浩司さんに頼んで裏の資材置き場を整理してもらう。植替え作業場に置いてあるプラ鉢の段ボール箱が、雨がかかってぼろぼろになってしまったのと、取り出しにくく在庫が一目でわからなかったのを、何とかしたいというわけだ。園芸関係の用具、各種鉢、用土のストック、古い土の処理、使った鉢の置き場など、日に日に変化する大量のものを、常に整頓された状態にしておくのは本当に大変。専用のスペースがたっぷりないと、すぐに乱雑になってしまう。広さは限られているから、そこをどう効率よく使うかだ。資材置き場の棚を増やし、場所を入れ替え、工夫して使いやすくしてくれたが、明日土と鉢の仕入れに行くと、又頭を悩ませることになるかもしれない。毎日使うものをたくさんストックし、しかもすぐに取り出せるようにするのは意外と難しい。常に見直すことが必要だ。
 真っ黒になって作業をしていたら、下町のHiさんが富貴蘭を数鉢持ってきてくれる。これまでに並んでいるところに追加すると、一段全部が富貴蘭になった。ウチョウランもそろそろ終わりになってきたから、まだ元気なのを残して花を切る。徐々に次の展示へ切り替える体勢だ。
 「ずい分鉢が減りましたね」と、在庫の欅鉢を確保する。約束している大田区のSaさんは、上野東照宮の富貴蘭会を見てからやって来た。手に買ってきた富貴蘭を提げていて、勧められて会にも入会したそうだ。ここのお客様も何人か入っていて、いつも顔を合わせているのだから仕方ない。又着々と作場の蘭が増えていくことだろう。
 そのうち埼玉のIさんもやってきてにぎやかになる。作の上手な人で新芽の様子も上々のようだが、「いいものは殖えてくれない」。こちらの新芽も確認して、去年から気になっている杭州寒蘭を予約する。
 ウチョウランの可愛さに誘われて、女性客が何人か入ってくる。どうしても敷居が高い感じだろうが、表の山野草をきっかけに少しは気軽にに入ってきてくれるようになったかもしれない。
 昨日の中国鉢に予約が入る。

2006年6月24日(土)
 梅雨の晴れ間はありがたいが、真夏の暑さ。山草棚にはこれまで簡単な遮光ネットはあったが、こんな日に見ると上からまともに陽が当たっている。山野草は木漏れ日程度にしたいから、拓也さんがいるチャンスに、上から新しいダイオネットを張る。梅雨明け後の準備が整って一安心だ。
 作業をしていたら、近くのHiさんが造園のIさんと一緒にやってくる。庭の手入れの打ち合わせに来たついで。鉢好きのIさんは、欅窯の新しく来た鉢に目をとめる。売約になっている貫入青磁を持って、「これいいねえ」。棚の上に置いてある古い欅の象嵌春蘭鉢も「これいいねえ。譲って!」。「これはお客様が使っていた鉢で、中身を抜いて置いてあるのを、すでにみんなが狙ってます」。こういう一点ものは、皆同じものが欲しいから困ってしまう。ウチョウラン好きのHiさんは、今日も「湘南」「雷鳥」の株立ちを持っていく。
 午後中国鉢の写真を撮って「お知らせ!」に載せる。
 ウチョウランをやっている目黒のBaさんが寄った後、駒場のWaさんが来て新芽の出具合を見ていく。この春中国からの蓮弁蘭を買っていったが、5本も新芽が出てきたそうだ。「HPに植木の剪定をしたと書いてあったから、僕も午前中やってきた。疲れた!」。
 夕方初めての女性客が寄る。「いつもバスの中から素敵だなと見ていて、いつか寄りたいと思ってたんです」。山野草が好きで、鉢を自分で作るそうだ。植え方を参考にしながら用土を買っていく。
 遅くなって造園のTaさんが来る。今年から始めたウチョウランを貝殻の鉢に植え込みたいと、メリハリの利いた連舌白紫一点花の株立ちを買っていく。どんなものでも鉢と全体のバランスを考えて作っていく人で、きっとセンスの良い展示品が出来上がるだろう。


2006年6月23日(金)
 午前中は世田谷のTaさんがちょっと寄っただけで全く閑。どんよりした空模様でそれほど乾かないし、作棚を整理したり、雑草を取ったりでのんびりしている。
 午後も遅くなって朱さんが現れた。ほとんど同時に目黒のHiさん。預かっている中古蘭鉢のうち、欅窯の伊羅保を欲しい人がいるからと下げる。
 朱さんも蘭の方はシーズンではないので、今回は蘭鉢を持ってきた。中華民国時代に作られた大小セットで、杭州植物園の在庫の中から、上海植物園の沈さんが選んできたもの。春蘭の大株などに向くような鉢で、中国鉢としては大きな穴が開いている。明日写真を撮って、「お知らせ」に出そうと思う。全部で13セットあるそうで、今回持ってきたのは1セット。注文があったら後から送ることになる。
 目黒のHiさんは中国には何度も旅行している中国通で、初対面の朱さんと最初中国蘭の話をしていたが、そのうちIT関連の同業だとわかった。あとは専門用語が飛び交ってこちらは何のことだかわからない。二人で話が弾んでいるところに麻布のMoさんから電話があった。話の後に宝壽園の中村さんが亡くなったと聞いて驚いた。この春には訪ねてみたし、しばらく前に鉢のことで電話をもらったばかりだ。まだ若いのに、突然のことだったらしい。後が大変なのはこちらも経験済だ。ご冥福をお祈りします。


2006年6月22日(木)
 最近電車の遅れが目立つ。利用している田園都市線は、前は本当に正確だったが、今朝も出勤時間にノロノロになったり止まったりで、結局1時間も余分にかかってしまった。安全第一ということで、文句を言う人もいないが・・。
 到着して門を開けないうちに、世田谷のOさんがもう表で待っていた。この間ウチョウランやイワタバコや山草を買っていったが、少しばかりだとかえって管理がしにくいと、又色々選び出して買っていく。
 午後世田谷のYoさんがえびねのHさんと一緒に来てくれた。買い物に行った帰りだとかで、久し振りだ。こちらも暇だったので丁度いい。暫くの間ゆっくりおしゃべりをする。
 夕方古葉を整理したり新芽を捜したりで、作場を順番に見ていく。もうかなり顔を出しているが、希望者がいる品種でまだ出てないのもあって、気がもめる。鉢物の棚を整理していたら、門の脇のレモンの木に青虫が3匹もいるのが見つかった。この間からモンシロチョウが盛んに飛んでいるから、注意していたつもりだったが、目の前にいても気がつかないほどの保護色だ。葉っぱが大分食べられてしまっているので、かわいそうだがどいてもらった。


2006年6月21日(水)
 耳鼻科に寄って10時前に着いたら、もうお客さんが来ていた。続いて造園のTaさんが、近くの仕事のついでに寄る。先日の土曜日少し早く帰った後に来て、ウチョウランを買っていってくれた。ずっとウチョウランは素通りしてきたのに、やはりかわいいと今年ついに始めてしまったとか。昼に又来て、花を見ながら休み時間を過ごしたあと、仕事に戻っていく。
 ユウコクランが売れたので別の1鉢を出してくる。Kiさんから預かっているユウコクラン素心も咲いていたので一緒に飾る。
 店内で小鳥の鳴き声がするので見ると、雀の子がウチョウランの棚に止まっている。そのうち2階に飛んでいってしまって、開けた窓から出られないでいるようだ。丁度現れたいつものKoさんに話すと、鳥好きなKoさんが上がって行って捕まえてきた。ようやく飛べるようになった子供が、親から離れてしまったのだろう。親鳥のところに帰れるかどうかわからないが、取りあえず外に放してやる。
 暫く振りというお客さんが来て、最近のウチョウラン交配新種のすごさに驚いている。昔の山採りを見ていた人にとっては、全くどこまで行くのだろうという感じか。
 夕方川崎のKiさん、近くのKaさんが寄る。お中元にと注文のあった春蘭を荷造りして帰りがけに発送する。


2006年6月18日(日)
 今年の梅雨はいかにも梅雨らしい。今日も一日しとしと。こんな雨の中、80才を過ぎた世田谷のOさんが来てくれる。久し振りだったので、駒澤大学駅を下りて反対方向に歩いてしまったらしい。駒沢交差点から引き返したというから、相当な距離を歩いたことになる。しばらく入院していて9sやせたというが、傘をさして歩いてきたのだから大したものだ。濡れながら山草やウチョウランをいくつか選び出してくる。かなりの重さになるので大丈夫かなと心配になるが、元来の植物好きなのだろう。
 目黒のHiさん、近くのKaさん、初めてのお客さまなどが見えるが、雨も止まないし静かなもの。今晩のワールドカップに備えているか。


2006年6月17日(土)
 今にも降りそうな曇天だったが、昼頃から日が射してきて暑い!。朝のうちは「この天気では日中に消毒してしまっても大丈夫かも・・」と話していたが、こんなこともあるから、夕方以降という原則は守った方がいい。
 温室脇の竹やムラサキシキブなど伸び放題のを、拓也さんに剪定してもらう。「1年でよくもこれだけ伸びるものだ」というほどで、間をすかすと風も通るし、見栄えもぐっと良くなった。
 駒場のWaさんが杭州寒蘭の新芽を見に来る。花未確認株は水苔で根巻きにしてあるから、まだいくらも顔を出していない。「ちょっと早かったかな?」。続いて品川のKuさん、出版社のSさん。3人ともグリーンクラブに行った帰りだそうだ。
 ウチョウランの三人組が揃って来て、あれこれ物色。好きなのに「殖えないで半分消えてしまう」のが悩みだそうだ。
 日が傾くのを待って殺菌殺虫消毒。


2006年6月16日(金)
 大雨の予報に完全武装で出てきたが、昼前には霧雨に変わった。作場の中を端から見ていくと、日本春蘭のコーナーはほとんど新芽が出ている。中国春蘭は「万字」「吉字」「蔡仙素」「天興梅」「珍蝶」「雪蓮」「大富荷」「汪咲春」「老文団素」「楊氏素」「天童素」など、大分確認できた。蓮弁、豆弁などの奥地ものは、とっくに新芽を出してきているが、杭州寒蘭ではまだのが多いようだ。早く出たのではずい分伸びているのもあるのだが。
 「珠峰雪」の新芽はこの間「きょうのショット!」で取り上げたが、今日見ると先が白く抜けた新芽がもう1本出ている。「紫園」も「珠峰雪」も殖えるのはうれしいが、これでは花が来るか心配だ。去年のは中国で咲いた花だから、こちらの気候で花を咲かせて見たい。去年「紫極」もたくさん新芽を出したし、昔の「殖えな〜い」という杭州とは違うタイプのようだ。
 中国から大中華蘭花網という蘭ネットを紹介するメールがきた。行ってみるとExciteの翻訳で出てくる。この翻訳を推理するのが面白い。「ハスのかけらの蘭」は蓮弁蘭か、「冷たい蘭」は寒蘭か、「スイセンのかけらの蘭」「オランダのかけらの蘭」は??、「小雪はあっさりしている」「大雪はあっさりしている」は「小雪素」「大雪素」のことか。「原文を開く」をクリックすると答えがわかる。
 午後雨が止んで、生垣の剪定をする。これをすると鈴木さんがやっていた姿を思い出す。


2006年6月15日(木)
 この間買った椿油を量産鉢で試してみる。白くカルキ分が浮き出た表面を、椿油を染み込ませた布で押さえると、その部分は濃い色になって白い汚れは消えたように見える。触っても油を感じることはない。とりあえず見本として半分だけやって、皆に見てもらうことにする。
 業者のNさんが棚を見に来る。中国蘭が目当てのようだ。20年ぶりというお客様がウチョウランを見ていく。仁王系はあまり好きじゃないと赤系の整形花を買う。「可愛いですね」と通りがかりの人が覗いていくが、ウチョウランマニアという人は本当に少ない。ブリーダーは次々と新花を作出するが、ここに見に来る人は皆、ウチョウランらしい花が好きだという。方向性が合っているのか、ちょっと疑問だ。
 午後から雨で作業もできず閑な一日。今晩は大雨になるらしい。


2006年6月14日(水)
 月曜日自宅に世田谷警察署から電話。HPのtopに、古物商免許に関する記述として3項目を掲載しなくてはいけないが、2項目だけで名前が入ってない。これをフルネームで掲載してくださいとのことだった。休み明けにはすぐに載せますということにしたが、この免許は細かい規則があり、中々やっかいだ。無免許営業はなお厳しいし・・。当店の場合、行きずり人から古物を買い取ったり、売ったりすることはないのだが、古物営業は犯罪防止の役目を担っているから、少々の面倒は仕方ないか。今朝最初の仕事としてトップページを作り変える。
 梅雨らしくどんよりとした天気だが、午後からは薄日が射してきた。いつものKoさんと、目黒のFuさんが寄る。
 Fuさんのウチョウラン白花を預かって作っているが、今年は本数も増え、見事に咲いて喜んでもらった。ハウスの春蘭などの上に吊るして作っているのだが、この中は割りと成績がいいようだ。ところが、ここに入りきれない並品をハウスの横の棚で作っている方は、木が小さくてうまく出来ていない。かごを被せてあるが明るすぎるし、第一ウチョウランを雨に当てて作るのは禁物だ。同じように植え替えたが、結果が良くないのでは管理する意味がない。やはりここにウチョウランを置くのはやめようと全部撤去することにした。棚板を洗い、花が終わって置き場に困っていたシランをそこに並べる。入り口脇の棚には、丁度見頃になったイワタバコを出してきて並べる。
 杭州「紫園」は4枚葉にヤッコで出ているが、今日2枚葉の方にも一つ新芽が出ているのを発見。何と4条に新芽3本だ。順調に伸びてくれればいいが。
 日中は閑で作業ばかりがはかどったが、夕方近くのSuさんと川崎のKiさんが寄る。


2006年6月11日(日)
 グリーンクラブに直行。展示場でやっているウチョウラン展を見る。どんどん大輪になってきて、うーんとうなるようなのが展示品として並んでいる。株立ちで見るかわいい野生蘭とは別種の感があるが、円弁でよれがないところに迫力満点の斑紋やぼかし、濃色花など、それはそれで魅力的だ。いくつか買い物をし、山野草のところも見て昼前に店に着く。
 大田区のSaさんが先に来て待っているところに、麻布のMoさんが、チゴユリの斑入りを持ってきてくれる。株全体が小柄で鉢に植えたとき様になるし、値段も手頃でいいと山草コーナーに仲間入り。Saさんは欅窯の寒蘭鉢を押さえる。
 この間問い合わせてきた港北のHaさんが、「高知朱金」の株を見に来る。「値段は気に入ったんだけど、ちょっと時間がかかりそうで・・・」。近くのHiさんやHoさんが、ウチョウランや用土を買っていく。
 一日中雨で肌寒い。水曜日は耳鼻科に寄ってから店に出るので、10時半開店になります。


2006年6月10日(土)
 毎年ウチョウランを買いに来てくれる若い仲間が、今年も来てくれた。均一コーナーの中に、いかにも昔の山にあったウチョウランといった色形のものがあったので、「これがウチョウランのスタンダードですよ」というと、「これいいですねぇ」。今では側裂片と中裂片の三つに分かれた細い形の「いわゆる並花」は、かえって新鮮かもしれない。店内にも、この当たり前の花は1〜2鉢しかない。どの交配ものも、「昔だったら大変な騒ぎだった」という二芸品、三芸品ばかりだ。去年は「大白鳥」を持っていったが、今年は「振袖」を選ぶ。最近のものより古いものの方が好みらしい。
 昔の名品「雷鳥」「大白鳥」「湘南」「久良岐」など大株作りのものが咲いてきたので、店内に飾る。
 明日の朝は上野グリーンクラブに直行し、ウチョウランと山野草の展示を見てくるので、お昼までには店に着きます。浩司さんが出ているので、朝からどうぞ。


2006年6月9日(金)
 朝いつもより早く出て耳鼻科に寄った。受付開始時間に着いたら、すでに10人も待っていて焦る。「う〜ん、恐るべし!」。それでも10時半には店に到着。来週水曜日にもう一度寄ってくるので、その時だけは少し遅くなるが、それ以外は通常通り。
 雨足が強くて少々肌寒い。急いで門を開けたら店の前で警官が現場検証をしている。又交通事故があったらしい。雨で見通しが悪い日は特に危険だ。
 昼休みに、近くで仕事をしていた造園のTaさんが寄る。「桜貝の夢」「洛陽」「袋田2号」その他アワチドリの天然種が咲いているコーナーを見て、「うわー、懐かしいなあ。もう天然記念物だね」。Taさんのところでも、杭州の新芽はまだ5割といったところらしいが、「奔月」にいい芽がきているそうだ。
 山草用の桜島軽石鉢が到着し、小降りになるのを待って山草棚の下に並べる。
 店の方は閑なので、雨が上がった午後から作場を見廻る。新葉の調子が悪そうなのや、後ろの枯れたバルブが目立つのは開けて植え替える。
 欅えびね鉢に早速注文が入る。
 昨日三橋さんに春蘭鉢のことを聞くと、「春蘭鉢は需要がないからずっと作っていない」ということだった。ここでは植えていた鉢を抜いて洗っておくと、すぐに「これ貰っていっていい?」ということになって、段々数が減っていく。「使いやすい春蘭鉢は需要がありますよ」と言うと、「それじゃあ、来年の春蘭に間に合うように作ってみましょうか」ということになった。力が抜けてサラッとしたものが出来れば大変結構だ。


2006年6月8日(木)
 八起窯から新作のウチョウラン鉢が送られてくる。荷解きをして先に着いた山草鉢と一緒に並べ替える。
 午後三橋さんが在庫の寒蘭鉢やえびね鉢をいくつか持ってくる。どれも入れておきたいところだが、貫入青磁、黄磁の寒蘭鉢3種類と、灰釉えびね鉢を仕入れる。灰釉えびね鉢はさりげない感じが実にいい。価格も手頃なので希望者はあるだろう。そのうち写真をHPに載せるつもり。腰痛や帯状疱疹でしばらく病院通いをしていたため、すっかりなまけてしまったそうだが、近いうちに焼締の山草鉢とエビネ鉢が出来上がるという。「焼締だと気軽な感じで取り組めるけれど、一寸離れるとたちまち手が動かなくなってしまって・・」。あまり頑張り過ぎない程度に、ぼちぼち作っていくようだ。
 昔焼いた焼締鉢は、当時通気性を重視していたためやわらかく焼いてあって、使っているうちにカルキの白い汚れが目立ってくる。今はプラ鉢で良く出来ることがわかっているので、硬く焼けばそれほど汚れは出てこないそうだ。今植わっている焼締ウチョウラン鉢でも、硬い焼きのとやわらかいのとでは、白くなり方がずい分違っている。「この白いのはどんなに磨いても取れないですよね?」と聞くと「椿油を少し染み込ませた布で軽く叩くと、取れるわけではないけれど、目立たなくなりますよ。」と耳寄りな情報を教えてくれた。洗って濡れている時は見えないが、乾くと白いのが浮き出てくる。この見えないという状態に保つのだそうだ。「幾分通気性は悪くなるかもしれませんが、盆栽鉢では昔から使っている方法です」ということだから、試してみる価値はありそうだ。古い焼締や丹波鉢がこれで復活すれば、大変ありがたいことだ。
 夕方中野のEさんが、出してあった山草を引き上げにくる。「ずい分ウチョウランが良く咲いているねえ。これだけ咲かせたら大したもんだ」とほめられてしまった。2階を物色して中古の蘭鉢をいくつか持っていく。椿油のことを話したら、さんざんサツキをやったEさんはとっくに知っていて、「展示会に出す時には皆鉢に油を塗ったんだ。色が良くなるから」。「知らなかった!」。


2006年6月7日(水)
 先月から外耳炎で自宅近くの耳鼻科に通っているが、中々良くならない。週1ではなくもっと通ってと言われ、そこでは無理なので三軒茶屋の耳鼻科に替えることにした。朝出勤途中に寄り、少し遅れて到着。金曜日の朝も寄ってくるので、場合によっては開店が少し遅れるかもしれない。
 昨日山野草を仕入れて店に運んだついでに、表の鉢に水を遣ったが、こんな天気では1日で乾いてしまう。早くやらなくてはと思ったら、突然空が暗くなり、ポツポツ降りだした。間もなく明るくなったが、場所によっては烈しく降ったようだ。全く変な天気。
 仕入れた山野草を鉢に植え込む。どの鉢にしようか、それとも石付けにと選んでいる時が楽しい。寄せ植えになっているウチョウランが咲いてきたのを植替え。ついでにユウコクランやカゴメランも植え替える。欅窯の三橋さんに電話をすると、このところ体調を崩して全く作っていなかったが、なまってしまわないように初心にかえって、何年振りかで焼締鉢を作ってみようと思うと言っていた。山野草を置くようになったと言ったら、「それはいい。ぜひやってください」。八起窯からは、新作のウチョウラン鉢を送ったと電話がある。
 世田谷のKaさんや初めてのお客様がウチョウランを買いに来たほかは、いつものKoさん、えびねのHaさん、川崎のKiさん、近くのSuさんなどが寄る。


2006年6月4日(日)
 大田区のSaさん、いつものKoさん、下町のHさんが誘い合わせて久し振りに勢揃いし、一日中話がはずむ。しばらく間があったHさんは、古い欅窯の寒蘭鉢が二つ空いていたのを見つけ、すかさず確保する。
 朝三橋さんから箱書きした桐箱が届いたのを連絡したら、注文した横浜のMoさんが早速やってきて、この間目をつけていた楡窯の焼締と欅窯の瑠璃釉寒蘭鉢を買っていく。
 今日はなんだか鉢ばかりだと思っていたら、近くのHiさんがウチョウランやイワタバコを次々と選んで買って行ってくれたり、麻布のMoさんが山野草を買っていったりでにぎやかになった。
 夕方蘭やえびね全般ににスミソンで消毒する。


2006年6月3日(土)
 涼しいというより少し肌寒い。楊さんが久し振りに来て、預かっていた一茎九華などを下げる。2週間ほど中国奥地まで行って来たそうで、向こうでの話を聞く。仕事で広州に駐在している成田のTさんのところに寄って、一緒に花市に行き、楽しかったことなど聞くとうらやましい限り。「来年2月の博覧会には行くつもりでいます。白石さんもどうですか?」「う〜ん、都合がつくなら見るだけでも行ってみたい・・・」。今回もいくらか買ってきたそうだが、「春剣蘭はメチャクチャ高くて・・・」とか。
 温室の棚下を見ていたら、ユウコクランに花がきていたので出してくる。拓也さんには寄せ植えウチョウランの株分けをしてもらう。
 杭州寒蘭の新芽を見ていたら、「紫園」もついに土を切ってきた。期待の「珠峰雪」「紫園」が両方とも順調のようで、とりあえずホッ。
 夕方川崎のKiさんが、「高知朱金」を分けたからと持ってきてくれた。


2006年6月2日(金)
 昨日とは打って変わって涼しい。曇っていて風もないので、写真を撮るにはうってつけ。タイミングよくウチョウランが開いてきた中に、去年菊葉として1本植えにしたものが子供も出て花も咲き出した。それが「一体どうなっているの?」と言いたくなるほどの変わり花。下の葉は普通の葉なのだが、花に近い上の方はギザギザの菊葉で、花はどこもかもフリフリのギザギザ。紅白の小林幸子か美川憲一か。地色に緑が残った獅子咲きの三方に紅点が入り、変わっているというだけでなく華やかできれいだ。
 6月1日から施行された新道路交通法の、駐車違反取締り重点地区を警視庁のHPで調べてみたら、ここ246号線と旧玉川通りが入っている。2台分のお客様駐車場はあるが、大勢人が集まるシーズンになると、足りなくなることがしばしば。困ったことになった。不便な場所ではないので、なるべく電車、バスを利用して来ていただけるとありがたい。


2006年6月1日(木)
 衣替えにふさわしく30℃になるという予報で陽射しが暑い。朝看板を仕上げたあと、ウチョウランを出してくる。寄せ植えの鉢が咲いてきた中から、種類が違うのを取り出して別の鉢に植え替える。鉢の底に敷いた水苔の中に根が伸びていて、折らないように神経を使いながら、一塊になっているのを根気良くほぐして分けていく。球の時に植え替えるのなら簡単だが、花が咲いているときにやらないとわからなくなってしまうから、息を詰めての作業だ。
 午前中はお客様がこないので作業に没頭していたら、午後になって静岡のYaさんが久し振りに現れた。鉢をいくつかと中国春蘭を買っていく。
 次に阿佐ヶ谷のUさんが来て、蘭界の色々な話をしていく。常設の蘭屋が段々なくなっているという話の後で、「すずき園芸はよくもっているねえ」。「儲からないけれど何とか続けているだけです」。
 目黒のHiさんが、売約してあった虎斑のナルコユリを買いに来る。続いてやってきたいつものKoさんと夕方までしばらくおしゃべり。
 夕方川崎のKiさんに続いて大田区のUさんが来る。同じ寒蘭の会のメンバーだから話題が尽きない。8時頃ようやく水遣りを始めたので、すっかり遅くなってしまった。


2006年5月31日(水)
 陽射しがジリジリするほど暑い。カラッとして風もあるから、休み明けの山草は乾いている。日が落ちるまで待てないので、取りあえず水苔や外の鉢ものに水遣り。
 この天気でウチョウランは30鉢ほどが咲いてきた。そろそろウチョウラン目当てのお客様が覗きにきて、店内に飾った中から取りあえずと選んでいく。
 綱島のHoさんが注文してあった「金閣宝」を買いにくる。Hoさんも天然もののいい花をを大切に作っていて、交配ものには興味がないそうだ。えびねを20年以上栽培して、初めの頃知らずにウィルス株を買ってしまったそうだが、その後一度も自分の棚からウィルス株を出したことがないという。きれいに作る人のところに買われていくえびねは幸せだ。
 夕方からえびねにたっぷりと水遣り。店内の展示品にも水を遣る。雑草も一気に伸びてきているので草取りなどして、閉店後看板作業にかかる。


2006年5月28日(日)
 昨日八起窯から、焼締の山草鉢とウチョウラン鉢が送られてきたのを、荷解きして並べる。
 午後予報通り晴れたら、えびねのHaさんが来た。アルミで作った棚に、遮光ネットや冬のビニール囲いを固定するための穴を、ドリルを持ってきて開けてくれる。今度は余裕をもって対策しようと、時間のある時にやっておく。
 埼玉のAさんが、長年預かっていた蘭や鉢をようやく引き取りにくる。何度も連絡したのだが、父親の死去に本人の入院手術などが重なって、結果として何年も置いてしまうことになった。作場に余裕がないのでほっとする。
 買ってきたイワヒバを持って大田区のSaさんが来る。新しく並んだ山草鉢を買っていく。
 ウチョウランを見に久し振りのひとが来たり、植替え用土が入ったのを買いに来たりで人の出入りはあるが、まだ静かなものだ。ウチョウランはようやく10鉢ほどが咲いてきた。杭州寒蘭の新芽は、今日「照夜白」を確認したが、まだほとんど知らん顔をしている。楽しみはもう少し先にとっておくというところか。


2005年5月26日(金)
 明日は又雨になるというから、貴重な晴れ間だ。といっても昼から黒い雲が出てきて、全く梅雨の様相。
 目黒のHiさんが古い6寸の寒蘭鉢を一つ持ってくる。九州の窯らしいということだが、身元不明で困る。「僕は気に入っていた」そうで、全体に灰色で胴が太めだから、奥地ものなど根の太いものに合うかもしれない。斑のきれいなナルコユリを見て「茶花にいい」と予約していく。
 ウチョウラン展看板のカラーコピーが出来、貼り合わせ作業の準備をする。ウチョウランの点検もしなくてはいけないので、来週の仕事で間に合うだろう。
 明日白石はクラス会のため休み、拓也さんが出ています。


2005年5月25日(木)
 気持ちの良い爽やかな一日。昨日は雷の中を恐る恐る帰ったが、今日はカラッと晴れて、ハイキングにでも行きたい気分だ。
 完全な端境期で、イワチドリ、セッコクはほとんど花が終わったし、紫蘭も盛りを過ぎた。ウチョウランはやっと5鉢ほどが咲いてきたが、やはり6月に入ってからが見頃だろう。杭州寒蘭の作場を見回ったが、まだほとんど新芽が確認できない。気になる鉢もちょっと砂をどけてみたい欲望をぐっと抑え、枯れ葉を整理する。
 いつもぎりぎりに滑り込む展示会の看板に、閑なのを幸いとりかかる。パソコンで原稿を作り、帰りにカラーコピーに寄ることにする。
 イワチドリとウチョウラン、山草などをやっているHoさんが遊びにくる。村樫バイオに行って来たそうだが、「まだほとんど咲いてなかった」。Hoさんのところでも、今年は雨が多くて調子が良くないということだ。岩につけたのを雨にあててつくっているので、倒れるものも出ているという。
 ここでは球の状態で春に全部植え替えてあって、うまくいったものはしっかりとした株で殖えているが、、まともに大きくならない株の中に、ウィルス症状らしいのがいくつか出てきた。見つけると処分しているが、同じ鉢に数本出ていてもすべてがおかしいわけではなく、まともなのも混じっているから、どう考えたらいいのだろうか。ウチョウランは冬に消えてしまうものもあるし、100%うまく出来る方法が確立するといいのだが。


2005年5月24日(水)
 重慶から一時帰国中のKaさんが、インターネットで調べたといって訪ねてくる。主に地元で採れた蘭をたくさん作っているらしい。こちらは興味津々、現地の気候、蘭の現状や栽培状況、商習慣など、色々聞きたいことが一杯。お昼過ぎまで情報交換をする。
 午後港北のHaさんが、予約してあった紫蘭三舌花を取りに来る。ちょっと雰囲気の違う2タイプで迷ったが、楚々とした方を選んでいく。その後いつものKoさんが寄る。ちょっと間が空いて、展示品がすっかり変わっているのを見ている。紫蘭の桃花は、前にHiさんが展示してくれたのと、Taさんが持ってきたのと比べていたが、「これ違いますね」。よく見ると、Taさんの方は舌にちょっと濃いピンクで覆輪がかかっている。雰囲気も多少違うようだ。日中は「暑いですね」の挨拶だったが、夕方から予報通り雷雨になった。烈しい雷鳴にパソコンの電源を切る。帰る頃又雨が烈しくなって、戸締りをするため外を動いていたら、服がびっしょりになってしまった。


2005年5月21日(日)
 今日も夏が来たかと思うような一日。出版社のSさんがこの時期には珍しく午前中から現れる。蘭の本を頼まれたといって購入。暑い中重たい本を抱えてこれから上野の「日草展」に行くのだとか。
 続いて大田区のSaさんと世田谷のHaさん夫妻。朝空き鉢を整理していたら、積み重なった中に欅窯らしい焼締えびね鉢を発見。取り出してよく見ると間違いない。洗って店内に入れておいたのを、最近鉢に凝りだしたHaさんが見つけた。奥様が山草をやっているから、山草鉢としては申し分ない。並んでいた欅窯の焼締ウチョウラン鉢も選んで一緒に買っていく。Saさんも刺激されたのか、八起窯の鉢を持っていった。Saさんはプラ鉢は好きじゃないという人だから、ちょっとしたものでも、それなりにいい感じの焼ものの鉢に植えているようだ。
 注文の欅焼締春蘭鉢を発送。昨日入った三蝶咲きと桃花シランをばらして売り物用に植え替える。ブルーのシランも1本ずつにばらそうと思っていたところへ近所のHiさんがやってきた。この季節はわくわくすると言うが、数年前から富貴蘭、セッコク、ウチョウランに夢中だ。もうすぐ咲きそうなウチョウランをいくつかと、富貴蘭、セッコクを選び出し、ばらす前のブルーシランもそっくり持っていくことになった。いい鉢に植えたいというので鉢探し。丁度ぴったりのが見つかり、2株寄せて植え替えたら見事な鉢植えが出来上がった。やっぱり鉢は大事だ。


2005年5月20日(土)
 全くおかしな天気だ。夕べ帰る途中からものすごい土砂降りで、ワイパーが間に合わないほどだった。今朝は真夏のような暑さでカンカン照り。半袖でちょうどいい。
 朝来ると門の外で造園のTaさんが中を覗きながら待っていた。すっかり様変わりした棚をしばらく見て、帰りに又寄るといって仕事に出かける。
 昨日入った欅窯の焼締蘭鉢にメールで注文が来ていた。写真を添付して返事をする。
 午後から上野グリーンクラブに「日草展」を見に行く。予報では夕方から又雨といってたが、出かけるときは快晴だ。いらないかとも思ったが、念のために傘持参で出かけて正解だった。会場の展示と即売のところを見て帰る頃には真っ黒な空になり、とうとう降りだした。店に戻ると駒場のWaさんが来ている。やはり「日草展」の帰りだそうで、買い物した袋を提げている。こちらもついつい買ってしまったものを植え込む。
 夕方Taさんが仕事を終えて寄ってくれる。この間約束した三蝶咲きとピンクのシランを持ってきてくれた。どちらもこれから見頃で、早くに咲いたのは終わってしまったのでちょうどいい。先日入った三蝶咲きと比べてみると、ちょっと雰囲気が違う。作によるものかもしれないが、好きずきでどちらともいえない。結局別の三蝶咲きを1鉢付き合ってくれた。


2006年5月19日(金)
 目黒のHiさんが、又中古鉢を6点ほど持ってくる。「これは使いやすいですよ」といって取り出したのは5寸の欅窯焼締蘭鉢だった。落款を見ると平成1〜4年のものだ。他には笠間鉢6寸や信楽鉢など。「おかげで大分片付きましたよ」。帰った後、持ってきた鉢をきれいに洗って並べる。
 チドリ類を見にきた八王子のIさん。ウチョウランはまだ少し先で、イワチドリは少々くたびれてきた。結局棚飾りに並べていた「幽谷殿」を持っていく。
 外流しの増設を頼んだ水道屋さんが、材料が揃ったからとやってきて急に作業にかかる。明日そこを使いやすく工夫したい。
 横浜のMoさんが、持っている欅窯の寒蘭鉢に桐箱を作って欲しいと持ってくる。寸法を測り、三橋さんに連絡して箱書きをしてもらうよう手配する。これまでは中身の蘭を集めることにしか興味がなく、楽鉢と決め込んでいたが、この欅窯の瑠璃釉に出会ってから急に鉢に興味が湧いたのだそうだ。話を聞くといつも仕事帰りに寄る川崎のKiさんと同じ会の蘭友で、「しょっちゅう寄りますよ」というとびっくりしていた。ついでにあちこち見て、丹波の蘭鉢や八起窯の焼締を買っていく。Moさんが帰ってしばらくすると蘭友のKiさんが現れた。本当に「噂をすれば何とやら」だ。


2006年5月18日(木)
 雨で久し振りにゆっくり室内の掃除をする。寒蘭、春蘭、えびねと途切れることなく続いたから、つい後回しになっていた。冬の間世話になった電気の暖房マットを外へ持ち出して、たまったゴミを掃除する。霧雨で埃も立ちにくいかと思ったが、長い間のことだからちょっと動かすともうもうと埃が飛ぶ。格闘していたら大田区のSaさんが来た。店に入るなり「ホントにサッパリしましたねえ」。今まで置いてなかった富貴蘭が並んでいるのを見て「こんなのありましたっけ?」。高いものはないが、これから始める人には格安価格だ。「これからあちこち廻らなくてはいけないから」と、売約のえびねを日曜日に取りに来るといって帰っていく。
 雨だしお客はこないし、昼間からパソコンに向かって「きょうのショット!」のバックナンバーを作ったり、温室の古葉を整理したり。たまにはこんな日があるとありがたい。今日はこのままのんびりと思っていたら、3年振りに北京のLさんが顔を見せる。中々日本に来る機会が無かったが、仕事に趣味をからめてようやく実現したらしい。まず鈴木さんが亡くなったことについてお悔やみを言ってくれる。3年前北京に帰る前によく寄っていった頃は、鈴木さんに粘って交渉し、中国春蘭を色々持っていったものだ。今日も棚を丹念に見ては、欲しいものを探している。結局「大富荷」を分けることになった。
 そこへ中野のEさんが、山野草の斑入りの売り物を色々持って来る。展示してあったえびねを下げて一層ボリュームのなくなった棚に富貴蘭と並べると、変化がついて中々面白い。一緒にLさんから北京の様子や中国の蘭事情を聞く。
 2人が帰ってからバランス良く棚に展示していく。朝とは打って変わった店飾りになった。これまで扱ってなかった斑入り山野草を置くと、やはり山草鉢が欲しくなる。ウチョウラン展も近いことだし、「八起窯」の塚本さんに電話して、取りあえず在庫の山草鉢を送ってもらうことにした。ウチョウラン鉢の新作は展示会ぎりぎりになるらしい。


2006年5月17日(水)
 このところまるで梅雨のような天気だ。きょうもどんよりと降ったり止んだり。意気が揚がらないことおびただしい。
 母の日のプレゼントにイワチドリを贈られたという人が、置き場所や育て方を電話で聞いてくる。「いつも表から覗いて見ています」というが、ぜひ気軽に中に入って見て行ってほしい。
 頼んであった赤ボラが到着。目黒のFuさんが、展示してくれたえびねとイワチドリを下げにくる。入り口横の棚に置いてあった最後のえびねは、花を取って作場にしまう。この植え替えで今春のえびねの植替えは終了。あとは温室内にある夏咲きえびねを残すのみだ。がらんとした棚にはウチョウラン鉢を出してきて並べる。
 そこへ福岡のKoさんが現れた。毎年展示会には必ず来てくれるえびねマニアだが、今年は花がすっかり終わってからになった。パソコンに取り込んである写真を見てがまんしてもらう。
 近くの女性がえびねを欲しいと立ち寄る。「ああ、ついさっき花をとってしまいました」。地植えにするというので、適当なものを探して勧める。
 植替え作業場の近くに水道を増設するつもりで、この間見積もりを頼んだ水道屋さんが電話をしてくる。動線が悪く、毎日たくさんの鉢を植え替えている時には、「ここに流しがあれば楽なのに」と思いながら動き回っていたが、植替えが終わってしまってから実現することになった。今日はどうもタイミングの悪い一日だ。


2006年5月14日(日)
 HPを毎日更新するつもりでいるが、時々ずっこけてしまう。大分前に出したおすすめ品コーナーを、終わっても削除するのを忘れていた。昨日蓮弁蘭の名品が欲しいといって見えた女性は、HPのコーナーを見て訪ねて来てくれたそうで、たまたま品物を下げないで置いてあったため、分けることができてよかったが、きちんとメンテナンスをしなくてはと反省。他に春蘭関係の書籍も何冊か。「蘭寶ャ史」日本語訳版もその中に入っていて、少し前に注文で送ったのとで在庫はほとんどなくなりそうだ。
 三蝶咲きシランの売り物が入った。Hiさんが展示してくれたのと同じもののようだ。ブルーのシランも開き始めたので、散り斑と共に室内に並べ、シランのコーナーを作った。
 母の日のプレゼントにしたいと、花好きの女性が色々見ていたが、結局たくさん咲いているイワチドリを持っていくことにした。カーネーション一色ではなく、こういうものもかえって個性があっていいと思う。
 昨日は3月の寒さに戻ってしまい、雨は降るし寒いし土曜日だし、これから来る人もいないだろうと、えびねマニアの練馬のKiさんのところに行くことにして、早々に閉めてしまった。今日川崎のKiさんが、棚が寂しいのを埋めるようにと、富貴蘭やナゴラン、報歳蘭などを持ってきてくれたが、「昨日遅くに来たら閉まっていた」のだそうで、二度手間になり申し訳ないことをした。いつもは大概遅くまでいて、仕事の帰りに寄ってくれても間に合うのだが、たまにサボるとこういうことになってしまう。Kiさんが持ってきてくれた即売品を棚に置き、ゆったりと並べるのも又いいものだということにして、何とか格好をつけた。
 今朝から下町のHiさんといつものKoさんが来ておしゃべりしているので、合間を見て浩司さんとえびねの植替え。ほとんど今日で終わった。来週からは、これまで目が届かなかったものの管理に移るつもりだ。


2006年5月12日(金)
 「いやー、さっぱりしたねえ。」と川崎のKiさん。店内のえびねは10鉢くらいを残して朝から黙々と植え替え、作場にしまっていく。ぐずついた日が続いたが、久し振りに雨の心配がなく、時には薄日も射す過ごしやすい天気。春蘭、寒蘭などと同じように、作場のえびねもすべてこの機会に植え替える予定だ。去年植え替えてあるものは、水苔だけ取り替えて肥料を置く。鉢も新しくして、これまで浅い鉢皿につけてあったものも、鉢皿をひっくり返してその上に置いた。水やりは忙しくなるが、今年はこれでやってみるつもりだ。
 午前中は港北のHaさんが、シランの三蝶咲きを見にくる。あとは通りかかった人が寄るくらいで、夕方Kiさんが来るまで植替え三昧。明日がんばればほとんどクリアしそうだ。
 えびねに夢中になっている間に、寒蘭は後ろの枯れ込みが目立ってきた。新芽が動いてきたしるし。久し振りに寒蘭の棚を見回って古葉を整理する。早くえびねに切りをつけないと、もう次の作業が待っている。
 店内がさっぱりし過ぎて棚が空っぽ状態。Kiさんが何か持ってきてくれるというので期待したい。


2006年5月11日(木)
 朝一でまずSiさんがえびねを下げにくる。千葉のTさんがこんな時期には珍しく現れて、肥料を買っていく。大田区のUさんが、連休中は仕事に追われ、ようやく休みが出来たとやってくる。大量に展示品や即売品を出している練馬のKiさんが品物を下げに来て、売約のえびねを持って帰る。これで2階の展示は終了し、下には空いた鉢皿が残された。
 Sさんと中野のEさんが一緒に来る。Sさんは預かったままの蓮弁蘭などを少し持ち帰る。Eさんはミニのジエビネを2鉢持ってきてくれた。がら空きになった棚に並べてみると、隣のジエビネ「緑聖」が大型に見えるほど、その小ささが際立っている。ニオイ・コオズはほとんど引き上げたり、作場にしまったりしたので、棚はすっかり小ぶりになった。
 夜になって佐野のKaさんがジエビネを引き上げにきて、いよいよ今年のえびねはフィナーレだ。


2006年5月10日(水)
 月曜日に仕入れてきた鉢などの資材を、今日持ってきてそれぞれの場所に片付ける。
 えびねのHaさんが品物を引き上げに来た後、空いた鉢皿を洗って片付け、2階から展示品を下ろしてきたり、花が咲いてきた金陵辺やセッコクを飾って棚を入れ替える。
 佐野のKaさんから電話で、明日の夜品物を下げに来るという。ニオイエビネを展示している船橋のSiさんからも、明日下げに来るという電話があった。
 当店のえびねも終わったものから株分け、植替え。いつものKoさん、近所のKaさん、夕方川崎のKiさん、近くのSuさんが寄ったくらいなので、一日中作業に精を出す。
 明日は朱さんも来ることになっているので、少しでも早くやってしまわなくてはならないが、もう新根が伸び始めているから、折らないよう細心の注意が必要だ。鉢数を増やさないよう2株寄せてあったり、大株になったままのを、来年のことを考えて1本づつ別の鉢にしていくと、たちまち作場が一杯になった。これが一番大きな問題だ。


2006年5月7日(日)
 朝から三人組がほとんど同時にやってくる。大田区のSaさんと下町のHiさんは昨日に続いて連日だ。Hiさんは今日は天然もののシラン桃花を持ってきた。見た途端「欲しい!」。持って来る途中車の中でひっくり返り、いい鉢が割れてしまったので、植え替えるついでに分けてもらった。シランも集めると天然種だけでずい分種類があるものだ。前に分けてもらったのも含め、今店で白花、桃花、ブルー、散り斑、三舌花が並んでいる。
 いつものKoさんはジエビネを持ってきて、展示品を入れ替える。Hiさんは他に大株のセッコクを3種類もってきてくれた。花期は短いが、一斉に咲くと見事だ。
 夕方になって中野のEさんが、よく色の出た「福娘」と「緑聖」を持ってくる。こちらはまだ見ごろで、いよいよ最後のえびねだ。


2006年5月6日(土)
 明日は雨の予報だから作業は今日中にと植替えに精を出す。拓也さんには消毒もしてもらう。
 大田区のSaさんが仕事の合間に寄って、ジエビネを予約。続いて奇花が好きな下町のHiさんが、三舌花のシランを大鉢に入れて持ってくる。奇花といっても、ただ変わっているのではなく美しい。珍しいのでえびねのHさんも分けて欲しいと頼んでいた。Hiさんはしばらく顔を見ないと思ったら、忙しさでダウンしていたらしい。ようやく回復して元気な顔を見せてくれたが、好きなものは仕方ない。キエビネの三舌花「シャンデリア」が目に入り、結局買ってしまった。
 もうえびねは元気な株が少なくなってきた。ジエビネも咲いた状態で来たのは花が終わったものもあるが、「福娘」などは今日ようやく開いた。
 Hiさんの車があるのを見つけて近くのSuさんが寄り、話はやはり中国春蘭の方にいく。皆の勧めで、「程梅」は花を切って作場に戻した。明日は又日曜日の常連さん、Saさん、Hiさん、Koさんが顔を揃えることになっているので、にぎやかになるだろう。

2006年5月5日(金)
 今年は佐野のジエビネがおもしろい。昨年とは違う品種を持ってきてもらったので、毎日咲いてくるのが楽しみ。今日もいい花が開いたと思ったら、すぐに売れてしまった。かなりバラエティがあって、素朴さと可憐さと共に、引き締まった緊張感もあって、大型のニオイエビネとは全く違った魅力だ。
 今日は初夏のような陽気で、早くから咲いているニオイ、コオズはさすがに色あせてきた。埼玉のOさんが来て展示品を下げ、株分けしていた「緑苑」をねだって1本持っていく。埼玉のSiさんがちょっと変わったジエビネの素心を買っていったが、その前に来た人が2鉢のうちで迷って、結局置いていった方だ。いい緑色をしているのは、気候のせいも多少あるかもしれない。
 えびねのHaさんが持ってきた淡いピンクのニオイが気に入った。側花弁が白く抜けて舌も真っ白。清楚そのものといった感じだ。まだ小さい木で数輪咲いているのを隅の方に置いたら、目のある人は皆注目していく。本咲きしたらどうなるか楽しみだ。
 気がつくとウチョウランが大分伸びて、つぼみが出ているものもある。だらんとしてしまうので、いくつか葉受け軸で持ち上げたが、明日は全部の鉢に手当てするつもり。えびねが最終章に入ると、もう次の準備だ。


2006年5月4日(木)
 午前中からいつものKoさんが来て、ジエビネを見ている。いくつか気になるものがあって、問い合わせの電話をするが、明日は佐野の展示会なので忙しくてつかまらない。Koさんは即売品を持ってきたが、並べた途端売れてしまった。午前中は静かだったので、ジエビネの写真を撮って写真集に追加する。
 午後世田谷のHaさん夫妻が来る。えびねの時期に珍しいと思ったら、欅窯の鉢にご用だった。段々数が減ってきて、昔たくさん集めた人が放出してくれないと、手に入らなくなってしまう。
 練馬のKiさんが、展示品を大きな車に一杯積んできた。いい鉢を使って植える人で、欅鉢などに入れたのを2階に飾り、花が終わった株と入れ替える。少し生きが良くなって、もう少し見頃が続きそうだ。


2006年5月3日(水)
 友人グループに誘われ、昨日の休みに笹子雁ケ腹摺山に行って来た。前後が好天だったのに生憎の雷雨に遭い、止むのを待っての行動。ムラサキヤシオが目当てだったがまだつぼみは固く、ミツバツツジはほとんど散っていた。それでもこちらではとっくに終わっているヒトリシズカが見ごろだったし、久し振りに新緑の中を歩いて気持ちよかった。
 日曜日にはまだつぼみだったジエビネが、今日見るとずいぶん開いている。北関東産ばかりだからキエビネの全く入っていない純粋のジエビネだ。その分色変異は少なく地味かもしれないが、写真を撮っていくと一つ一つ特徴があって可愛い。これを写真で表現するのは中々難しそうだ。
 例年連休に入るとばったりお客さんが来なくなるのだが、今年は後ろにずれているのかここへきて出足がいい。少し前から始めたという人が、この間は「御蔵黄梅」、今日は「朱鷺」と「風花の舞」を買っていく。「風花の舞」はブルー系のニオイエビネで、形はとりたてて良くはないが、色がいい。今日はその命名者である埼玉のNaさんが来ていて、命名したときの話を直にしてくれる。Naさんは花の観察力にかけてはピカイチで、一度見た花を細かいところまで実に正確に覚えている。目に飛び込んできた強い印象だけを記憶しがちだが、その特徴を分析して正確に記憶する力は大したもので、とても真似できない。
 コオズの名品やイワチドリ、蓮弁蘭など一日中人の出入りがあって、植替えの途中で中断され、放置されるえびねが続出だ。


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