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2005年12月29日(木)
 年内最終日。お勤めの人は休みに入った人もいるが、今日までという人も事実上仕事がないらしく、午前中大田区のSaさんといつものKさんが来る。二人ともこの間入荷した選別杭州が安くなったのをみて、再び心を動かされる。「高いからと見送っていたのに、こんないけそうな値段になっちゃって、余計なことをしてくれた」といいながら2株を選び、それぞれ話し合いながら予約する。
 下町のHさんが展示品の引き上げや売約の鉢の精算、出版社のSさんが入荷した中国鉢を見にやってくる。昨日入った鉢は、並べた途端に1鉢、朝来るとメールが入っていて、ちょっとやりとりしたあと、すぐに1鉢分送金されてきた。いつもHPをよくチェックしていて、鉢が入るとすぐメールをいただく人だから、今回も抜かりがない。他にも同じ鉢にメールが入っていたのだが、時間が記録されるので、早い順番ということになってしまった。出版社のSさんは、以前に中古がらくた市に出たことがある面白い鉢を、「これ売るの?」と持っていく。
 下町のHさんと落ち合ったYaさんは杭州初花株をお買い上げ。遅くなって来た写真家の横山さんは、プリントが出来上がった写真を持ってきて小柴さんの鉢を予約。日本寒蘭のUさんは杭州寒蘭は初めてだが、この間から何回かじっくり見て、入荷の選別株を選ぶ。
 今年は寒い冬になりそうなので、外の棚の風除けを少し追加する。蘭、鉢、本などいろいろな物を扱っているので、その精算や、在庫確認、リストの整理をしてしまわないと休みに入れない。遅くなってしまったが、拓也さんと付け合せをしながら確認して無事仕事納め。
 今年1年色々お世話になりました。来年は1月5日からご来店をお待ちしています。皆さま、どうぞよい年をお迎えください。


2005年12月28日(水)
 いよいよ押し詰まり、お飾りと門松も今日届いた。休み明けはからからに乾いていて、まずは外の植物に水遣り。冷え込んでいるが、湿度が極端に低いのでやらないわけにはいかない。
 メールの返事など、残務整理をしていたら、目黒のHiさんが放出の中国鉢を4点持ってくる。春蘭、奥地蘭に似合う鉢なので、新年のお楽しみというところか。今は彫刻をライフワークにしていて、やっと打ち込めるものに出会ったと、意欲に燃えているところがうらやましい。Hiさんとしばらく話をしていて、「蘭を見るのにパーツで評価する人が多いが、一番大事なことは品があるかどうかだ」という点には同感だ。少々舌が狭かったり、欠点があっても、全体のバランスがよく、品のある姿が一番だと思う。そのためには鉢も大事だということだが。
 常連さんが来ない今日は、普段できない雑用を片付ける。この間入荷した杭州寒蘭選別品は、出し値を抑えてもらうよう交渉し、こちらの手数料も考慮するということで、大分安く提供できるようになりそうだ。
 閉店間際に仕事帰りの造園のTaさんが寄る。このところ寒い日が続いているので、外の仕事は大変だ。やはり「紫香楽山」が気に入って又集中してしまう。うまくいかないものだ。2階に並べたばかりの中国鉢が眼に入り、いつも欅窯のいい鉢を買っている人だから、すぐに緑交趾を持ち帰る。
 遅くなってHPの更新をしていたら、いつものSuさんが「まだ仕事納めにならないの?」と覗いて行く。明朝早く故郷に帰るそうで、今日は早々に帰っていった。


2005年12月25日(日)
 久し振りに落ち着いた午前中で、やっと掃除に手をつける。花が終わりかけた株は、花を切って温室へ。蕾がふくらんできた遅咲きの株と交代して又棚の鮮度が戻った。麻布のMoさん、川崎のKoさんが来て丹念に見ている。出したばかりの「紫香楽山」(しがらきざん)がちょうどいい感じで開き出した。渋い花弁、幅広の舌に細かい点を散りばめたような独特の花で、2人とも気に入ってしまった。気に入ってもらえるのはうれしいが、同じものに注文が来るのが悩みの種だ。Moさんは、この寒さに反ってしまうことなく、凛と咲き続けている2階の「翠鈴」も、今見ると中々いいと言う。普通の花だが、いい咲き方をしていて花もちもいいのが、結局最後には心に残ることになるのだろう。
 少し遅れてゆっくりと昼食を済ますと、ルーペのSさん。続いて1年ぶりに浜ちゃんが来る。この間電話をかけたときに今度行くといっていたので、皆が「浜ちゃん来た?」と聞いてくる。ようやく元気にお出ましだ。川崎のHaさんも合流して、又にぎやかになる。
 初めてのお客さんが春蘭鉢を探しにくる。「いつもHPを見ています」といわれると初めてのような気がしない。手頃な笠間鉢があったので、用が足りてよかった。


2005年12月24日(土)
 厳しい寒さだが東京だけはいい天気が続く。長野県へ26日午前必着という注文の蘭を発送するため問い合わせたら、今回の各地の豪雪で、配達が大分遅れているらしい。時間指定も確実とはいかないようで、郵パックにもヤマトにも聞いたが、どちらも雪の状況によってということだから、天候相手では条件は同じだ。年末と悪天候が重なっては仕方が無いかもしれない。植物だから、あまり早く出して梱包したまま何日も置いておかれるのも困るし、どうかうまく届きますようにと念じながら発送する。
 朝駒場のWaさんが、昨日の話の赤舌杭州を持ってきてくれる。冷たい風の中を歩いてきたので、開きかけた上の花が反ってしまったが、まだ舌が巻かない花も、同じように真ん中から紅くにじんでいるので、終花になって舌が紅く染まるものとは違うようだ。今日は大掃除だといって、鉢を置いてさっと帰っていく。
 狂想曲が終わって、昨日やっと作場をビニールで囲ったというマニアのUさんが見える。そこへ昨日に続いて千葉のTさん。昨日展示した「雨林郎」を分けたものがあるので、希望する人がいたらと持ってくる。渋い色合いのすっきりした花だ。
 続いていつものKさん。暮れも押し詰まったというのに、マニアはすごいフットワークだ。こちらは年賀状も大掃除も棚に上げたままで、気持ちがあせるばかり。そういえば今日はクリスマスイブだ。


2005年12月23日(金)
 朝店に来たら、もう埼玉のIさんが待っていた。急いで店を開ける。そのうち千葉のTさん、麻布のMoさん、大田区のSaさん、埼玉のSaさんなどが集まってくる。千葉のTさんは展示品を飾ってくれる。埼玉のIさんも帰るときまでと2鉢、埼玉のSaさんも今年杭州13の初花を持っていったのが、いい花だったと見せてくれる。大田区のSaさんはいつものように写真を撮る。その合間を縫って注文のウチョウランを送る。
 そんな中楊さんが「蘭專ッ心録」の復刻版を持ってきた。立派な箱入りの本だ。他に精算するものもあるのに、急だったため準備ができていなくてあわてる。
 写真家の横山さんが、昨日スタジオに持っていった鉢を戻しにきて、今後の話をしていく。
 出版社のSさんが、展示品を下げにくる。このうち最後まできちんと咲いていたサラサをIさんが気に入って、分けてもらう。
 こんなばたばたで、お昼も4時頃になってしまった。日が傾くと急に冷え込んできて、皆あわてて帰っていく。やっと時間ができたので、花を切った杭州を植え替えて温室に戻していたら、駒場のWaさんが来て、「みんな来ているかと思ったら誰も来てないね。」
 今年の春、キンリョウヘンを分けてもらったお礼に、花未確認の杭州を1株あげたら、白い舌にべた赤で、白覆輪のようになっている花が咲いたという。明日持ってきて見せてくれるそうだから楽しみだ。閉店間際にWaさんが帰り、メールの返事やHPの更新にとりかかったら、いつものSUさんが寄って8時半までおしゃべりをしていく。昨日のゴミを掃除するひまもない。HPをチェックしたら、カウンターが20万に達していた。


2005年12月22日(木)
 一番にやってきたのはいつものKoさん。早速2階に上がって2株を選んできたが、迷った末に濃紅色の方を売約。
 中野のEさん、豆弁のHaさんが見えた頃から、北風が強まってきた。悪いことに今日は燃えないゴミの日だ。この頃の不燃ゴミは、ペットボトルやコンビニ弁当の空きがら、カップめんの容器など軽い素材ばかり。この強風で246の向こうの集積所から飛んできたのが、車に轢かれて袋が破れ、破片となったゴミが全部店の中に入ってくる。庭にも駐車場にも散乱し、とても1人で始末できたものではない。区役所に電話したら、国道は国土交通省の管轄だからそちらにと言われ、今度は国土交通省に電話。ごみ収集は区役所の清掃課にいって欲しいと言われたが、それでも後から数人の人が来てくれて、大きなゴミを拾っていった。
 銀杏の葉っぱもまだ片付けきれていないのに、毎年こんなことが繰り返されてはたまらない。ネットをかけるなど、根本的な解決をしてもらわないと。
 夕方には温度がぐんぐん下がって風もますます強くなった。えびねの苗にかぶせてある発泡スチロールの箱が、重しの鉢をものともせず崩れてしまう。防寒に貼ったビニールも、留めたところが破れてばたばたしている。水苔のビニールは効果があるが、重しのパイプごと舞い上がっている。保護をした積りが、簡易なやり方では吹き飛ばされたりしたら却って危険だ。とりあえず裏で余っていたエキスパンドメタルの網を被せて、飛ばないように押さえる。
 強風の中で作業をしていたら、大田区のSaさんが、この間指先が割れて絆創膏を貼っていたのを気にしてくれて、作業用手袋や、貼る懐炉を持ってきてくれる。
 そのあと川崎のKiさんが、フィルムケースを持ってくる。ウチョウランの球を送るのに必要なのだが、この頃はデジカメばかりで、以前はどこにでもあったフィルムケースが見当たらない。昨日寄ったときにそんな話をしたら、早速たくさん持ってきてくれた。皆さんのご親切には本当に感謝、感謝。
 展示品が乾いているが、この寒さでは今日は無理。明日は一番で水遣りだ。


2005年12月21日(水)
 練馬のOさんが展示品を引き上げ、いつものSuさんが寄る。お客さんは一段落したようだが、水をやったり、棚の間に入り込んだ落ち葉を掃除したり、注文の本や鉢を荷造りして発送したり、振り込んだりで時間が過ぎる。
 初めてのお客さんが、「宋梅」を贈り物として鉢のまま送って欲しいというのや、メールでウチョウランの「袋田」など、この時期らしからぬ注文がある。最近では珍しく天然ものを探しているということで、うれしくなる。
 川崎のKiさんが閉店間際に寄ったあと、杭州寒蘭選別品が10株入った。荷を解き、根巻きを巻きなおして鉢に入れて並べ、水をたっぷりやって値段をつける。黒花や濃紅サラサ、濃色の青サラサ、青花などおもしろいものがある。待ったなしの作業で遅くなってしまったが、お客さんが大勢いる時では準備ができず混乱するので、閉店後で良かった。23日には又大勢見にくるだろうから、準備万端整えておきたい。


2005年12月18日(日)
 表の門を開けようとしても、レールに落ち葉が掃き寄せたようにたまっていて動かない。まずは大きなゴミ袋2袋にぎっしりと詰め、門を開ける。この強風で目の前の銀杏の木はほとんど葉を振るってしまった。最後の一頑張りか。プラ鉢もひっくり返っていたから、その手当てでまずはバタバタ。
 予報通り、半端じゃない冷え込みだ。いつもは日中開ける温室の天窓も閉めたまま。しかし昨日透明ビニールをかけておいた水苔は表面が一部凍っていたが、案外大丈夫だった。明日の朝は今日以上の冷え込みらしいから、どうなることか。
 まずは麻布のMoさん、下町のHiさん、そのあと横浜のYoさんが来て、慈光窯などの放出鉢や小柴さんの鉢をお買い上げ。お昼からは神代植物園から回って来た人が続々来る。大田区のSaさん、埼玉のIさん、出版社のSさん、埼玉のKuさんと揃って、三重の御大の到着を待つ。川崎さんは新幹線が雪のために遅れたとかで、予定より遅れて到着。すごい素心を持ってきていた。1条だから誰も割れとはいえないが。
 神代植物園から展示品を下げてくるのをお願いしたルーペのSさんが到着。今日は出られないから助かった。
 店内の窓をすべて閉め、エアコンもつけているが、コンクリートの床から冷えが伝わってきて、日が落ちると皆いたたまれずに帰っていく。あとはいつものSuさんが寄って、しばらくおしゃべり。横浜のKoさんから、すずき園芸から買った未確認株にいい花が咲いたのでとメールで3株の写真を送ってくる。Suさんも一緒に見て、「いい花だなあ。いいよ、どれも」。最後に買ったサラサは、多分白石の勧めに従って、一度選んだ株と取り替えて持っていったものだろう。いい花が咲いて良かった。
 今日で一応杭州寒蘭展は最後だが、花が咲いている間はずっとやっているので、年内最後の29日までは、同じ調子でやっています。
 発送がいくつかあるが、作業は水曜日だ。


2005年12月17日(土)
 神代植物園に行っている人が多いのか、先週のような賑やかさはない。それでも、下町のHさんといつものKoさんが待ち合わせてくる。Hさんは早速放出の慈光窯などを押さえる。
 明日は第一級の寒波という予報だ。このところ朝水苔が凍るようになったので、ビニールで覆ってみた。冬囲い用の大きなビニールをすっぽりとかぶせたのだが、果たしてどうなるか。こんなことをするのは初めてなので、結果がいいかどうかわからないが、実験だ。店の隣の吹きさらしの棚も、北側だけビニールで囲ってみる。
 昼過ぎ朱さんがきて、「紫園」「珠峰雪」や、その他の預かり品について相談する。今晩上海に帰るが、今月中に又新しい株を送ってくれるそうなので、楽しみにしたい。
 写真家の横山さんが、撮影する花を取りに来る。神代植物園に昨日撮影場所をセットしてあるので、こちらの花も一緒に撮ってもらうことにした。今年よそは割合花が遅いと聞いているが、ここは日本寒蘭が咲いているうちに、一気に咲いてきて、もう終花になっているものが多く、タイミングが悪い。素人のデジカメで旬のところをパチリというのがその点便利なのだが、腕とカメラの差はいかんともしがたい。
 狛江のTaさんが1年振りにくる。いつもHPを見ているので、久し振りという感じがしないそうだ。この前寒蘭展の看板をかけたところを撮影していたのを、丁度車で通りかかって目撃したそうで、きっと「今日のショット!」に載るだろうと思っていたら、案の定出ていたと話していた。そんな風にHPを身近に感じてもらえるとうれしい。
 千葉のTさんが「15分しかいられない」といって、予約してあった黒花と、さっと見つけた放出鉢を包んで帰る。この時期毎週あちこちの展示会を回ったり、杭州寒蘭で明け暮れているので、家族からブーイングなのだそうだ。今日は鍋をするからと、定時に帰ることを約束して出てきたそうで、慌しく帰っていった。蘭の趣味が嵩じてくると、作場の確保、蘭に使う出費と時間、どれをとっても家族と利害が対立する要素が多い。結構なご趣味で済むうちはいいが、マニアとなるとそのすり合わせが大変だ。どうかその点をわきまえながら、大いに楽しんでほしいものだ。
 昨日に引き続いて造園のTaさんが寄る。えびねのHaさんが、屋外電灯のスイッチを直してくれる。電話が何件かあって、明日は又にぎやかになりそうだ。暗くなった窓の外を、銀杏の葉っぱが舞い落ちているのが見える。あ〜あ。


2005年12月16日(金)
 道路の落ち葉を掃除していると、何人かにボロ市への行き方を聞かれる。寒いがいい天気なので、かなり人出があるのだろう。熱い甘酒をふうふういいながら、手を温めるのもいいものだ。
 ボロ市の時にこちらがし〜んとしているのは毎年のこと。今年も例外ではない。日本寒蘭のUさんなど展示を見にきた人がいるくらいで、明るいうちに「きょうのショット!」を更新するのはいつ以来か。委託品のリストを整理したり、多摩蘭友会の写真の残りを整理したり、パソコンの前で過ごす時間が長い。いつも閉店してから作業にかかるので、どうしても遅くなるが、今日は早く帰れそうだ。
 造園のTaさんが、久し振りに仕事を早目にあがれたといって寄る。怪我をしたあとが、この寒さできつそうだ。「杏花村」がただ一人順調にいっている人なのだが、これまた鼠に葉っぱをかじられて、いい新芽は出ているものの、痛々しい姿なのだそうだ。希望者がいるのに、どうもあちこちでご難続きの「杏花村」だ。
 2階に上がって展示品を見ていたが、やはり紅花舌無点花「珠峰雪」に目を留める。すでに1枚予約希望の札が入っているが、その後へ札を入れる。先天性健忘症に老人性が加わって、何でもすぐに書き留め、札を入れておかないと自信がない。この木をうまく殖やしていけるかどうかは、もっと自信がない。


2005年12月15日(木)
 例年ボロ市の日は寒いが、今年もぐっと冷え込んだ。日中になっても気温が上がってこない。以前はのぞきに行ったものだが、今は一人なので出るわけにはいかない。毎年朝一番で行っては、掘り出し物をゲットしているいつものSuさんが、今朝も行っているはずだ。帰りに報告があるだろう。
 打って変わって店は全く静か。ゆっくりと落ち葉を掃き、写真を撮り、メールの返事をする。今日明日はボロ市だし、土・日は神代植物園に行ってしまうだろうから、今週はバタバタしないで済むかもしれない。
 葬儀の花を提供している近くの会社が、決まりきった花ではなく、この店にあるような、自然で季節感のある花を、レンタルで飾りたいという相談が1年以上前にあった。まだ鈴木さんが生きている頃の話。その後話がまとまり、OKを出していたら、今日初めて実際に使われることになった。普通の青花でちょうど感じよく咲いている2鉢を選び、予め買ってある小柴さんの鉢にプラ鉢ごとすっぽりと入れる作戦だ。前に山草などをテーブルに置いたら、食事の時の話題になって、評判が良かったのだそうだ。初めて杭州寒蘭を見る人がほとんどだろうから、何かのきっかけになってくれればと思う。葬儀も画一的でなく、個性を重んじるようになってきた今の流れだろう。

 閉店間際に杭州寒蘭を贈り物にしたいというお客さんがくる。全くこういうものをやっていない人なのだが、店のHPをプリントアウトして調べてきていた。お正月に咲くものがいいというので、丁度下の1輪が割れてきたのを、小柴さんの鉢に入れて贈ることにした。丸い舌がかわいくて、いつものKさんが見たらすぐに押さえそうな花だ。丁度頃合のものがあってよかった。一部のマニアがぐるぐる回っているだけでなく、こうして裾野が広がってくるのは大歓迎だ。

2005年12月14日(水)
 昨日多摩蘭友会の初日に行ってきた。会場では草地さん、浦野さんなどのメンバーがいるのは当然として、写真家の横山さん、助手の水上さん、ルーペのSさん、浜松のTさんなど、この間三重の展示会場にいた顔ぶれがいる。まるで民族の大移動よろしく、杭州寒蘭があるところ、花に引き寄せられる人たちがついて歩いているようだ。
 歴史ある展示会だけに、鉢もそれなりに考えていて、落ち着いた雰囲気だ。ここでも当番の人は大変だろうが、見るだけの立場はうれしい。
 今日店に出たら、年中行事の銀杏の落ち葉が山になっている。これを掃除しないと門を開けられない感じだが、電話はかかる、メールは来ている、郵便局に行かなくてはと、中々掃除にかかれない。隙間を見つけて落ち葉を片付ける。
 練馬のOさんが、展示してあった2鉢を下げて、新たに形のいいサラサを展示してくれる。去年の掘り出し物だそうだ。港北のHaさんは未選別豆弁蘭を持って行く。大田区のSaさんや、目黒のOさん、いつものKoさんも寄る。
 夕方埼玉のSaさんと川崎のKiさんが寄って、それぞれ小柴さんの青磁色の鉢を選んでいく。今回はたくさん作ってくれたのに、この釉薬のものは残り2個になってしまった。考えている方はお早めにどうぞ。
 皆が帰った後、多摩蘭友会で撮った写真を整理する。撮るのはいいが、この整理保存に時間がかかって、又遅くなってしまった。


2005年12月11日(日)
 大変な一日になった。いつも朝一番の大田区のSaさんが、夕べ入荷した黒花の杭州を売約。続いて中野のEさん父子が、放出鉢と昨日の杭州を目当てにかけつける。慈光鉢は、一番いいのがすでに売約になっていたので「やっぱりねえ。皆目があるよ」。
 いつものKoさんが来て、すぐに2階に増えた即売品や展示品を見る。こちらで作ることになっている紅花前面無点に早速手を挙げる。たった2条だから先の長い話だ。
 朝電話をしてきた埼玉のIさんが、一足先に売約になった黒花が気に入って、増えたら分けてと迫る。華僑会館の帰りのOさんが、情報をもってきてくれる。
 楊さんが、頼んであった中国春蘭花芽つきと、一茎九華、豆弁蘭の花芽つきを持ってくる。中国春蘭を頼んでいたFuさんが、時間を合わせてそれを買いにくる。楊さん得意のポット植えを鉢植えにして欲しいというので植替え、日本春蘭もついでにお買い上げ。
 山採り豆弁蘭を目当てにHaさんご夫妻が来て選ぶ。そんなごった返している中、思いがけず小柴さんの鉢が25個入った。品物をじっくり見ているひまがないが、外で荷を開け始めているのを見ると、人気の天然土灰釉やそば釉、これまでに無かった新しい色など変化に富んでいる。これは皆喜ぶだろうと思ったら、ラベルもつけないうちにもう選ばれていた。人で一杯のところに杭州寒蘭もそれなりに出て、もう何がなんだかわからない。
 麻布のMoさん、いつものSuさんも来て、2時を大分回ってから始めた座談会は、これまでになく大勢が参加してくれた。
 夕方皆が帰ってから出版社のSさんが華僑会館の帰りに寄って、小柴さんの鉢を持ち帰る。食べるひまがなかった昼食を食べ始めたら、中国蘭協会のメンバー、千葉のTさんが来る。ここへも展示してくれて評判の良かった「紫極」が賞に入ったそうだ。昨日の黒花が気になってかけつけてきたのだが、昨日手を挙げていたのを、あまりにばたばたしてしまって、札をつけていなかったため、今朝買われてしまい、申し訳ないことになった。急に一度に色々なものが入って、その整理がつかないうちで、リストをしっかり作っておかないと後で困ることになるし、お客さんは少しでも早く選びたいしで、入荷した時に大勢がいると大変だ。Tさんは結局、こちらで看板にするつもりの黒花に、いつかはと手を挙げ、残っていた即売品の黒花を売約。
 こんな小さな店にたくさんのお客様が来ていただけるのはうれしい限りだ。こちらの対応が追いつかないため、いつもはゆっくりお相手するところを粗略になってしまい、申し訳ありません。
 閉店してから小柴さんの鉢を出してみたら、3鉢あるえびね鉢(春蘭の大株)もぐっと形が良くなっていて、又争奪戦になりそうだ。メールの返事や鉢の荷造りで、今日も遅くなる。今日担当の浩司さんもお疲れ様。寒いと思ったら雪がちらついてきたようだ。


2005年12月10日(土)
 昨日の放出鉢にただちにメール。いつも反応の早い仙台のToさんに写真を撮って送る。
 いつものSuさんが午前中に寄り、Haさんご夫妻、1年ぶりの大御所Yaさん、駒場のWaさん、造園のIさん、春蘭の用事で見えた初めてのFuさん、千葉のTさんなど次々で、昼食をとるのも大変なほど。
 出版社のSuさんが新たに紅サラサのいい花を持ってきて展示し、これまでの青花を下げる。
 そこへ久し振りの朱さんが来て、即売品と展示品を11鉢持ってくる。今回は中国から運んできているので、本来の咲き方ではないが、本咲きすれば新しいスターになる花だ。このうち4点は神代植物園に展示するそうだ。
 最近は上海が大部分になったので、向こうで勢力的にいい花を買い集めている。選別した一級品を集めた中から抜いてこられるのは、やはり地元の利。常に網を張っているのでなければ、何万本の中から選ぶのは不可能だ。即売品も4鉢あって、かなり濃色の花など個性派揃い。展示品は殖やして売ることになるが、Tさんが早速手を挙げていた。
 お客さんが帰ったあと朱さんと打ち合わせをし、展示したり写真を撮ったり。明日も満員になりそうなので、写真を撮っているひまが無さそうだ。色々な仕事はどうしても閉店後になってしまい、電話やメールの返事で、あっという間にもう9時だ。
 明日は中国蘭書を読む座談会をします。一茎九華と豆弁蘭の山採り株、中国春蘭花芽つき株なども入荷予定ですので、合わせてお運びください。


2005年12月9日(金)
 昔中国春蘭、奥地蘭に熱中した目黒のHiさんが、最近は彫刻一辺倒。さかんに展示会に出品していた頃に、いい鉢をたくさん集めていたが、置き場所を撤去する必要に迫られて、持っている蘭鉢を処分したいと運び込んだ。慈光窯や欅窯の初期の鉢、笠間鉢、いわれのわからない鉢など様々。中国古鉢も色々持っていて、今度それも出してくれるそうだ。格安価格でいいということなので、鉢を気にする人には朗報だ。
 港北のHaさんが、最近ネット上で手に入れたという花を見せに来る。麻布のMoさんが、13日からの多摩蘭友会の展示会に出品する花を2鉢持参。日曜日までこちらに展示してくれることになった。
 大田区のSaさんが売約の花を引き取りにきたあと、多摩蘭友会の世話役、浦野さんが現れる。この間三重でも一緒になったが、「2泊して往復車はキツかった〜!」。12月はただでさえ仕事が忙しいのに、あちこちで展示会続き。杭州寒蘭マニアは身体がもたない。
 ひと坪園芸から電話で、写真を撮らせて欲しいと話があったが、土・日はお客さんが多くて無理。花は満開だし中々日程が合わない。仕方が無いので、定休日の月曜日に出てくることになった。火曜日は神代植物園の初日に行くつもりなので、師走の貴重な休みは又杭州寒蘭でつぶれる。日曜日は華僑会館の展示会があって見に行きたいが、とてもそこまで行ってられない。


2005年12月8日(木)
 きのう千葉の流山から初めて電話をしてきた女性がいた。以前に日本寒蘭を少し持っていたが、大病をした時に皆枯らしてしまった。病気が治ったので、蘭の中でも一番好きな寒蘭を又始めてみたい。東京の地理には全く不案内だが、専門店を訪ねてみたいということだった。どうやって行ったらいいかわからないというので、乗り換えが一番簡単な路線を教えたら、今日早速出かけてくれた。途中2度も電話で確かめながら。半蔵門線(田園都市線)に乗ったことがないというから、ずい分遠く感じたに違いない。一度にこんなにたくさんの杭州寒蘭を見るのは初めてだそうで、この雰囲気が好きだと喜んでくれた。青花とサラサをそれぞれ選んで、来た甲斐があったと大切に持って帰る。
 こういうものは本人の気持ちに響かなければ、どんなに勧めてもいいと思っては貰えないが、反対に派手な花よりこちらの方がいいという人にとっては、癒しであり、大きな喜びを与えてくれるものだ。お金の問題ではなく、好きな人のところにいけば、花も幸せだろう。
 Oさんが展示品を2鉢持ってきて飾ってくれる。いつものKoさん、近くのSuさんが寄っていく。Koさんはまだこれから咲いてくるのが続々あるらしいが、こちらはもうほとんど満開だ。ごく遅いタイプがいくらか残っているくらいで、一気に終わってしまうかもしれない。
 楊さんに電話して、日曜日の本を読む座談会の打ち合わせをする。今度は「大雪素」の部分を読むつもりだ。


2005年12月7日(水)
 店を開けてまず「追月」を見る。まだ主弁が持ち上がっていない。いくらか進んだというところか。ゆっくり開く方がいい花になるので、その点は合格。
 落ち葉が山のようになっているのを掃除し、注文の鉢を発送する。日曜日に来るべき人は皆来てしまったので、電話の問い合わせぐらいで静かなものだ。この時とばかりに撮影をし、裏の気になっているところを、時々店を気にしながら片付ける。
 今日は誰も来ないかと思ったら、夕方になって目黒のOさんが見え、近くのSuさん、川崎のKiさんが寄る。今日は記録的な早さで帰れそうだ。ミニ杭州として入った3鉢はすべて売り切れた。


2005年12月4日(日)
 寒い!。空気を入れ替えるためにいつも開けている小窓から、冷たい風が入って震えてしまう。窓を全部閉め、換気扇も止め、エアコンもつけた。
 いつも一番乗りの大田区のSaさんが、早速昨日の初花株の中から、コロンとしたつぼみの株を押さえる。続いて下町のHさんが、立派に咲いている青花素舌(素心ではない)を展示してくれる。いつものKoさんが又たくさん持ってきている。
 千葉のTさんが、「露華」を株分けしにきて、展示してあった「紫極」を持ち帰る。
 三重帰りの大荷物を持ったまま、ルーペのSさんが寄る。やはり三重に行っていた写真家の横山さんと水上さんが、SHANG-RI-LAのキレンジャーを、写真を撮るために持ってくる。まだつぼみなので、植え込んで撮影まで預かることになった。黄色の地に紅い筋がどんどん乗ってきて、今微妙な色合い。最終的にどんな色になるのか楽しみだ。
 埼玉のIさんが、「峨眉山」など展示品を持ってきてくれる。ここの「峨眉山」が何鉢か咲いているが、どれよりも色が濃い。えびねのHさん、横浜のYoさん、埼玉のSaさん、小田原のIさん、麻布のMoさん、横浜のHさん、造園のIさんと集まって、「紫芳山」「明日香」を分けたり、写真を撮ったり、展示品や持ち帰り品の箱で足の踏み場もない。
 これだけの人に見つめられて、ついに「追月」が先を割って舌を下ろしてきた。軸は濃色で細く、首は長く花間もある。緑の色はずば抜けて濃く、真っ白い舌には緑の筋のみで無点。豆弁蘭のようなコントラストだ。覆輪もちゃんとある。今のところは文句のつけようが無いが、これで最終的な花型が問題だ。水曜日には開いているだろう。期待を持って見守りたい。


2005年12月3日(土)
 いつもより早起きして、津の杭州寒蘭展に行ってきた。タクシーでメッセウィングみえに着いたら、知った人がぞろぞろ来ている。前の晩から乗り込んだ人が多く、東京でよく顔を合わす人がそのまま移動してきた感じ。ここでは気楽に、あちこちから集まってきた人との交流で、楽しい時を過ごす。主催している川崎さんたちは、大勢の人が来て仕切るのは大変だったろう。場所は全くの田んぼの中で、公共の交通手段がないし、近所にコンビニ一つないところだから不便なのだが、遠くからこれだけの人が集まるというのは、展示の質の高さゆえ。直前に川崎さんや浜松のTさんが中国から持ち帰ったものがあるのと、杭州に留学中のSHANG-RA-LAさんが、秘蔵の蘭を持ってくるのがハイライト。期待をもって荷解きを見守る。圧倒されるような花が出てきて、た・め・い・き・・・。
 帰る時間が気になって、心を残しながら会場を後にする。往きは1人だったが、帰りは楊さんと、中野のEさん(息子さん)夫妻が一緒で心強い。浜松のTさんが、花未確認株の追加を用意してくれたので、それを抱えて帰り、7時前に店に戻った。日曜日は予定している人だけでも大勢だから、とても植え込みまではできない。どうしても今日中にやってしまわなくてはと、帰ってきた拓也さんと二人がかりで植え込んだ。ラベルを書き、水を遣り、消毒をして並べるとすっかり遅くなった。
 忙しかったが、京都の蘭迷さんや高知のNoさん、SHANG-RA-LAさんなどとも話ができ、ゆっくりとよその展示会を見られるというのは実に楽しいことだ。自分の展示会は大変なのだが。


2005年12月2日(金)
 「清潭月露」「燈鐘山」「天生晃」など、続々と開きだして、銘品は3分の2ほどが店内に登場した。初花は、杭州17Yタイプが初めて1鉢、先が割れてきた。いかにも杭州らしい青花で、悪くなさそう。
 昨日は忙しくて目をつぶっていた外の落ち葉やごみを、今日ようやく掃除し、まだあったかという植替えなくてはいけない鉢を植替え、水やり、鉢の発送、肥料の発注などのこまごまとした用事で時間が過ぎる。やらなくてはいけない用事がたまっているのに、中々向き合う時間がとれなくて気になっていた。日々仕事は追いかけてくるから、明日に残したくないと思いつつ、どんどん帰りが遅くなるのも困りものだ。今日は近くのSuさん、いつものKoさんが寄っていった他はお客さんが少なく、撮影も出来、雑用も片付いた。お客さんでにぎやかな日は楽しいし、間にこうして仕事がはかどる日があるのもありがたい。こういうリズムで、何とかなっていくのだろう。
 明日白石が留守だとお知らせしたら、千葉のTさんが来る日を変更して、日曜日にすると電話があった。横浜のYoさんからも電話で、明日来るところを日曜日に変更してくれるという。これで日曜日は株分け等予定がぎっしり。少し時差になってくれるとありがたいが、顔ぶれを考えただけでもすごいことになりそうだ。杭州寒蘭展のピークに1日留守してしまうのだから、覚悟!。
 明日は朝早く出て、三重の展示会を楽しんできます。店は営業していますから、どうぞ見にきてください。


2005年12月1日(木)
 昨日戻ってきた上海の3鉢と「奔月」を見に、早速中野のEさん父子がかけつける。サラサの「吟月」を展示品として持ってきてくれた。
 お目当ての「追月」は、去年上海植物園に行ったときに、珍雪寶さんからプレゼントされたもの。珍さんが命名したものだが、去年は花が無かった。鈴木さんが最後に手にした株のうち、これだけは花を見ないうちに亡くなってしまった。2花のつぼみが横を向いてきたところで、緑の色がひときわ濃い。名前もついていたことだし、きっといい花に違いないという皆の期待に、果たして応えてくれるだろうか。横浜のHさんが欅窯の黄磁の鉢に入れて1年作ってくれたが、鉢をお返ししなくてはいけないので、やはり欅窯の青磁の鉢に植え替える。答えが出るのはあと1週間といったところか。皆の熱い思いが向けられているが、まずは大切に作っておきたい。
 「奔月」は開き方がゆっくりなので、まだ昨日とあまり変わっていない。上海サラサは2花ともきっちり咲いているが、上海青は先が割れてきたところだ。
 港北のHaさんが昨日に続いて、2階の展示品を丁寧に見る。午前中の光が当っていたので、昨日見た時よりずっといいという感想。花は光が大事で、どういう時間にどこに置いて見るかで、全く違ってしまう。今年大いに当てているいつものKoさんの展示品が並んでいるが、こんなのを見せられると、花未確認株につい手が出てしまいそうだ。埼玉のSiさんが、やはり未確認株を買っていく。「きょうのショット!」も3日連続Koさんの花になってしまった。
 乾燥した日が続いて、店内の鉢が乾いている。土曜日は三重に行くし、土日はこれらを見にくるお客さんが多いだろうから、店内の水遣りが出来そうも無い。お客さんが帰ってから、昨日できなかった花の撮影をし、水遣りを始める。棚から下ろして水を遣るので、HPの更新をしたらもう8時半だ。


2005年11月30日(水)
 落ち葉の季節に昨日の風で、あちこちに吹き溜まりが出来ている。外の鉢もカラカラになっていて、午前中は掃除と水やり、注文の鉢の発送に追われる。
 水曜日はいつも静かなのに、今日は前からの約束で横浜のHさんが「紫芳山」「奔月」と、去年の上海の3鉢を持ってきてくれた。「奔月」は4花のうち2花が開き始めたところで、去年よりサラサの色が薄くていい感じだ。「紫芳山」は花が2本茎が良く伸びて、これも開き始めのいいところ。日曜日の夕方まで展示してくれるので、今週中に是非見に来て欲しい。
 このHさんと待ち合わせで、えびねのHaさんと埼玉のOさんが来る。大田区のSaさん、目黒のKoさん、港北のHaさんも来て、いつものKoさんがもう1鉢展示品を持ってくる。せっかくかわいく咲いてきたものがたくさんあるのに、写真を撮るひまがない。気になっているメールの返事も、やりかけのまま進まない。
 温室の杭州もどんどん咲いてきて、「聞韶」「峨眉山」「老門山」など次々と笑い始める。並べる場所がないので、まだ咲いている日本寒蘭を温室にしまって、杭州に切り替える。
 最後は仕事帰りのSaさんとKiさんが寄る。さすがに杭州寒蘭のピーク時なので、問い合わせの電話も多い。
 楊さんから、12月の中国蘭書座談会を1週間延ばして欲しいと電話があった。三重の展示会に行くので忙しいということで、12月は11日の日曜日に変更することになった。白石も4日(土曜日)に日帰りで三重に行ってくるので、土曜日は留守になります。


2005年11月27日(日)
 杭州寒蘭が大分揃ってきたので、今日は朝から大賑わい。大田区のSaさんから始まって、下町のHさん、いつものKoさん、埼玉のIさん、麻布のMoさん、ルーペのSさんなどの常連組が集まってくる。
 Koさんは又新しい展示品を持ってきている。今年入れた17Tの中から出た濃い紅サラサと、16年マオサン2鉢だが、どれもかなりのものだ。今年はその他にも13年のサラサや、17Tの青花でもいいのが出ているし、これから咲いてくる中でも、期待のものがいくつもあるようだ。マオサンの2鉢はどちらも面白そうで、今のところすごい打率でヒットを連発している。
 埼玉のIさんは、「嘉泉」「黄玉山」「翠々」を見事に咲かせて見せてくれる。「嘉泉」は今年も立派な紅花で、色も形もしっかりしているし、「翠々」「黄玉山」は、こちらの花より一回り以上大きい。こうやって咲かせると、やはり銘品だなとあらためて思う。
 2階はその他に出版社のSさん、ルーペのSさん、千葉のTさんと、どの花もいい感じで、最初から見ごたえのあるものが揃ってしまった。後半大丈夫かなと心配になる。皆で花を比べたり、写真を撮ったり、評論したりで、一日中にぎやかな杭州寒蘭展の光景が展開される。
 遅くなって造園のYoさんが、サラサ無点の株を持ってきてくれる。条数があるので、すぐにも要望に応えられそうだ。


2005年11月26日(土)
 出版社のSさんが、開き出した青花を展示してくれる。色は淡いが捧心の半分以上が白く抜けて、透明感抜群。
 こちらのものでも、「天寿山」「天童山」「翡永丸」「寒山寺」「燕雀」「西天目山」などが、次々と咲いてくる。預かっていた世田谷のMaさんの花も開き始めた。
 売約済で、咲くまでここに置いておく鉢が何鉢もあるが、2鉢が開いた。今年もたくさん買い込んだKoさんの杭州17Tは、青の色も濃いし、きりっと良い形に決まりそうだ。もう一つ、下町のHさんのは16年雲和で、これ又かわいいサラサ。この時期は毎日何かしら開いてくるから楽しみだ。
 川崎のご夫妻が1年振りに見えて、初花株の中から色々迷いながら選んでいる。サラサが欲しいと、17Yの中から筋が乗ってきた株を取り出したのだが、15年もので、いかにも杭州らしいいい葉姿、花茎が細く花間があり、大きなつぼみにしっかりと色が乗ってきているのを勧めたら、そちらに変更した。これは今朝から気になっていて、取っておこうかなと迷った株だ。花が咲く前に選ぶ能力があるわけではないから、当るかどうかわからない。「私も気になっていたから、これに決めます。」「もしいい花が咲いたら報告してくださいね。」と帰った後に来たToさんが、ご夫妻の置いていった17Yを売約にしたから、どちらに福が転がり込むことになるのだろうか。うーん、ムツカシイ!!


2005年11月25日(金)
 港北のHaさんが予約してあった小柴さんの鉢を引き取りに来た後、大田区のUさん、目黒のFuさん、横浜のTaさんがみえる。
 続いて造園のIさん。今年花がないと思っていた「飛天」に花がきていたという報告。咲いたら飾ってくれるというので楽しみだ。
 次に中野のEさんが、又新鮮な大根を持ってきてくれる。そこへ海上保安庁を卒業したYoさんが久し振りに、いつものKoさんも仕事帰りにと集まってくる。ゆっくりおしゃべりをした後、Eさんは2階に展示してあった3鉢を下げて帰る。
 最後に仕事帰りの川崎のKiさん、近くのSuさんが寄って、楽しみにしているEさんの大根をおすそ分け。
 今日は「翠鈴」、「逸品」と、「黄玉山」「翠々」のそれぞれもう1鉢を店内に出す。「翠鈴」は舌をぺろっと下ろしたところで、写真を撮りたいと思ったが、1日中人の出入りとメールの返事で、撮る時間が無かった。下町のHiさんがメールで写真を送ってきたが、こんなのを出してしまったかと悔やまれるような良い花だ。今年ここから持っていったものだそうだ。「まあHさんだからいいか」というところか。日曜日に持ってきてくれるようだ。


2005年11月24日(木)
 一時の冷え込みが緩んで、今週は又平年の気温に戻った。天気が良くて一寸暖かい今朝は、店の戸を開けた途端に、閉じ込められていた香りで、ふわーっと体中が包まれる。この瞬間がたまらない。鼻はすぐに利かなくなって、一連の開店準備を終えた頃には、感じなくなってしまうのだが。温室を見回ると、「露華」「翠々」が咲いていた。これらを並べ、入り口正面の棚は杭州寒蘭で一杯になった。道路側はまだ日本の寒蘭ががんばっている。
 杭州の細い花茎は少しの風にも揺らいで、こんな穏やかな日でも外で写真を撮るのは難しい。室内に背景をセットして、丁度良い具合の花を撮影する。余程せっせと撮ったつもりでも、後から何故撮らなかったかと後悔するものが出てくる。撮影のために鉢を持った時にも、又良い香りが感じられて、杭州寒蘭も立派に良い香りがありますよと言いたくなる。
 昨日ルーペのSさんが、今年すずき園芸で買った14年ものの初花を、例のようにいい鉢に植え込んで持ってきた。あでやかな色合いの透明感のあるサラサで、いかにもルーペのSさんが選んだという花型。まだ開く途中だが、捧心はきちんと包み込んでいて、乱れそうもない。ゆっくりと時間をかけて開く花は、花持ちもいいし期待できる。いつものKoさんが見て、あれはどうしたんですか?と気にしていた。
 空いた時間に外の植物を整理していたら、オキナワチドリが2鉢芽がでていた。斑入りの方は苔で覆われていたので植え替えて、2階の明るいところへ置く。
 Koさんの他にはOさんSuさんといったところで、暖かいし作業にはもってこいの一日だった。


2005年11月23日(水)
 朝千葉のTさんが、頼んであった「露華」と展示品の「紫極」を持ってきてくれた。ここの「紫極」はまだつぼみだが、Tさんのはもう4花全部が咲いている。2階に飾らせてもらったが、濃い紫赤の筋が緑の地を残しながら乗っていて、中々きれいだ。欲を言えば花間がもう少し欲しいところだが、花弁が厚くて花型もしっかりしている。Tさんは、殖えたら真っ先に分けてという花を、いくつかアピールして帰っていった。
 お昼過ぎに来た埼玉のIさんが、展示してある「紫極」を見てすっかり気に入り、こちらの株を分けることになった。鉢でも花でも、同じものがいくつもあるわけではないので、こればかりはタイミングだ。長野の実家の帰りで、野菜やりんごをお土産に持ってきてくれた大田区のSaさんが居合わせて、来年分ける分を予約。韓国から帰った近くのSuさんが寄ってさらに賑やかになる。
 小柴さんの鉢は、埼玉のSaさんが来て2鉢、ルーペのSさんも、2日間他の人が見た後だからと、遠慮がちにもう1鉢。メールで写真を送って欲しいとの要望があったが、今日は写真を撮るひまがないうちに、どんどん減っていく。
 「西湖」が4花の一番下が開いて店内に飾り、さすがの貫禄。丁度開き始めのいいところなので、こんな状態で見せられたら、世田谷区民会館で話題になったのもうなずける。「洞庭湖」「高橋黒」「常熟山」も開き始め、花が終わってきた日本寒蘭を片付けながら、次第に杭州寒蘭へと移行していく。その中でようやく咲いた「宝珠の月」が、緑の舌に今年はくっきりと紅二点で存在感を示している。

 今日拓也さんのベイビーが退院してきて、これから1ヶ月をお里で過ごしに行く前、ちょっと顔を見せてもらった。皆のアイドルになること間違いなしの可愛さだ。こちらに戻って来る時にはずっとしっかりしていることだろう。

2005年11月20日(日)
 上野の寒蘭展はさすがにレベルが高く、どれも見事な作。いつも仕事帰りに寄ってくれる川崎のKiさんが何点も出品していて、「今日はお客様だから」とお茶を出していただいた。マニアの浦野さんも続いて来て、「早いですね」。
 急いで店に戻ったのはお昼前。着いたらいつものKoさん、中野のEさん、下町のHiさんが揃っていて、にぎやかにやっていた。Koさんは杭州の展示品をいくつも持ってきている。これから続々と咲いてくるというので、せっせと飾ってくれるに違いない。今年杭州13の寄せ植えの中から1株花がきていたのをKoさんが押さえたが、咲き始めよりぐんぐん良くなって、2階の展示品の中でも光っている。つぼみの時から良さそうだったので、とって置こうかとも思ったが、Koさんならいいかと出してしまった。5年辛抱しての初花だから、期待に応えてくれて良かった。
 小柴さんの鉢は、Eさん、Hiさんが1つづつ買って、前橋のKiさんが電話で2つ押さえる。神代植物園の展示会に行ってから、ここに回ってきた出版社のSさんも1つ。選ぶ幅がどんどん少なくなってしまう。
 杭州初花株はつぼみがはっきりしてきたので、選び方も力が入ってくる。これまでも散々買っているのに、KoさんHiさん、駒場のWaさんが、それぞれ又選びだしていた。
 一騒ぎした後夕方になってようやくメールチェックしたら、京都の中国蘭迷さんから二世誕生おめでとうのメールが来ていてうれしくなった。皆さんの祝福を受けて、すくすくと育って欲しいものだ。


2005年11月19日(土)
 朝楊さんから電話があり、今日小柴さんの鉢を届けてくれるという。その直後、横浜のYoさんが、「そろそろ鉢が入ったかと思って」とやってくる。「今日入りますが、午後になります」というと、そこまで待てないと残念そう。「23日に来たんじゃ売れちゃってるだろうなあ」。2階に飾ったKoさんの2回目の青花が気に入って、分けてもらうよう交渉を頼まれる。
 Yoさんが帰った後、楊さんが小柴さんの鉢を20個持ってきた。下は一杯なので、2階のテーブルに並べる。釉薬は色々でバラエティがあるが、頼んであった天然土灰釉は2個だけで、予約されている2人分で終わってしまう。
 楊さんは他に杭州寒蘭の素心と、赤軸のサラサ素舌を展示。杭州選別品も5鉢、お客様コーナーに出してくれる。この5鉢は16日の水曜日に麗水から着いた山採り品で、全部花が咲いている。輸送のため多少傷んでいるが、花の大きさ、色、舌、花軸、花間などはわかる程度にしっかりしている。丁度居合わせたHaさん夫妻が、サラサを1鉢選んでいく。
 春に「双緑梅」を買ったYaさんが、半分返してもらう約束で、鉢ごと持ってきてくれる。いい新芽が両方向に出ているので2つに割る。楊さんの話では、「双緑梅」は豆弁蘭と蓮弁蘭の交雑種なのだそうで、あの色、花弁の厚さもこれで納得。大田区のSaさんも来ていて、皆でしばらくおしゃべり。
 夕方ルーペのSさんが、浜松の寒蘭展に行った帰りだといって寄ってくれる。ボランティアのSさんとしたい位、色々なことをお願いしているが、今日は以前にSさんがつけてくれた照明の向きを調節したり、切れた電球を交換したり。何かお願いしたいときに丁度来てくれるというありがたい人だ。そんな行いの良さで、小柴さんの鉢を最初に選ぶタイミングとなった。気に入ったのが色々あったが、他の人のことを考えて2つにしてもらい、後は残ったらということになった。
 朝晩冷え込むようになったので、温室の窓を閉めて冬支度に入った。明日白石は、上野東照宮社務所客殿での寒蘭展を朝直行で見てくるので、お昼までに出ます。


2005年11月18日(金)
 昨日はお目出度いことがあって、拓也さんのところに二世誕生。男の子だった。まずはよかった。
 「うちの咲き具合を見るとちょっと早いかなと思ったけど」と、杭州寒蘭目当てのお客様。又見に来るといって、取りあえず日本寒蘭を持っていく。
 この間サンゴジュを伐ってしまったところは、植え枡に残っている太い根がとても取れないので、新たに木を植えることが出来ない。そのままでは殺風景なので、庭の方から放ってある鉢物を物色し、植え替えて置いてみた。これも取りあえず。
 寒蘭の植替えは、今店内にある日本寒蘭を仕舞う時に少し必要なものが残っているが、杭州寒蘭の花なし小苗はすでに済んでいるし、あとは杭州銘品。大鉢は鈴木さんもちゃんと植え替えていたはずと最後に残してあった。花の進行を見ながらラベルの日付を確認すると、奥の方の「磯千鳥」など、黄さんのものでも古い日付のものがあって、あわてて植え替える。これから花が咲くものでも、花が終わってからでは真冬になってしまうし、多少花もちが悪くなっても、花茎が伸びきった今植え替えてしまう。明日の分も少しありそうだ。
 中野のEさんが、掘りたての大根をもって来てくれる。みずみずしい葉っぱがついていて、おいしいので毎年楽しみにしているものだ。いつも喜ぶ近くのSuさんは、今韓国に行っているので呼ぶわけにはいかない。残念だ。
 Eさんは杭州寒蘭の展示品を3鉢出してくれる。前にも展示した「翠明湖」と、初めてのサラサ2点。温室の「黄玉山」も先が割れてきたし、「常熟山」もかなり色が乗って開きかけてきたので、いよいよ展示品は2階に上げる。
 夕方出版社のSさんが来て、12月3、4日に開かれる三重の展示会の案内状を置いていった。今年はかなり出るようなので見ごたえがあるだろう。


2005年11月17日(木)
 朝いつものKoさんが杭州の展示品を持ってくる。飾った隣に咲いている青花は、前にKoさんが買った杭州14で、いらないと置いていったものだ。ここで作っていたら花が咲いたので飾ったのだが、舌も幅広で、しっかりした花型。捧心の覆輪がやや弱いが、中々いい花だ。あらためて見て「やっぱり持って帰って作る」ということになった。杭州寒蘭は1度見ただけではわからないといういい例だ。鈴木さんがよく杭州は3回見なくては評価できないと言っていたが、1度花を見た株の中からも、いい花が咲くかもしれない。
 今年7花ついた「孤峰」は、もう5花が咲いてきた。隣り合わせに置いた「豊雪」はまだつぼみで、ようやく首を振ってきたところだ。友人を連れて来てくれた目黒のUさんが、案内状の日付を見て、ずい分早すぎると感じたと言っていたが、ばらつきがあって、一度で全部見るというわけには中々いかない。


2005年11月16日(水)
 昨日神代植物園での寒蘭展を見に行った。今年は展示数が多く、時期的にも丁度いい。つぼみのもあるが、日曜日までの期間中には開きそうだ。土・日は上野東照宮でも気合の入った寒蘭展がある。只今日本寒蘭の真っ盛りだ。
 そんな中、今日から杭州寒蘭展。朝一番で大田区のSaさんが来て、初花株で条数の多いのを半方売約する。開きかけてきたところでは、大きな花になりそうだ。
 Koさんが出会いがしらに押さえた杭州13も咲き始めた。中間サラサだが、今のところきりっとしている。「探花郎」も選別した時と同じ感じで期待通り。青花の「西施」、黄さんの「孤峰」「崑崙」も咲き出した。咲いたものは店内に飾ったが、まだ日本の寒蘭ががんばっているし、全くこれからのもある。花期がそのままずれて、しばらくは同居ということになるだろう。
 昨日今日と本格的な寒さになった。植替えの残りを急がなくてはならない。


2005年11月13日(日)
 昨日は木枯らし1号だったそうだ。どうりで寒かった。今日は一転してポカポカ陽気だが、置き土産の落ち葉、紙くずが散乱している。まずはその掃除。
 昨日常連さんが揃ってしまったので、午前中誰もこない。天気もいいし、温室の下段を整理する。
 麻布のMoさんと埼玉のIさんから電話があり、どちらも「黄玉山」が開き出しているという。こちらのはまだ蕾だ。去年はお通夜に、鈴木さんが大好きだったこの花を飾ったのだから、今年は少し遅れている。「孤峰」はもう少しといったところだが、つやつやとした色が乗ってきているので、店内に飾る。14年の無名青花が開いているのを見つけて、これも店内へ。幅広の舌で、今のところいい感じだ。
 裏の雨ざらしのところにあった蘭を植え替えて、棚下だが雨のかからないところへ移動していたら、16年雲和に花がついているのを発見。初花コーナーへ出す。ルーペのSさんが来て早速チェック。
 店の門脇の枡に植えてあるサンゴジュに、カイガラムシがもりもりについて、出す液に排気ガスがたまり、真っ黒になってしまった。夕べ造園のIさんが見にきてくれたが、植え枡に一杯になって樹勢が弱ったためだという。大体サンゴジュは難しい木で、消毒が欠かせないそうだ。この植え枡にはふさわしくないということなので、拓也さんと相談して、根元から伐ってしまうことにした。長い間鈴木さんが水をやってきたのに、丁度一周忌の時に伐ってしまうのも残念だが、園芸店でカイガラムシで覆われた木を曝しておくわけにはいかないし、蘭に広がっては困るので、のこぎりを持ち出して1人で伐り始めた。杭州の株をチェックしていたルーペのSさんが、何事かと見に来て手伝ってくれる。この店はボランティアが多いねとよく言われるが、その通り。枝は落としたが、根元の太いところを伐ってくれて大助かりだ。結局伐った枝の始末まで終わってしまった。
 帰りがけに連日のSuさんが来たが、肉体労働ばかりの1日だった。


2005年11月12日(土)
 朝サウジ帰りのMaさんが来て、午後仕事に行くまでの間、蘭を見ながら英気を養い、ついでに杭州17のTとYを1鉢づつ予約する。
 昼過ぎにいつものKoさんが来る。その時点で杭州17Tは残り3鉢。1つは花が虫にやられて切ってしまったので花無し。1つはまだ小さいが何とか咲きそうなもの。もう1つは開きだしたが、虫のせいか花が引きつってしまって、まともには咲かない。しかし良く見ると、緑花に真っ白い覆輪が五弁ともくっきりと出ている。形がメチャクチャなので、誰も手に取ろうとしなかったのをKoさんが見つけて持ってくる。来年きちんと咲かせたら、いい花になるかもしれない。Koさんが15年に買った株で、1鉢中国寒蘭が咲いてしまったのの代償として、それを持っていってもらう。
 銘品狙いの埼玉のSaさんが帰ったあと、下町のHiさん。そこへ近くのSuさんも現れ、研究好きのマニアが顔を揃えて話が沸騰する。
 久し振りの朱さん、駒場のWaさんが来て、3人と交代。朱さんからは中国の蘭情報を聞く。
 来週の水曜日から杭州寒蘭展が始まるので、今日明日中に飾らなくてはならないのだが、早くに店内に入れた2鉢以外、まだ咲かない。「孤峰」などはずい分色が乗ってきて、もうすぐ開きそうなので、徐々に取り込んでいって、杭州寒蘭に移行したい。
 明日は鈴木さんの一周忌ですが、法事は内々でするため、店は平常通りやっています。


2005年11月11日(金)
 朝から植替えをしながら、棚を整理する。今店内に飾ってあるものを作場に戻すことを考えて、無駄な空きが出来ないように鉢を移動していく。株分けなどでどうしても鉢数が増えていくから、どうやって納めるかがいつも悩みの種だ。
 目につきやすいところは植替えるが、手が届きにくい奥の方は、時間切れでついそのまま。店が閑散としている時にと、奥のものをチェックする。15年が最終のものは迷わず植替え。プラ鉢に大株になっているものを見つけて取り出すと、「紅露峰」だ。しばらく叩いたが抜けないので、例のヘラのお世話になる。ラベルを抜くのも大変なほどだから、土はいくらも入っていない。つぼみがついたところを割って3鉢にする。どんよりとした一日で、ずっと外で作業をしていると冷えてくる。そろそろ防寒を考えなくてはならない。
 時々来てくれる女性客が、貰ったナゴランをつけるヘゴを探しにくる。デパートなど散々歩き回って探したが見つからず、ここを思いついたそうだ。「最初からここにくれば良かった。デパートで余分な買い物をしてしまって。」と喜んで寒蘭もお買い上げ。
 閉店間際に、仕事帰りの川崎のKiさんと近くのSuさんが寄ってくれて、ようやくにぎやかになった。


2005年11月10日(木)
 あまりに土が古いままの鉢は、ほとんど植替えが終わったが、15年というのはまだまだある。2年に1度とするとこれが正規の植替えだ。朝から棚下の花未確認株に次々と手をつける。
 店内の寒蘭は、ようやく20鉢以上咲いてきた。昨日先が割れた「玉金剛」は2花が開いてきたが、まだ舌は下りない。花弁が厚いので、非常にゆっくりと開く花だ。中国寒蘭の銘品「大河」と「虹彩」も同時にいい感じで咲き出した。「燦月」「青雲」「立野紅」「糸屋姫」「日向の誉」「蛍雪」と花が並ぶとさすがにいい香り。
 「桃太郎」が今年はいい色で咲きそうだ。3花が少し首を振ってきたところで、桃の色が良く乗っている。丁度現れたいつものKoさんが、これは数があまり無いんだとすぐ売約する。
 日が暮れるのが早くて、時間調整を兼ねて見に来た近くのSuさんとおしゃべりをしていると、撮影も大慌てだ。このところカラッとした日が続いているので、鉢も良く乾いている。裏のえびねに水をやったりして、黙々とやっても植替えは10鉢くらいしかできない。


2005年11月9日(水)
 鈴木さんの自宅で咲いた「日向の誉」を店に持って来たが、こちらにある株より良くできていて、葉も花も立派。条数が多いので、買いやすいように4条花つきで割る。朝一で来ていた大田区のSaさんが割るところに出くわして、残りの花なしの方を売約する。
 午後埼玉のSiさんが先日に続いて来てくれる。何年か前に寒蘭を大分駄目にしてしまって、一時やる気をなくしていたが、またやってみたくなったといって「不老」をお買い上げ。
 続いて入ってきた女性が、育て方や置き場所などを質問し、もうすぐ咲きそうな「夕映」を持っていく。寒蘭は初めてだそうだが、値段が安くなったので、入門や再挑戦の人にはもってこいの環境だ。
 夕方横浜のHiさんから電話。昔持っていった「巫山」に、今年初めて花が来たそうだ。咲いたら持ってきてくれるというので楽しみにしたい。
 開きそうで中々開かなかったKさんの展示品「玉金剛」だが、ようやく先が割れてきた。


2005年11月6日(日)
 午前中出版社のSさんが、杭州寒蘭を展示用に持ってきてくれる。しばらく見えなかったので、浜松のTさんと一緒に中国へ行っているのかと思ったら、「サラリーマンはそんなことしていられません。お袋が急に入院しちゃって・・・」ということだった。皆それぞれ色々なことがあって、何事もなく蘭に専念できるだけでも幸せなことだ。
 いつも中国蘭書を読む座談会に出てくれる麻布のMoさんが、午前中にきて帰ってしまったので、今日は出席者がいるかな?と不安になる。
 お昼過ぎに、「九華の話だから」と初出席の中野のEさんが現れる。続いてやってきた楊さんは、出席者が大御所のEさんだと知って、「緊張するなあ」。楊さんは報歳と兎耳蘭の天然交雑で「芝香」(ツーシャン)という、葉幅が3.5pもある蘭を持ってくる。
 奥地の蘭協会の会員で、奥沢のGoさんと、毎回出席の大田区のSaさんも出てくれたので、何とか顔が揃った。まずタイトルに出てくる「工薪族」という言葉の説明で、薪は給料のこと、「工薪族」とはサラリーマンのことだというのが受けてしまった。昔授業で先生の余談ばかりが印象に残っていて、中身を忘れてしまったように、いつも「へーぇ!」と思うのは、そんなちょっとした言い回しだ。
 Eさんが皆でご飯を食べに行こうというので、残ってくれたGoさん、拓也さん夫妻と5人で、店を早目に閉めて、おいしい韓国家庭料理をご馳走になった。そんな訳で、「朝・昼・晩」の更新は休み明けになってしまった


2005年11月5日(土)
 朝一で杉並のOさんご夫妻が現れたが、もう少し先だねと残念そうに帰っていく。
 続いていつものKoさんと下町のHiさんが打ち合わせてやってくる。一足先にきたHiさんは、大舌の寒蘭「千代福」を展示してくれた。Koさんが来ないうちにと、昨日作った均一コーナーを物色していたが、次々と取り出して、展示品を入れてきた箱が、たちまち一杯になってしまった。身近なHiさんが作っていてくれれば、いい花が咲いた時には、又見せてもらえるからありがたい。
 次に千葉のTaさん。駒場のWaさんが来て、狭い店内がますます狭くなる。
 ゆっくりと楽しんでいったHiさん、Koさんと入れ違いに、サウジから帰ったばかりのMaさんが来てくれた。この間電話で銃口を突きつけられて恐い思いをしたとは聞いていたが、ちょうどルーペのSさんが入って来たので、二人でじっくりサウジの話を聞かせてもらう。ゲリラか何かわからない集団に、機関銃を突きつけられて身柄を拘束され、パスポートも奪われて、1週間後に開放されたというのだから、ニュースになるような事態にならなくて、本当に良かった。病気も抱えているのに、緊張でそちらの方は忘れる位だというから、二度としたくはない体験だったろう。やっぱり日本は平和だと実感したそうだ。こちらは中東のことはまるで知識がないので、興味津々、次々と質問してしまった。
 丁度いいシーズンに帰ってこられたので、ルーペのSさんと棚を見て回り、馴染んだ場所で癒されたと帰っていく。しばらく休みがなかったルーペのSさんは、均一コーナーの一度花を見た株から、気になるといって1鉢選ぶ。一度見たといっても本咲きではないし、作って見なければわからないということだった。
 明日は中国蘭書を読む座談会があります。都合のつく方はご参加ください。


2005年11月4日(金)
 平日の今日は植え替えをと、棚下を見ていたら、杭州初花株がまだ見つかる。寄せ植えだったのを1株植えにして並べ、花無しの未確認株は1箇所に集めて、もう1年作る態勢にする。一度花を見てしまった株は、鈴木さんがコメントをつけてあるから、間違えないように目印のラベルを入れて、入り口の台に並べ、均一の即売コーナーを作った。花を見た株は、宝探しの人には売れないが、初めて杭州寒蘭をやってみる人には、根もしっかりしているし、安く手に入るので、これは又楽しみなものだろう。「青花捧心不開覆輪あり」などと書いてある中には、「有望株」と鈴木さんの字で書いたのもあって、花が開くまで売れなければ楽しみだし、お客様のところでいい花が咲けばそれも結構。「杭州は3回花を見なければわからない」とよく言っていた通り、年によってずい分違って咲くから、花を見た株だからだめとは言い切れないが、きちんと区別だけはしておく。
 根巻きの「日向白竜」が2本あって、巻きなおそうかと開けてみたら、いい根がたくさん出ている。もう一度根巻きにしようか迷ったが、寄せて石植えにしてみた。根巻きの場合、鉢上げするときが難しいと聞くが、とりあえず注意して見ることにする。
 日中は横浜のAさんが来て話をしていっただけで、夕方からいつものSuさんや、仕事帰りの川崎のKiさんが寄る。
 杭州初花株はつぼみの形がわかるまでになってきて、先が真っ白に抜けているのが見える。今まで一鉢ずつ丁寧に見ている暇がなかったが、この辺りまでくると、ようやく期待をもって見られるようになる。Suさんが気にしているという株を、言われてルーペで見たら、これはもう置けなくなってしまい、売約の札を入れてしまった。つぼみで当ったことはないのだが、まだ懲りない。


2005年11月3日(木)
 復活した下町のHiさんと、大田区のSaさんが、誘い合わせて来てくれる。Hiさんは中国寒蘭の良い花を狙っているので、先が割れ始めた「日向の誉」並みに色が乗ってきて楽しみにしている14年ものの初花や、杭州花未確認株の中から、中国寒蘭らしきものをいくつか選ぶ。
 続いて埼玉のIさん、中野のEさんが来て、パソコンに入っている杭州寒蘭の写真を見ながら、にぎやかに杭州談義。
 その後埼玉のSiさんが、友人のIさんを連れて現れる。昨日メールをいただいたばかりのIさんは、イギリスに長くいて向こうの園芸事情に詳しく、話題が豊富。三橋さんがロンドンで金賞を受賞した直前に日本に帰ってこられたとかで、その時の写真を見たり、鉢を色々物色したり。Siさんはこれから咲く「燦月」を持っていく。
 一日中人の出入りがあって、こんな日は植替えも水やりもできない。やはり平日の閑な時に、せっせとやっておくのが正解だ。


2005年11月2日(水)
 あっという間にもう11月。カレンダーが2枚となって、何となく追い立てられる気になる。
 休みが明けて出てきたら、薩摩寒蘭の「蛍雪」、「糸屋姫」、交配ものの「天竜紅花×紅娥」、「不老」などが咲いていた。「日向の誉」も横を向いてきて、間もなく開きそうだ。
 港北のHaさんが、写真を見ているだけじゃ我慢ができなくなって・・」とやってくる。鉢数が100を超えたそうで、奥様に「何とかして」と言われているとか。初花株を見ていて、そそられるのがあったようだが、やはり数を増やすわけにはいかないとぐっと我慢。「きょうのショット!」のシンクの網は、Haさんのアイディアだ。つばを切り取ったプラ鉢を、花の時だけすっぽりといい鉢に落とし込む。普段は底を抜いたシンクの網に入れてつばの代わりにする。つばを切るのが中々骨が折れるので、「つば無しのプラ鉢を作ってくれればいいのに」とはHaさんの弁。シンクのごみ受けの上に置くゴム製のふた(放射状に切込みが入っている)も、小さいプラ鉢にはめ込むと、サイズの大きい蘭掛けでも落ちることがなくて、具合がいいそうだ。小柴さんの鉢が入ったら、大きいのを一つ取っておいてといって帰っていった。
 空いた時間は一日中植え替え。日が暮れるのが早いから、休んでいられない。日没までせっせとやってパソコンに向かったら、仕事帰りの川崎のKiさんが寄ってくれた。
 ところが、出したお茶も飲まないうちに表で大きな物音。「やった!」と思ったら、やはり事故だった。バイク対自転車で、自転車の女性は倒れたまま動かない。合流する道路の真ん中なので、救急車が来るまでの間、協力して端の方に移動する。待っていると中々来ないものだが、ようやくやってきた救急隊員に渡して中に入る。こういう事故に、何回立ち会ったことだろう。


2005年10月30日(日)
 朝から拓也さんが上野の展示会を見に行く。浩司さんと二人で植替えをしていたら、いつものKoさんがやってきた。しばらくして近くのSuさん。2日前に夜道でころんで胸や腰を強打したそうで、つらそうだ。回復には時間がかかるらしい。携帯で話しながら歩いていたというから、足元まで注意がいかなかったのだろう。誰でもあることなので、気をつけなくてはいけない。
 大田区のSaさんが、上野に行った帰りに、買った品物を下げてくる。見るだけのつもりがつい・・・というのは仕方が無い。だから見ないほうがいいと言って、あえて上野に行かなかったKoさんは、杭州17を又予約。欅鉢を売約していた造園のIさんが、品物を引き取りにきて、4人でああだこうだとやっているのだから、ボルテージも上がるというものだ。何しろ花茎が細く、蕾もいい形になってきて、先が白く抜けている。Koさんならずとも、開くのが楽しみだ。
 木曜日にKoさんが予約した杭州13を、寄せ植えの鉢から抜いて別植えにする。そうこうしているうち、春蘭の作場を見ていたSuさんが、株立ちの「餘姚第一梅」を持ってきて、中の1本が軟腐にかかっているという。すぐ悪いところをとって植替え、消毒。ばたばたしていて皆が帰った2時半になってようやく昼食になった。
 久し振りのピアナンのHaさんが、超太い根の杭州を買っていった他は、夕方までやり残した根巻き作業に没頭。花芽がしけてしまったのも含めて、花が無いものはすべて新しく巻き終わった。楽しみは先送り。来年は是非花芽がついて欲しいものだ。


2005年10月29日(土)
 上野のグリーンクラブでは、1,2階が売店、3階が展示場になっていて、たくさんの古典園芸業者が顔を揃えている。土曜日とあって朝から賑わっていた。親しいお客様の何人かとも挨拶する。一通り見て少し買い物をした後、お昼には店に着いた。
 店の方は静かなもので、常連さんは皆上野に行ってしまったのではないかと思うほど。今日は浩司さんのところの女の子が七五三で、かわいい着物姿を見せにきてくれた他は、通りがかりの人が寄ったくらい。
 午後から拓也さんと二人で、根巻きの作り直しを始める。途中「ひと坪園芸」の編集者が来て話をしていったが、夕方まで内職よろしく巻物作り。1年で水苔が大分やせてしまうから、古いものと比べると、倍くらいの太さになる。あと数本を残して、青々とした束が出来上がった。
 このまま作業をして終わりかと思ったら、仕事帰りの造園のTaさんが寄ってくれた。明日は上野に行くといっていたから、大きなイベントが終わるまでは、又静かなものだろう。


2005年10月28日(金)
 「洞庭湖」と日向寒蘭のつぼみがスリップスにやられていたので、切って殺虫剤をかけた。すごい勢いで広がっているとは思えないが、まだ時々見つかる。
 寒蘭の温室を中心に、植替えのラストスパート。植替え、株分けをしながら、棚を整理していく。これまでごちゃごちゃに置いてあって、品物が見つけにくかったのを、日本寒蘭と杭州寒蘭とで棚を分ける。これを機に奥の方で手が届かなかった鉢を出してみると、「金閣」のつぼみがあがっているのが見つかった。きれいな黄色で、今年は色が出そうだ。
 去年入荷した杭州で花が咲かなかったものは、生水苔で根巻きにして1年作った。水苔は1年で取り替えないといけないので、今年花がこなかった束は、もう一度生水苔で巻き直すことにする。開けてみると、古い根はほとんどふかふかだが、真っ白い根が3〜4本長くまっすぐに伸びていて、大体水苔からはみ出している。松村鉢6個に挿してあったうち、2鉢分の12本作り直したが、根が短いのは1本のみ。生水苔の威力と、巻いている段ボールのせいか。石植えでも充分な良根だが、場所をとらなくて済むので、あと4鉢分も巻き直すつもり。
 午後麻布のMoさん、近くのSuさん、夕方中野のEさんなどが見える。寒蘭は来週くらいからぼつぼつ開いてきそうだ。
 今日から金・土・日と、上野グリーンクラブで寒蘭展。明日はそこへ直行したあと、お昼までに店に出ることにする。


2005年10月27日(木)
 急務の植替えが大分進んだので、ゆっくりと寒蘭を見てみた。今年は花付きがいいとは思っていたが、もう40センチ以上に伸びた「孤峰」が7輪ついている。去年も2輪だったし、7輪は初めてではないだろうか。花のきている株には、3本、4本と花茎が上がっているものが多い。店内に飾った日本寒蘭も、3本以上ついているものが何鉢もあったので、温室の杭州ともども、いいのを残して切った。大株の「逸品」などは6本も花がついている。それに引き換え、春蘭の花付きはイマイチのようだ。
 寒蘭の棚下の暗いところに、大株で土が古そうな鉢を見つけて植え替えることにした。ラベルを見たら蓮弁蘭だ。例のヘラでていねいに鉢からはがしてきれいにしてみると、花芽がついている。ラベルからすると、これまで花を見ていない株のようだ。急に春蘭の季節が楽しみになった。
 外の春蘭の棚の一番奥では、すーっと花茎が伸びて、つぼみが4輪、先が白く抜けている。出すと杭州13年の7株寄せ植えとなっている。花未確認株はもう出し切ったと思っていたのに、こんなところから発見。13年ものを探しているルーペのSさんもまだ見ていないはずだ。丁度来ていたいつものKoさんが見て、13年のは一つもないからと、早速花付き株を押さえる。
 ここへきて杭州の花芽がぐんぐん伸びているようだ。しばらく前には見当たらなかったのに、急に伸びているのを見つけることがある。花芽ならいいが、その手前に、カイガラムシがびっしりとついている春蘭を見つけてしまった。もし他の人に発見されていたら恥ずかしいところだった。ていねいにとってカルホスをかけておいたが、スリップスといい、気を抜くと思わぬところから矢が飛んでくるものだ。


2005年10月26日(水)
 月・火の休みに、自宅の蘭置き場を改修した。周りの木が大きくなったのと屋根の汚れで、作場が暗くなってしまい、今年は花あがりが良くない。そこで劣化した波板を新しくし、ダイオネットも不必要と思われるものははずして、ぐっと明るくした。
 それと同時に、これまで蘭掛けを使っていたのをやめて、防腐剤を塗った材木で枠を作り、縦一列に吊るす方式にした。浜松のTさんのやり方を真似たものだが、同じ大きさの鉢を隙間無く吊るしていくと、倍とまではいかないが、1・5倍位置けるようになり、もう限界かと思っていたのに又余裕ができた。
 蘭掛けは風が通り、鉢が倒れないというすぐれもので、少ない鉢数をベランダなどで作る人にはお勧めだが、置ける数が決まっていて融通が利かない。段々増えてくると、やがて行き詰まってしまうのが困りものだ。細い板を平行に並べるこの方式は、鉢のサイズだけ揃えればOKなので、材木を寸法にカットしてもらえば女性でも出来、スペースの無駄無く並べられる。もうこれ以上置けないという人には、いい方法だと思う。
 この改修でいらなくなったものを今日店に持ってきたが、家の棚で使っていたすのこは外の棚にぴったりだった。これまで一時しのぎをしていた部分だったから、やり直したらあつらえたようになった。
 作業には絶好の好天だった2日間とは打って変わって、しとしと雨が降って寒い。今日もスリップスでしけてしまったつぼみを2鉢見つけて切り、植え替えて作場に戻す。店内では2鉢目の針間チャボがようやく開き始めた。


2005年10月23日(日)
 一番に電話があって、昨日の「翡翠」は決まり。
 午前中千葉のTさんが、予約してあった「西湖」を持ち帰り、来年の「秀水」を予約していく。
 お昼から川崎のKoさん、横浜のYoさん、杉並のOさん、夕方麻布のMoさんらが見える。寒蘭が咲くのはまだちょっと先なので、杭州初花株などを求めていく。
 空いた時間は残った植替えに精を出す。ずいぶんやった積りなのに、まだ古い鉢が見つかる。
 鉢が乾かなくて先週1回水遣りを飛ばしたが、今日はからっとした天気。どれも皆乾いているように見えて、店内作場ともすべてに水をやる。

 順調に作業が進んで、今日は久し振りの定時帰宅。明日、あさっての休みには自宅の作場を整理しなくては・・・。

2005年10月22日(土)
 朝直行で杉並のTaさん宅に寄り、「翡翠」を貰ってお昼頃店に着く。きのうやり残した植替えは、全部きれいになっていた。
 骨折の後、階段の上り下りが出来なくなって、外出が難しいTaさんだが、驚異の回復で歩くことには不自由しなくなった。蘭の世話がリハビリにもなり、大きな慰めにもなっているようだ。
 一日中雨が降ったり止んだりで暗い。そこへ半年以上ご無沙汰の下町のHさんが見える。大切なおばあ様を亡くされて、まだ悲しみが癒えないが、ゆっくりと色々な話をしていく。時間的にも精神的にも余裕がなく、ずっと蘭の世話が出来なかったため、大分傷めてしまったそうだ。ようやく空いた鉢の整理を始めたところだが、蘭の方に気持ちが向くと、やはり花がないと寂しいのは、好きな人なら仕方が無い。場所も空いたことだしと、日本寒蘭や、杭州をいくつか選ぶ。蘭によって癒されて、早く元気を取り戻して欲しいものだ。
 いつも週末に見えるWaさんは、又丹念に作場を見ている。そのうちスリップスにやられて茶色くなった蕾を何鉢も見つける。この間殺虫剤を撒いたのに、まだ退治できていないようだ。せっかくの花が咲かなくなってしまっては、本当に残念。拓也さんがモスピランを散布したが、これからも油断はできない。


2005年10月21日(金)
 昨日は4人で夜9時まで話がはずんでしまった。すっかり遅くなって、寝に帰ったようだったのに、今朝出掛けのニュースで通勤御用達の田園都市線が架線故障のため止まっていると聞いてびっくり。あざみ野―中央林間の間がストップしたのだが、見事にそれに引っかかってしまった。
 急きょ車にしようかと、キーを持って表に出たら、渋滞の抜け道になっている家の前が、車でぎっしり。普段はほとんど車が通らない住宅街なのに、事故などで幹線道路が動かない時、知っている人は、こちらに回ってくる。これではどうしようもないと、結局駅に向かうことにした。
 駅に着くと、やはり上下線とも動いてない。階段に座り込んで本を読んでいる人、リュックを枕に寝転んでいる人たちが、予測のたたない開通を待っている。待つことが苦手で、つい行動を起こす方を選んでしまう性格から、1駅歩いて振り替え輸送の小田急線へ。ぐるっと廻って渋谷から田園都市線に乗り込んだ時には、すべて各駅ながら全線動いていたのだから、待っていた方が早かったかも。朝からいい運動になってしまった。
 くたびれもうけで店に着いたときには、10時を過ぎていた。問い合わせメールへの返事や、電話のやりとりで、昨日から植替えを待っている鉢が一向に減らない。午後からは近くのKaさん、大田区のSaさん、連日の造園のTaさんなどが寄ってくれる。
 明日は又他所へ廻ってから出るので、お昼までには着くつもりです。


2005年10月20日(木)
 気持ちの良い秋晴れは、何日振りだろう。
 問い合わせに応えるために作場を探していたら、春蘭の棚にあった金鵄系の寒蘭に花があがっていた。小さい鉢にぎっしりと詰まっていて、もう何年も植え替えてないが、きれいな黄色に出ている。そのままでは出せないので、植え替えて展示場に並べる。
 植替えをしていたら、珍しく大田区のIさんが見える。まだ花には少し早すぎたが、蘭界の事情通らしく色々な話を聞かせてくれる。
 その後中野のEさんが、採れたての野菜を持ってきてくれた。Eさんが呼び水になって、日本春蘭を始めたという青年、タクシーを卒業したKaさん、造園のTaさん、近くのSuさん、仕事帰りの川崎のKiさんなどが集まってきて、ようやくにぎやかになった。


2005年10月19日(水)
 しばらく振りで傘をささずに歩ける。
 前の店主の親友だった小林さんが土曜日に亡くなられて、昨日告別式に参列したが、一日中強い雨が降っていた。器用な人で、時々管理を手伝いにきていたから、顔を合わせた人も多いだろう。
 そういえば鈴木さんのお通夜も、激しい雨だった。早いもので、もうすぐ一年がたとうとしている。何を思いながら見守ってくれているのか、聞いてみたいような、恐いような・・・。
 今日から寒蘭展だが、例年通り静かなスタート。日中はいつものKoさんと、初めてのお客様がえびねのことで訪ねてきたくらいだから、ひたすら植替え作業を進める。もうかなりの部分、植替えができてきた。
 今年は花付きが良く、日本の寒蘭はどれも花茎を伸ばしている中で、「紅玉の誉」がタイミングよく開きだした。他の花が続いてくるのは、やはり来週以降になるだろう。杭州寒蘭でも、同じくらいに伸びているものもあるので、時期的にあまり差が無く、咲いてくるかもしれない。
 戸を開けて風を通していると寒くなるくらい気温が下がってきたし、5時前には暗くなってしまう。この間まで暑い暑いと言っていたのが、嘘のようだ。


2005年10月15日(土)
 朝真っ先に看板作りにとりかかり、午前中には表にかけられた。ようやく間に合ったとほっとしたところで、間違いに気がついた。
 今年売り物が出たため人気沸騰した「八つ山」を背景に使ったのだが、レイアウト作業中、寒蘭展と杭州寒蘭展の文字の位置を途中で入れ替えた。それに伴って日付も移動したが、第32回と第27回という部分を移動するのを忘れ、反対になってしまった。こんなところ誰も気が付かないだろうと、そのままかけてしまったが、何でも時間一杯にあせってすると、ろくなことはない。
 看板作りが終わったので、これまで物置状態だった2階を片付けて、展示場にするため大掃除をする。
 植替えをしていたら、ルーペのSさん、近くのSuさんが寄る。閉店間際に造園のTさんが来て、分けてあった「八つ山」を持ち帰る。
 明日は白石は同窓会のため休みますので、更新もお休み。浩司さんが出ることになっています。


2005年10月14日(金)
 天気予報がすっかりはずれて、気持ちの良い晴天になった。
 昨日帰りに頼んでおいた看板用原稿写真のコピーを、朝受け取ってくる。今日はこれをしようと思っていたのだが・・・。
 パソコンをつけたら、横浜のHiさんから、「侘助」欲しいのメールが、夕べの日付で入っている。仙台のToさんからも「楊貴妃」のメールがきていて、そちらにまず返信したところに、いつものKoさんがやってきた。やはり「侘助」をという。もうメールが来ていると言ったが、株を見て3条のうち後1条を所望。Hiさんと相談することになった。
 植替え依頼の女医のMaさんが仕事前に寄って、中国春蘭を2鉢植替え。帰りに又寄ると言って仕事に出かけた。
 お昼頃、えびねのHaさんが来る。鹿児島のKoさんとのえびねの受け渡しがあって、しばらく待機。そのうち横浜のHiさんも、頼んでおいた「明日香」を持って、「侘助」を見に現れる。高齢の母上がいらっしゃるので出にくく、久し振りだ。えびねのHaさんや、近くのSuさんとしばらくおしゃべりを楽しんだ。
 結局「侘助」は、今年の新子が伸びきっていないので、来年うしろを1本はずすことを約束して、鉢ごと持っていくことになった。杭州寒蘭の名品は思うように殖えないので、売り物が出たときには、早い者勝ちになってしまう。Koさんには悪いが1年我慢してもらわなくてはならない。代わりに今日入った「明日香」がいくことになる。
 夕方仕事が終わった女医のMaさんと、友人のイギリス人のSさんが来る。日本的なものに魅力を感じているSさんは、日本語もどんどん上手になって、日本人以上にきれいな日本語を使うエレガントが女性だ。Sさんも中国春蘭2鉢植替え。2人を送り出したらもう閉店時間だ。
 一日中バタバタで、明日看板できるだろうか?


2005年10月13日(木)
 昨日今日と久し振りに太陽の顔を見た。明日からは又ぐずつくようで、水遣りのタイミングがむつかしい。雨の時は、全く乾いていないように見えて、1日晴れると一気に乾いているように見える。
 温室を探すと、花がついている寒蘭がまだまだあった。奥の方から取り出していたら近くのSuさんが来て手伝ってくれる。展示場に並べるために、植え替えたり上砂を替えたり。丁度頼んでおいた鹿沼土が届く。
 目黒のOさんが、人気のある「侘助」を持ってきてくれた。こちらのはたった2条だが、3条で1鉢になっている。欲しい人にはすぐに分けられるのでありがたい。
 続いて、珍しい人から電話がかかる。サウジに行っているMaさんだ。ずいぶん危険な体験をしたようで、今一時帰国をしているそうだ。少し落ち着いたら顔を見せてくれるというので、詳しく話を聞きたいものだ。
 夕方になって、ようやく今日の作業予定だった看板の元を作り始める。日曜日は白石は休みを貰っているので、土曜日にはかけなくてはならない。お尻に火がついた感じだ。


2005年10月10日(月)
 祭日の月曜で、今日は営業日。晴れの特異日にもかかわらず1日中雨が降ったり止んだりで肌寒い。
 店の前にある温室にくっつけて、外に棚を置いているのが、温室への風通しの妨げになっているような気がする。開口部のジャロジーから充分に風を通したいと思い、店への通路の邪魔にならない程度、温室の壁から棚を離すことにした。人手がある時にしか出来ないので、思い切って3人係りでやってしまう。わずか20cmくらいだが、壁からたんすや冷蔵庫を離すのと同じで、少しは違ってくるのではないだろうか。
 案内状の印刷をしながら、止み間を縫って植替えをする。日本寒蘭も結構花がきていて、展示場が埋まってきた。
 去年の春、欅窯の春夏秋冬鉢を買って中国春蘭を植え込んだ女医のMaさんが、植替えをしたいといって持ってくる。もう1鉢は、ぶな窯の白釉輪花鉢だが、飼い猫が倒して割れてしまった。蘭鉢展のときなら色々あったのだが、もう引き上げた後なので、手持ちの中から代わりの鉢を探すことになった。壊れた鉢は一番のお気に入りだったそうだが、丁度昨日植え替のときに空けた欅窯の青磁春蘭鉢が目に留まって、それに植え替えることにした。2株とも作上がりして葉もきれいに出来ているので、良い鉢に入って一段と引き立った。
 今日の振り替えで、水曜日が休みになります。お間違えなく。


2005年10月9日(日)
 朝一番で、出版社のSさんが現れる。「HPを見たら入荷したって出てたから。」と、早速花未確認株を物色。そこへいつものKoさんもやってきた。これは青花だ、サラサだ、覆輪がどうだと、よく研究している2人ならではのやりとり。港北のHaさんも加わってにぎやかだ。紅花狙いのHaさんが帰ったあと、SさんとKさんがそれぞれ選んでいく。しばらくして、Haさんから電話。「右の手前にあった、2条で先芽が2枚葉の・・・」と言われて探したがない。Koさんがちゃんと持っていってしまっていた。
 一団が帰った後は、浩司さんとひたすら植替え。日本寒蘭の花つきを店内に並べる。
 夕方仕事帰りの近くのSuさんが寄って、温室内を見ている。最近姿を見せない浜ちゃんの杭州を預かっている中から、続々と花芽が上がっているのを見つけた。これまでも、数々の良い花を選別している人だから、どんな初花になるか楽しみだ。
 すっかり遅れてしまった展示会案内状をようやく作った。明日はこれの印刷だ。


2005年10月8日(土)
 お昼頃、今年の杭州寒蘭が入荷した。最初は輸入したのをそのまま入れるつもりだったが、同じ産地で去年入れたものの初花株をもらうことにした。輸出許可をとるための処理と、輸送による傷みで、花芽つきでとっても、ほとんどまともには咲かない。後ろも落ちるのが多い。1年作って条数が減ってしまうものより、根もいいし、花もきちんと咲くので、確実だというわけだ。都内では大量に作ることができないので、無駄が無い方がありがたい。
 丁度太い根をむき出しにして並べてあるところに、ルーペのSさんが「今日あたり入る頃じゃないかと思って」とやってくる。ずい分鼻が利いたものだ。
 次にいつも週末に姿を見せる駒場のWさんが来て、「いいところに来た!」と見始める。
 今日は店主の拓也さんがいる日なので、Wさんが根の始末をし、拓也さんが植え込み、白石がラベルを書き、ルーペのSさんが水を遣り、と流れ作業で事が進んだ。この間浜松から来た分と分けて並べたが、これで、当店で花芽が来たグループと、麗水グループ、黄岩グループと、色々なタイプの初花の競演を見られることになった。葉の感じはそれぞれ違うので、最初の花が咲いてくるのが楽しみだ。
 植え込みでごたごたしているところに、国立から初めてのお客様がみえた。HPをスタートの頃から見ていてくれるそうで、最初に「白石さんですか?」と言われて驚いた。目当ての素心蘭の花が終わってしまったので、これから咲く方がいいと、花芽が伸びた「武陵」をお買い上げ。こうしてHPを見ている人が訪ねてきてくれるとうれしくて、毎日の更新は大変だが、やはりがんばってみようと励まされる。
 結局SさんとWさんがそれぞれ好きなのを選んで、今日の分の残りは28鉢になった。


2005年10月7日(金)
 一週間前に、温室の3台の棚のうち2台をきれいに磨いたが、残った1台が汚いままで、いつも目に入ってしまう。昨日できなった分を、どうしても今日やってしまおうと、朝からとりかかった。途中までになってしまった蘭の移動を完了。網と下敷きをはずして駐車場で洗う。この間の続きなので、流れはスムーズだ。洗った網を再びセットして、店内に運んだ杭州寒蘭をチェック。土の古いのは植え替えて、花芽のきているものは前列に、花のないものは後ろの方に並べる。
 これで、これまでごちゃごちゃに置いてあったものが、日本春蘭、中国春蘭、奥地の蘭、日本寒蘭、杭州寒蘭と区分けされて、探しやすくなった。後は残ってしまった植替えを、少しずつやっていけばいい。
 こんなに作業がはかどったのは、昨日と打って変わって常連さんが全く現れず、一人黙々と作業ができたからだ。今日はもう誰もこないかと諦めて、夕方雨が少し落ちてきたのをしおに片付けて、久し振りに早く帰ろうかと思ったら、えびねのHaさんと川崎のKiさんが閉める頃に現れて、又落ち着いて話し込んでしまった。


2005年10月6日(木)
 朝の雨が上がったので、この前洗った温室の棚の残りをきれいにしようと、鉢を店内に並べていたら、次々と人が来てしまった。
 まず成田のTさんから電話が入る。今中国から帰国しているが、仕事で忙しいらしい。昨日この欄に、三橋さんにもう作ってもらえないと書いてあるのを見て、小柴さんに又新しく焼いてもらうよう、頼んでくれたとのこと。この間釉薬が無くなってしまって数が焼けなかった天然土灰釉を中心に、11月中旬頃出来上がってくるようだ。丁度寒蘭展の最中だから、必要な人には間に合うだろう。
 近所のKさんが、初心者の友達にプレゼントするといって、日本寒蘭の棚を探している。花芽が大分伸びたのをそろそろ飾らなくてはならないから、目に付いた「豊雪」や「飛燕」を取り込み、ついでに植替えを手伝ってもらう。色々物色したが、結局「竜雪」を持っていくことになった。
 そこへ、三橋さんの鉢を予約していたEさんが、桐箱ができたのと一緒に受け取りにくる。いつものように蘭や鉢の話題で話し込んでいたら、初めてのUさんが、寒蘭の展示会に出すための鉢を探しにきて、残り少なくなった小柴さんの鉢の中から2鉢選ぶ。Uさんは杭州寒蘭を見たことがないというので、横山さんの「東洋蘭の美」を見ながら、Eさんとの話に加わる。
 そのうちいつものKoさんが寄る。今年「八つ山」の一つをばらばらにする予定だが、Eさんが時期的に早く割った方がいいと勧めるので、丁度その一人のKoさんの目の前で割ることになった。予約ではこの部分をと割り振っていたのだが、開けてみると根が偏っていて、計画通りに割れない。そこにいた3人の意見を入れながら、これしか無いという風に何とか割ったが、先芽をとった人が葉も根も申し分ない状態で、他と大差がついてしまった。それぞれ納得いく価格にして、とりあえず別々に植え込んだが、割るときには、根がどちらにつくかをよく見ないと、とんでもないことになってしまう。中々等分に根が下りてくれないのは困ったものだ。
 結局温室の掃除は出来ないまま、明日に送ることにする。


2005年10月5日(水)
 日曜日は真夏の暑さだったのに、今日は一日雨模様で肌寒い。
 午前中船橋のSiさんとえびねのHaさんが来て、えびねのやりとり。そこへ近くのSuさんがやってきた。皆でおしゃべりをしながらも、合羽を着込んで植替えを続ける。
 頼んでおいた生の水苔が到着した。梱包を解かないうちに、三橋さんが、注文の桐箱が出来てきたのを持って、鉢を引き上げにくる。来年の展示会の心積もりに、陶芸教室の生徒さんで、蘭鉢を作る人がいないか聞いてみた。1月に大丸でやった展示会では、かなり腕をあげていると思ったのだが、寒蘭鉢は技術的に難しくて、そこまで出来る人はいないとのこと。これはもう、小柴さんにがんばってもらうしかないかもしれない。
 しばらくは真っ白い状態に身を置いて、そのうちふつふつと内側から製作意欲が湧いてきたら、又作ることがあるかもしれないということだが、先のことを決めて、しばられたくはないだろうから、これ以上どうすることもできない。「長い間お世話になりました」と挨拶されると、いよいよこれで最後かと寂しくなる。しばらく休んで無性に作りたくなった時には、又力のみなぎった作品が出来るだろうことを期待しよう。
 三橋さんが帰ると同時にルーペのSさんが来て、分けてもらってきた株を1鉢づつていねいにチェック。こちらは勝手に見ててもらって、水苔を並べるスペースを作らなくてはならない。夏咲きえびねの花が終わったのを植替えて、作場に戻したり、フウランや山野草を移動して水苔を並べ、蘭鉢展の看板をはずす。明日からは寒蘭にスイッチを切り替えよう。


2005年10月2日(日)
 午前中にいつものKoさんが来る。夕べ植え込んだ杭州17をまず物色。色々迷っていたが、2鉢を選ぶ。
 午後からの座談会に来てくれた品川のSaさん、埼玉のSaさん、麻布のMoさん、駒場のWaさんなどが群がっている。
 2時から2回目の座談会。先月初めてだった楊さんが、この間は良くなかったとしきりに反省していたが、今回は大分準備をしたようだ。「へ〜え!」というような読み方に感心しながら、「えん香」と「仙霞」の部分を訳してもらう。少しづつでもよく出てくる字がわかるようになると、面白くなる。
 楊さんが、四季蘭の残りを引き上げ、ぶな窯も引き上げた。杭州17は残り11鉢に。中国から今年の分が到着するのは、10日頃になりそうだ。
 来週からは寒蘭展に向け、案内状や看板作り。欅窯が引き上げたら、いよいよ寒蘭の出番だ。


2005年10月1日(土)
 朝ルーペのSさんと待ち合わせて、車で浜松行き。「蘭花村」の村長さんこと浜松のTさんの作場を訪問する。
 リンクを貼っている「蘭小屋雑記」に、私が行くので蘭舎を掃除したと載っていて恐縮。私の方も前の晩、汚れ放題の車を洗車したところだ。
 とても見切れないと出版社のSさんに言われていた通り、ズラーっと並んだ杭州、杭州。昨年、一昨年に中国から入荷した杭州寒蘭だが、花は1割くらいしか咲いていないから、花未確認株の宝の山だ。手作り満載の作場は、よく風が通って、申し分ない環境。こんな広々としたところで作れたら最高。いつも作場に苦労している身には、うらやましい限りだ。
 鑑定係として同行してもらったルーペのSさんに、選んだものをざっと見てもらって印をつける。帰りの時間を気にしながらなので、ルーペを出す暇はない。3株寄せ植えになっている中から、印の株を抜いてもらう。どれも根がすばらしくいい。鹿沼土単用で植えてあるから、根が真っ白だ。どれでも自由にというお言葉に甘えて、花芽がついたところを20株ばかり選んだ。せっかく植えてあるものをひっくり返して、又寄せ植えをしなければならないTさんには迷惑をかけてしまうが、快く作業を進めてくれた。
 3時間ほどお邪魔をして、楽しい時間を過ごし、宝の山を後にした。交代で運転する積りが、4分の3はSさんに運転してもらって、6時半頃無事店に到着。すぐに分けてもらった鹿沼土で植え込みだ。
 明日は座談会だから、選びやすいように店内に並べる。輸送傷みもないきれいな株なので、皆良い花が咲くような気がして楽しみだ。
 Tさん、お世話になりました。


2005年9月30日(金)
 出勤の途中に鉢の仕入れに寄ろうと、少し早く車で家を出た。今日は上半期最終月末の”ごとお日”。混んでいるだろうとは思ったが、案の定鉢を買って店に着いたのは10時半近くなっていた。
 昨日の温室整理の続きで動き回っていたら、前橋のKさんがようやく現れた。いつも蘭鉢展には必ず見えるのに、今年は終わってからのお出まし。手をかけて、こだわり野菜を作っているKさんには、9月は最も忙しい時なのだそうだ。台風騒ぎで遅れていた作業が、ようやく終わったといって、残った中から小柴さんの鉢を選ぶ。
 昨日拓也さんが花芽キャップを買ってきてくれたので、Kさんが帰った後、残っていた3鉢の仕上げ。
 仕事をしていたら、フルートのAさんが寄ってくれた。
 続いて下町のHさんから、本当に久し振りの電話がかかる。身内に不幸があって、気落ちと疲れがどっと出たということだった。ずい分尽くして、蘭どころではない日々だったが、早く元気を取り戻して欲しいものだ。落ち着いたら又姿を見せてくれるだろう。
 Aさんと話をしながらも植替えの手は休めないのだが、どうしても今日の予定が片付かない。蘭だけは温室に戻したが、残りの洗いものは明日の担当の浩司さんにやってもらうことにする。
 明日は浜松のTさんの作場を訪問することになっているので、今日は早目に仕度をして帰るつもりだったが、ばたばたしているうちに暗くなってしまった。そんなわけで、「きょうのショット!」は時間切れで取りやめ。明日は白石は1日留守します。
 日曜日には座談会をしますので、分けてもらった杭州を見がてら、お出かけください。

2005年9月29日(木)
 カラッとした秋晴れ。今日も日本春蘭の残りを植え替えた。
 水をやって店内に並べておいてから、空いた棚を掃除する。最初は蘭をどかしたついでに、こぼれた砂や、落ちた枯れ葉を片付けようと思ったのだが、見ると苔がびっしりと生えていて汚れもひどい。せっかく植え替えた鉢を並べるには忍びない。どうせならきれいにしようと思ったのは、今日のいい天気のせいだ。こんな気持ちの良い日は、やる気も起きる。冬の寒さの中では手が荒れてしまうし、真夏の汗だくもつらい。今やらなくていつやるのだとばかり、棚の蘭を外へ出し、網と下敷きを外す。下敷きには腐葉土と化した土が積もっている。それを体にかぶりながら、苔の生えたのを駐車場に持っていってたわしで洗う。
 鉢の下に置いてあったガラス板も苔で覆われている。湿度が高いから苔が生えやすいのは仕方ないが、このせいで、植え替えたばかりの鉢が、たちまち古い土に見えてしまう。これも一つ一つこすって洗い、温室の棚に戻す。数が多いからとても一日では無理だが、とりあえず日本春蘭、中国春蘭のコーナーをやって今日のところはおわり。
 そんなことをしている間に、日本春蘭指導係の近所のKさんが、硬質鹿沼を買ってきてくれたり、いつものKさん、近くのSさんも来てくれたが、帰るまでに蘭を戻さなくてはいけないので、休み無く動きっぱなし。3台の棚のうち2台がきれいになったが、残りの1つはまだ手がつかない。洗った棚は、並べた蘭もいきいきしているように見える。


2005年9月28日(水)
 本格的な秋の気配。ずい分涼しくなった。
 午前中近くのKさんが来て、花芽が着いた日本春蘭の色出しを教えてくれる。とりあえず水苔をのせてあるが、いよいよキャップだ。上砂を払って花芽を出し、キャップをかぶせて細かい砂で固定する。砂を縁まで入れたら、全体を水苔で覆う。1鉢に花芽が3つもきているから、キャップが足りなくなった。帰りに買ってきてもらうことにして、続きは明日だ。今からでは遅すぎるそうだが、やらないよりはましかもしれない。Kさんは日本春蘭の今主流の植え方を教えてくれる。小さい鉢で、細かい砂で植えるやり方で、これまで植えてあるのでは粒が荒すぎるという。細かい赤ボラは在庫があるから、寒蘭用の用土が来るまで、日本春蘭の植替えをする。春に植え替えたものも細かい砂に替えて、始めたら暗くなるまでやってしまった。


2005年9月25日(日)
 結局雨は降らず、午前中少し風が強いくらいであとは穏やかになった。
 植替えが出来ないので、温室内の花芽を見ていたら、日本春蘭にいくつか出ているのが見つかった。どれも遮光が必要なものだったから、あわてて水苔をかぶせる。
 造園のTさんが来て、作場をていねいに見て回る。続いて、中野のEさんが野菜を持ってきてくれる。
 帰った後、フウランの植替えに挑戦。水苔、鉢は準備してあったが、中々手がつかなかったものだ。丸くきれいな線を出すのはむつかしい。初めてにしてはまあまあかなと自分では思うが、ベテランが見るとダメだしされるかもしれない。
 蘭鉢展の最終日、今回メインの欅六角鉢と、青磁浮彫唐草文鉢が出てフィナーレとなった。品物を引き上げるのは10月初め頃になると思うので、それまで店内はこのまま。来週半ばには赤ボラも来るので、それからは又植替えだ。


2005年9月24日(土)
 台風の余波で、雨が降ったり止んだり。今日も植替えに精を出す。午後からは店主と二人で作業がはかどったのはいいが、佳境に入ったところで、植え込み用の赤ボラが無くなってしまった。ずい分前から頼んでいるのに、一向に送ってこない。2度目の催促の電話をする。いつもすぐには来ないことを見込んで早目に注文するが、せっせと植替えている間にすっかり使ってしまった。仕方がないので、砂が到着するまで一時休止。
 ルーペのSさんが来て、杭州13を買っていく。13年のは入ったときにかなりダメージがあって、ほとんどまともに咲いていない。それが珍しく順調に増えて、花芽がきている株だ。条数が多いのは、賭けの要素が強い花未確認株としては、高くついてつらいものがあるが、迷った末、良い花が咲きそうだと持っていく。
 蘭鉢展は明日まで。これが終わると本格的に寒蘭モードに切り替えだ。


2005年9月23日(金)
 朝からひたすら植替え。春にも相当やったつもりだが、棚の奥の方に長い間植え替えてない鉢が残っている。亡くなった鈴木さんも、手が回らなくてやむなく放っておいたのだろう。大事な株ではないものが多いが、とにかく全部植替えを目標にがんばるつもり。
 昼過ぎに横浜のYさんが、又鉢を物色しに現れて、欅窯の旧作を売約。今回で最後というので、今のうちにということだろうが、中にはすでに買い上げた鉢もあるので、引き上げるのは委託のものだけ。少しは在庫も残るはずだ。
 港北のHさんが、預かっている寒蘭などを引き取りにくる。マンションの外壁塗装の間、ベランダに鉢を置けないので、その間預かっていたものだが、この間「朝・昼・晩」に預けっぱなしの鉢がたくさんあって困ると書いたのが、自分のことだと思ったらしい。何年も預けたまま音沙汰なしの鉢がいくつもあるということだったのだが。預かり品は、それなりに良い場所に置いてあるが、植替えないので、どうしてもだめになってしまうものが出る。
 いつものWさんが来て、植え替えているところを熱心に見ていく。ほとんど放りっぱなしの鉢を優先的にやっているので、根の悪いものが多くて恥ずかしい。たまには抜けないようなものもあるが、水苔巻きになるのもかなりある。杭州の輸入株が来る前に、どこまで植替えられるか、時間との競争だ。
 閉店間際に若いお客さんが、初日に来るつもりが忙しくて来られなかったといって、残った中から、小柴さんの鉢を2つ買っていく。


2005年9月22日(木)
 今週は火・水が休みで木曜スタート。どうも曜日の感覚が狂う。
 今日からしばらく天気の悪い日が続くらしい。どんよりとした曇り空で、一日中ほとんど日が射さない。
 連休の谷間で、日中は近くのSさんが寄っただけ。いつも棚を隅々まで見ていくが、一番奥の手が届きにくいところにあった玉ちん蘭のつぼみを見つけて持ってきてくれた。Sさんは中国春蘭専門なので、大分花芽があがっていると報告してくれる。花芽を見つけるのはいつもお客様が先で、この頃は言われてから見に行くことが多い。
 植替えには最適な時期になった。Sさんが帰った後、端からラベルを見て植替えを始める。松村鉢のイトランが鉢一杯の大株になっている。見ると何年も植え替えてないので鉢を開けようと思うが、これがどうしても抜けない。一日トントンと叩いているわけにもいかず、もったいないとは思ったが、思い切って割ってしまった。長い間植え替えないでいると、蘭のために良くないだけでなく、鉢を割る羽目になるから、やはりまめに植替えようと肝に銘じた。
 閉店間際に仕事帰りのHさんが、春から話のあった「紫燕流霞」を持ち帰る。


2005年9月19日(月)
 朝一番で造園のTさんが来る。これで「八つ山」を分ける3人が見たことになった。昨日の千葉のTさんが、その結果を気にしてメールをくれたが、それぞれ希望のところに落ち着いて、こちらもほっとする。
 造園のTさんは、大怪我をした仕事仲間を見舞うことになっているが、面会時間まで間があるので、ゆっくりしている間に色々なことを教わる。何事にも詳しいTさんに見てもらいながら、ずっとほったらかしのセッコクが鉢からはみだしているのを、株分けしたり、植え替えたり。しばらく植え替えていないので、全部終わるには大分時間がかかった。
 あとはルーペのSさん、近くのSさんなど、いつものメンバーが来たくらいで、ずっと作業の一日だった。


2005年9月18日(日)
 昨日帰りにヤマダ電機に寄って、マウスを購入。今朝は大丸の蜂須賀さんのところに寄ってから店に出る。春蘭の花芽用キャップを頼まれて、店のものと一緒に買ってきたが、今までさぼっていた日本春蘭の色だしに、今年は挑戦してみようと思う。キャップを頼んだ近くのKさんが、喜んで取りにきたついでに、韓国や日本春蘭の柄物を持ってきてくれた。
 買ったマウスは動きが固いが、そのうち慣れるだろう。
 千葉のTさん、いつものKさんが顔を揃える。今年は割ることになっている「八つ山」を前に、どこをとるかで迷っている。明日来る予定の造園のTさんと3人で、仲良く分けられればいいが。
 忙しくて出遅れたといって、久し振りの造園のIさんが、鉢を見に現れた。早くに買った人が、品物を持ち帰ってしまったので、「飾っておいてくれればよかったのに。見たかった。」といっていたが、去年作った貫入青磁えびね鉢を予約する。やはり、欅窯が今のうちだというので、のんびりしてはいられないらしい。
 珍しく若い女性で欅窯の鉢を買ってくれるTさんが、三橋さんの古い時代のウチョウラン鉢などをお買い上げ。
 Hさんご夫妻なども来て、結構一日中人の出入りがあった。
 明日は祭日の月曜日なので、いつも通り営業します。代わりに水曜日を休みにしますので、お間違えなく。


2005年9月17日(土)
 朝杉並のTさん宅に寄って、杭州寒蘭を受け取る。骨折以来外出できなくなっているので、久し振りだ。手術した部分の痛みがとれないらしいが、思ったより元気で、蘭もしっかりしている。お昼に店に到着したら、こちらは静かなものだった。
 午後からいつものWさんと埼玉のSさんが来る。Sさんは「紫芳山」が目当てで、実物を見てすぐに決めた。二人とも杭州花未確認株の初花コーナーを丹念に見ていたが、花芽の先が白く抜けているのとか、葉姿がいいのとか、それぞれ選び出す。
 本格的に忙しくなる前にパソコンを何とかしなくてはいけない。N先生に相談したら、ここは国道沿いで開けっ放しなので、細かいほこりや排気ガスなどで汚れがひどい。一度開けてファンの掃除をしたらどうかという。ソフトの入れ替えをやってみる手もあるかと思うが、設定をやり直さなくてはないけないし、いずれにしてもバックアップをとらなくてはならない。毎日が目一杯なので、気が重いことだ。


2005年9月16日(金)
 昨日帰りがけにHPを更新しようとしたら、急にマウスがコントロールできなくなった。時間をかけてようやくアップしたが、今朝ふたをあけて掃除をしても、一向に動くようにならない。この間からパソコンの動きがおかしいので、今のうちにバックアップをとらなくてはと思うが、おかしくなり始めると、何をするにも時間がかかる。今日は拓也さんの家のマウスを借りてなんとかやっているが、再起動を何度もする羽目になった。忙しい時にパソコンが不調だと本当に困る。なだめながらでも、もってくれればいいが。
 午前中は問い合わせやら打ち合わせやらと、あちこち電話をかけたり、かかってきたり。午後になっても今日は誰も来ない。涼しいし時間があるときにと、植替えに精を出す。鉢植えになっていたものが、水苔の根巻きになってしまうのもあるし、反対に根巻きだったのが、ずどんといい根が出ていて、鉢植えになったものもある。
 ミニ春蘭を欅窯のウチョウラン鉢に植えていたのが、ラベルを見たら何年も経っている。抜くといい根が鉢一杯だ。又この鉢に入れるのは無理かなと、適当な鉢を探していたところに、三橋さんが高知のNさんを伴って現れた。
 この前鉢を搬入したときに、昔の欅鉢を探している人がいるといって、中古がらくた市に出されていたものをいくつも売約にしていた。今日はそれらを持ち帰ったのだが、作った本人がお買い上げという珍しい光景になった。毎年展示会のたびに新しいテーマで作っていたから、今はもう作っていない手法のものだ。聞くと三橋さん自身も、各年代の作品を自分でキープしていないので、ほとんど手元にないのだそうだ。以前にここで買ったお客様が、もう使わないからと鉢を出してくれ、別のところで又大事にされるようになるというのは、再び命が吹き込まれるようで、こちらもうれしい。丁度開けて洗っていた欅鉢も、それは売り物ですか?とNさんが持っていく。
 明日は杉並のTさんのお宅に寄ってから店に出るので、着くのはお昼頃になるかもしれない。


2005年9月15日(木)
 今日から涼しくなるとの予報通り、ぐっと気温が下がった。風の通るところにいると鳥肌が立つほどで、メールで注文があった鉢を梱包し、2箇所に発送するために動き回っても、これまでと違って楽だ。
 大田区のSさんが昼休みに寄って、ちょうど良い雰囲気に咲いている四季蘭の「紅娘」をお買い上げ。きれいな桃花だ。
 鉢をHPに出した時に何度か注文をいただいた静岡のYさんが、やはり実物を見ないと大きさのイメージがわかないと言って、わざわざ来てくれる。大株を入れるためにと、欅窯のえびね鉢や朝顔鉢を選ぶ。きのうのショットに出した杭州初花も、お嫁入りだ。
 お客さんで「紫芳山」を出してくれる人がいて、現物をもってきてくれた。新芽に親木、葉切れの古木に花芽までついている。そのほか花芽は無いが「女雛」を持ってきて、安く分けてあげてと置いていった。
 選挙で忙しかった近くのSさんも、ようやく肩の荷を下ろしてゆっくりと本を読んでいったが、だいぶ疲れがたまっているようだ。こちらはこれからが本番。しばらくは目一杯のスケジュールになりそうだ。


2005年9月14日(水)
 最後の残暑か、暑い!。
 今年の杭州初花になった16年マオサンは、実に動きがゆっくり。ようやく幅広の舌が巻いてきたが、今のところ捧心の抱えが良く、いい感じだ。
 世田谷のNさんが久し振りに来て、小柴さんの鉢をまとめてお買い上げ。メールでの注文もあったので、このコーナーは棚が寂しくなってきた。
 日本は暑い!と言って、これ又久し振りの朱さんが現れる。来合わせていたルーペのSさんと、中国での情勢や栽培など、杭州寒蘭の話がはずむ。
 風が強い1日で、蘭はよく乾いている。暗くなってから水をやっていたら、葉の色がなんとなく変なものがあった。明るい店内に持ってきて見たら、「余胡蝶」がズボ抜け。鉢を開けたり殺菌消毒をしたりと、余分な仕事が飛び込んできて、毎日時間が足りない。


2005年9月11日(日)
 「東洋蘭風来記」という人気サイトを立ちあげている竹ノ内さんから、相互リンクの話があり、こんな素人のHPで恥ずかしいが、リンクをお願いすることになった。午前中HPの作業をしていたら、昨日まで順調だったパソコンが、突然おかしい。「サイトが開けません」というので新しいサイトを作ったが、しばらくすると又「開けません」。再起動してみたり、やり直したりでしばらくこれにかかってしまった。
 展示会が始まって最初の日曜日なので、にぎやかになると思ったのに、誰もこないうちに昼過ぎから突然暗くなってきた。雨が落ちてきたので、外の棚に出してあった杭州初花株を店内に取り込んだ途端、バケツをひっくり返したようになり、雷も鳴り始める。しばらくの間は外にも出られないような激しい雷雨が続いた。パソコンの電源を切って、念のためコンセントも抜く。
 そのさ中、今日は仕事に出ていると言っていた造園のTさんが駆け込んでくる。早仕舞いでゆっくりと鉢を見られるから、かえって好都合だったかもしれない。毎年欅窯の逸品を揃えている人だが、今年も金砂釉の寒蘭鉢を付き合ってくれる。
 いつも杭州の時期には必ず来てくれるマニアも現れ、こちらは小柴さんの鉢を。一緒に写真を見たり、おしゃべりをしたりで、閉店時間を過ぎてしまった。
 そのうちには雨が上がってほっとしたが、この前の休みに期間前投票を済ませておいてよかった。


2005年9月10日(土)
 大阪からHPを見ているという人が、上京の機会に初めて訪ねてくれる。蘭鉢展に見えたのかと思ったら、ニオイエビネが欲しいという。今は鉢と杭州寒蘭にばかり目が行っているから、えびねのことは念頭にない。そこでえびねのHさんに電話をして、適当なものを用意して来てもらう。パソコンで写真を見てもらって、いくつかの品種の中から「黎明」と「御蔵式部」の小苗を選んだ。
 えびねのことであれこれ動いている間に、出版社のSさん、ルーペのSさん、埼玉のSさん、Wさんなどが来て店は一杯になっていた。
 出版社のSさんはいくつかの鉢で迷っていたが、結局今年で最後の欅鉢に決めた。埼玉のSさんとルーペのSさんは、杭州寒蘭の初花株を選ぶ。ようやく秋のシーズンらしい賑わいになってきた。


2005年9月9日(金)
 いつものKさんが来て、杭州花未確認株を丹念に見ていたが、これも花芽が上がっている、これも、これも、と次々と持ってくる。ついこの間ルーペのSさんらが良く見たところなのに、今は日々伸びてくるから、毎日発見がある。それにしてもよく見つけるものだ。こちらは蘭鉢展で忙しいから、こうして見つけてもらうと助かる。花芽つきコーナーを大幅に増やして、そちらに移した。
 午後久し振りに浦野さんが見える。九華を植える鉢を探すのが目的だったが、結局杭州寒蘭の銘品をお買い上げ。丁度そこに楊さんが来て、四季蘭を一部入れ替えていく。
 その後IT関連の目黒のHさんが遊びにきて、ゆっくりとおしゃべりをしていく。久し振りなので、こちらも大いに楽しんだ。
 このところ展示会の準備で忙しく、水もやれなかったので、今日は暗くなってから水やり。外は台風でたっぷりと降っているが、屋根の下はやはり人間が水をやらなくてはならない。
 HPの蘭鉢展の写真を追加したりで、慌しい一日だった。


2005年9月8日(木)
 朝から台風一過の晴天で、真夏に逆戻りしたようだ。散らばった小枝を片付けていたら、「きょうのショット!」に載せた毛虫が11匹も次々と見つかった。大量発生か?。何の幼虫かわからないが、覚悟を決めて退治する。
 今日はHPに蘭鉢展の写真を載せようと、パソコンの作業に没頭する。この時期やることが山ほどあるのに、とに角これをやってしまわなくてはと目をつぶって先送りだ。今回の蘭鉢展では欅窯の古い時代の鉢が人気で、7つ目を女性客が買っていった。
 杭州寒蘭の花芽15年のが又見つかって、花芽つきコーナーに移す。これからどこまで増えるか楽しみだ。


2005年9月7日(水)
 昨日は三橋さんが新作鉢を搬入するし、ぶな窯も送ってくるので午前中出勤した。
 欅窯の最新は金砂釉。土や温度によって変化が大きいから、面白くて今これに取り組んでいるのだそうだ。10月からは陶芸教室のみで、釉薬などの研究は続けるが、店に出して売るのはやめるというのだから、最後のチャンスになるかもしれない。今回は貫入青磁と合わせて10点を出してくれた。
 送ってきたぶな窯は絵唐津2点と油滴天目2点のみ。いずれも春蘭鉢だが、なかなか出来が良く、使いやすそうだ。
 小柴さんのは12鉢を追加。欅もこちらも、これまでの在庫も並べたので、かなりの数になった。
 今日は台風の影響で昼過ぎまで風が強く、時々激しい雨という悪天候の中、ルーペのSさん、中野のEさん、横浜のYさんなど、遅れをとりたくない人たちが来てくれた。遠方からも問い合わせのメールがあるので、写真を撮ってHPに載せるつもりだ。今日は室内にバックを貼って次々と撮影したが、まだ全部は終わらない。
 四季蘭もいくつか咲いてきたし、天草小蘭、杭州初花も開きだした。明日は天気も回復するだろうから、又撮影に励むつもり。
 帰る頃にはすっかり穏やかになったが、今回九州は大変な被害だったようだ。お見舞い申し上げます。


2005年9月4日(日)
 第1回の座談会だったが、5人が来てくれて2時から始まった。「蘭花宝典」7月号の最初の記事で、各種蘭の動向が載っているところ。初めての試みなので、楊さんの自己紹介から始まり、大体の内容を説明してもらって、後は皆でおしゃべりだ。「ネットオークションなどであり得ない筈の偽物に引っかからないために、中国での相場を知っておいた方がいいと思って。」というのが、最初にこれを選んだ理由だそうだ。皆さんの希望を聞きながら、そのうち方向が見えてくるだろう。
 四季蘭の花がついたのが14鉢入荷。1鉢は花が咲きだしたが、あとはまだつぼみでこれから。休み明けの蘭鉢展と一緒に楽しんでもらおう。
 小柴さんの鉢の追加分は今日入ったが、ぶな窯は火曜日に到着の予定。三橋さんはまだ連絡がつかないが、多分水曜日の朝になるだろう。
 又台風が近づいているので、温室の天窓や、店の小窓を手当てし、外にあった杭州花芽つきを仕舞って帰る。


2005年9月3日(土)
 今日も引き続き未選別杭州寒蘭の鉢を植え替える。花芽が上がっているものがいくつか見つかったが、それは今年の選別用として1箇所に集める。
 作業をしていたらルーペのSさんに続いてWさんもやってきた。2人で花芽さがしを始めたので、温室の下に置いてあった16年の根巻きの束を出してくる。見やすい棚に並べて順に見ていったら、真っ白い根が何本も伸びて、はみ出しているのがいくつもある。根を傷めないようにミズゴケを敷いた上に並べたが、生の水苔で作ると、本当に真っ白い根が見事に伸びるものだ。
 2人して根巻きの束から花芽がついているものを2つみつけてくれたので、今日の花芽つき未選別株は7株になった。ルーペのSさんがその中の1鉢を又持って帰る。

 明日は例の座談会というか本を読む会があるが、資料を印刷するにもどれ位集まるのか見当がつかない。台風の影響で天気が怪しそうだが、第1回ということで、都合がつく方は是非!。

2005年9月2日(金)
 寒蘭の「華神」が1本、葉の根元が黒くなっている。殺菌消毒して植え替えたが、幸い他のバルブまでは行ってないようだ。
 以前に輸入した杭州寒蘭を寄せ植えにした鉢がいくつもあって、中身が減っているものや、殖えているものなどばらばらになってきた。ちょっと早いが、少しづつ始めないと間に合わないので、端の方から植え替える。根もよく、殖えているものは1株植えにし、小さなものは又寄せておく。
 2年続けて黄花に咲いた「緑雲」を、春にKさんが予約して分けておいた。しばらく前にKさんの分には新芽があがったのに、親の方は一向に出てこないでやきもきしていた。今日見たらようやくちょこんと土を切ってきてほっとする。
 全体的にまだ花芽が見えないものが多いようだ。
 夕方仕事帰りの川崎のKさんが寄る。その後、去年から蘭を始めた若い人が来る。すっかりはまってしまって、作場も作って一生懸命やっているらしい。鈴木さんの話を聞いたのが始めるきっかけになったのに、亡くなったと言ったらショックを受けていた。蘭鉢が欲しくなったそうで、蘭鉢展の初日にくるといって帰っていった。今日も帰りは遅くなる。


2005年9月1日(木)
 朝一番に、伸びてしまった通路の木を剪定していたら、いつものKさんが現れた。寒蘭の「玉金剛」に花芽がきたそうで、咲いたら飾ってもらうようお願いする。
 日曜日に楊さんが四季蘭の花付きを持ってくるので、売り物を並べる場所を作らなくてはならない。今まで店内にあったシダやイワタバコなど、用の済んだものを植え替えて作場に戻す。
 棚を見ると「雪月花」にも花芽が来ていた。入れ替わりに店内に飾る。天草小蘭の花芽も大分伸びてきた。
 日が傾いてから水をやっていたら、フルートのAさんが久し振りに寄ってくれる。何年か前に「大富貴」の見事な花付きを展示してくれたのを、引き取りに来ないまま預かっていた。大きな支那鉢に入っていたので、外の大鉢の棚に置いていたら、去年の猛暑でそこの棚のものは葉が焼けて、皆作落ちしてしまった。その後小さい鉢に植替えて、鉢と別々に預かっているのだが、を見てもらう。ご本人は忘れているのだが。
 展示したまま預けっぱなしというのは、忙しくて取りにこられないのか、置いておけば管理してくれると思うのか、他の人のも色々あって困ってしまう。作場がそんなに広くないので、いい加減なところに置くとだめになってしまうし、そうなると心苦しいし・・・。今日も、引き取りにこないまま、店内に置いてあったえびねなどを、仕方がないので作場に仕舞った。
 Aさんが久し振りに話し込んで、HPの更新はすっかり遅くなってしまった。


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