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2004/12/29(水)
 予報がピタリと当って朝から雪。
冷え込んでいて手が凍えるが、外に出しっぱなしの蘭をプランターカバーの中に入れてやる。
 午前中に下町のHさんが、売約してあった「酔八仙」などの引き取りにみえる。多摩蘭友会に出品したHさんの2鉢を、横山さんが写真撮影のためにスタジオに持っていってあったのを、連絡して出来上がった写真と一緒に持ってきてもらう。
今年いい色がでた「上天竺山」も撮ってもらったが、それぞれ杭州寒蘭の魅力を最大限に表現したものばかりで、さすがの出来栄え。A3ノビの大きさは、エプソンの最新プリンタで印刷したものだそうだ。
 使いかけの生水苔が残りわずかになっていたのを、Hさんが欲しいという。次にいつ入るかわからないが仕方が無い。これで自家用もなくなってしまった。
  「朝・昼・晩」の復活に励ましのメールをいただいたので、返事を書く。結局雪は一日中降り続いた。
         *    *    *    *    * 
 今年の営業は今日までです。新年は5日から営業いたします。来年も引き続き、よろしくお願いいたします。


2004/12/26(日)
 午前中世田谷の岡本で悠々自適のOさんがみえる。
18日(土)に49日のため臨時休業したが、その日休みと知らずに来られたそうで、ご高齢なのにと申し訳なくなる。
ホームページを見られない人には、連絡のしようがなくて困る。
何か花が咲くものをというので、つぼみが上がった「白雲」を持っていってもらう。
 多摩蘭友会に展示した鉢を、横山さんが下げてきてくれる。上尾のIさんのご出品には、分譲希望があったようだ。
 夕方ルーペのSさんが来て、展示してあった鉢を下げていく。


2004/12/24(金)
 杭州寒蘭もほとんど終わりに近く、元気の良い花は少なくなってしまった。
多摩蘭友会に出品した鉢は日曜日にならないと戻ってこない。
閑散としている時が管理のチャンス。
昨日から温室の棚をきれいに清掃して、古葉も整理してやる。
そのうち店内の杭州寒蘭を作場に戻すので、場所を作っておかなくてはならない。
急に寒さがきたので、窓を全部閉め、ナゴランを温室に仕舞ってカバーをかぶせる。
今年輸入した杭州寒蘭花なし株も、一箇所にまとめた。
新しい店主が意欲的に取り組んでいるので作業はおまかせだが、毎日があっという間に過ぎていく。


2004/11/11(木)
 Hさんが生水苔を買いにくる。いろいろなところで買い集めた杭州寒蘭の山採り株を、ここと同じように、ダンボール巻きにして管理するそうだ。
 同好の士が増えて心強い。寒がらせないで、やや多く日を採って作れば、4月までにはいい新根がでているはずだ。
 この時期だと石植えに替えても根をいためることはほとんどない。逆に秋遅くの植え替えは要注意だ。
 午後は新聞社時代の一年後輩のT君が来る。蘭をやれという悪い病気が出て、浙江省産秋蘭を押し付ける。
 成田のTさんからの連絡で、小柴さんの鉢、次回は20日か21日に10数鉢は届けられるとのことだった。


2004/11/9(火)
 昨日から中学の友達4人で、一泊の予定で紅葉見物にでかける。昇仙峡も河口湖も一部見事なところがあったが、途中通った上九一色村の山間の紅葉がすばらしかった。
 オウムで一躍有名になった村だけれど、こんなに自然が美しいところとは知らなかった。紅葉見物を考えている人には是非お薦めしたい。
 帰ったら成田のTさんから、杭州寒蘭の、今年の開花1号のメールがはいっていた。
 覆輪の深いサラサ花とのことだったが、こちらも今年入れた云和の杭州が咲いていた。
 咲き始めの杭州に駄花なしのとおり、青花の平肩咲きで、舌もふくよかで白く、捧心も、覆輪は弱いが、最後まで開きそうもない感じ。
 開花1号としては、まあまあ当たりといっていいだろう。白石さんがきょうのショット!で取り上げてくれるだろうから乞うご期待。


2004/11/7(日)
 杭州に留学しているKさんからメールがくる。麗水で行われていた寒蘭展を見てきたという。
 まず驚いたのは入場者の多いこと。送ってきた写真をみると、立錐の余地無しといってもいいほどだ。
 さすがに産地だけあって、寒蘭熱も春蘭に負けないほど人気が高いのだろう。
 面白かったのは、寒蘭でも兜のある花や奇花に人気が集まっているようで、国柄の違いを感じさせられる。
 群馬のIさんがみえる。17日からの杭州寒蘭展を知人にも知らせたいといって、DMを3通だしてくれる。ありがたいことだ。


2004/11/5(金)
 秋晴れがつづいて気持ちがいい。久しぶりにえびね、東洋蘭に水をたっぷりやる。寒蘭の香りが一段と高い。
 昼前、京都宋梅会のYさんがみえる。この夏杭州を尋ねて紹興まで足を伸ばし、宋梅が取れたあたりをめぐってきたと満足そうだった。
 自分でHPをたちあげていて、蘭日記を楽しくよませてくれる。中国春蘭をやる人には是非みてほしいので、早速リンクさせてもらった。
 午後はEさんが自宅で作ったカリフラワーを手土産に遊びに来る。三橋さんの袋式青磁貫入えびね鉢が売れてしまっていてがっかりしていた。
 たまたまEさんと同じ蘭の会に入っているご婦人が二人見える。それからは話がはずんで、次の例会では素心蘭をプレゼントする約束までしていた。
 この日ご婦人二人が買ったのは、当然のことながら、杭州寒蘭の初花株だった。


2004/11/3(水)
 久しぶりに疲れた。水曜日というのは暇なときが多く、大抵の園芸店はこの日を定休日にしている。
 たまたま文化の日という祝日にあたったせいか、朝からお客様でにぎわう。
 Mさんが早々と来て三橋さんの貫入青磁春蘭鉢を買っていく。HPに載ったのをみてひきつけられたらしい。
 鉢にうるさかったお母さんが生きていらっしゃったら、黙って買ったに違いない、とけしかけたのも後押しになったかもしれない。
 今年は西谷ものが全く色がでなくて、黄色の「金鵄」が青であがっているのに、買ってくれるお客様がいてびっくりもする。
 杭州寒蘭のほうは常連のKさん、両Sさん、浜ちゃん、Tさんらが続々きて終日にぎわった。


2004/11/1(月)
 いよいよ11月。ようやく日本の寒蘭も八合目まできた。来週あたりからが最盛期だろう。杭州寒蘭も早いのは咲き出すのではなかろうか。一番乗りは「黄玉山」のようだ。
 今年入れたマオサンの杭州で花のないものは、全部ダンボールで生水苔植えにした。
 少し明るいところで、生水苔を育てるつもりで、水を多めにやればうまくいくはずだ。
 きのうも中国のSさんが、昨年入れた株にまた花をつけてもってきた。新芽が前にも後ろからも、途中からもでていた。
 彼いわく。「杭州は水が好きよ。腐葉土7、硬質鹿沼土3で植えるのが一番。こうすれば新芽がでると後ろが落ちるなんてこともないよ」
 根腐れさえしなければ、水は多くして乾かさないほうがいいにきまっている。生水苔がいいのもそれだろう。


2004/10/30(土)
 きょうも杭州寒蘭の火が燃え続ける。午前中は数人のマニアがやってきて、一本一本丁寧に吟味する。
 花芽付きの株の中には、少々くたびれてきたのもある。むき出しの根のままで、まだ鉢に植え込んでいないのでむりもない。
 明日の日曜日を過ぎたら、残ったものは全部鉢上げすることにしてやろう。
 花無し株は、ことしは鉢上げせず、ダンボール巻きの生水苔植えで管理してみることにする。
 手始めに20株ほど作ってみたが、また感じが違ってきって、自分で作ってみたくなるような魅力がでてくる。

2004/10/28(木)
 大学卒業50年を記念して、正午から横浜の中華街でクラス会。30数年ぶりに再会したK君、近くにいるのに忙しい身でなかなか会えなかったK君。総勢13名の集まりは実に楽しかった。
 みな古希を過ぎたというのに、普通なら体の具合の話ばかりに終わるのが、いろいろ話題が多かった。女性5人を含めて、ロシア文学科出身と、毛色がかわっていたからだろうか。みな気持ちが若い。
 帰ったら、杭州寒蘭の問い合わせのメールがいくつか入っていて、その返事におわれる。
 閉店間際には、またルーペのSさんや常連客がみえて、その後水遣りまでこなして、なんと1時間半も残業してしまった。


2004/10/26(火)
 待望の杭州寒蘭未選別株が2ルートから同時に入ってきた。午前中に着いたのが上海植物園経由のもの。
 発送に問題があって、花芽がだいぶ駄目になっていたのが残念だが、根は短いながらしっかりしていて、楽しみな株が多い。
 竜泉のものということだが、以前に輸入したときには、殆どが中国寒蘭でがっかりさせられた苦い経験がある。
 しかし、こんどは中国寒蘭はごくわずかしか混じっていないので、採った山が違うのか。マオサンという山のものらしい。
 午後は中国のSさんが、手荷物でもってきてくれた。これは根も切っていなくて、花付きが半分。
 同じ竜泉地区でも云和というところのものだそうで、また新しい産地に期待が膨らんでくる。
 上海植物園の沈さんは、高くなった選別品に対して、山採り株を大量に入れて、そこから趣味者にいい株を選別させる方針だという。
 ことしも3万株そろえて、内外の趣味者の来園を待っているので、ぜひ上海にも出かけてくれとのことだそうだ。


2004/10/24(日)
 新潟中越地震には驚いた。同じ大きさの余震が立て続けに二度も続いたのも驚きだった。
 朝になって被害の大きさが次第にわかって、TVから離れることができなかった。あらためて自然の猛威に目を見張った。
 これが東京で起こったらどうなっているのだろう。考えただけでぞっとする。
 40年前の新潟地震では、予定を一日早めて帰って被災をまぬがれた。今回は新潟転勤の三男が週末の帰京をしていて被害なし。
 親子で幸運にめぐまれるなんて、神様に大いに感謝しなければならない。被災地の皆様には心からお見舞い申し上げる。


2004/10/22(金)
 展示会3日目というのに静かなもの。まだ花もちらほらだから仕方ないのかも知れないが、いささかショック。
 そこへ、中国からさらにショッキングなニュースが飛び込んできた。HPに出ていた杭州寒蘭の値段のものすごいこと。
 例えば、麗水蘭園のHPにでているもので、よさそうと思えるものはみな1条が万元単位(1元が約13円)日本円で10万円以上だ。
 「博雅」が39万、「梦中美人」が13万、奇形の「?寒飛蝶」に至っては2枚葉の古木吹かしで91万ときている。
 これはどう考えても異常。つい最近まで蘭の仲間に入れず、草扱いしていた寒蘭に、こんな値段をつけるなんてどうかしている。
 こちらとしてはすずき園芸の常識でいくしかない。それで手に入らなければそれはそれで仕方ないことだ。
 すばらしい杭州寒蘭を投機の材料にだけはしてほしくない。


2004/10/20(水)
 寒蘭展の初日だが、台風23号の接近で、お客様の入りは早々とあきらめる。白石さんも定時に引き上げて、夜半から来そうな台風の備えだ。
 昼過ぎ高知の土佐清水に上陸して、北または北北東に進んでいるとのことなので、どうなるか。
 いずれにせよ、これからは東よりに向きを変えるだろうし、大型でもあるので、22号のようなラッキーは期待できそうもない。
 雨もかなりのものらしいが、過去、水の被害はまったくない。怖いのはやはり風だ。
 閉店は7時だが、6時には閉めてしまう。雨は降り続いているが、風はまだない。


2004/10/18(月)
 中国寒蘭で初花が来た株が5鉢ほどできた。杭州寒蘭の山採り株を入れたときにまじっていたものだ。
 杭州寒蘭でないと、だれも見向きもしないが、いい花がけっこうある。青花の「大河」紅花の「虹彩」がいい例だ。
 安く売るなら花をみてからにしたいとも思ったが、それではお客様に失礼だ。咲くまで売れ残っていていい花に当たれば、縁があったということになるだろう。
 20日からの展示会は本来なら丁度いいタイミングなのだろうが、ことしは発色が悪いのがこたえる。
 西谷ものはほぼ全滅で「豊雪」以下「金鵄」系はみな青、桃系もピンクとはほど遠い色だ。
 せめてもの救いは花がたくさんきていること。青やサラサはあまり影響がないので、そちらの方に期待するばかりだ。

2004/10/16(土)
 天気がよかったのは一日だけで、朝からお日様は隠れたままだ。気温も室内で18度、動かないでいると薄ら寒い。
 早々と暖房をつける。寒蘭の開花を少し早めたいという魂胆もあるが、堪え性がなくなったのはたしかだ。
 Hさんが伊東の別荘からの帰りに寄る。22号台風の被害は想像を絶したそうで、花芽は全滅とのことだった。
 屋根が飛ばされなかったのが不幸中の幸いで、南側の海岸沿いの被害は、目を覆いたくなるほどだそうだ。
 台風の進路の東側と西側では極端で、茨城のKさんは「被害はまったくなし」とけろりとしていた。
 旧制高校の先輩のTさんから電話で、骨折して入院中だという。鉢の展示会に顔をみせないと思っていたら、そういう事情だった。
 日本の寒蘭展には間に合わないが、杭州寒蘭展までには元気になりたいとのことだった。そう願いたい。このところ高齢者の骨折をよく耳にする。気をつけなければ・・


2004/10/14(木)
 寒蘭展の案内状が着きはじめたせいか、問い合わせが多くなる。白石さんが早めに帰ったあと、一時は来客でてんてこ舞いだった。
 以前近くに住んでいて、いまは千葉にいるというお客様がみえて、寒蘭の「桃紅」など買っていく。
 東洋蘭の葉姿がなんともいえず素晴らしいという。理屈ぬきでそう感じるのは本物の証拠。鉢にも興味を示していた。
 別のお客様は白金鵄。ことしは暑さのせいで白が青になっているが、木姿は絵になっている。こちらは山野草も物色していた。
 中学の先輩のYさんから電話で、「紫芳山」の新芽が7枚葉できているときいてびっくり。
 どうにも信じられないと思っていたら、しばらくしてまた電話で、「後ろの葉と重なっていて7枚葉にみえたが、4枚だった」と訂正してくる。
 確か去年は3枚葉だったので、4枚でも立派。もちろん花もきているそうで、上手の腕は落ちていない。


2004/10/12(火)
 休みの日だけれど、午後から茨城の女性が友達と一緒に来店する。二人は高校からの同級生で、結婚したら偶然にも同姓となった。
 最近は二人で中国奥地の蘭に惹かれるようになったそうだ。雲南雪素は手に入れたが、花芽があがらないのでがっくりしているという。
 作り方も手探りで、葉やけなど起こしたこともあるらしい。早速簡単な作り方の説明をしてあげる。
 ごくあたりまえのことでも、初心のときはわからないもので、疑心暗鬼になるものだ。
 作場をみているときに「翠蓋」が目に留まり、「あら、かわいい」花芽が三つもきていたので、もう手放さなかった。
 蘭寶ャ史も一冊出る。女性でこの本を買ったのははじめてだ。


2004/10/10(日)
 台風22号の被害はまったくなかった。場所によってはひどかったらしいが、拍子抜けするほどで、あっという間に通り過ぎていった。
 コースがうまい具合に東寄りにずれたせいか、周りの高いビルや高速道路が風の防波堤になったのか、ひどい吹きは一度もなかった。
 四谷駅の近くの土手がくずれて、電車が立ち往生したニュースにはびっくり。雨のほうは確かによく降った。
 でも、店のあるところは高台で、水の心配はまったくないところ。おかげで台風の後始末は何もしないですんだ。
 ガラクタ市にでた欅窯の瑠璃透かし鉢は、結局また出版社のSさんが買ってしまった。
 この一週間、鉢のマニアがだれもこなかったからで、所詮はSさんにもらわれる運命だったのだろう。
 錦鉢の方は売れなくてきょう引き上げたが、皮肉なことに、その直後に買いに来たひとがいた。
 HPに出ていたのをみていて、この日来たものだが、「電話で予約しておけばよかった」と悔しがっていた。


2004/10/8(金)
 朝からもう雨が降り出して、台風22号の影響は半日早まっている。これまでより大きいなんてニュースもあって気になる。
 母屋が防波堤になるので、これといった対策はとらないが、願わくば予報を裏切って、大きく東寄りにそれてくれると助かるのだが・・
 気温も室内で20度を切って寒い。もちろん開店休業状態。食品会社の営業をやっているKさんがちょっと顔を見せただけだった。


2004/10/6(水)
 歯科医のTさんの寒蘭に花がきていた。十数年前に鹿児島県国見岳産の、ショウガ根つきの小苗を預かっていたのがやっと花をつけた。
 毎年少しずつ大きくはなるのだが、一向に増えず、花をつけるところまではいかず、ことしも当然来ないだろうと注意もしなかった。
 きのう歯の治療で会ったとき「ことしもだめ?」ときかれて、返事ができず、あらためてきょう見てみたら、目を疑ってしまった。
 先芽どまり2条の株に、2輪つけた花茎が10cmほど伸びていた。株が株だから花は貧弱だろうが、楽しみな花になるかどうか。
 電話で早速知らせたことはいうまでもない。


2004/10/4(月)
 雨も二日つづくとうんざりする。しばらく前までは雨でも降れば仕事しなくてのんびりできると喜んでいたが、いまは事情が違う。
 20日からの寒蘭展にそなえて、展示用の株の整理、即売品の準備、そのための株分けや植え替えなど、やることが一杯ある。
 一方、杭州寒蘭のことで、いろいろ調べることもでてきて、さる筋とコンタクトもとらないといけない。
 ことしは上海で杭州寒蘭の展示会があるという話も、ここにきていまひとつぼけてしまっている。
 ことしは昨年までに入れた株に花芽がたくさんきているので、売り物には困らないが、少しはことしのものも仕入れておかなければいけない。
 昨年は10月前にはいっていた。そろそろ慌てなければ・・昨年世話になったSさんTさんはどうしたのだろう。


2004/10/2(土)
 出版社のSさんがくる。この前きたとき、欅窯の貫入青磁春蘭鉢が気に入って「こんど来るまでに残っていたら頂こう」といっていた。
 それが残っているのを見て「やはり私のところに来る運命だったんだね」と、こんどはすぐに決めていた。
 ガラクタ市にでた欅窯の瑠璃透かし鉢も気に入って、「これが売れないのはおかしい。今度くるまでに残っていたらいただくよ」
 端境期でお客様が少なく、まだ売れ残っているが、こんど来たときには、まず残っていないだろう。値段も安い。
 成田のTさんが遊びに来てくれる。世話してくれた鴨川の小柴さんの蘭鉢が好評なので、こちらも大いに助かる。
 来年は、上薬も高級なものを使ってもらい、蘭鉢中心に自由に作陶してもらって、小柴コーナーを充実させたい、なんて話もでる。
 きょうは白石さんが都合でお休み。したがってきょうのショット!もお休みだ。


2004/9/30(木)
 早朝に雨は上がって、傘なしで病院に行けたのは助かったが、昼過ぎ店に戻ってきて驚いた。
 北西の強い風にとばされたごみが、店の周りに集まってくる。ちょうど燃えないごみを出す日で、それが飛ばされてくるのだ。
 白石さんが必死になって集めるのだが、集める後からまた飛んできてお手上げの状態だった。
 そのうえ、柿の葉や松葉が大量に吹き飛ばされていて、どうやら瞬間的に突風が吹いたらしい。
 幸い、店の品物のほうの被害はゼロでほっとする。
 Kさんが日本春蘭の「舞妓」をお客様コーナーにだしてくれる。花がないので、誰にでも勧めるというわけにはいかないが、こういう協力があると助かる。


2004/9/28(火)
 地方からの注文で、えびねを二、三植え替える。暗めのところで作っていた株のほうが、ことしは葉姿もきれいで、できがいい。
 明るいところは、ニオイエビネのほとんどが、本葉を残してそれ以前の葉は振るってしまっている。
 花は入っているようだが、増やすことを考えると、古木ぶかしと芋ぶかしでは、増え方のスピードがぜんぜん違う。
 特にニオイは三年前の葉が一枚でも残るような作り方をしたい。何年たっても一向に腕があがらない。


2004/9/26(日)
 蘭鉢展の最終日は、雨模様の静かな日曜日。つい先日までとは打って変わって肌寒くもある。
 午前中は、鯛焼きの陣中見舞いをもってKさんがくる。欅窯の色のいい瑠璃蘭鉢をだしてくれる。白石さんが早速、「きょうのショット!」でとりあげていた。
 午後はMさんとYさん。コーヒーを飲みながら、ことしは杭州寒蘭の何を手に入れるかで話がはずむ。
 青花も欲しいし、濃いサラサ花もほしい。といって予算の関係もある。ああでもない、こおでもないといいながら、青花では「露華」「横尾青」あたりにしぼっていた。
 蘭鉢展が終われば、あとはことし最後の寒蘭展だ。時間があったのでDMの原稿を打ち上げる。


2004/9/24(金)
 きょう休めば前日から数えて四連休。前の国道は昨日の夕方あたりから、渋滞がはじまっていた。
 こんなときは、店の方はたいてい暇なのでそのつもりでいたら、けっこうお客様の切れ目なしで、うれしい誤算となる。
 鴨川の小柴さんの蘭鉢がよくでる。えびねのことで出てきた前橋のKさんも、すっかり気に入って1鉢付き合っていく。
 中野のEさんは、三橋さんが昭和50年代前半に作った青白磁六角鉢(桐箱入り)を買っていく。
 めきめき腕を上げ、勢いがみなぎっている鉢で、Kさんが事情があって手放すことになったものだ。
 三橋ファンのわたしとしては、売らずにこちらが押さえておきたいほどの逸品だが、がらくた市の目玉ではそうもいかない。


2004/9/22(水)
 前日に福岡でえびね業者組合の総会があり、近くの有名な温泉宿で一泊したのだが、物見遊山の気分とは程遠かった。
 組合を結成してかれこれ30年近く、みんな年をとったし、取り巻く環境もきびしいなかで、よくがんばっている。
 昔はよかったと愚痴をいいながらも、二代目が後を継いでがんばっている九州勢。たいしたものだと感心する。
 昼間あった福岡古典園芸業者組合の交換会も、40人ほどが集まってけっこう活気があった。
 会長でもあり、あんこも務めるOさんが元気で、リードオフマンになっていた。ああいう人が二、三人でたらおもしろくなることだろう。
 つい気分がよくなって、わざわざ買わなくてもいいものをいくつか付き合ってしまった。


2004/9/20(月)
 Hさんが中古の楽鉢をたくさんガラクタ市にもってきてくれる。たとえ中古でも、プラ鉢植えとでは蘭の見栄えがまったく違ってくる。
 Hさんは鉢にこだわる方で、うまくできれば入れ物は何でもいい、という考えにはなれないらしい。
 たしかにプラ鉢が増えてくると、なんとなく店の雰囲気も軽っぽくなるような気がしてなじめない。
 いいチャンスなので、これからの寒蘭には、この中古の楽鉢を大いに使わせてもらうつもりだ。


2004/9/18(土)
 昼前にTさんが小柴さんの鉢をもってきてくれる。途端に中だるみの店内が締まってにぎやかになった。
 Yさんが予約していた鉢をとりにくる。うっかりして別の人が予約していた鉢を渡すところだった。
 この頃は勘違いが多くなった。自分ではしっかりしているつもりでも、もうろくがはじまったのだろうか。
 せっかく小柴さんの鉢がそろったのに、三連休の始まりで来店するお客様は少な い。
 5月のゴールデンウイークがそうだし、休みがつづくと、お客様は素通りのようだ。表の246号線だけが朝から混雑している。


2004/9/16(木)
 気持ちがいい陽気で仕事がはかどる。午前中は水遣り。ことしはとにかくよく乾く。水をやらない鉢にもシリンジだけはする。
 初花がきた杭州寒蘭の植え替えもつづく。ついでに具合の悪い株もうえかえてやる。鉢はすべて小さめのを使った。
 中学の同級生で来月やる喜寿の会の案内状もつくり、白石さんに印刷してもらって発送する。
 成田のTさんから電話。週末にまた少し小柴さんの鉢をもってくるという。ちょうどいいタイミングだ。


2004/9/14(火)
 定休日だが、一日雑用に追われる。
 午前中にいったかかり付けの病院で、血圧降下剤を初めて渡される。最近は上のほうが150台から160がときどきでるようになっていた。
 いまは血圧の薬もよくなって、高くなった血圧はさげるが、正常になった血圧には殆ど影響しないものがあるそうだ。
 とりあえず一ヶ月ためしてみることになる。血圧が高いと腎臓に悪く、いまも蛋白が尿に出ているので、大事をとることになった。
 蘭の面倒も、こんな風に先手先手を打ってやれば、もっと成績があがるのだろうけれど・・


2004/9/12(日)
 展示会も中盤にさしかかって、いささか中だるみの日曜日となる。えびねの問い合わせメールに返事をだしたあとは、お客様が教えてくれた中国のHPに夢中になる。
 麗水蘭園の寒蘭の頁だが、杭州寒蘭の本場だけあって、思わず唾を飲み込むような花がいくつもある。
 「夢中美人」は「紫芳山」も顔負けする濃紅花のようだし、「博雅」は舌の広い、飛肩の素心ですばらしい。
 杭州寒蘭かどうかはさだかでないが、グリーンの色合いもよさそうで、手に入れられるものならぜひ欲しいと思った。
 午後は暇をみて、昨年生水苔で植えた杭州寒蘭を石植えにかえる。真っ白な太い根が沢山出ていて驚く。
 中国から入れたものは、一年は生水苔植えのほうがいい、と改めて確信する。


2004/9/10(金)
 北関東の出でこちらに単身赴任しているという方がみえる。HPを見て寄ったそうで、記念にと日本春蘭の「極紅」を買っていく。
 北関東といえば春蘭の本場なのにと怪訝な顔をしたら、あちらは高価な新花を追うばかりでどうもなじめないらしい。
 といって周りで多い洋蘭はやる気がせず、やはり一茎一花の春蘭に魅力を感じるという。
 「女雛」をはじめかつての名花が軒並み安くなっているので、いまならあまり苦労せずに集められるだろう。これから始める人は幸せだ。
 予報ほど涼しくはならなかったが、きょうも暇を見て寒蘭の植え替えをせっせとする。久しぶりに見えたKさんのところも花上がりはいいそうだ。


2004/9/8(水)
 各地に大被害をもたらした18号台風は、同時に暑さも運んできた。東京はまた35度。一体どうなっちゃってるのだろう。
 夏咲きえびねの花もそろそろくたびれ、秋蘭の花もどんどん終わってくるので、追い立てられるように寒蘭の植え替えをはじめる。
 ことしは寒蘭の花がよくあがっているが、葉のほうの痛みがはやい。昔は花より葉を観賞したというから、昔なら落第の作りばかりだ。
 原因は水が辛いのと明るすぎることのようだが、なかなかうまい具合にいかない。


2004/9/6(月)
 浜ちゃんがきのうあった近くの爆発事故のお見舞いに来てくれる。「被害のとばっちりでも受けていたら面白かったのに」と、憎まれ口をたたいていたが、ありがたいことだった。
 三軒並んでいたお店はめちゃくちゃになったが、けが人は二人だけで幸い死者はでなかった。
 事故取材のヘリコプターが5、6台も飛び交い、新聞にも大きくでていて、それほどの事故だったのだろうかとあらためてびっくりする。
 驚いたのは、某保険会社の社員が大挙して、近隣を保険の勧誘でまわっていたこと。降って沸いた災難は絶好のチャンスということか。


2004/9/4(土)
 小柴さんの貫入青磁が欲しいといっていたYさんがくる。目当ての鉢は土がなくてできなかったのだが、三橋さんの貫入青磁が目に留まって物色がはじまる。
 寒蘭もえびねもやる人で、この日もコオズの「紫式部」を手に入れると、早速しのぎのえびね鉢につばをつけ、ついでに窯変の良く出た寒蘭鉢もしっかり押さえていた。
 もちろん、小柴さんの鉢も三つほど買って、「ことしは中身より鉢に的を絞るか」なんて、贅沢な呟きをもらしていた。
 道楽するならかくありたいもの。うらやましいかぎりだった。


2004/9/2(木)
 白石さんがきょうから3日間夏休み。鉢の展示会が始まったばかりなので気にしていたが、富山の祭り「風の盆」から黒四ダムなどみてこようというのだからやむを得ない。
 途端に困るのは「きょうのショット!」だ。デジカメで写真を撮って、ごちゃごちゃ処理して仕上げるなんて芸当は、とてもじゃないが出来ないし、やる気もない。
 「きょうのショット!」は白石さんのお遊びページなのだから、なまじ代役などやらない方がいいということにして、強引にお休みにしてしまった次第。
 鉢の展示会2日目は、幸いにも白石さんがいなくて困るほどのことはなかった。


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