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2000/12/23(土)
 「一雨一露」(素心)のHさんが、また2タイプの素心を持ってくる。ひとつは白花といっていいほどの淡い緑で、桃腮素だが、花形もやさしく抱えて、なかなか風情がある。大輪の青花も2本もってきたが、こちらの方は花形も立派で舌も白いのだが、どういうわけか花色が黄味がかっていて冴えない。本人は明るすぎるからだろうかと言っていたが、どんなものか。グリーンのよさが消えては杭州寒蘭が泣く。
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 今年はこれで打ち止めにします。来年は5日から始めます。


2000/12/21(木)
 数年前、静岡の静蘭舎で「これはちょっといい花なので作ってみてください」と頂いた紫秀蘭が咲いてきた。花間はつまっているが、小輪の一文字咲きで、雪白の舌は舟底円舌、赤点が行儀よく中央にまとまっていて実に可愛らしい。紫秀蘭の素心を持っているEさんがたまたま来て、この花をみつけて「分けろ分けろ」と粘ることしきり。「これからは杭州寒蘭より紫秀蘭の時代になるかもしれない」とまで惚れこんでいた。
 来年の展示会の日程を検討する。えびね展は毎年4月22日から5月5日と決めていたが、来年は4月21日が土曜日、5月6日が日曜日にあたるので、例外として4月21日から5月6日に決める。困るのは寒蘭。今年は杭州はよかったが、日本の寒蘭は10日ほど早かった。どうするか。


2000/12/19(火)
 そろそろ花が終わってくるものがでてきて、植え替えたり、化粧砂を替えたりして、作りに入る準備をする。三年以上植え替えていないものは、たいてい後ろの根がやられていて、葉も落ちている。植えなおすとき砂の大きさをどうするか、いつも悩むところだが、ことしは株元は別として、荒めで植えてみることにする。
 横山さん(プロのカメラマン)に「飛仙」と「後西湖」の写真をお願いする。「飛仙」は色の出がまだ弱いが、今日を外すと時間がないので仕方ない。木も出来て久しぶりに花がきた「後西湖」は、黄さんの撮った写真と印象がかなり違っている。淡い色だが実にいい雰囲気だ。


2000/12/17(日)
 大宮の神谷さんみえる。預かっていた杭州寒蘭の「露桃」を取りにきたのだが、展示会のことで嘆くことしきり。開花のタイミングが合わないので、どうしても常設の場所が欲しいと言う。お客とのコミューニケーションが大事なのに、それも思うようにできなくてと言う。会話が命なのは本当だ。
 昨日はアマチュアで古くから杭州寒蘭をやっている草地さんや同好者で作る多摩蘭友会の展示会を調布までみにいく。無料だと言う会場は、落ち着いた明るい雰囲気で、並べられた蘭も、これぞ杭州と言えるものが多く、深い感銘を受ける。杭州寒蘭のよさは、なんと言っても緑のよさであることを、改めて痛感する。


2000/12/15(金)
 今日明日と世田谷のボロ市。そちらは穏やかな日和で大変な人出だろうが、こちらのほうは毎年閑古鳥がなく。お陰で水遣りも、メールの返事も、のびのび出来る。
 二十台後半と思われる女の人がきて東洋蘭をやってみたいと言う。最終的に決めたのは、今年中国から入れた杭州寒蘭だった。4条立ちの株を選んで挑戦すると張り切っていた。
 欅窯の三橋さんが、来年1月10日から大丸・東京店でやる新作鉢展のDMを持ってくる。すでに展示品は焼き上げたそうで、まずまずの出来のよう。DMの写真は瑠璃の色がよくでていないが、鮮やかな透かしの六角鉢。早く実物がみたくなる。


2000/12/13(水)
 10日に展示会が終わり、月、火と2日休んだ後のせいか静かな一日だった。今朝方ひどく冷え込んだために、開きかけた花で反転するものが多い。寒蘭の花弁は薄いので、花形が決まってしまうまでは、温度差の影響を受けやすい。
 昨日から冬越しの準備を始める。寒蘭の一部、フウラン、セッコクなどをフラコン・フレームに入れる。直射光があまり当たらないところなら、このフレームは最適だ。彼岸まで入れておくのだが、その間の水遣りはせいぜい一度か二度、実に管理が楽である。

2000/12/11(月)
 横浜のHさんに「秀水」を1条分けてもらう。4年前に古木を一本渡したのが順調に増えて、古木も落ちずに5本になっていた。プロ顔負けの作りだ。元木を3本で残すか4本にするかで、増え方は大きく違ってくる。それなのにひどい場合は、先芽どまりの2条にしてしまうのだから無茶な話。商売抜きでゆったり作ってみたいものだ。
 今年は一番下の花が大落肩で咲くケースが多い。青花の「露華」濃いサラサの「万亀山」「玲鳳」は写真を撮ってもらう予定がパーになる。原因は全くわからない。


2000/12/9(土)
 ルーペのSさんが中輪の可愛いサラサ花を展示してくれる。今年が初花の株で、実は平成6年に中国から入れたもの。昨年まで花がこなくて、木姿だけでSさんが欲しがっていた。今年は2本花をあげたので、蕾の時に株分けして渡したのが咲いたというわけ。舌に特徴があって、4花とも大きな赤点が真中に一つ。毎年固定したらと思うと、まだ7条花付きを残していたのは大変ラッキーだった。


2000/12/7(木)
午後7時に閉店するのだが、このところ毎晩帰りは8時をすぎる。閉店ぎりぎりでも来てくれたお客様に、すぐ帰ってとはいえない。つい時間がのびて家に帰ると、こんどは台所が片付かないとおこられる。痛し痒し、男はつらいよの毎日だ。
 横浜のSさん夫妻がはじめて咲いた青花をみせにくる。棒心の抱えもよく、崩れなければかなりのところまでいきそう。上手く当たってくれると、こちらまで嬉しくなる。


2000/12/5(火)
 例年お世話になっているプロのカメラマン横山さんに、今年も撮影をお願いする。先月末にHさんが持ってきた抱え咲きの青花と「上天竺山」「露華」それと「紫芳山」も撮ることにする。
 濃色系の「飛仙」「世田谷錦」(黄さん命名品)「万亀山」は、もう少し時間がたったほうがいいので次回にまわす。あれもこれも出来れば毎年撮っておきたいところだが、予算の関係でそうもいかない。


2000/12/3(日)
 蘭を増やすのが上手なKさんが、喉から手が出るほど欲しい杭州寒蘭の名品を突然持ってきてくれる。「満月」「紫芳山」「世田谷錦」の花付きもある。これまでいくら頼んでも頼りない返事で、半ば諦めていただけに、世の中が急にぱっと明るくなった感じ。人間すてたものじゃないと嬉しくなる。
 さっそく予約している人にどう配分するか、希望にかなうような割り方ができるかどうかで、遅くまで時間がかかってしまう。明日から連絡でいそがしくなるだろう。
 柄物も一鉢きていた。私自身は柄物にあまり興味はないが、好きな人が多いので、騒がしくなることだろう。


2000/11/30(木)
 お客さんのHさんが「ちょっといいのが咲いた」と、抱え咲きの青花を持ってくる。花茎も細く、子房が長くて見応えがある。Hさんがことし持ってくる青花は、どれも平均以上の花をつけているので、「どこを見て株を選んでいるのだろう」と、みなが感心していた。
 「白玉壷」の花を、涙をのんで切る。蕾が上がり始めたころから、後ろの葉が落ち、新芽も休んでいたので、変だとは思っていたのだが、植え替えの決断をしてよかった。根が7割かた痛んでいた。ほおっていたら取り返しのつかないことになっていただろう。変だと思ったら、不精せず、直ぐに開けてみることだ。


2000/11/28(火)
 風が冷たい。病院で定期検査を受けて昼過ぎに戻ったら、ミズゴケが水切れをおこしていた。成長期だといいのだが、今ごろだと立ち直らないケースが多い。様子を見てダメなら、思い切って乾燥保存するしかないだろう。
 展示会も二週目にはいるので、棚の入れ替えをする。少しでも見栄えをよくしようとすると、なかなか置き場所がきまらない。やっと格好がついたときはもう暗くなっていた。

 完全無点の「秀水」は最初の一輪がいい感じで咲いてくれてほっとする。「翠翔」もきょう笑い出したが、棒心の覆輪が驚くほど深く入っている。


2000/11/26(日)
 今年の「昆明湖」がすばらしい。いままでで一番よく咲いたといえそうだ。気温にも恵まれたのか、花形がみだれることもなく、杭州寒蘭の醍醐味を満喫させてくれる。小春日和に誘われて花のほうも続々咲いてくる。今週後半から来週ぐらいがピークか。
 昨日埼玉のお客様からメールでお叱りを受けた。輸入した杭州寒蘭の注文を受け、よい株を吟味して送ったつもりだったが、気に入ってもらえなかった。東洋蘭は株を買うより人を買うのだ、とよくいわれるが、フェース・ツー・フェースで商売するのが一番のようだ。

2000/11/24(金)
 水商売とはよく言ったもので、昨日は千客万来だったのに、今日は閑古鳥。午後プロ志望の塚本さんが人気の焼締寒蘭鉢を、夕方には三橋さんがお客様注文のチタン寒蘭鉢を届けてくれる。
それにしても昨日はたいへんだった。オーナー会長のSさんが、「西湖」が気に入って欲しいといいだしたまではよかったが、そっくり売れといわれて参ってしまう。年なので毎年咲くくらいの株がほしいという気持ちはよくわかるのだが、在庫をゼロにはできない。別の品物を勧めて勘弁してもらった。


2000/11/22(水)
 展示会の初日は思ったより静。明日が祭日なので無理ないのかもしれない。それでも厚木のTさん、教師のMさん、食品会社のKさんらがきてくれる。杭州は盛りの時だけでなく、咲き始め、終花と、少なくとも3回は見て欲しいと思う。その都度新しい魅力があるのが杭州寒蘭だ。
 代議士の秘書をしているSさんが、日本寒蘭の展示品を引き上げに来た。阿波寒蘭紅花の「茜富士」で、とも軸ではないが、実によい花だった。来年も元気な姿を見たいものだ。


2000/11/20(月)
 また雨。女心と秋の空とはいうけれど、今年ほど目まぐるしく変わる年も珍しい。開花が当然遅れるだろうと思っていたら、ここにきて急に蕾が横を向き、咲き出す杭州寒蘭が目立ち始めた。暑かったり寒かったりの変化が、うまい具合に加温効果になったのかもしれない。
 展示会の初日(22日)には、少なくとも15鉢は咲き出しているだろう。三橋さんのチタン六角鉢を求めたHさんが、形のいい素心の「一雨一露」を展示してくれ、濃色サラサも「崑崙」「常熟山」「上天竺山」がトップをきり、中間サラサの「逸品」もきょう笑い出した。


2000/11/18(土)
 岡山のHさんが上京のついでに見える。岡山はニオイ、コオズが盛んなところで、地元の東京よりも質は高いのではないかと話したことがあるほど。めぼしいものはほとんど入っているようだったが、ここでも「天上白」を望まれて、一作開花の中苗がお嫁入りした。
 トップクラスの杭州寒蘭ばかりを集めているOさんが「西湖」に花がついたともってくる。昨年、先芽2条もっていって、順調に1芽ふやし、花も4つつけていた。黄さんが日本にはじめて杭州寒蘭を紹介したのがこの「西湖」だ。あれから20年以上経ったというのに、持っている人はまだ3人。でも、ようやく勢いがついてきたので、これからは少しはペースが上がるだろう。うちの「西湖」はきょう1輪笑い出した。

2000/11/16(木)
 愛知の人からメールでニオイ、コオズの問い合わせ。早速返事を打つ。早ければ早いほどいいし、それが礼儀というものだろう。
面白いもので、店の方にもえびねのマニアがきて、「天上白」と「紫式部」の中苗を求めていく。今年の暑さをうまく乗り切って、えびね作りに自信をもてたそうで、ニオイ、コオズの気に入ったものを十数点集めたのだそうだ。時間をかけてじっくりと、自分なりのえびねに育てたいと言っていた。
 ここにきて杭州寒蘭のペースが早くなったようだ。蕾が急に横を向きだし、サラサ花は色が乗り始めている。22日から始まる展示会は、グッドタイミングになるかもしれない。


2000/11/14(火)
 展示会が終わって、昨日今日と久しぶりにのんびりする。昨日は昇仙峡に中学の時の同級生と紅葉見物に行った。まだ少し早かったが、見頃になり始めた所もあってまあまあ。近くの温泉でひと浴びして帰る。今日は一ヶ月に一度やはり中学の同級生とビフテキを食べる日。近くに神宮絵画館前のイチョウ並木があるので、帰りに寄ってみたが、こちらの方は一本だけ黄ばみ始めていただけだった。
 夕方改良園の若い鈴木さんがみえる。初めてお会いしたのだが、寒蘭が大好きだと聞いて理屈抜きに親しみを覚える。一人で喋り捲ってしまった。さぞ吃驚したことだろう。


2000/11/12(日)
 日本寒蘭展の最終日。昨年もそうだったが、やっと花が咲きそろって実際はこれからが本番と言ったところ。もし会場を他所に借りていたら、いい所を見せられずじまいだった。
 「静」が似て非なるものだった。お客様の指摘で気が付き、大恥をかいてしまった。分かっていても黙ってお帰りになった方が、まだいらっしゃるに違いないと思うと冷や汗が止まらない。
 出版社にお勤めのSさんが、今年手に入れた杭州寒蘭の素心が気になる。昨日写真を(Sさんはカメラマン)見せてもらったのだが、これが実にいい。小花だそうで、弁幅があり、舌も広く、棒心の覆輪もくっきりしていて、なにより緑が濃いのがいい。この色が安定していたら大変だろうと話題にすると、みな目をギラギラさせていた。


2000/11/10(金)
 昨日とはがらりと変わって寒い。花も遅れているので暖房を入れる。今年は寒暖の差が極端に大きいようだ。それでも午後からポツポツお客様がきてくれる。
 杭州寒蘭の一番花が咲いた。一番乗り確実と見られていた「崑崙」をゴール寸前ですいと交わしたのは無名の無点系青サラサ。杭州マニアで有名なHさんが、むかし蕾の時に選別した花で悪くない。しかも咲き始めは「杭州寒蘭に駄花なし」と言われるほどだから、実に感動的だった。


2000/11/8(水)
 寒蘭展も二週目になると、あまり咲いていなくても、お客様の方が痺れを切らすらしい。「どんな具合か」といいながら、朝からぽつぽつおみえになる。4輪しかつけなかった「日向の誉」が3輪開いて丁度みごろになる。出来が悪くて中チャボのような木が、かえってコンパクトな感じをあたえるのか、横浜のSさん夫妻にべた誉めされててれてしまう。
 杭州寒蘭では黄さん命名の「崑崙」が横を向き、下の蕾から色がつき始めた。一週間以内に開花一番乗りすることだろう。グリーンから信じられないような濃い薄墨色になる。これで棒心に白覆輪があったらいうことないのだが・・


2000/11/6(月)
 代理店と連絡をとって、第二陣の蘭は全部返却することにする。中途半端な解決よりこの方が良い。「今週の話題」を見たお客様から、慰めのメールがはいる。「あんまり怒らないで」ということだったが、もう怒りは消えた。情けないだけだ。
 休日だけれども店内に暖房を入れる。日本寒蘭の花が遅れて、今年も展示会が終わったころ(12日)からが盛りになりそうだ。


2000/11/4(土) 
 期待した第二陣も裏切られてしまった。全部花芽つきのはずが5分の3だけで、あとはまったく花芽なし。カリカリして代理店に電話したが、あいにく3連休で連絡がつかない。仕方なく品物は解決がつくまで凍結することにし、お客様には事情を説明して納得してもらう。
 千葉のMさん、藤沢のSさんみえる。Mさんは杭州寒蘭の「崑崙」がお目当て。Sさんからは「白鹿」の手ごろな株を当たってみてくれと頼まれる。


2000/11/2(木)
 朝からずっと雨。時々激しく降る。これではお客様もこないので、東洋蘭ネットワーク(リンクをお願いしている)の野口さんから依頼された「杭州寒蘭の魅力と選び方」の原稿を打つ。これも杭州普及のための仕事の一つだ。
 打ち終わってほっとしていたら、一両日中に花芽つきの株がくるという連絡がはいる。確か先月の26日に頼んだばかりなのでびっくりしてしまう。早ければ早いほどいいに違いないが、実際に開けてみるまでは安心できない。願わくば日中友好万歳と叫ばせてもらいたいものだ。


2000/10/31(火)
 定休日。午前中は新橋の慈恵で定期検査。帰るとメールが3本ほどきていた。ホームページを開いたのが去年の10月30日。丸1年が経過してようやく反応が感じられるようになってきた。
 メールの内容はすべて杭州寒蘭。25日から日本の寒蘭展をやっているのに、そちらのほうの問い合わせはとんとない。11月に入れば花も咲いてくるので少しは活気付くか。31日現在開いたのは、憲陽、竜雪、日向白竜、紅玉の誉、広葉武陵と無名の赤花だけだ。


2000/10/29(日)
 雨模様で寒く、初めてヒーターいれる。寒蘭の花が遅れているので、丁度よかった。生産者のEさんが早々とくる。日本寒蘭のよいものを花付きでだいぶ集めたと言う。確かにいいタイミングだ。紫秀蘭の素心も手に入れたらしい。紫秀蘭はこれから人気が出るかもしれない。
 午後からは杭州寒蘭のお客で、夕方までにぎわう。間にエビネの問い合わせ、ニオイ、コオズの客も来て、気ぜわしい一日だった。


2000/10/27(金)
 昨日ようやく杭州寒蘭が着いたが、開けてがっくりくる。花芽付きがほとんどない。500芽(約130株)でたった8株だけ。半分は花芽付きという話だったので、早速文句をつけて善処を求めた。
一夜明けても腹の虫が収まらない。中国との最初の直接取引きがこれでは、日中友好もへったくれもない。あらためて、すべて花芽付きの株を、少しでもよいから送るよう申し入れる。
花なしの株でも好きな人が来て、真剣に選んでいく。最終的に決めた株をみると、なんとなくいい花が咲きそうな気がしてくる。ルーペのSさん、Hさんは連日のご出勤だ。

2000/10/25(水)
 今日から寒蘭の展示会だ。花が咲いているのは3鉢で、一週間早かった。神奈川のIさんが一番に来て、そのうちの1鉢を持っていったので、蕾ばかりを見せる初日となった。
 数人の人が「杭州寒蘭はまだか」とやってくる。こちらもいらいらして待っているのだが、相手任せなのでどうにもならない。もう秒読みにはなっているだろうが・・
 中国行きの話だめになる。同行を頼んでいる神戸のTさんが、体の具合を悪くしてしまったという。残念だが今年は諦めるより仕方ない。

2000/10/23(月)
 25日からの展示会に備えて、朝から店内のレイアウト。枯葉を整理したり、上土を変えたり、花色で並べる位置をかんがえたり、結構時間がかかる。現在咲き出したのが3鉢。どうやら今年も一週間早かったようだ。
 今年は花はよく上がったのだが、花数が少ない。肥料が足りなかったせいだろうか。


2000/10/21(土)
 昨日とは打って変わって快晴、気温も23度と快適だった。午後から都立高校(旧制)の先輩で杉並のTさん、千葉のTさんがみえる。近く中国から入る蘭がひとしきり話題になる。千葉のTさん、予約してあった「甘泉」と「翡永丸」の中苗をもっていく。 
 ホームページに杭州寒蘭の写真集3を追加するので、解説の原稿打ち始める。12点加えるのだが、時間切れで、4点あした回しになる。


2000/10/19(木)
 木枯らし一号のお陰で、どこもかしこもかなり乾いていたので、朝いっせいにシリンジしてやる。今朝の最低温度は10度。急に寒くなった感じだ。
 道路際の生水苔がひとつ無くなっていた。また盗まれたのかと諦めていたら、夕方ベンツに乗った女の人が来て「昨日若い者に水苔買って来てと頼んだら、もう店が閉まっていたので、黙ってもってきちゃっただって。それじゃあ泥棒じゃないのって怒ったの。ほんとに済みません」そういって余分にお金を置いていった。おつりおつりと追いかけたが、すでに車はスタートしていた。


2000/10/17(火)
 月、火は定休日だが、きのうは横浜のHさんが、近くまで来たので、と寄る。杭州寒蘭順調のようだ。作落ちさせた「下天竺山」もやっと上向きになってきたという。株分けして出せるものがあったら出して欲しいと頼む。ねらいは「紫芳山」だが、どうなるか。無理強いはできない。
 日曜日に杭州の初花株(昨年入れて花芽がきたもの)が売り切れてしまったので、数年前に入れてやっと初花が来た株を、きょう数鉢持ってきたら、別のHさんが立ち寄って一鉢おさえてしまう。こうなると、花芽つきの株が早く中国から入って欲しくなる。


2000/10/15(日)
 宮城県の気仙沼から初めてのお客がみえる。うちのホームページを見ていて、杭州寒蘭がやってみたくなったという。初花株を3鉢ほど求めて帰る。気仙沼は冬もそれほど寒くなく、春蘭はだいぶ作っているという。杭州は凍らない程度の加温が出来れば、春蘭の作場で大丈夫と知って、意を強くしていた。
 今日はどういうわけか、「峨眉山」の古木も出て、杭州寒蘭デーといったところ。


2000/10/13(金)
 午後からまるで示し合わせたように千客万来。座るところもないような状態が夕方まで続く。話題は主に寒蘭。鹿児島で最近出た本を見ながら、あれこれ品定めしていた。誰もが今が買いどきと思っているようなくちぶりだ。25日から始まる寒蘭展でどんな結果が出るか楽しみだ。
 杭州寒蘭の初花株、今日も2鉢でる。中国から輸入する株は、早くなって、今月末までに入るとの連絡があった。


2000/10/11(水)
 中国奥地の蘭協会の草分けで、これまで何回も中国に行っているKさんがみえる。同じ仲間の神戸のTさんを誘って、11月に3〜4日の日程で杭州から紹興へ、蘭を見に行くための打ち合わせだ。なにしろこちらは中国は初めてなので、世話が焼ける子供みたいなもの。よろしくお願いしますと何度も頭を下げる。
 最近希望退職したKさんが、寒蘭の日光を持ってきてくれる。ピンクの色がよくでている。今年は夏の気温が高すぎたので、当方の桃花は全滅だというのに、どうやって色をだしたのだろう。すぐ帰ってしまったので聞くひまがなかった。


2000/10/9(月)
 このところメールの問い合わせが増えてきた。今日も2件ほどきていて、午前中はパソコンの前に座りっぱなし。雨で水遣りの心配がなく、休みの日でもあったので、念入りに返事を出す。まだメールでの取引はそれほどないが、外回りのセールスをしているつもりでやっている。
 休みなのに若い女の子がきて、フウランをやってみたいという。もう花芽がきている株を渡して、育て方を教える。こんな時が一番楽しい。

2000/10/7(土)
 九州で病気のないキエビネを大量に作っている所があるという話。早速確かめてみると、立派な木で、しかも未選別だというから、よだれがでそうになる。ただ、まとまった数を取らなければいけないというので、思案していたら、たまたま大手のMさんが来店。話は意外な方向に発展する。ともあれ、来年はお客様に喜んでもらえるキエビネが並べられそうだ。


2000/10/5(木)
 温室の中でいい匂いがすると思ったら、アマミ素心蘭が知らぬ間に咲いていた。澄んだ色で弁幅もあり、花の少ない時期に咲いてくれるので大変有難い。「観音素心」「十八学士」など素心蘭は、昔は大変な人気の蘭だったが、花上がりが悪く大衆化しなかった。しかし、冬寒がらせず、小さめの鉢で明るく作れば、毎年のように花はくる。少しキャンペーンしなければ・・
 輸入の杭州寒蘭、入荷するのは来月はじめという。時期的には丁度いい。


2000/10/3(火)
 寒蘭の花芽がだいぶ伸びてきたので、害虫除けもあって、雨上がりの後、一斉に消毒する。午後杭州寒蘭のサンプルがついた。3株のうち2株は間違いなく杭州。あと一つは70パーセントといったところ。花芽が半分以上つくというから、まあよしとすべきだろう。あとはタイミングよく着いてくれるのを待つだけだ。

2000/10/1(日)
 オリンピックの男子マラソンが実況中継されたので、店のほうは静かなもの。おかげでゆっくりテレビを見ることが出来た。レースは期待に反して残念な結果におわったが、こちらのクマネズミとのレースは大勝利となった。ネズミ捕り器に見事に引っかかっていた。即刻始末するところだったが、一日猶予を与えて処刑は明日にする。


2000/9/29(土)
 朝、温室でクマネズミがぐったりしているのを発見。毒を混ぜた菓子をあらかた食べていたが、毒だけかなり残していたので、死ぬところまでいかなかったようだ。水受けの樋の中で(そこをねぐらにしていた)手が入らず、仕方なく熱湯攻めにしたら、最期の力を振り絞って逃げ出し、行方不明になってしまった。
 杭州寒蘭の未選別株が花芽つきで入る可能性が高くなった。まだ大きな期待はできないが、杭州寒蘭の普及のためには、なんとしても実現したい。

2000/9/26(火)
 定休日だが、明日から九州へ出張するので、水遣りなどなにかと忙しい。東洋蘭の植え替え用の土作りも予定していたが、時間がなくなって諦める。えびねの株分けも始まるし、なんとなく追いかけられてきた感じだ。一人でやっていると、2日も店を空けると、急に仕事がつまってくる。
 クマネズミいまのところ落ち着いている。でも油断は出来ない。


2000/9/24(日)
 今日で鉢の展示会は終わりだが、第二陣の鉢はまだ何日もたっていないので、作者と話し合い、まだしばらく展示を続けることにする。嬉しかったのは、例のチタン六角鉢がお嫁入りしたこと。決めたのは中国春蘭を大事にしているHGさんで「吉字でもいれるか」というので、杭州寒蘭の「翠翔」もいいのではないかと勧める。なぜか杭州寒蘭を無性にいれて欲しい気がする。
 クマネズミ昨日はおとなしかった。


2000/9/22(金)
 午後、三橋さんが鉢を持ってくる。チタンの鉢4つと磁器の青白磁竹の節鉢。たった5鉢だったけど、展示棚が急に輝いてきた感じだ。なかでもチタンの六角鉢はうなってしまった。線が実に素晴らしい。完璧という言葉を使ってもオーバーではないだろう。竹の節鉢も三橋さんの面目躍如。たまたまこのタイプの第一号(磁器でなく陶器だったが)を昨年手に入れたHさんが、並べた途端にやってきた。「これは他の人に渡すわけにはいかないよ」運が良かったとばかり、さっそく押さえていた。
 初花が来た杭州寒蘭をきょうから店に並べる。とりあえず5鉢並べただけだが、早くも1鉢出る。

2000/9/20(水)
 温室にねずみ除けの網戸取り付ける。折角の新芽を食われて、ひどい時は一夜で10万円以上の被害が出た。クマネズミの仕業で、殺鼠剤はまったく食わず、仕方なく美味いものを与えて、蘭の被害を何とか抑えてきたが、これで安心して眠れるだろう。
 前橋のKさんみえる。とつとつとしゃべる百姓の苦労話に身がつまされる。クマネズミぐらいで泣き言をいっている自分が恥ずかしくなる。


2000/9/18(月)
 昨夕届いた?窯の荷物を開ける。寒蘭用の黒辰砂鉢に油滴天目鉢、落ち着いたルリ鉄釉など、どれも作者の意気込みが伝わってくる。特に油滴天目はお客様の反応が楽しみだ。久しぶりに台風一過の秋晴れで気持ちがいい。水遣りはまだ良いので、蘭の様子を見て回る。春咲きえびねにカイガラが2鉢ついているのを見つけて、念のため消毒を一斉にやる。カイガラムシはいつの間にかはびこるので、注意しなければいけない。


2000/9/16(土)
 台風の影響で朝から強い雨が降ったりやんだり。雷も居座ったみたいにゴロゴロなっている。もう2日越しだ。こんなことは生まれてからこの方なかったような気がする。竜巻が頻繁に起こったり、火山の噴火、群発地震、大洪水など、どうも何か地球に異変が起こっているようだ。植物にも当然影響が出てもおかしくないだろう。ちょっぴり不安な気持ちに駆られて植え替えをやる。お客も少なくて仕事ははかどる。


2000/9/14(木)
 朝からやけに静かだと思ったら、明日から3連休。うちの店はこんな傾向が強い。ヒマだし、陽気もまあまあだから、せっせと植え替えでもすればいいのだけれど、これがだめ。気分が乗らないままに、無為にすごしてしまう。まっ、こんな日もあっていいか。


2000/9/13(水)
 5時から三金会。毎月第三金曜日に中学時代のクラスメートが集まって飲み食いする楽しい会だ。今回は恩師も出席、その肝いりで出来た“味の民芸”を会場にしたため、たまたま水曜日になった。先生におべんちゃらを言うわけではないが、安くて中々いけると店だと好評だった。園芸店のほうはお客様がいるのに、4時にはアルバイトの白石さんに任せて出掛けてしまう。9時ごろかえってきたら、また塚本君の鉢が三つ売れていた。


2000/9/12(火)
 定休日。午前中は新橋の慈恵病院で一ヶ月に一度の定期検診。午後は「今週の話題」を打ち上げて肩の荷をおろし、後はぼんやりゲームを楽しむ。4時過ぎから東洋蘭の植え替え。元気のないもの、4年以上植え替えてないものが対象だ。杭州寒蘭は全部と言っていいほど、植え替えを不精すると、後の根がやられている。
名古屋の方は大雨で大変のようだ。その点ここは水の心配はないので助かる。

2000/9/10(日)
 今年の撫窯の鉢は、去年より格段のよさがあるなあ、と思っていたら、お客様の評価もなかなかのもの。昨日から今日にかけて、淡雪ルリ寒蘭鉢、同春蘭鉢、均窯春蘭鉢、黒辰砂猫足春蘭鉢と売れていく。どれも売れ残ったら欲しいなと思っていたものだ。近く追加になる第2陣が待ち遠しい。
塚本君の焼締鉢、早くも残り6鉢となる。風が出てきたので、5時過ぎから楽の5・5号と笠間鉢に、1週間ぶりにたっぷり水をやる。


2000/9/8(金)
 夕方、三橋さんくる。追加の鉢を持ってくるはずだったが、窯だしの結果は失敗で、再度焼き直しをしなければならないと言う。追加は20日過ぎになりそう。塚本君の焼締鉢、残りを全部持ってきてくれる。よく売れるので助かる。


2000/9/7(木)
 日野市のSさんくる。去年手に入れた「月輪」を入れる鉢を探しに来たのだが、適当なのがなく、注文して作ってもらうことになる。最近陶芸を始めたSMさんも、プロを目指している塚本さんの焼締鉢を求めていく。自分で作ってみると、見る目も違ってくるようだ。それにしても蒸し暑い一日だった。極端な日が続く。


2000/9/6(水)
 蘭鉢展初日。横浜のS夫妻始め数人が来てくれる。プロを目指している塚本さんの寒蘭用焼締鉢が人気でよく出る。値段も手ごろなのが受けたのかもしれない。合間を見て植え替えも始める。5年も植え替えてないものは、ほとんどが後の根がやられている。むかし蘭は不精草ともいって、すっぽって置けばいいと教えられたが、植え替えだけは不精してはだめだ。


2000/9/5(火)
 朝早く?窯の五百澤さんから展示会用の鉢が届く。淡雪ルリ釉の寒蘭鉢がなかなか味がある。近く第二弾で辰砂の蘭鉢を追加するそうだ。午後からは三橋さんの鉢。相変わらず個性的な線がすばらしい。ただ鉢数が4鉢だけ。出来るだけ早く追加すると弁解していた。弟子の焼締め寒蘭鉢が出来ていて、何とか格好はつけられそうだ。


2000/9/4(月)
 定休日だが、6日からの蘭鉢展に備えて店内の大掃除。昨日よりもっと涼しくて体の方は楽だ。それにしても一気に10度近く下がるなんて異常、蘭も目を白黒させているに違いない。午後は黄さん命名の「翠湖」が、大株になったので2鉢に分ける。花芽もまだ小さいが上がっている。根巻きにしていた「日向白竜」もいい新根を数本だし、4枚葉の新芽も勢いがあったので、本植えしてやる。来年はいい花がくることだろう。


2000/9/3(日)
 風は強いが、昨日とは打って変わってさわやか。赤とんぼが舞って、もう秋の匂いだ。そういえば、スルガランと浙江省の秋蘭の花が、きょうはいい香りを放っている。生ミズゴケなど、乾きが激しいので早めに水をやる。5.5号と笠間鉢の春、寒蘭も一週間ぶりに水をもらって、うれしそうだ。


2000/9/2(土)
 店の前の246号線は、朝からずっと自然渋滞。それだけでも暑苦しいのに、水銀柱はぐんぐん上がって、なんと37.8度。今年一番の暑さじゃあ、来店客はゼロだろうと思っていたら、ほぼ一年ぶりに音楽家で蘭好きのAさんがみえる。話が弾んで店を閉めたのが午後8時。それから水遣り。4.5号と5号の春、寒蘭鉢とえびねで1時間半かかる。


2000/9/1(金)
 今日は防災の日、森総理が陣頭指揮で訓練しているニュースを聞いてふと思った。本当に大地震がきたら、店はどうなっちゃうだろうか。地震対策などなにもしていないのだから・・。桑原桑原。鉢がなんとか立っていられる震度4以上の地震が来ないことをただ祈るのみだ。時々にわか雨があって蒸し暑い。4時過ぎウチョウラン水遣り。


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