□ 9、一歩ずつ 蘭鉢展が盛況のうちに終わり、時間ができたところでようやくスキャナを買ってきた。 キャノンの薄型キャノスキャンだ。 ドライバをインストールして、試しに杭州寒蘭の写真を2〜3枚とりこんでみる。 ロゴマークもとりこんで加工し、背景を透明化してセーブ。 白紙を前にして、一つ一つ作っていくのは、思ったより時間がかかる。 「3時間でホームページができる!」 なんて書いてあるのを見たが、信じられない。 1枚のページであるhtmlファイルのほかに、アイコンも写真も、newなどのイラストも壁紙さえも、貼りつけたものは皆別のファイルで、ただ重なっているだけだということも初めてわかった。 部品を作り、これを全部それぞれ半角英数で名前をつけて保存するわけだから、1ページといっても手間ひまはかかる。 方針がすべて決まっていても、操作する手順は多いのに、やってみないと見当がつかないのだから猶のことだ。 色を変えたり、大きさや位置を変えたり、、いくつものパターンを作るが、なかなかこれといったものはできない。 いつまでも先生に来てもらうわけにはいかないのだから、ただ出来合いのものを貼りつけるだけでなく、独り立ちするときに備えて、いろいろなテクニックを教わっておきたかった。 次はえびねと並んですずき園芸メインの寒蘭展だ。 展示会の葉書を印刷して、千数百人分の住所録を作らなくては。 今までは外注だったが、パソコンを買ったのに外注するわけにはいかない。 そちらを先にしなくてはと思うが、日曜日に先生が見えた時、先週から少しも進んでいないというのも恥ずかしい。 土曜日はまるで試験の一夜漬けだ。 「蘭・あらかると」というページを作るつもりで、社長には「杭州寒蘭とは」という原稿をワードで打ってもらう。 朝と夕方熱心に練習した甲斐があって、左右それぞれ一本指ながら、結構軽快な音をたてている。 マウスも自在に動くようになったし、メールもOKだ。 年を考えると本当に大したものだと思う。 私のほうも、住所録でキーボードを打ちつづけた結果、VAIOのタッチにはすっかり慣れた。 「蘭・あらかると」のほかは、取り扱い品目をのせた「こんな店です」、「展示会情報」と「アクセス」のページ。 とりあえずはこんなものにして、あとはトップページのデザインが問題だ。 次第にお客様が多くなってきた日曜日、 店の中で邪魔になりながらの勉強は続いたのだった。 |