どんな植物も原則的には水と空気(風)と光で育てます。ウチョウラン類は、山のそれほど高くない、日当たりのよい南斜面に好んで自生しています。風もよく通るところです。そんなことから、昔はできるだけ日をとって作れ、といわれました。小さな鉢(2・5号〜3・0号)はすぐ乾くので、水もちのよい用土も工夫されました。 | しかし最近では、朝から晩まで日を当てるのはよくない、と考えるマニアがほとんどです。理由は鉢の中が暑くなって、生理障害さらにはウイルス病の出る危険があるからです。午前中は日を当てても午後は日陰の明るいところが理想といえます。 | |
ここ数年、鉢を水に漬けっぱなしで育てる作り方が、ファンの間に広がっていますが、ここでも日の当てすぎは害あって益なしです。水がお湯になって蘭がむれてしまうからです。午後は日陰になるところに置きましょう。 | 水に漬けて作るやり方とそうでない育て方を比べてみると、どちらも90%の成績で、優劣はつかないような気がします。毎日でも水をやりたい人もいるでしょうが、どぶ漬け(水に漬けること)でうまくできれば、そのほうが私どもは楽です。 | |
まだ断定することはできませんが、フラスコ培養で作られたものは、ラン掛けにつるしてつくっていると、一二年で突然枯れてしまうことがあります。原因はよく分かりませんが、湿度100%のフラスコの中で生まれた球根は、先天的に乾燥に弱いのかもしれません。 | 以下に年間管理法をまとめてみました。 | |
3月 この月の前半までに、植え替えるものは作業を済ませておきます。用土は鹿沼土を主体に、微塵の一歩手前の細かい粒に、乾燥したミズゴケなどをよくもんで混ぜたものを使います。植え替えは11月にやる人もいますが、どちらでも大差ないようです。上土が汚れていたら綺麗なものに代えてやりましょう。中旬前後が水遣りを始める適期です。どぶ漬けしないで作る場合は、新芽が土をきってくるまで、乾かさないようにすると成績がいいようです。 球根は深植えせず、黒ずんだ芽から表土までの深さは1センチ以内にします。芽がはっきりしないときは、横にして植えてください。 |
4月 新芽はあらかた出揃います。芽が出てきたら薄い液肥(2000倍から3000倍)を週に一二度かけてやります。 |
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5月 蕾がある程度伸びてきたら、液肥は控えます。この時期はハモグリバエなどの害虫が悪さをしますから、見つけたら花芽にかからないように、消毒しましょう。 |
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6月 努力が報われる開花期です。どの植物も一年の管理の結果を正直にあらわします。 |
7月 花が終わったらお礼肥えをやりましょう。4月と同じ要領で、梅雨明けまで続けます。 |
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8・9月 30度を越す日が続きます。出来るだけ涼しく過ごせるようにしてやりましょう。水遣りは日が沈んでからのほうが安全です。 |
10・11月 ほとんどの株がこの時期に枯れてきて、長い冬眠にはいります。まだ元気な株は水を少し控えるとよいでしょう。 |
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12・1・2月 休眠中は水をぜんぜんやらないのが、昔の作り方でしたが、今はこの時期も一週間に一度はやるのがいいようです。もちろん休眠中だから肥料はいりません。 |
ウチョウランは畳半畳で、100鉢近く作れます。20〜30鉢なら、条件に合った場所がどこかにあるはずです。どうですか、やってみませんか。 |