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2004/8/31(火)
 日本海に抜けて北海道に再上陸した台風は、東京でもかなりの風で、夜中に何度も目が覚める。
 がしかし、案ずるほどのこともなく、被害はほとんどなし。腐食していた針金の綱が切れて、セッコクのらん掛けが落ちただけだった。
 ちぎれた葉や枯葉が散乱していたが、掃除するまもなく、朝から叔母の付き添いで東邦大学大橋病院へ。
 10時にでかけていって、なんと終わったのは午後の3時半。眼科は有名で混んでいるとは聞いていたがいささかあきれた。
 白内障の手術を受けるための診察だったが、ほかにも障害があって左目はだめ、右目も再度検査して結論を出すことになった。
 白内障の手術なんて簡単に考えていたら、とんでもないことだった。


2004/8/29(日)
 欅窯の三橋さんが展示会用の鉢をもってくる。今回のは貫入青磁。一見萩のように思えるものと、白っぽいのがある。
 どちらも微妙なバリエーションがあって、寒蘭用、春蘭用、えびね鉢にまとめてある。
 最近、えびね鉢は殆どお目見えしていないので、どんな反応があるか楽しみだ。
 会期中にもう一度窯だしするそうで、そちらの方も期待して欲しいとのことだった。
 それにしても、三橋さんという方はマンネリを知らない人だ。


2004/8/27(金)
 横浜のHさんが小柴さんの鉢を狙って朝駆けで来る。「展示会前だけど悪いねえ」といいながら2鉢選ぶ。
 ことしは色にバラエティがあって、それぞれ味が出ているので、2鉢減っても見劣りする感じはまったくない。
 遅い夏休みをとったWさんが12年ものの杭州初花株に挑戦する。もう葉ができているので、小柴さんの鉢に植え替えてやって花を待つという。
 これから約二ヶ月、マニアにとっては、ボルテージがぐんぐん上がる季節の到来だ。いい花が咲くといいのだが・・
 預かっていた浜ちゃんの初花株が咲いた。残念なことに杭州寒蘭ではなかったが、珍しい青々の中輪花。
 転んでもただでは起きない人だ。


2004/8/25(水)
 9月1日からの蘭鉢展のDMを発送、看板も表に飾る。欅窯、ぶな窯の鉢はまだだが、鴨川・小柴さんの鉢はきている。
 昨年に比べると一段と形も良くなり、色も豊富になった。今年もまた引っ張りだこになることだろう。
 「月娥」ことしは新芽が来て3条になったが、花芽がないので、少し小さめの鉢に植え替える。根は悪くなかったのでほっとする。


2004/8/23(月)
 処暑とはいえ極端すぎる。朝のうちは20度を切っていた。涼しいというよりいささか寒いが、もってこいの仕事日和だ。
 秋咲きの花、気がついたらあちこちで花芽をあげていて、朝からてんてこ舞いで株分けする。
 前夜、女子マラソンをライブで見てしまったので、睡眠時間は4時間たらず。午後になったらさすがに堪えてきた。
 きょうも目を皿のようにしてみたが、「天草小蘭」だけ花が来ていない。東北の方から、花がなくてもいいからと頼まれているのだが、どうにも割って送る気になれない。


2004/8/21(土)
 他所では「観音素心」が咲いた、「スルガラン」が花芽をあげた、というのに、こちらは一向にその気配がない。
 ことしは見放されたかと思っていたら、ここにきて「鉄骨素心」「浙江省秋蘭」「赤芽素心」が、あっという間に花を上げてきた。
 「赤芽素心」などは何年ぶりかの花だ。花の少ないこの時期、いい香で咲いてくれるので捨てがたい。
 出版社のSさんが「やっぱり気になって」と、11年ものの杭州寒蘭をもっていく。株は増えているのだが、ことしも花芽はまだみえない。
 どこに魅力を感じるのか、気になりだすとどうにも落ち着かないのがマニアというものだろう。


2004/8/19(木)
 こう暑くては仕事にならない。お客様もこない。日が沈むまではただじっとしているだけだ。
 白石さんも9月1日から始まる蘭鉢展の看板をつくらなければいけないのだが、二階が蒸し風呂のような暑さで延期。
 日が西に傾いた4時過ぎからようやく動き出す。けっこう風があったので、どこもかしこも良く乾いている。
 2鉢ほど株分け、植え替えをしてみたが、予想していたよりも根の痛みは少なかったのでほっとする。

2004/8/17(火)
 猛暑もようやく影をひそめたのか、しのぎやすくなった。雨の予報もはずれて、仕事をするにはもってこいの陽気になる。
 が、ずっこけた体は一向に動きたがらない。必要最低限の水遣りをこなしただけで、草むしり、消毒、植え替えなどには手がつかない。
 体操日本の復活もいい口実になって、TVに釘付けだ。それにしてもあの集中力はたいしたものだ。


2004/8/15(日)
 前の日との気温差16度。涼しさを通り越して寒い。泣く子と地頭には勝てないというが、ことしの異常気象にも脱帽だ。
 異常さの度合いが年毎に激しくなると感じている人は、私以外にも大勢いるはず。近い将来、何かいやなことが起こらなければいいが・・
 ルーペのSさんが久しぶりに見える。早速花芽のあがった、14年ものの杭州寒蘭を一鉢押さえていた。
 Sさんの選別には定評があって、昨年も始めたばかりのTさんが、選んでもらった株が二つともいい花が咲いたと、大喜びだった。
 たまたま居合わせたHさんは「ことしはSさん推薦株コーナーを作ったらおもしろいかもね」と囃していた。


2004/8/13(金)
 前橋のKさんから、ニオイエビネがおかしくなったと電話が入る。昨夏の最高温度が35・7度だったのに、ことしはそれだと涼しい日にはいるらしい。
 開けっ放しだとはいえ、温室内に入れていたのが敗因のようだ。いつもならどうということもないはずなのに、今年は異常すぎる。
 「虫除けリング」が手に入る。たまたま蚊退治用に殺虫剤をまいてしまったので、真価がわかるのは来週以降になる。
 きょうからオリンピック。時差の関係で夜中のTV観戦が多くなりそうなので、体調維持が大変だ。がんばらなくっちゃ。


2004/8/11(水)
 M先生が久しぶりに顔を見せた。学校の仕事が忙しかったのだろうと思っていたら、病気で入院していたのだそうだ。
 意識を突然に失ってしまうらしく、いろいろ検査しても原因がはっきりしないらしい。
 「こんどは三途の川を渡る寸前までいきました」と笑っていたけれど、冗談じゃない、そんなことがあっては困る人だ。
 狂い咲きの先生の杭州寒蘭サラサ大輪咲き、まだ花は開いていないが、満足そうに見ていた。花茎もよくのびていていい感じだ。
 Wさんが今朝TVでやった「虫除けリング」を手に入れて早速もってくる。いつも蚊に悩まされていたのに、驚いたことに、これを腕にはめただけで被害まったくなし。
 これはいいと、すぐ白石さんが買いに走ったが、もう品切れになっていた。同じ悩みの人がごまんといるのだろう。それにしてもTVの力はすごい。
 昨年までは蚊に刺されても、痒みを殆ど感じなかったのに、ことしは体質がかわったのか、半端な痒みじゃない。
 一日も早くリングさまさまといきたいところだ。


2004/8/9(月)
 朝早くは曇っていたが、8時過ぎには太陽が顔を出して、後はぎらぎらした日差しがさしっぱなしだ。
 きょうで真夏日は34日か。長期予報から見て新記録が生まれるのは確実だろう。ひとあめ欲しいが、ここらあたりは夕立もない。
 きのう来店した下町のHさんのところでは、セッコクが葉っぱを全部振るってしまったそうだ。
 杭州寒蘭の「吉祥山」も後ろがばたばたと落ちて6条立ちが2条になってしまったと嘆いていた。
 ビルの屋上で風通しは悪くないのだが、ビル全体が熱くなって、夜も異常な暑さだったのだろう。
 成田のTさんが「観音素心」の花付きを5鉢ほどもってきてくれた。実に上手に作っている。
 こちらは素心蘭、スルガラン、天草小蘭など、どうしたことか花がまったくきていない。


2004/8/7(土)
 真夏日はどこまでつづくのだろう。じとじとした蒸し暑さは、たちまち仕事の意欲を失わせる。
 そんなムードを吹き飛ばしてくれたのが相模原のHさん。九月の蘭鉢ガラクタ市にだしてくれる錦鉢をもってきてくれて話がはずんだ。
 植え土は小粒作りが一番で、鉢も小さめに限るという人で、たまたま仙台から出てきて立ち寄ったお客様に、熱心にすすめていた。
 何を作らせても見事な株に仕立てる人だけに説得力がある。小鉢作りにしてあと必要なのが風。
 それも鉢底をあおるように当てるのがコツだと話していた。よく乾くので毎日潅水する鉢もけっこうあるそうだ。
 店のやり方とは何もかも正反対な感じなので、いささか自信をなくしてぐらぐらしだした。


2004/8/5(木)
 風があって、多めの雲が日を遮ってくれて、気温はきょうも30度を越しているが、過ごしやすい。
 まじめに蘭の手入れをする。傷んだ葉の整理、草むしりはとても一日ではすまないが、一部でもさっぱりするのは気持ちいい。
 午後Sさんが遊びに来る。クーラーの効いたところで時間つぶしをしようという魂胆。さっそく便乗してこちらもうつらうつら。


2004/8/3(火)
 イギリスから戻って一週間になった。ようやく食欲もでてきて、久しぶりに四谷のビフテキ屋にいく。
 ステーキはやはり日本が一番だ。食事の前、O病院で血圧が少し高いようだといわれる。
 最近やや上がり気味の傾向があり、いぜん尿に蛋白は出つづけているので、惜しかったが三分の一は相棒に食べてもらう。
 塩分控えめ、食事もほどほど。糖尿とは因果な病にとりつかれたものだ。もう20年以上のお付き合いになる。
 期待した午後からの雨はないが、幾分過ごしやすい日なので、ここは仕事もやらず、完全休養日にする。


2004/8/1(日)
 油蝉の声をようやくはじめて聞いた。こんなに暑さがつづいたのにどういうことなのだろう。異常気象は地下でも混乱を起こしているのだろうか。
 昼間の暑さは相変わらずだが、夕方の風にふと秋の気配を感じたのは気のせいだろうか。
 Hさんが応援してくれたウチョウランの残品をとりにくる。この暑さにもかかわらず、傷んでいる株が少なかったのでほっとする。
 夕方、たっぷり水をやっていたら、3本も花芽を上げている杭州寒蘭を発見。もう蕾が分かれるほどに伸びているのに、まったく気がつかなかった。
 M先生の預かり物で、サラサ大輪とある。二年前の初花株だが、ちょっと記憶に残っていない。
 ここまで花が伸びてしまっては、咲かせるほかないだろう。


2004/7/30(金)
 のろのろ台風の影響は、ほとんどなくなったが、休みの方はまだつづいているような感じ。お客様も皆無の状態がつづく。
 年のせいか、時差ぼけがひどく、すぐうとうとしてしまう。なにもやりたくない。正直言って暇なのが救いになっている。
 それでも早めに店に出てきて、大鉢などの水遣りはすませ、午後は「今週の話題」を打ち上げる。


2004/7/28(水)
 留守中に40度近い暑さがあったそうで、直射光が少し当たるところのえびねなど、いくつかが被害にあった。
 山採りの九華を買ったお客様も、その日から様子がおかしくなったと、葉が完全になくなった株をもってくる。
 条数の少ない九華は、弱いうえに山採り株なので、明るすぎる作場の環境がこたえたもののようだ。
 梅雨明け後は強い日を避けて、水と空気(風通し)だけで育てるのが一番無難なような気がする。
 何年も植え替えしていないピラカンサスが葉をあらかた振るってしまった。水不足のためで、これはこちらのミス。可愛そうなことをした。
 20度から23度ぐらいの快適なイングランドで、のほほんとしていたのだから、残された植物の方がすねて当たり前だろう。
 それにしてはほとんどのものが、順調に暑さを耐え抜いてくれているようで、留守を守ってくれた白石さんには感謝するばかりだ。


2004/7/14(水)
 開店早々、店の前でバイクと自転車の衝突事故。自転車の若い女の子が顔に怪我をして救急車で運ばれた。
 246号線に入る三叉路で、車は一時停止するのだが、自転車はスピードを緩めないことが多く、事故が絶えない。
 注意1秒、怪我一生、本当にその通りで、交差点では一旦停止か徐行は当然のことだろう。
 梅雨があけたのはいいが、暑くて何もする気にならない。新潟では記録的な豪雨。どうも極端なことが多すぎる。


 27日まで、不在のため、「朝昼晩」休ませていただきます。

2004/7/12(月)
 西日本は梅雨が明けたというのに、こちらはどうなっているのだろう。向こう一週間の天気も、30度を越す暑さがつづくらしいのに。
 梅雨明け宣言はでなくても、気持ちの上ではとっくに、梅雨明けした気分になっている。
 ぶな窯の五百沢さんに電話して、9月1日からの蘭鉢展示会の打ち合わせをする。
 ウチョウラン鉢の注文があったときに、杭州寒蘭用の鉢も焼いたので、それをメインにしたいといわれる。
 こちらにとっても願ってもないことだ。


2004/7/10(土)
 成田のTさん、出版社のSさん、相模原のHさんがみえる。Hさんは春蘭もやればパフィオもやる多彩な人で、作りのうまさでは定評がある。
 最近手に入れた春蘭の出来に驚いたといって、つぎのような話をしてくれた。
 鉢をあけてみたら、サナは1、5cmほどの間隔のプラスチックの板で、底石は親指の頭ほどの大きさのものを一層敷いただけ。
 あとは化粧砂よりもっと細かい感じの鹿沼土(硬質ではない)の単用だったそうだ。 
 3条で18本出ていた根は、回さないと入りきれないほどで、1本も傷んでいなかったのにはたまげたという。
 最近、似たような植え方がいいという話は、ちらほら耳にしていたが、Hさんの話で、早速実験して見ようという気になった。
 そのほか、パフィオにはAビール会社の開発した用土が絶対だとほめちぎっていた。これも試して見る価値はありそうだ。


2004/7/8(木)
 ちょっとでも動けば汗が流れ落ちる。じっとしていても蒸し風呂にはいっているようで身の置き場がない。
 先月末の派手な雷鳴はやはり、梅雨明けの知らせだったのだろうと白石さんと話し合う。
 夕方まではとにかく耐え忍ぶほかなしだ。クーラーは20℃に設定してあるのだが、室内は30℃から下がらない。
 午後報知時代の友達が遊びにくる。いつもは一切飲み物を口にしない男なのだが、この日ばかりは「麦茶をもらおうか」だった。

2004/7/6(火)
 午前と午後と病院のかけもち。夜は中学の仲間との会食。30度を軽く越す猛暑の中をまったく留守にして、店に戻ったのは8時すぎ。
 さぞかし暑かっただろうと、たっぷり水をやる。小鉢は今日が水遣りの日だ。これでいくらか気分も落ち着いてくる。
 店内はだれもいなくても、クーラーと扇風機が効いているので、夏咲きえびねなどはご機嫌のようだ。
 早いものは花芽がだいぶ色づいてきた。

2004/7/4(日)
 開店早々に千葉のTさんが来る。杭州寒蘭の芽の出具合をみて、ことしの買い物の候補をメモしている。
 毎年のことだが、杭州寒蘭への入れ込みは衰えることを知らない。「西湖」が欲しかったらしいが、先約が一年ずれ込んでいて来年回しになる。
 午後は埼玉のIさんがくる。予約していた濃色系の「明日香」に、いい新芽がでていたので、満足そうだった。
 箱根のKさんから、素舌系の杭州寒蘭を何タイプかわけてもらったといっていた。KさんもIさんの熱心さに根負けしたのだろう。
 その中に濃色更紗素舌の「孤舟」が入っているのを密かに期待している。数年前に日本橋の三越でみたが、それは素晴らしい花だった。


2004/7/2(金)
 花の金曜日ではっきりしている現象は、店の前を通る246号線の混雑だ。午後からはまずすいすい走れることはない。
 店の方はというと、賑わうときもあるが、お茶を挽くことも間々ある。きょうは後者の方だ。
 ウチョウランの展示会は明後日までとなっているが、ことしはもう花がくたびれてしまって、終わったも同然の状態。
 ボツボツ後片付けをはじめる。苔が生えすぎた表土を換えたり、お礼肥をやったり、けっこう手間がかかって退屈するひまはなかった。
 白石さんは変わったヴァイオリンの演奏会にでかける。名器ストラディバリを撮り続けた写真家の横山進一さんが作った楽器が使われる。
 写真を撮るだけでは飽き足らないで、これまでに25本以上の楽器をつくったそうで、音色も演奏家の間で評判がいいらしい。
 この日が横山さんの誕生日。そのお祝いで、“ストラディヴァリにあこがれて”という演奏会が企画されたのだった。

2004/6/30(水)
 梅雨明けを告げる雷にしては、ちと早すぎる突然の真上の轟音に驚いて目が覚める。
 静岡の方は新幹線を止める豪雨のようだったが、こちらはそれほどでもなく、クーラーも要らない。
 長野のUさんから久しぶりの電話。ウチョウラン・マニアで高価なものを買いあさってくれたお客様だ。
 最近は多肉植物などをはじめたらしいが、いまひとつピンとこないみたいで、ウチョウランの動向を気にする。
 自然種への回帰傾向を話すと、本人もそう感じていたようで、近々出掛けるのでよろしくとのことだった。


2004/6/28(月)
 一転して日曜日はクーラー要らずの涼しい日となる。昼過ぎ、えびねの蘭小屋を作ったYさんが遊びにくる。
 Yさんのところは軟腐病がでやすいので、伊豆の有坂さんにきいたら、レンテミン液剤をすすめられたそうだ。
 植え替えるとき1000倍液に30分ほどつけておくといいそうで、後は有坂さんは、病気の消毒は一年を通してほとんどしていないらしい。
 Yさんが何気なく話したなかで、3年以上植え替えないで根が傷んだ場合、ウイルス症状が出やすいという話があったそうだ。
 なんとなくうなずけるものがあって、大事なものは2年経ったら出来るだけ植え替えようと思った。
 予報では月曜日も涼しいはずだったが、午後は大分蒸し暑くなる。朝のうちに水遣りはすませていたので、午後はゆっくり休養する。

2004/6/26(土)
 昨日を上回る蒸し暑さ。故障したのかなと思うほどクーラーも効かない。ことし一番の不快指数をマークしたに違いない。
 うんざりしているところに、久方ぶりにルーペのSさんがやってくる。大手ゼネコンの現場で、急に明日まで2日休みがとれたという。
 早くにきまっていれば、計画のたてようもあるが、急で思いつくのは手軽な園芸店まわりといったところか。
 早速ルーペの登場で、杭州寒蘭の平成13年ものが1鉢押さえられた。ほかにもサツマチドリの「大幻」。
 交配用に前から欲しがっていたもので、3本にふえていたので、すぐに1株OKする。
 Sさんが呼び水になって、ウチョウランのお客様もみえて、しばらくは耐え難い蒸し暑さを忘れることが出来た。


2004/6/24(木)
 温室の横の囲いに駐車場の車がぶつかって柱がぐずぐずになってしまう。幸い近くの大工さんが駆けつけてすぐ修理してくれる。
 裏側にえびねの作場があって、これまではいまひとつ風通しが悪かったのだが、一部を金網に変えて抜群の環境になる。
 怪我の功名で、もうウイルスに悩まされることもなくなるだろう。蒸して身の置き場がない日だというのに、そこにいると実に気持ちがいい。
 ただ外から中が丸見えなので、一部ダイオネットで目隠しをする必要がありそうだ。


2004/6/22(火)
 大型といっても富山の方に抜けた台風なので、こちらはたいしたことはあるまいとたかをくくっていた。
 朝、店に出ててみると、外においてあった「温州素」やセッコクの鉢などが地面に転がっていた。
 風だってそんなに強かったとは思えないのに、こんなことははじめてのことだった。
 隣に13階建てのビルができてから、どうも風の流れが変わって強くなったようで、そのせいなのだろうか。


2004/6/20(日)
 台風の間接的な影響で、朝から蒸し暑い。迷わず閉め切ってクーラーの出番となる。
 お客様もポツリポツリ。久しぶりにIBMのHさんがみえる。蘭から仏像彫りの方に転向して、佳境にあるらしい。
 来年は定年になるそうで、ゆとりのある年金の裏づけで、第二の人生もばら色の感じ。羨ましい限りだ。
 出版社のSさんもしばらくぶり。杭州寒蘭の新芽、早いのはもう15pにもなっているそうだが、ばらつきが大きいといっていた。
 比ネグロス島の蘭が咲きだした。Sさんも昨年ルソン島産の同じような蘭を手に入れていたが、ぜひ分けてくれとせがまれる。
 山草好きの甥が来て、高価な欅窯の瑠璃釉しのぎウチョウラン鉢を買っていく。中身だけでなく鉢にこだわるのはいい心がけだ。


2004/6/18(金)
 店にいたのは午前中も11時まで。この日やる予定の水遣りその他をすませて、後は白石さんにお任せで出掛けてしまう。
 亡くなった中学の恩師の偲ぶ会に顔を出したあとは、毎月集まる中学の仲間の三金会だ。
 久しぶりに熱海からでてきたものも加わったので、話がはずむ。店に戻ったのは7時の閉店時間を大幅に過ぎていて、白石さんももう帰っていた。。

2004/6/16(水)
 白石さんが「きょうのショット!」でウチョウランの変わり花をのせたら、すぐに反応が出て、たちまち商談が成立。
 夕方来たお客様も「あの花がみたい」。品物はまだあったが、もう売約済みと知って苦笑いしていた。
 このごろは、昼間はまったくといっていいほど暇で、夕方の一時だけ忙しくなる。人の流れは気ままだが、なにかリズムがあるようだ。


2004/6/13(日)
 8時過ぎまで降っていた雨も上がって、時間とともにいい天気になってきた。予報どおりの展開は小気味よい。
 横浜のWさんが栃木のウチョウラン展の帰りに寄る。入賞花を二つほど手に入れてきて見せてくれた。
 仁王系の紅一点花と連舌の白紫点大輪花。500円玉を越える大きさにびっくりする。
 特に宣伝したわけでもないのに、アワチドリの天然ものが人気で、この二日間で半分以上が売れる。いささかびっくりする。
 ぶな窯が二年前に作った油滴天目の飾り鉢にようやく買い手がつく。みんな関心はもつのだが、値段のこともあって売れ残っていた。
 油滴天目の鉢など作る人もいないだろうから希少価値がある。真ん中がくびれていてバランスも悪くない。
 ためしにアワの純白(白聖殿)の株立ちを入れてみたら実に様になった。どうやらこれが決め手になったようだ。


2004/6/11(金)
 千葉のMさんがアワチドリの増え芽をわざわざもってきてくれる。いまはやりの交配ものではなくて全部天然ものだ。
 命名品も11点あって、展示会の雰囲気が少し変わってくる。ぎらぎらした交配ものと違って、天然ものには柔らかなムードがあってほっとする。
 「月姫」「星の雫」「竜王」が気に入った。「豊峰」「夢殿」も悪くない。  東京はウチョウラン党が圧倒的だったが、交配ものばかりになってくると、天然もののアワチドリに爽やかな親しみがわいてくる。


2004/6/9(水)
 毎週続けている「今週の話題」がけっこう読まれているらしいのにびっくりする。
 6日付の、遺された蘭の始末にも、すかさず複数のメールをいただいた。ネタ切れで四苦八苦しているだけに救いになる。
 救いといえば、肌寒い程の陽気で、ウチョウランの花持ちがつづきそうだ。特に作りこんだものはよくもってくれる。
 どちらかといえば遅咲きの「大白鳥」が見ごろになった。バイオ幕開けの傑作だけあって、いまでも大事にしている。
 それにしても、最近のバイオはどこにいくのだろうか。どんどんウチョウランから離れていくような気がする。


2004/6/7(月)
 雨もよく降ったが時折は日も差して、梅雨独特のじめじめした感じはすくない。ようやく水遣りから開放されてほっとする。
 こんな日は一日のんびりと過ごせばいいのだが、貧乏性なのだろうか、ウチョウランの植え替えやら株分けを始めてしまう。
 夕方、叔母の見舞いに行く時間まで目いっぱい働いて、最後は時間がなくなって、病院から戻っての夜なべ仕事になってしまった。

2004/6/5(土)
 雲ひとつない青空で気温はぐんぐん上がったが、風があってまあまあ過ごしやすい。好天続きでなにもかもよく乾く。
 暑くならない午前中と夕方日がかぎってからは水遣りに追われる。展示してあるウチョウランは数があるので大変だ。
 午後、中学の先輩のYさんがくる。80台も後半に入るというのに元気がいい。ウチョウランを四つもつきあってくれる。
 蘭の面倒を出来るだけ長くみたいので、元気でいつまでも長生きしたいのだといっていた。それにしても若々しくて威勢がいい。


2004/6/3(木)
 展示会中だが伸び放題の草木の刈り込みをする。油断をしていると驚くほど伸びてしまっている。
 園芸店をやっていて草ぼうぼうでは話にならないが、スミレ、ユキノシタ、各種シダ類も実にしたたかだ。
 抜いても抜いてもあっというまに勢いをもりかえしている。このしたたかさに杭州寒蘭があやかってくれたら。
 ようやく新芽は出揃ってきた感じだが、伸びの遅いこと。ことし特にそう感じるのは年をとったせいか。


2004/6/1(火)
 昨日の暑さと今日の寒さ、気温差が13度とは、地球もいよいよ狂ってきた。そんな中で朝7時にスタートして栃木の村樫バイオへ。
 Hさんも同行して目ぼしい花を選別してもらう。店主が見落としたものは、こちらの権利で安く買えるから、一人よりは二人の方が心強い。
 収穫はいくつかあったが、一番気に入ったのが「春霞」と早々と名付けた奇花。
 奇形花は好まないが、誰が見ても綺麗なものなら、むしろ特徴がはっきりしていて、名品の条件にぴったりだ。
 嫌いだ嫌いだといいながら、選んだ鉢数の2割弱が奇形花になっていたのには驚いた。


2004/5/29(土)
 息子さんが近くに住んでいたので、よく寄ってくれていたSさんが久しぶりに見える。
 最近、三鷹の方に引っ越したので、こちらに来る機会がなくなったのだそうだ。寒蘭、春蘭のお客さまなので時期はずれの来店だった。
 しばらく来ないうちに心境が変わったのか、まだやったことがないウチョウランに関心を示す。ここぞとこの蘭の楽しさを並べて、2鉢お付き合いしていただく。
 昼過ぎ、小学4年の孫の運動会を見に行く。気温29度のなかで、孫がどこにいるのか、わからないままの声援となってしまった。


2004/5/27(木)
 賑わった前日とは正反対で閑古鳥がなく。休みの日は予定が何もなく、暇な方がありがたいが、営業日が暇なのはやはり困る。
 白石さんも帰ってぼんやりしていたら、珍しい人がみえる。えびねのオールドマニアで、雑誌に載せるえびねの随筆が実にうまかったHさん。
 その後病気に見舞われて、入院生活の方が長いのに、明るさをうしなっていない。こんどもがんで胃を全部とってしまったそうで、太っていた人が実にスリムになっている。
 お金を残しても仕様がないのでと、ウチョウランを4鉢も買ってくれた。株立ちにして展示出品してよ、と誘ったらにこっと笑っていた。


2004/5/25(火)
 やっと爽やかないい天気になって、一日店で気ままに過ごす。特に予定がない、こんな時が一番気分がいい。
 店で作っているウチョウランもぽつぽつ咲き出してくる。ここ一週間ほどは好天だそうだから、咲き出すテンポも早くなるだろう。
 店内も少しずつだがにぎやかになってきた。
 日がかぎった頃合をみて東洋蘭に二度目の消毒をする。まだ効果のほどはわからないが、晴天続きなのはグッドタイミングだ。


2004/5/23(日)
 気温上がらず寒い。思わずヒーターをいれてしまう。このところ極端な日が続くのは、環境破壊のつけがまわってきているのだろうか。
 開店早々、中学の友人夫妻がウチョウランを買いに来る。女性が一番乗りだとその日は繁盛するそうだよ、とうれしいことをいってくれる。
 が、寒さの方が勝ったようで、白石さんも昼過ぎにはいなくなる。午後はえびねのEさんとHさんの三人で夕方まで雑談。
 おもしろかったのは、三人が三人ともジエビネに目を向け始めたことだった。来年ジエビネ展をやろうかという気になっていたのは正解のようだ。


2004/5/21(金)
 雨、風ともたいしたことはなく、台風一過の晴天になったので、炭疽病の消毒をする。最近雨のあたるところの東洋蘭にではじめた。
 大気の汚染がひどく、酸性雨が悪い影響をあたえているのか。知り合いから薦められた殺菌剤アミスターAzの2000倍液をかける。
 2、3日してもう1度かけてみるつもりだが、治らないようだと置き場所を考え直さないといけない。
 4時からは、白石さんにまかせて、中学の仲間の三金会へ。話題はあすの日朝首脳会談に集中する。
 とんぼ返り会談ということは、それなりの成果がもうきまっているからだ、ということで意見が一致する。
 小泉さんが一段と点数をあげるか。いずれにせよ、明日はみなTVに釘付けになることだろう。
 午後7時半からNHK特報首都圏を見る。下町で繊維業を営むお客様のところが取り上げられていた。
 大手の下請けでなく、アイデアと技術で独自の製品を作り、自分たちで売り出していく努力は、こちらも大いに見習わないといけない。


2004/5/19(水)
 イワチドリから入るつもりで、展示会の日程を19日からとしたのだが、イワチドリの花はもう完全に終わり。
 片付けから始まる変な展示会の幕開けとなった。ウチョウランも早咲きのあとは、まだ殆ど咲いてこないので変わり映えもしない。
 幸い天気も悪くて、お客様の動きも鈍いので、なんとか格好がつくように、店内のレイアウトに頭を絞る。
 台風2号の接近も気にかかる。隣に13階建てのマンションができてから、風当たりが強くなっているので要注意だ。
 外に置いてあるウチョウランなど強風に遭ったらひとたまりもない。関東接近の予報が外れてくれればいいのだが。


2004/5/17(月)
 この二日間の休みで、たまっていた雑用を片付けることに専念する。
うまい具合に水も二日ぐらいはやらなくてよさそうだ。
 朝、PCを覗いただけで、店にはまったく寄り付かなかった。ところが、夜8時ごろ車で店の前を通ったら明かりが煌々とついている。
 びっくりして戻ってみたら、朝つけた電気の消し忘れだった。やだやだ。年はとりたくないねえ。


2004/5/15(土)
 平成12年に春蘭と寒蘭を植え替えてあげたお客様が、丸三年経ったのでまた植えかえしてほしいともってくる。
 金稜辺の大株が7号の鉢に溢れんばかりで、花もびっしりつけていて、満開のときはさぞかしすばらしかったことだろう。
 「西神梅」と「大吉祥素」も大株にふえていて、作りを見習いたいほどだったが、寒蘭の方は見るも無残な状態になっている。
 12年のときは立派だった株が半分以下になり、生きた根も殆どない有様。明るすぎて葉も黄色くなって一部葉焼けもおこしている。
 同じ場所において管理していたというから、寒蘭にとっては、拷問の三年間だったことだろう。
 置く場所がよければ、植物はすっぽっておいてもよく育つ。植え替えをしながら、つくづく環境だなあと思い知らされた。

2004/5/13(木)
 Yさんが「きょうのショット!」を見てすぐ押さえた「夜叉姫」をとりにくる。昨年入れたウチョウランがみな成績がいいので威勢がいい。
 具合の悪い「百福」(獅子咲きの白紫点花)をなんとか立ち直らせると預かってくれる。
 Hさんにいわせると、萎縮した樹勢はバイラス症状で枯れるよというのだが、以前にこういうケースで立ち直った例がある。
 Kさんが久しぶりに姿を見せる。えびねが終わって、あとは杭州寒蘭まで長い長いとぼやくこと。
 もうえびねの植え替えも全部終わったそうで、普通ならウチョウランに目が向くのだが、どうもこちらの方は相性が悪いらしい。


2004/5/11(火)
 昨日は肌寒くてヒーターを一時いれたのに、今日は30度を越す真夏日。これじゃまったくからだがついていけない。
 午前中は慈恵での定期検診。行き帰りの地下鉄の階段がこれほどきつく感じたことはない。鉛の足をひきずっているようだった。
 午後は歯のほう。こちらも一ヶ月に一度みてもらっているのだが、実に快調。
 歯はもうがたがたなのだが、入れ歯ががっちりおさえてくれていて、ここ三、四年何を食べても殆ど不自由がない。これが名医というものだろう。
 夕方店に戻って、暑がりのえびねにたっぷり水浴びさせてやる。

2004/5/9(日)
 出来上がったウチョウランの看板を開店と同時にかかげる。案内状では19日からとなっているが、もう早いのがどんどん咲き出している。
 寄せ植えの中から白石さんが掘り出し物をみつけたり、えびねのお客が花の終わった寂しさをまぎらすために求めたりで、動きもではじめた。
 イワチドリの石付けや黄花セッコクの大株を飾ってくれたHさんが、いくらあってもいいと、またイワチドリを買っていく。
 「暁星」の中苗を買いに来たお客様が、千葉蘭園にもHPがあることを教えてくれる。もう4年ほど前に作っていたようだ。
 早速連絡してリンクさせてもらう。大げさに言えば、千葉蘭園がなければすずき園芸もなかったようなものだから当然だ。
 それにしてもこれまで気がつかなかったとは迂闊だった。


2004/5/7(金)
 天気もよく、暑くも寒くもなく、さわやかな日となったが、店の方は開店休業といったところ。連休疲れで動く気にもならないのか。
 白石さんは、追い立てられるように、ウチョウランの看板作りにとりかかり、こちらはえびねの整理をはじめる。
 いつもは仕事を始めるとお客様が来てだめになるのだが、きょうは仕事がはかどった。
 夕方、えびねマニアのSさんがくる。「もうえびねも終わりだね」といいながらしばらくえびね談義をする。
 Sさんはジエビネにもくわしく、いろいろ面白い話をきかせてもらった。


2004/5/5(水)
 花が早く終わってしまって苦しかったえびね展も今日で終わり、ゴールデンウイークもおしまいとあっては、雨も悪くない。
 静かに展示会の反省などしようと思っていたら、津久井のチドリの好きなお客様が岩付きのイワチドリを飾ってくれる。
 松やイワヒバなどをあしらった盆景つくりは、昨日今日のものでなく、一面に苔むしていて、中国産の黄花イワチドリがひときわ目立った。
 黄花セッコクの大株ももってきてくれて、おまけにタイミングよくウチョウランの早咲き株がはいってくる。
 早速店内の模様替えがはじまって、真冬に近い寒さもとんと気にならなかった。
 ウチョウランの展示会は5月19日からの予定だが、そんなことはお構いなしにもう始まった。


2004/5/3(月)
 Hさんと白石さんの三人で、栃木の村樫バイオにでかける。ついでに佐野えびね会の会長さん宅のジエビネも拝見させてもらう約束をして朝7時に出発した。
 ゴールデンウイークの折り返し点なので、すんなりいけるだろうとの見込みは大はずれ、着いたのは正午前で普段の3倍近くかかってしまった。。
 早速作場に案内してもらってびっくり。喉から手が出そうな花がいくつもあって、ショックをうける。
 Hさんは3株しかなくてまだ誰にも分けていないという素心花を手にいれられて大喜びだった。「天竜梅」の上をいく花だろうか。
 まだ花が咲いていない「福娘」という緑弁桃舌が気になっていたら、たまたま村樫さんのところに咲きだしたばかりの株があった。
 交配親に仕入れてきたところだというのを、どうしてもと無理をいってわけてもらってくる。素心もいいが、「福娘」も劣らずいい。
 イワチドリはもう盛りをすぎていたが、来年用に少し仕入れてくる。帰りも渋滞に巻き込まれて、店に着いたときは暗くなっていた。


2004/5/1(土)
 10時の開店前に千葉のMさんがみえる。Hさんの持つ「霧紫香」がお目当てで、Hさんも早く来て条件の交渉がはじまる。
 「霧紫香」は店の上限価格を超えているので、私はノータッチだ。30分ほどで交渉はまとまったようで、めでたしめでたし。
 いい芽があがった古木吹かしで、多分二年で花が見られることだろう。下取りにもってきた「紫式部」が惚れ惚れする出来だった。
 午後からは開店休業の状態。さすがに皆さんどこかに出かけてしまったのだろう。お陰でよく乾く蘭の水遣りがたっぷりとできた。

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