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2003/12/27(土)
 押し詰まって杭州寒蘭の青花が二つ、お客様コーナーに出品された。どちらももう何年も作りこまれたもので安定している。
 てんの花まで咲いてもう終花に近いが、いずれも見ごたえがある。一つは「白妙」タイプの濃色系、いまひとつは中輪で淡いが、透明感のある準青々花。
 後者は弁幅もあってよれがまったくない。どちらも捧心は開かず、覆輪が元まで入っている。
 ことしは営業があと1日(28日まで)なのが残念だが、一人でも多くの人に見てもらいたい優品だ。
 昼過ぎ千葉のTさんがタイミングよくきて、準青々花の方を早速予約していた。

 今年はこれで終わります。どうぞよいお年をお迎えください。来年は7日から始めます。


2003/12/25(木)
 寒蘭の本場高知に杭州寒蘭を発送する。青花整形の「湖精」、広葉のサラサ無点系の「大菩薩」、万歳咲きだが覆輪がきれいで、肉厚大輪のサラサ「吉祥山」の三つ。
 まだ若いNさんだが、上京して展示会をみてまわって、杭州寒蘭を熱心に勉強しているのには感激する。
 先輩のYさんが「紫芳山」の色が出ないと電話してくる。高価な買い物だっただけに不安になったのだろう。
 作場によっては、Tさんが展示してくれたものほどに発色しないこともあるが、間違いない株だから安心するように話する。
 作りはうまい人だから、来年あたりは不安がったことなどすっかり忘れて、自分の腕を自慢することだろう。


2003/12/23(火)
 寒さも緩んで寒蘭の後片付けに勢が出る。早咲きのものは殆ど花を切って作場にもどし、遅咲きと入れ替える。
 花が若いと棚も引き締まってまた見ごたえがでてくる。年内はもちろん年が明けてもしばらくは杭州寒蘭でいけそうだ。
 午後久し振りに埼玉で学校の先生をしているYさんが訪ねてくる。フェンシングの大会に出場する生徒の付き添いで近くまで来たので、ついでに足を伸ばしてくれたらしい。
 開店当時のお客様だが、いまでも細々と蘭を楽しんでいるという。ピアナンの桃一点花とイトランの「呉鳳」を買い、「また枯らしそうだけど」と笑っていた。
 中国のSさんもやってきて暗くなるまで遊んでいく。来年の春蘭展に飾るのだといって一番いい「緑英」の株を買っていく。
 Sさんは中国古鉢にも関心があって、雍正年製の均窯 の皿を貸してくれという。年末上海に帰るので鑑定してもらいたいらしい。
 お墨付きがもらえれば買うので、それまでは売らないで欲しいといわれる。少し安ければこちらが欲しいほどのいい鉢だ。


2003/12/21(日)
 20日は5時に店を閉めて調布の展示会へ。品物が足りないと聞いていたので心配していたが、案ずることはなかった。
 会以外の人もいろいろ参加してくれて、いい花も多かった。こういう展示会があちこちで開かれるようになったら最高だろう。
 好き物同士がお祭り気分にどっぷりしたって、話のつきることもなく、家にたどり着いたら11時をとうにまわっていた。
 21日はみな調布の方に出かけたのか、店の方は開店休業状態。午前中に浜ちゃんとKさんが顔をみせただけだった。


2003/12/19(金)
 痛い足をひきずって飯田橋の日中友好会館へ杭州寒蘭展を見に行ったら、午前中は飾り付けで、展示は午後1時からということで見られずじまい。目当ての素心も見られなかった。
 午後高知から杭州寒蘭をあつめているNさんがくる。日中友好会館をみてきたそうで、素心だけが素晴らしかったと話していた。
 夕方写真家の横山さんが杭州寒蘭を10鉢集めに来る。20、21日にある多摩蘭遊会の展示会(調布・市民会館)に応援出品するためだ。
 見てもらいたいものがだいぶ終わってしまったので、質の点で忸怩たるものがあるが、参加することに意義があるんだと言い聞かせる。
 午後遊びに来た成田のTさん、下町のHさんも愛培品を抱えて参加してくれるそうだ。


2003/12/17(水)
 火曜日の強烈な木枯らしで、吹き溜まりにある店は、いたるところイチョウの落ち葉でいっぱい。それだけならまだ許せるが、廃棄の燃えるゴミまで飛んできていて整理するのに午前中かかってしまう。
 棚のほうの整理もぽつぽつはじめる。「秀水」「峨眉山」も花を切って作にはいる。逆にイトラン、ピアナンなどの花芽付を飾る。
 もう寒蘭展が終わったので、あまり気にせずに、店内の暖房を効かすことが出来る。1月の中頃にはイトランも咲いてくるだろう。
 午後、日本橋の三越で蘭の商売をしているKさんがみえる。きょうの午後ならヒマだろうと目星をつけてきたのはさすが。
 杭州寒蘭のこれからのこと、蘭界のことなどざっくばらんに話し合う。
いずれにせよ、杭州寒蘭をはじめ中国ものがこれからの主流になることは間違いないという点で一致した。


2003/12/15(月)
 昨日でことしの催し物は全部終わる。本来ならやれやれというところで、完全休養日にするところだ。今日明日の名物のボロ市にもひやかしに行きたいところである。
 しかし大事な植え替えの方が急務。昨年上砂だけをかえて、手を抜いている鉢がまだ可なりある。
 幸い陽気もよく、根を詰めてやれたが10鉢が限度。疲れがたまって腰がいたみだし、あとは明日回しにする。
 完全植え替えを3年以上してないものは、殆ど確実に後ろの方の根がやられていた。不精は出来ない。
 最近流行っているダケ土は、植え替えなくても平気だと聞くがどうなのだろうか。重すぎるのがいやで使っていないのだが・・

2003/12/13(土)
 名古屋に住む在日11年のCさんがくる。杭州寒蘭の地元の浙江省出身で、これから蘭を通して日中友好の架け橋になろうとしている人。
 既にメールで親交を深めているルーペのSさん、同じく三重のKさんも遠くから出てきて、大いに話が弾む。
 山採りの未選別株や日本人好みの選別品をリーズナブルな値段で供給してほしいと強く要望する。
 この世界、ともすると投機に流れやすいので、口が酸っぱくなるほどそれは避けて欲しいと念を押す。
 真面目で、研究熱心な人のようで、昼過ぎから暗くなるまで、疲れも見せずにいろいろ取材していた。
 三重のKさんが大輪の青花をお客様コーナーにだしてくれる。青花なのに「翠雲山」の名はひっかかるが、必見に値する。出版社のSさんもトップクラスの青花を持ってきて飾ってくれた。
 ルーペのSさんは先週あった三重の展示会のビデオをとってきてみせてくれる。行きたくても行けない身には大変ありがたかった。
 実績のある展示会だけに、どの花も質が高そうで、中でも紫秀蘭の素心がすばらしかった。
 先生のMさん、食品会社のKさん、先輩のTさん、浜ちゃんなど、大入り満員の一日だった。


2003/12/11(木)
 鹿児島のFさんから早々と送金されているのに、確認を怠って3日も発送が遅れてしまった。
 「黄玉山」を付き合ってくれた大事なお客様。3日経っても荷物が届かないので、さぞいらいらしたことだろう。
 こんなに遅れたのは初めてなので、13年に入れた花未確認の株を、ペナルティとして一緒に送る。
 横浜のHさん、「赤壁山」のHさんが雨の中を遊びに来る。中国のHPから選んだスライドショウにうなることしきり。
 これからは選別された株をいかに求めやすい値段でいれられるかが大きな課題になるだろう。


2003/12/9(火)
 いい天気になって温室をのぞく室内や屋外の5・5号鉢と笠間鉢にたっぷり水をやる。10日ぶりの灌水だ。
 温室の方は北側の窓を閉めてしまったので、ぐんと乾きは悪くなり、水遣りの間隔は屋外の倍近くになる。
 この日水をやる鉢は全体の7割近くになるので午前中いっぱいかかってしまった。えびねにもかけてやったのでなおさらだ。
 午後は小平まで歯の治療、ついでに叔母の入院見舞いで渋谷へまわったら、道が混んでいたこともあって真っ暗になってしまった。


2003/12/7(日)
 中国のHPをみていると、見たこともないような杭州寒蘭が、これでもかこれでもかとでてくる。選別はかなりすすんでいるようだ。
 白石さんがめぼしいものをスライドショウにしてくれたので、きょうは何度もみてしまった。
 奇形花は好きではないが、見た目がきれいなら文句はない。下顎片が舌化して、しかも舌点まで入っている花には驚いた。
 奇形の好きなHさんが見たら気絶してしまうことだろう。こんな花が日本に持ち込まれるのはいつごろになるのだろうか。

2003/12/5(金)
 10歳も年上の中学の先輩が「紫芳山」の3条花付きを買った。「花付を欲しい」と電話を受けたとき耳を疑った。
 安い買い物ではない。歳も歳だし、何で今さらと思ったが「来年も花が見られる株でなければいけないんだ」ときかない。
 自分も80を越したら、金があったらそんな考えになるのだろうか。答えがでないままに、無理して品物をなんとか調達した。
 こうなったら是が非でも来年また花をあげてもらわなくちゃいけないが、その意欲が元気でいられる力になっているのだろう。
 お礼のつもりか、先輩自慢の杭州をこちらの言い値で快く分けていただいた。「天生晃」という。名にふさわしいいい花だ。


2003/12/3(水)
 成田のTさんがえびね鉢の試作品をもってきてくれる。例の鴨川の小柴さんの作ったものだ。
 プラ鉢をすっぽり入れることもできるように作られていてしかも軽い。若いときから陶芸はやっていたに違いないとみたが、Tさんの話では、始めたのは定年後からだそうだ。まことに器用なひとだ。
 午後、中国のSさんが二、三また花をもってくる。花弁も舌もふくよかな濃色サラサ花が目を引いた。
 欲しい花だったが、花むらが気になって一年作ってからにしてもらう。なんとしてもきれいになって欲しい株だった。

2003/12/1(月)
 このところ休みの日というと雨が多い。それを理由に完全休養日にするのだが、いまひとつすっきりしない。
 天気が悪いと連動して気分も晴れないものだ。おまけにここ三日雨が続いているのだからなおさらだ。
 気分直しにと神宮絵画館前の銀杏並木の黄葉をみにいく。路面に落葉を厚くちりばめて雨に濡れる眺めは、悪いものではなかった。
 だが、少し盛りを過ぎた感もあって、やや寂しげな美しさだった。明日は晴れるという。もう一度出かけて青空の下での表情をみてみたい。
 12月のカレンダーに水遣りの予定を書き込む。鉢のタイプ、大きさから4通りの差をつけ、温室はまた別扱いにしている。
 冬場の温室では一ヶ月近くやらない鉢もでてくるが、その方が成績はいいようだ。


2003/11/29(土)
 雨にもかかわらず、京都のYさんがみえる。宋梅に関する故事を翻訳したのをみせてもらって、また一段と宋梅の評価があがる。
 うまいタイミングで中国のSさんが来て、意味不明のところなどをききただしていたが、中国語がわかると別世界が開けてくる感じだ。
 Sさんはまた10株ほど中国から手に提げてもってきていた。赤軸青花の全面無点など、店に飾ってお客様の反応をみたいと置いていく。
 杭州寒蘭は、咲いている花で固定するかどうか微妙なので、値段によっては挑戦してみるのも悪くない気がする。
 閉店間際に千葉のTさんがくる。箱根の神谷さんのところから、相模の四国山草にまわってきたそうで、朝5時半に家を出たという。
 そしたら埼玉のIさんは5時にでて箱根に来ていたと頭をかいていた。二人の熱心さにはほとほと頭が下がってしまう。
 Tさんは上海植物園の沈雪宝さんが私にとくれたお土産の寒蘭をとどけてくれた。まだ面識もないのに恐れいる。
 
2003/11/27(木)
 珍しい日で日本寒蘭が三つほどでる。昔から見れば信じられないほど安くなっているのだから、好きな人だったら買って当然だ。
 人間って面白いもので、高価だとほしがるが安くなるとそっぽを向いてしまう人が多い。心から好きな人ではないのだろう。
 横浜のHさんが増えたからと、杭州寒蘭の「飛仙」をお客様コーナーに出してくれる。
 店では数年前にいい花が展示されただけで、知らない人も多いだろうが、平肩咲きの濃いサラサ花だ。 

2003/11/25(火)
 朝からかなり激しい雨。夜に入るまで降り続いて気温も10度前後。予報では明日はいい天気になるそうだから、雨の定休日はうまい具合だったことになる。
 午前中は病院。といってもそれはついでで、旧友とうまい昼飯を食べるのが狙い。たまには魚ものにしようと、築地など二、三ヵ所ねらったが、道を間違えたり、駐車できなくて結局はいつもの四谷のビフテキ屋へ。
 ごとう日のせいか、事故もないのに交通渋滞がひどく、普段より1時間以上余計にかかってしまった。
 午後はかみさんが習っている染色の会の展示発表会に義理で顔をだしたり、病院に叔母を見舞ったりで休みにはならない一日だった。


2003/11/23(日)
 西東京のT女史が「極紅」の苗を診断してくれともってくる。以前わたしのところから買っていったものだが、虎斑のような症状がでている。
 即座にウイルスと断定はできないが、取り替えた方がベターなので、了解をとって植え替える。
 こんどは花も一つついていて、三橋さんの青磁の鉢に入れられた「極紅」は、自慢したいほど絵になっていた。
 M乳業のKさんがことし入れた株のなかから、こんなのが咲いたと3鉢もってくる。青花1、サラサ2でどれももう一作するのが楽しみなものばかりだった。
 るーぺのSさん、浜ちゃんが午後から連休の中日を存分に楽しんでいく。蘭のことになるといつまでも話はつきないようだ。


2003/11/21(金)
 暑くもなく寒くもなく、出掛けるのにはいい陽気になったのに、こんなときは逆にお客様の方は少ない。この傾向は開店以来のものだ。
 こちらも午前中は雑用があってつぶれ、夕方からは白石さん任せで、例の三金会にでかけてしまう。
 店にいる間にきたのはM乳業のKさんと先生のMさんぐらい。Kさんは目下杭州寒蘭にのめりこんでいて、2鉢ほど都心のデパートから買ってきていた。
 昔の命名花で青サラサの「あおじ」がその一つ。もう何年もみていなかったので、初めは思い出せなかった。白石さんは覚えていた。


2003/11/19(水)
 水曜日という日は一番お客様の少ない日で、この日を定休日にしている所が多い。
 その水曜日が展示会の初日だから、杭州寒蘭展も静かなスタートだ。一番乗りはKさん。展示会に合わせてきたのだが本命は雲南大雪素の方だ。
 メールでやりとりして、得心して引き取りにきたもので、根もまずまずだったし、控えのイモも付いて満足そうだった。
 常連のKさん、Sさんがみえたあと、中国のSさんが飾って欲しいと2鉢ほどもってくる。舌の巻かない青花と全面無点系の同じ青花。どちらも固定すれば人気を呼びそう。
 紫秀蘭の選別株が咲き出した。花形が奴凧を髣髴とさせるので「飛奴」と命名する。杭州寒蘭も最敬礼するほどの濃緑花だ。


2003/11/17(月)
 休みでのんびりしていたら造園業のTさんに呼び出される。4輪つけた「紫芳山」を展示用にもってきてくれた。
 このところ夜中の仕事で、休みも殆どとれない中をわざわざ持ってきて飾ってくれたのには感謝感激だ。
 てんの花はまだ蕾だが、独特の紅が早々とよく出ていて見ごたえがある。作場の関係で花茎を曲げてしまったのが惜しまれる。
 ルーペのSさんが数年前に掘り出した「優峰」も、やっと花をつけたと飾ってくれた。そういえば本家の方はあれ以来花を見ていない。
 風が強いので作場の北側の窓を閉める。寒蘭は気温の急激な変化に影響されやすいし、葉ずれで花を傷めやすい。


2003/11/15(土)
 新聞社時代の同僚が大阪から来て、久し振りに一泊していったり、杭州寒蘭を見に来る客もふえて、メールに返事する暇がない。
 イライラして返事を待っているだろうと思うと申し訳ない気持ちで一杯になるが、閉店時間の7時を過ぎてまでがんばれない。
 昔なら平気だったのだが、最近はとみに根気がなくなっている。この場で今しばらくお待ち下さいとお願いしておきます。
 ルーペのSさん、中野のEさん、出版社のSさん、千葉のTさん、浜ちゃんたちが品評会やら情報交換で、話の途切れる間もなく時間が経っていった。

2003/11/13(木)
 日本の寒蘭では開花が遅れて慌てたが、杭州寒蘭の方は19日の初日を待たずにどんどん咲き出してきた。
 サラサの「杏花村」青の「西施」はもうてんの花まで開き、一番下の花が咲き出したのは10鉢を越えてきた。
 出版社のSさんが押さえた花がいいサラサになってきて、来る人がみなこれは大当たりだと羨ましがる。
 三日ほど前から開きそうで開かないのが、大物を予感させる。花形が崩れないものの殆どは開くのに時間がかかっている。
 いい花になりそうといわれながら、条数が多くて売れ残っていた青花が、すごくいい感じで咲き出した。
 第一発見者の特権を生かして、さっそく売品から外させてもらう。杭州寒蘭ははじめ嬉しがらせてあとがっかりが多いが、これはどうだろうか。


2003/11/11(火)
 月曜日から一泊で紅葉見物に出かけた。中学の同級生と伊東にある品川区の保養所をとった関係で、途中の大山寺の紅葉を狙ったが、早過ぎて完全に空振り。
 雨にもたたられて、温泉に4度も浸かって、久し振りにのんびりした保養旅行となった。
 帰途は天城越えをしてみたが、紅葉の方はこちらもだめ。唯一の収穫は伊東市内の木下杢太郎記念館に出掛けたこと。
 生家がそのまま記念館になっていて、入館料100円は安いと思ったほど、見ごたえのある展示だった。
 山野草の絵がすばらしく、岩波から出た「百花譜」はぜひ手に入れて店に飾っておきたいと思った。


2003/11/8(土)
 Eさんが自分のところで作った野菜をどっさりもってきてくれる。それが皮切りのように、造園業のIさん、浜ちゃん、出版社のSさん、学校の先生のMさんらがくる。
 このところの暖かさで、杭州寒蘭の蕾が急にふくらみだし、サラサ花は色が乗りだした。マニアのボルテージもぐんぐんあがって、話がはずみにはずむ。
 Eさんがくるまではヒマで、早めに帰ろうとしていた白石さんも、結局6時をまわるごろまで付きあわされる破目になった。
 ことしいれた杭州寒蘭は開くまでもう少しかかるが、「常熟山」「東湖」「杏花村」など選別品はぽつぽつ笑い出している。


2003/11/6(木)
 午後からは雨もあがって日がさしてくる。この二、三日暖かかったせいか急ピッチで花が咲き出した。
 日本寒蘭がようやく見ごろになり、杭州寒蘭も早いものが咲いてきた。夏に狂い咲きしたルーペのSさんの「寧夏」も笑い出す。
 夏よりも舌点が馬蹄形にまとまり、中にある緑の線がはっきりして見ごたえがある。やはり旬に咲くのが一番か。
 中国寒蘭の「紅彩」もことしは無点で開いた。時間が経てば経つほど平肩の花は大きく伸びて色も濃くなる。
 同じく中国寒蘭の「大河」もあと二、三日だ。杭州寒蘭のように緑が濃く、5花と3花の花茎がバランスよく上がっている。


2003/11/4(火)
 成田のTさんが、近くまで出てきたついでに立ち寄る。お客様コーナーがいいスタートをきれたのはこのTさんのおかげだ。
 昼前に来て3時ごろまで遊んでいく。その間にえびねの化粧鉢や年が明けてからの中国春蘭や春蘭鉢出品の打ち合わせもすませる。
 古い土の再生の話も出て、知り合いの人は苦土石灰の溶液の中にひと冬つけておき、綺麗に水洗いしたあと火で焼いて仕上げるのだそうだ。
 さすがに大事なものにはまだ使っていないようだが、再生土のせいで不都合が起こったことはないらしい。
 三年前古鉢の再生に酸素系漂白剤を使えばいいといわれ、古土にも応用して使ってみているが、こちらもとくに不具合はでていない。

2003/11/2(日)
 前日の土曜日は予報に反して、天気はあまりよくならなかったが、それにしても3連休の始まりだというのに、お客様ゼロ、もちろん売り上げもゼロだった。
 寒蘭の展示会中でこんなことははじめてだ。遅れていた花もようやく咲き出して、そろそろ見に来て欲しいと思い出したときだけに、ショックは大きかった。
 今日は気温も上がり、朝からお客様が続いて、昼飯の時間がだいぶ遅れてしまった。みずものとはよく言ったものだ。
 注文で作っておいた天草小蘭がなくなっていた。きのう電話があってきょう取りに来るというので、確認にいって気がついた。
 なくなっていたのは天草小蘭だけのようで、高価なものならいざ知らず、なんでそれだけ持っていったのかまったく訳がわからない。


2003/10/31(金)
 石油会社のお偉い人だったWさんが久し振りに寄ってくださる。6月にヘルニヤの手術をしたそうで、少しやせたようだが、、81歳とはとても思えない。わたし(74歳)より若そうにみえる。
 PCにも積極的に挑戦し、名簿など上手に作成している。時々はすずき園芸のHPも見てくれていて、なかなか分かりやすく書いてあって面白い、とほめてくださった。
 これから80過ぎまで生きられるとしたら、Wさんの様に、老いを感じさせない生き方をしたいものだ。
 珍しい人が来たせいか、若い二人連れがきて蘭寶ャ史をまとめて4冊も買っていく。ほかにも携帯で仲間と連絡を取りながら、「万字」や「蘂蝶」さらに杭州寒蘭にまで手を広げて、売り上げをのばしてくれた。
 杭州はこれまで自分で密かに選んだもので当たったためしはないのだが、頼まれてお客様のために選んだものなら、当ってくれてもいいだろう。ぜひそう願いたい。


2003/10/29(水)
 快晴。気温も上って自動にしてある換気扇や扇風器がぐんぐんまわっている。寒蘭も急に笑い出した。
 この分だと来週後半には結構咲いてきそうだ。杭州寒蘭のように、ゆっくりゆっくり開いていた「華神」が満開になった。いい花だ。
 白石さん、早速カメラをもちだして撮り直し、、HPの表紙の写真をさしかえていた。
 メールで杭州寒蘭を注文してきた人に、候補の株の写真を送ったら、すぐに頂きますの返事が来る。こんなときPCはほんとに便利だ、と思う。。

2003/10/27(月)
 四つきたメールに返事をだしていたら、もう昼になっていた。メールの返事はその日のうちに出すことにしているのだが、この頃は時間がなくて一両日遅れることが多い。
 午後は久し振りに全部の蘭に水をやる日にぶつかって、こちらの方も終わったらだいぶ暗くなっていた。
 もっとも途中、「ひと坪園芸」の安藤社長が一年ぶりにやってきて、一時間ほど中断する。来訪の目的は広告とりだ。
 毎年三段半ページの杭州寒蘭の広告は付き合っているのだが、社長自らのお出ましということで、1頁分を押し付けられてしまった


2003/10/25(土)
 きのう杭州寒蘭の第二陣がつく。一回目より根の状態もよく、地にあったのが一目瞭然の株ばかり。
 こんどは花芽もしっかりしていて、花なしで値切るものがなく、がっちりとられてしまった。
 白石さんが「きょうのショット」で速報していたので、両Sさん初め何人かが午前中からやってくる。
 テーブル一杯に株をひろげて、時間をかけて選んでいく姿は、こちらも引きずり込まれてしまいそう。それぞれ癖があって、それを見るのも楽しかった。

2003/10/23(木)
 古木吹かし2年目で花がきた「秋水」がでる。三枚葉の先芽どまりに4花つけて、いい感じで咲きそう。
 昔に比べれば信じられないほどの安い値段で花付きが買えるのだから、いま寒蘭をやる人は幸せだ。
 展示会中といっても、花はほとんど咲いていないのだから、ヒマな時間を利用して、株分けや上砂の取替えをせっせとやる。
 ショックだったのは、杭州寒蘭の「洞庭湖」の花芽が虫にかじられていたこと。たぶんヨトウの仕業だろう。
 アカダニやアザミウマの被害は防げたと安心していたら、意外な伏兵にやられてしまった。


2003/10/21(火)
 明日から寒蘭展が始まるというのに、咲いているのが日向の青チャボと瑞鳳のたった2鉢だけ。あとはみんな蕾がかたい。
 実際はピンクの寿や早咲きの憲陽、白嶺なども咲いていて、格好はつくはずだったのだが、売れてしまっては仕方ない。
 豊雪、金鵄の蕾は色が出ないで青く、ピンク花のほうもいまひとつパッとしない。花なし色でずで、どうやらひどい展示会初日となりそうだ。
 ふてくされているわけにもいかないので、早く開きそうなのを引っ張り出してきてはみたが、どうにもさまにならない。
 なんとか見られるようになるのは、どうみても一週間から十日先のようだ。


2003/10/19(日)
 きのう成田のTさんがお客様コーナーに出している中国春蘭の第二陣をもってきてくれる。万字や素蝶、エン香などが入っている。
 鴨川の小柴さんが作った春、寒蘭用の焼締め鉢も4タイプの見本をもってきて飾ってくれる。大量には出来ないが、少しなら作ってくれるそうだ。
 お客様の評判はよく、出版社のSさんがすぐに一つ押さえていた。生産者のEさんは、値段が控えめの化粧鉢の方が早くできないかとご執心だった。
 きのうからきょうにかけて、花付きの杭州寒蘭がだいぶ出る。このぶんだと寒蘭展の前になくなってしまうかもしれない。
 もうだいぶ花芽が伸びてきているので、これからの中国からの仕入れはリスクが多すぎる。どうするか頭の痛いところだ。


2003/10/17(金)
 寒蘭展のDMが早いところは昨日着いているのだろう。開店早々からお客様がみえる。やはり杭州寒蘭がお目当ての人が多い。
 午後からは都立高校(旧制)の先輩がやってくる。グリーン花のよさそうなのとサラサ系を選べといわれて困ってしまう。
 わかるくらいならいいものは独り占めしてしまうのだが、残念なことに現在までの所、残り物に福がある、と思うことにしている。
 前日、あらかじめルーペのSさんに見立ててもらった鉢のなかから、自分で選んでもらった。うまく当ってくれればいいのだが・・
 4時半からは、白石さんに後を頼んで、三金会に出かけてしまう。


2003/10/15(水)
 統計上、水曜日というのは大体ヒマなのだが、今日は例外だった。開店早々Oさんがくる。
 きのうの定休日にも、留守中に見えたそうで、東洋蘭をせっせと集めている。最近きはじめた方で、それまでは菊ひとすじ。
 今でも有名な菊花連盟の会長を務めている。家のことは息子さんにすべてまかせて、楽隠居のご身分だ。
 どういう風の吹き回しか、香のある蘭ということで中国春蘭からはじまって、素心蘭、寒蘭など、せっせと集めている。
 Oさんが呼び水になって、昼過ぎまでお客様がたえず、寒蘭がいくつか出て嬉しい悲鳴をあげる。
 悲鳴といえば、4時過ぎの久し振りの地震にはあわてた。ちょうど鶴見のHさんが来ていたときだった。
 東京ははじめ震度3ということだったが、4といってもおかしくない揺れだった。幸い鉢などの倒れる被害はゼロだった。
 背の高い蘭鉢でも、欅窯の三橋さんにいわせると、震度4まではまず心配ないそうだ。


2003/10/13(月)
 三連休の最終日、こちらも定休日なので久し振りにのんびりする。変な日で日が差して蒸し暑いと思っていたら、2時過ぎに集中豪雨。
 二、三十分のものだったが、いたるところから水があふれ出るような降り方だった。
 そんな最中にMさんが「豊雪」が欲しいとやってくる。気の毒なほどずぶ濡れだった。忘れられない株となることだろう。


2003/10/11(土)
 「お客様コーナー」に出しているTさんの作品に刺激されたのか、きょうはNさんが寒蘭をだしてくれる。
 むかし自分が九州で山採りした思い出の株もはいっている。どれもしっかりと作られている。
 いい花を咲かせる、筋のいい「豊雪」も1鉢だしてくれた。花は3輪しかついていないが、だれが射止めることだろうか。
 ルーペのSさん、浜ちゃん、出版社のSさんと、杭州寒蘭にうるさい三人が偶然顔をあわせる。
 きのう中国から入れた本の杭州寒蘭をめぐって話がはずむ。三人とも中国と日本では評価の基準が違ってくれるので助かるということになった。
 山採り株もいいが選別株もこれからは入れるように頑張って欲しいと頼まれる。ただ最近は中国でも人気が出始めて高くなっているようだ。
 両Sさんはまたお目にかなった株を1鉢ずつ買っていった。


2003/10/9(木)
 午前中は心臓の定期健診で、店に戻ったのは1時ちょっと前。昼飯もそこそこに、気仙沼のUさんからの注文を取り揃える。
 杭州寒蘭花付きを5株送るのだが、変化をつけようとするとけっこう時間がかかる。条数も増えてしまったが電話して泣いてもらった。
 森永のKさんも立ち寄って、広葉系の花付きと花なしを押さえてゆく。杭州寒蘭は概して細葉系が多いので、広葉系を欲しがる人が多い。
 Yさんには青花の古木吹かしを格安でゆずる。昨年Yさんが入院しなければ買っていたかもしれない初花株だ。
 多分青花ではトップクラスに入る花になるだろうとみているのだが、ことしは花はお休み。ただいい新芽が出ているので楽しみだ。
 緑碧釉の寒蘭鉢をOさんが買う。三橋さんが昨年の展示会の時に作ったもので、きょうまで売れ残っていた。
 形といい色合いといい申し分ないので、すぐ嫁入り先が決まると思っていたのだが、縁というのはわからないものだ。


2003/10/7(火)
 中国から入れた杭州寒蘭、やっと整理が終わる。花付き株の植え込みも昨日でほぼ完了する。
 昨年までは植え込んで2〜3日すると花芽がおかしくなるケースが多かったが、ことしは心配なさそうだ。株痛みが少ない証拠だろう。
 久し振りにゆとりができたので、三軒茶屋に住む中学の友達の所まで歩いてみる。往復で2キロ強になるだろうか。
 途中左足のふくらはぎが痛くなってきたが、行きも帰りも立ち止まることなく歩き続けられた。足の“狭心症”少しはよくなったのか。

2003/10/5(日)
 前日につづいて杭州寒蘭目当てのお客様が朝からにぎわう。「下天竺山」にすっかり惚れこんでいる若い男の子、学校の先生のMさん、千葉のTさん、「白玉壺」のAさんも久し振りに顔を見せる。
 HPを見た名古屋のOさんも、花付き株をやりたいとメールをいれてくる。さっそく返信したりで落ち着く間がない。
 きょう載せた「今週の話題」で、杭州寒蘭を通販すると宣伝したので、これから地方からの注文もふえるだろう。
 新しい試みで「お客様コーナー」を設けることにする。お客様が丹精込めて増やしたものを、お客様がつけた値段で売ろうというもの。
 手始めに来週から成田のTさんが中国春蘭をだしてくれる。現品限りの値段だが、えっというような安い価格のものがある。
 この新企画、どんなことになっていくか楽しみだ。


2003/10/3(金)
 昨日の夕方、中国から杭州寒蘭が届いた。手荷物で持ってきてくれたので、痛みはほとんどなく、これまでで最高の状態。
 花芽も早いのは蕾の数がわかるところまで伸びているが、殆どは3pから8cmで、いいタイミングの入荷となった。
 すぐに消毒剤に活力剤を混ぜた液を作って、乾いた根にたっぷりすわせる。葉も丁寧に消毒してやる。
 値段はだいぶ上っていたが、選ぶことが出来たのでロスがなく、小売の方は殆ど値上げしなくてすみそうだ。
 店を閉めるまでに花芽付きの株を20鉢ほど植え込む。根は短いが痛みはない。


2003/10/1(水)
 鉢の展示会も終って、いよいよ寒蘭の月にはいる。なんとなくボルテージがあがってくる。
 うまい具合に中国から電話がはいって、杭州寒蘭が近く入りそうだ。仕入れ値が昨年の4倍といわれて諦めていたのだが、こんどのは高いことは高いが、小売の方はわずかのアップだけでお客様に提供できそうだ。
 もっとも中国のこと。実際に株をこの目で確かめないことには安心できないが、オール花芽付きで根もしっかりしているという。
 現金なもので、なんとなく気分がよくなると動きも積極的になる。お客様が少ないのをいいことに、寒蘭展のDMを早々と書き上げる。


2003/9/29(月)
 薩摩寒蘭の「北薩の誉」を取り寄せて欲しいと頼まれていたGさんが品物を受け取りに来る。花の色は今ひとつだがまずまずの株を渡せてほっとする。
 こんどは紀州の「朝露」の出物があったら世話して欲しいとたのまれる。地元のHさんならいい株をみつけてくれるかもしれない。
 二番花をあげた浙江省の秋蘭がGさんの目に留まって売れる。緑がきれいで、強烈な芳香をあげていたのと、小柴さんの鉢が付加価値を高めてくれた。
 自分でも悪くないと思っていたので、Gさんもお買い得だと惚れこんだのだろう。

2003/9/27(土)
 気楽な作業衣で浜ちゃんが遊びに来る。店の作場に預けている杭州寒蘭を見るのが大きなたのしみになっている。
 昨年まではアパートの一室で作っていて苦戦の連続だったが、ことしは環境がよくなったせいか、順調に花が来ている。
 きょうも来合わせた秘書稼業のSさんと、長いこと作場にしゃがみこんで調べていたが、新たに初花がきている株を三つ見つけてご機嫌だった。
 そのうちの一つは、中国寒蘭で買っていたものだったが、花芽を見る限り間違いなく杭州寒蘭。自分の目の確かさに 浜ちゃんがウハウハするのもうなづけた。
 これでいい花が咲いてくれればなおいいのだが・・


2003/9/25(木)
 予報では一日雨とあったが、殆ど降ることもなく気温も快適で、朝からせっせと植え替えをする。
 化粧鉢に入れていた「飛竜峰」は、花が来なかったので、思い切ってプラ鉢に植え替える。
 化粧鉢でも作落ちさせることは殆どなくなったが、楽鉢やプラ鉢とくらべるとどうしても効率が悪い。
 二株に増えたものなら、ひとつはいい鉢に入れて作っているのだが、一株しかないものは、体裁より実をとるしかないだろう。これまで中途半端になっていてどれだけ遅れをとったことか。
 日向寒蘭の「竜雪」にも花が来ていた。いままで作落ちすることはあっても、花をあげたことがなかったので、すっかりいい気分になる。


2003/9/23(火)
 少し寒いくらいの、さわやかな秋晴れに、朝から植え替えがはかどる。杭州寒蘭が入らないことも考えて、寄せ植えのものはばらしていく。
 12年に入れたものはそろそろ3年経つので植え替えたほうがいい。上砂を空けて残りの土が汚れている場合は、迷わず新しい砂で植え替えるが、そうでないときは水圧をかけて微塵を洗い流すのがこつ。
 こうすると根痛みはまず起こらない。上砂だけ替えてやるだけなので仕事が速い。
 「日向の誉」が株はいいのに、ことしも花が来ないとがっかりしていたら、古木ぶかし2年目の株に花がきていた。


2003/9/21(日)
 台風の影響で前日から雨が続く。そんな中を小柴さんの鉢目当てのEさんがやってくる。あれもこれもとなんと11鉢ももっていく。
 春蘭用、寒蘭用とはっきり区別して作陶すれば、欲しがる鉢がもっと増えることだろう。お客様も増えるはずだ。
 それにしてもガラクタ市の大きな目玉になった。使い古しのものでなく新品なので、ガラクタに入れていいのか問題だが・・
 欅窯の足も速い。展示して二日で手頃なものはあらかた行き先がきまる。えびね鉢は完売となった。三橋ファンの層の厚さを痛感する。


2003/9/19(金)
 待ちに待った三橋さんの展示即売用の鉢がとどく。途端に店内がぴりっと締まってくる。この感じは展示会のたびに味わう経験だ。
 いつもなにかしらの驚きがあってマンネリを感じさせない。そんな所に私も三橋ファンも惹きつけられてしまうのだろうか。
 7時過ぎ三金会(中学の同級生の月に一度の集まり)から戻って「朝昼晩」を打とうとしていたら横浜のHさんから電話が入る。
 白石さんが早々と「きょうのショット」で鉢が入った写真をのせていたので、遅れをとったかと問い合わせてきたものだ。
 「まだ誰のお手もついていない」と聞いて胸をなでおろし、明日は一番で来るからよろしくとのことだった。


2003/9/17(水)
 いつもより1時間早く店にでる。雑用の来客が午前中と午後にもあって、早いうちにえびねなどの水遣りをすませておくためだ。
 昨日、成田のTさんからメールが入って、例の鴨川の小柴さんの蘭鉢が、またもってこれそうだという。
 好評だったと聞いて気分をよくしたようで、焼きあがったばかりのものを入れて20鉢ほどだしてくれるらしい。
 Tさんが19日に訪ねていって、20日(土)の昼ごろにはこちらにもってきてくれるという。
 予定通りにいけば、週末はまたひとしきりにぎわうことだろう。


2003/9/15(月)
 誰かが東京砂漠といったが、そんな感じの毎日だ。とにかくよく乾く。といっても暑い盛りは水をやれないので慌しい。
 幸い敬老の日のきょう、お祝いを頂く年になっていると、目が覚めるのが早いので、時間はたっぷりとれる。
 日中は杭州寒蘭の植え替えに専念する。三年植えかえていないものは、概して根が傷んでいるものが多い。
 中国から入れた花未確認株は、3株寄せ植えにして作っているのだが、3株ともいいケースは少ない。
 強い株にエキスをとられてしまうのか、出来不出来が極端だ。といって一株植えにして鉢数を増やすのもはばかれる。
 心配した花上がりだが、名品の方は例年並でまずまずだが、花未確認株が成績が悪いようだ。


2003/9/13(土)
 よくしたもので、地球は8月の冷夏の帳尻をいま合わせている。麦茶がこんなに売れた日はない。
 そんな暑い盛りに千葉のTさんがくる。頼まれていた「紫香楽山」の古木ぶかしを引取るためだ。
 1条では心許かったので、2条で作っていたら両方から勢いのいい新芽が出てお買い得もいいところとなった。
 ルーペのSさんと出版社のSさんが同時にみえる。しばらく杭州寒蘭談義に花が咲く。
 ルーペのSさんは、作落ちしていつまでも大きくならない杭州寒蘭の根巻きに関心をみせて、三つほど買っていく。
 ことしは中国から品物が入らないかもしれないので、苦肉の策で作落ち株の根巻きを作ったのだが、思わぬ需要に驚いている。


2003/9/11(木)
 クーラーはかけているのだが、店の中は蒸し風呂のよう。おかげでことしは夏咲きえびねのカクチョウランさび病がでてくる。
 夕方はさすがに涼しくなるので、クーラーを消していたのがよくなかったようだ。油断大敵というやつだ。
 鴨川の小柴さんの鉢が残り2鉢だけになった。値段が安いとはいえ、30鉢の出品でこの成績は完売といっていい。
 ぶな窯と八起窯の出足がにぶっている。ぶな窯は昨年と比べて一段とスマートになっているので、もっと売れていいはず。
 これからは二つの窯の作品に力点をおいていこう。

2003/9/9(火)
 ここにきて残暑が厳しい。前立腺肥大と歯の治療と、病院を二つ掛け持ちして、戻ってきたのは4時過ぎ。
 どこもかしこもからからに乾いていたので、きょうやる予定の5寸の鉢とえびねにはたっぷりと水をやり、他のものにも満遍なくシリンジする。
 現金なもので、暑がってぐったりしていたのが、急に生き生きとしてきたようにみえる。
 月下美人の二番花が昨夜一つ咲き、残りの一つが今夜ひらく。6時半現在ほんのり口元が割れている。

2003/9/7(日)
 IBM関係のHさんがガラクタ市用に愛用の慈光窯の蘭鉢などもってきてくれる。やはり古鉢がでるとそれらしくなる。
 K大教授のSさん夫妻がみえる。杭州寒蘭の「侘助」が割れるようならぜひ欲しいと頼んだので、わざわざ株をもってきてくれた。
 割れるようならどうぞといわれたが、出来はいまいちで、先芽どまり1条割って双方が苦労するのなら、割らない方がいいと判断する。
 根もあまりよくなかったので、よく掃除して楽鉢に植え替える。来年には多分割れるような株になることだろう。
 夕方若いカップルが杭州寒蘭の青サラサなど買っていく。男のお父さんが佐賀で寒蘭を楽しんでいる関係で興味をもったらしい。
 動機はなんであれ、若い人が寒蘭をやるのは大歓迎。自分でもびっくりするほど説明に熱が入った。


2003/9/5(金)
 Eさんが息子さんと一緒にくる。追加された小柴さんの鉢を、こんどは息子さんが選んで、大量にもっていく。
 20鉢ほど追加した昨日もばたばたと売れて、あと残っているのは4鉢のみ。明日からどうしようと嬉しい悲鳴を上げる。
 湿度23%の秋晴れの風がまた、気分を爽快にしてくれる。そんなとき中国から杭州寒蘭のことで電話がはいる。
 相手はまだ強気でいるという。こちらも負けられない。こうなったら我慢比べだ。


2003/9/3(水)
 展示会の初日だが、残念なことに欅窯が間に合わない。最近は鉢数も少ないのだが、出品されているのといないのでは大違いだ。
 ただ、ことしはブナ窯がかんばってくれて、昨年とは一段と形もよくなり、色の出もスカッとしている。
 展示会には確実に顔をだしてくれるNさんが、黒辰砂と焼き締めの鉢を押さえる。横浜のHさんも残っていた焼き締め鉢を買ってくれる。
 わたしが一番気に入った小振りの白釉寒蘭鉢は、Hさんも気に入ったようで、大き目の同じ鉢があれば欲しいという。
 成田のTさんからメールがはいって、ガラクタ市に出す残りの鉢をあしたもってくるという。もう2鉢しか残っていないのでグッドタイミングだ。

2003/9/1(月)
 前の日に八起窯の鉢などが届いたので、3日からの展示会に備えてレイアウトをしていたら、Eさんが訪ねてくる。
 展示会の前にいい鉢があったら押さえようというわけだったが、欅窯もブナ窯もまだなので少々がっかり。
 それでもガラクタ市用に出た鴨川・小柴さんの鉢が目に留まって、値段の割には悪くないと評価していた。
 跡を継ぐ息子のために「そっくりもらってもいいのだけれど」と、ドッキリする事をいいながら、3鉢ほど抜け駆けする。
 小柴さんの鉢はあとからまだ20鉢ほど入るというので、これからのお客様の反応がたのしみだ。


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